【感想・ネタバレ】系統樹思考の世界 すべてはツリーとともにのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「哲学は、哲学者と呼ばれる一風変わった人々による深遠な学問的練習などではない。哲学は日々の文化的思想や行動の背後に潜んでいる仮定を考察するのである。われわれが自らの文化から学んだ世界観は、ちょっとした仮定に支配されている。そのことに気づいた人はほとんどいない。哲学者はこうした仮定を暴き出し、その正当性を検討することにある」(デイヴィッド・ザルツブルグ『統計学を拓いた異才たち』371頁)p210

【あとがき】p270
風のうわさによると「樹」はときどきものを言うそうだ―その声のささやきがあなたには聞こえるだろうか。:<From me flows what you call Time>。系統樹を通して、さまざまなオブジェクトが変化しつつ伝承され、子孫に受け継がれてきた。まさに「時間」そのものが系統樹から溢れでているに違いない。生物の進化も言語の系統も写本の系譜も遺伝子の系図も、すべては系統樹から湧き出る「時間」に従っているのだから。二千年以上もの長きにわたって自然をめぐる私たちの考えを縛ってきた「存在の大いなる連鎖」は、十八世紀になってようやく"時間化"されることにより、一方向直線的な進化の観念を生みだした。それと同じく、祖先子孫関係という由来のつながりによって階層的に構造化された系統樹もまた"時間化"されることにより、存在(パターン)から生成(プロセス)への遷移を遂げた。

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2014年03月30日

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