【感想・ネタバレ】視点をずらす思考術のレビュー

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Posted by ブクログ

久しぶりに、森達也さんの作品。
おもしろいけど、タイトルが平凡で、そこだけ少し残念。
やっぱりこのひとが感じてきた違和感を読んでいると、すごいひとやなぁと思いつつも一方で、全力で共感する自分がいて。
もっと、ものごとをゆっくり見つめる時間があれば、誰でもこういう違和感を抱くような気がする。わたしも、できるだけごまかさずに生きていきたいです。

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2014年10月13日

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自らKY、ずれている、という森達也氏。その資質が、オウム真理教を内側に入って追った『A』や、放送禁止歌やエスパーなどの一風変わった対象のドキュメンタリの作成につながってきたのではと解説する。その森さんのエッセイ集。

エッセイ集なので、対象を絞った、その中で悩み抜く森さん特有の魅力はこの本にはない。もしくは薄い。

この本の中でも死刑制度や、天皇制に対するメディアの自粛(に代表されるメディアの変質)などへの言及は、すでにどこかで聞いた既視感があるが、きれがある。きれとは、ずれだ。

メディア批判も相変わらず。ここが著者の設定するプロブレマティックの中心にあるからだ。メディアが持つ力に対して、権力ではなく権力性だと主張する。権力とは認めない、と。なぜならメディアは自らの力に無自覚であるからだと。そして、これが大事なのだが、「権力を権力たらしめるのは自覚だ。メディアにはそれがない。だからこそ無軌道になる」と指摘する。いっそのことメディアが権力であればまだしもよかったということも多いのかもしれない。

面白くないわけではないが、森さんの著作を読むのであれば、『A』シリーズや『エスパー』シリーズ、『死刑』に関連するシリーズなど、もう少し骨のあるものをお薦めしたい。もう読んだのであれば、これも。

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2015年06月07日

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二項対立を疑い、グラデーションで考え抜く。その森さんの姿勢がすごく好き。2008年発刊だけど、今の時勢にも共通して言えること多し。

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2013年08月15日

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メディアのオウム事件以降の機能停止により、群れる羊度が高い日本人は危険な戦前と変わらない体制と同じ状態にある。戦争は高揚した危機管理意識からしか生まれない。すなわち仮想敵を作らなければ安心できず、自衛を理由に戦争を仕掛ける。優しさや善意が自衛の意識と融合しながら暴走する。メディアはそれを止めるのではなく、加速させる。厳罰化、監視社会は、メディアと権力の親和性の結果。
裸の王様は周りが普通ではなかった。
メディアの思い上がりはこれまでの自分の考えと全く同感。戦争に対する考え、現代社会が気付かないうちに危険な方向に暴走する考えは新鮮、かつ説得力がある。

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2012年08月17日

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ネタバレ

≪目次≫
第1章  社会の多数派からずれる
  知っているのに知らない死刑
  痴漢と逮捕、どちらが情けない?
  メディアは危機を煽る
  定年をむかえる憲法
  裏日本は「心の日本」
第2章  国家を懐疑するまなざし
  「愛国心」に自由を
  天皇崩御の日を忘れない
  なぜ今上天皇は「君が代」を歌わないのか
  「憲法前文」は正しいのか、間違えているのか
第3章  多面的矛盾に満ちた「現代の不安」
  ビンラディンへの手紙
  ビンラディンへの手紙を書いた経緯と理由
  ブッシュの示す「凶暴な優しさ」と正義
  禁煙への自由
  親鸞の残した「わからない」の教え
第4章  あえてメディアをずらして見る
  繰り返される六十余年前の「翼賛報道」体制
  メディアと権力の親和性
  オウム真理教撮影と禅寺の日々
第5章  脱線をおそれないアウトサイダーたち
  魚住昭  激しくて優しい業の人
  森巣博  「戦争はどうやったらなくなるのか」
  笠原和夫 「仁義なき戦い」十七歳、初恋の人と観たかった映画
  PANTA  過激な「伝説」の歌手
第6章  日々の暮らしのなかのモノの見方
  結論を先延ばしにしたっていいじゃないか
  読書をする時間を
  もうダメ。みなさんさようなら

≪内容≫
さまざまなメディアに書いた文章をまとめたものなので、まとまりは欠くが、論旨は一貫している。メディアの前に「思考停止」することなく、「自分の頭で考えよう」ということ。その結果、タイトルの「視点をずらす」ということになるのだ。この「自分の頭で考える」ことはとても大事で、その結果、世の趨勢と乖離してしまっても、「KY」でいいじゃないか…(著者の言い方)。

意識はしているのだが、日々の報道に一喜一憂している自分が哀しい。

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2012年03月26日

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出版されたときに購入して、読んだと思ったら読んでなかったこの本。雑誌とかに掲載されたものを加筆修正して本にまとめた形なのでさらっと読める。だから通勤・通学電車とか、そういう時間に読むのに丁度良いかもしれない。森さんの主張に頷く頷かないに関係なく、ふと考えるきっかけや材料にきっとなると思う。

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2011年01月13日

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タイトルは思考術だが社会評論。著者はオウム真理教をとりあげた自主制作映画「A」「A2」を監督。
マスメディアには権力性がありしかも自覚がない。メディアの報道は1次元的な見方である。視点をずらそう。

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2019年05月05日

Posted by ブクログ

とりあえず筆者の熱い思いは伝わってくる
視点をずらすにはさまざまな視点を知る必要があると思うが、その一助とはなるかもしれない本

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2009年10月04日

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これまでのエッセイをまとめたもので、「思考術」と銘打っているがハウツーものの類ではない。立ち位置が異なれば世界の見え方が異なるという、当たり前だが忘れがちなことを自分の言葉で綴っている。読んでいて面白いとは思えるけれど、森さんの立ち位置に立てる人はそう多くはないと思えるけどなぁ、と隔たりを感じさせるものでもある。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

本書は、物・事の見方を変える方法論だったり、思考方法だったりを期待して
読み始めると、ちょっと期待はずれになる場合があります。内容は、そうなんですが
科学的、学術的な感じではなく、筆者自身の経験を元に、さらに、短編集のような
感じなので、エッセイを読んでいる感じに似ています。その中で、視点をずらす方
仕方を学び取るって感じですね。

内容は、上記にも記載しましたが短編集の形態をとっていますので、一貫性を
述べる事は難しいと感じていますが、それでも、ベースとなっているのは、
オウム真理教問題を発端にした、メディア批判でしょう。つまり、視点をずらす
という事の最初の階段は、メディアを信用しない事。これに尽きます。

そして、本書で学んだポイントは、

1.メディアは前提として、フィクションである事
2.メディアは多面的な世界や現象への一つの視点に過ぎない事
3.わからない事の大切さ

の三点ですね。これは至極当然事なので、学んだと言うよりも、再度学んだという言い方が
合っている気がします。なにが真実で、なにが現実なのか。なかなか、それさえも
探し出すは難しいですからね。

また、本書を通じて、「自分の弱い部分を再認識させられる」のが、結構苦痛であり、
新鮮さを感じました。視点をずらすという事は、筆者の言葉を借りれば、「AKY」
つまり、あえて空気を読まない事。まぁ、それが論理的に考えれば普通な事という状況が
多いですが、なかなか実行するのは難しい・・・・そう考えてしまう自分の弱さ。

自分を省みるちょっとした良い時間になりました。本書において、
正しい事を正しくできない非力さを再認識した事が、一番学んだ事かもしれません。

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2009年10月07日

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 テレビ・新聞等、特に大手メディアは物事の一面に光を当てているに過ぎない。ということは多少賢い人間なら誰でも了解する事実だろう。しかし、世の中にはそれが絶対正しいと思っている頭の固い人が想像上に多いようだ。正しい正しくないという2元論がよくないとはいわないが、(そもそも、いい悪いというのも2元論だ)その方法だと、とんでもなく間違った方向にみんなで突っ走ってしまう可能性がある。それは過去の歴史を鑑みれば、火を見るより明らかだ。(明らかに誰が考えても了解できるような場合を除いて)それより、70%正しそうだとか、これは保留しておこうといった態度を取っておいたほうが懸命だろうと個人的には思う。視点をずらすというのは、テレビばかり見てると不可能だろう。読書を通してこそ、参照項が増えているために、複眼的な思考ができるようになるのだ。

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2011年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

体験談、実例には面白いものがあるが、何か読者を説得しようとした時に結論ありきになるので上滑りしている。
力を抜いてますよ、と主張している姿に力が入っている、とでも言おうか。

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2011年09月10日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
空気を読むのをやめてみないか!
メディアの常識に従わずに世界を見つめる試み。

[ 目次 ]
第1章 社会の多数派からずれる
第2章 国家を懐疑するまなざし
第3章 多面的矛盾に満ちた「現代の不安」
第4章 あえてメディアをずらして見る
第5章 脱線をおそれないアウトサイダーたち
第6章 日々の暮らしのなかのモノの見方

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年11月20日

Posted by ブクログ

僕のリスペクトする森さんの作品です。
取り立てて目新しいことは書いてないけど、だからこそ森達也、鈍い僕には勇気が湧きます。

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2010年07月23日

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一番最初の「日本の死刑はどの方法で執行されますか?」とかの部分
はすごいよかったけど…あとは、どうなんだろう。


個人的には、新書で出されると昨今の「新書ブーム」にのっているみたいに思えてしょうがないから、文庫とか他の形態で出してほしかったなぁ。

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2009年11月01日

Posted by ブクログ

新書の類って、ほんとに内容的には薄い。でも時々こういうのを箸休めで読みたくなる。論旨は毎回の如くの森さん節。それにしても映画「靖国」を巡るいろいろな動きを見ていると、この国には見えない言論統制があるよなぁ、と思わざるをえない。何でいろんな考えを許容できないんだろうか、みんな。ああゆう考えもあって、こうゆう考えもあって、その中で自分の考えはどうである、というものを根っこの張った形で、揺らぎのないものとして、築いていくほうがずっとずっと健全であると思うんだけども。選ぶこと、考えることはこちらの自由。さてさて、いらっしゃい。という大っぴらな門戸にしてから文化がどうのとか言えよな、と思う。きっと、文化を消費して消費して、日本はこの先、駄目になっていく、このままじゃ。(08/4/12)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

視点をずらす思考術というよりは、アウトサイダーはメディアに黙殺されると言う事に重点を置かれているように感じた。タイトルのようなHowto本ではない。森達也が今まで色んなところで書いてきた記事のアンソロジー。

印象に残ったのは愛国心の件。愛国心ってなんだかあやふやで、現在のように国から強制されるのに対して反発心も感じているが、どこか大切なところもあるんじゃないかと曖昧な矛盾を抱えモヤモヤした感じに思っていた。

でも、そのモヤモヤが晴れた。大切なところもあるのではと思っていた部分は、生まれた郷土や人々に対して大切にしたいと思う心。これを愛国心とは呼ばず、愛郷心と言うらしい。愛国心と愛郷心は違う。
愛国心は比較的新しく、抽象的。対象物が分からないのに闇雲に愛せって何を目的にして言っているのか。その必要性も分からない。国家斉唱しない教師を逮捕する意味も分からない。(ちなみに今上天皇は国家斉唱しないらしい。知らなかった…)

この本を読んでいると多角的に視点を持つ、もしくは視点をずらすことの必要性を感じる。メディアリテラシーの必要性を著者は説き、批判的にメディアを見ている。批判的にメディアを見ている人の言う事は信用出来そうだと感じるけど、それすらも危ういのかもしれないと思ってしまう。メディアって難しい…

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

森さんの考えを、分かりやすくコンパクトにまとめた入門書だと考えればいいのでは。次は『死刑』をよもう。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

森達也さんの作品。空気を読むのをやめてみないか?という出だしから新たなパースペクトを与えてくれる本。視点をずらすてものごとを観察することの大切さがわかります。

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2009年10月04日

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