【感想・ネタバレ】福島原発事故はなぜ起こったか 政府事故調核心解説のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 普段はこの手の本は読まないんだけど,やはり避けては通れないか,と.何が起こったか,を偏ることなく判りやすく解説してくれており,当時,新聞を毎朝読みながら,でも頭の中では全く整理のつけられなかった事故の進展が,よく理解できた.
 第6章「福島事故の教訓をどう生かすか」については,著者らの私見によるところが大きいものの,除染や原発再稼働の問題も含めて極めて真っ当な内容である.
 当時,菅首相の行動については世間では批判一辺倒だったのに対し,何故そこまで叩かれるのか,自分は理解できなかった.確かに最近の彼の行動を見ていると,そうなる原因を彼自身が作っているような気はするのだが,少なくとも事故対応については本書にもあるとおり,そんなにひどくはなかったのだろう.
 何かがうまくいく,ということは,すべて綱渡り的であるんだろうな.事故や失敗は防げないので安全,安心はあり得ない状態で,危険から目を背けず,危険を危険として認めるところから始めなければならない,というのは全く正しいが,なかなか出来ないことだな.

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2014年08月03日

Posted by ブクログ

東北地方太平洋沖地震による福島原発事故に係る政府事故調査委員会の報告書の核心部分を解説した著書である。
福島原発事故から得られた教訓は、原発事故の防止のみならず、あらゆる事故の防止、組織の危機管理に活かすことのできるものである。特に、「委員長所感」として記された以下の7項目は様々な分野に応用できる内容であると思われる。
①あり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる。
②見たくないものは見えない。見たいものが見える。
③可能な限りの想定と十分な準備をする。
④形を作っただけでは機能しない。仕組みは作れるが、目的は共有されない。
⑤全ては変わるのであり、変化に柔軟に対応する。
⑥危険の存在を認め、危険に正対して議論できる文化を作る。
⑦自分の目で見て自分の頭で考え、判断・行動することが重要であることを認識し、そのような能力を涵養することが重要である。

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2016年02月21日

Posted by ブクログ

(1)あり得ることは起こる。あり得ないことと思うことも起こる
(2)見たくないものは見えない。見たいものが見える。
(3)可能な限りの想定と十分な準備をする
(4)形を作っただけでは機能しない。仕組みは作れるが、目的は共有されない。
(5)全ては変わるのであり、変化に柔軟に対応する。
(6)危険の存在を認め、危険に正対して議論できる文化を作る。
(7)自分の目で見て自分の頭で考え、判断・行動することが重要であることを認識し、そのような能力を涵養することが重要である。

大きな事故というのは小さな失敗の積み重ねで起こるものだと感じた。
小さな失敗を防ぐには十分な対策や思考・見直しが必要なんだけれども、後から考えるとどれも小さなことに思えてしまうのが怖いところ。電源喪失に備えてバッテリーを常備しとけば冷却が継続できたとか、なぜ事前に思いつき準備できなかったのかというのは、思いつくには何か思考の「ジャンプ」みたいのが必要なのかなぁと。

ここまで事故が大きくなった原因のひとつに重大事故に対して日本の組織が(事故前も事故後も)対応できていないのではと。

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2013年12月02日

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