【感想・ネタバレ】新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺のレビュー

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ネタバレ

明治はまだ人の寿命が短く(とはいえ兵役や戦災で死ぬことはまれで)生と死が近かった時代。山道に馬の屍体があり「これの皮が欲しいが、取ると狼が付け狙って殺されることになるだろう」と伯父が言うなど狼·熊、化かす狐が身近。殺人の祟りで児が皆ある年限で死ぬといった怨念話も。活字で読んだら怖いが、聞き取り調査で読み書きできない語り手から採取する時は普通の話題(当時録音は困難)。文語記述が簡潔で内容にマッチし、グリム童話や、著者の指摘・対比する今昔物語と訣別して「これは現代の話である」と序文で断定される。民話や民謡は作ろうとして作れるものでなく、個人でない集団の無意識が自ずと形をなしていくのかも知れない

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2023年10月22日

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それぞれの逸話が独立している上に数が物凄いので、暇つぶしにめちゃくちゃいい〜〜…と思ってたら
予想以上に一個一個面白くて時間溶けました

もっとはよ読めばよかった

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2022年05月01日

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昨秋、花巻と合わせて遠野をようやく訪れることができた。
そこから少し経ってしまったけど、柳田の『遠野物語』を再読。

自分が見た遠野が、どれだけ柳田・佐々木の生きた時代の遠野と変わっていないのか、あるいは変わったのか。

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2018年07月08日

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ほんの100年ほど前の出来事や習俗は、きれいさっぱりどう消えちゃったんだろう。ホントはまだすぐそばに人ならぬものは存在してるんじゃないか…と考えたくなる一冊でした。遠野まで行かなくても、身近な祠から親しみたいけど、不審者に見られそうでもじもじ。

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2018年02月28日

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実際に読んでみると、座敷わらしや天狗を紹介しただけの本ではなくて、かの地で伝えられているお話をくまなく聴いて記したものでした。

「迷信でしょ。」
と、おそらく当時も避けて通るところを、聴いたそのまま記したのが「遠野物語」でありそのまま記すところに価値があるのだ、と、理解しました。

また、この本が端緒となり、民俗学が成立したこともうなずくことができました。

端的に感じたのは「昔の人」に分類された第八段の冒頭です。
「黄昏に女や子供の家の外に出てゐる者はよく神隠しにあふことは他の国々と同じ。」
これを読むと「神隠し」と郷の人が言っているのは誘拐のことだと理解出来ます。
しかしながら、犯罪として捜査するのではなく「神隠し」として対処、諦めていたのだと解ります。
プロの誘拐魔が女や子供をさらっていくのですから、
おそらくは郷の人が捜査しても太刀打ちできるものではなく、ならば「神隠し」として諦めるのが生活の知恵だったのかな。と推測しました。

他には、河童が他で語られるのと、遠野郷とのでは少し違うことを記した五九段も面白かったです。

面白かったと言えば、特に面白かったのは、
里の神「カクラサマ」に分類されている七〇段と
遠野物語拾遺「子供神」五一~五六です。
子供がご神体をおもちゃにするお話です。
五一を抜粋します。
「近所の子供らが持ち出して、前阪で投げ転ばしたり、また橇にして乗ったりして遊んでいたのを、別当殿が出て行ってとがめると、すぐその晩から別当殿が病んだ。巫女に聞いてみたところが、せっかく観音様が子供らと面白く遊んでいたのを、お節介をしたのがお気にさわった」
他のお話でも、叱った大人が逆に病気になったりけがをしたり、神様の罰が当たります。
さすがに、現代の子供はこんなことはしないと思いますが、
たとえ、子供が祠から木造のご神体を持ち出し、水たまりに放り込んで「戦艦だ!突撃だ!」と乗って漕いで、遊んでいても、遠野郷では叱ってはならないのでしょう。

その他、
盛岡市に旅行すると「前九年」と電信柱に町名が書いてあるのを見つけて「へぇ」と思ったのですが、
前九年や後三年の戦いから地名の由来を語る段(例えば遠野物語拾遺の七。現在の遠野市小友町での八幡太郎と安倍貞任の矢の射合い)
も、その土地で語られている歴史に思い馳せました。

また、
蛇を殺してはならない
などのいましめ。

山で迷って古民家を見つけたらそこにあるモノは神様からの贈り物だ
などの言い伝え

拾遺の最後は年中行事を
「他とおおよそ同じ」
としながらも、農閑期の家にこもりがちな時期に行事が多く配置しているのが
興味深い、
と感じられる内容でした。

やはり、こういう本は、一度おおもとを読むと良いな。読んで良かったな。と思いました。

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2018年02月14日

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今、インスピレーションがピピッと来て、荒俣 宏の「帝都物語」という題名は、この「遠野物語」からきているのではないかと気づきました。
違うかな?

「遠野物語」を読むのは、2回目です。
NHKで、「100分で名著」という番組があって、これが最近のお気に入りなんですが、それで取り上げられているのを見て、また読みたくなったのです。

言葉的には、若干読みにくいのですが、読むたびにいろいろ想像が膨らみます。
こういう話が伝わっていくシステムがどんどん失われていくのは、とても悲しいことだと思います。

でも、今のネットの広がりは、「お話」がテキストとして半永久的に残っていくので、もしかしたら、ぼくらは、新しい「遠野物語」的な世界を獲得していけるのかもとも思います。

拾遺集は、今回はじめて読みましたが、褌を盗む話とか、今のマンガにもありそうなホラっぽい話が楽しかったです。

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2017年12月27日

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日本独特の昔からある怪談話にそそられて読んだ。
地理的な背景も詳しく説明されているため情景を想像し易い。
民俗性を重視しすぎているからか、ラフカディオハーンの怪談のより淡々としている気がした。
個人的には上田秋成の雨月物語やラフカディオハーンの怪談の方が好き。

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2016年06月18日

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内容はとても面白かったです。何回でも読み返したい本。遠野物語が読みにくい人は、拾遺から読んでもいいかと思います。遠野の地理の位置関係が分かり辛く、一生懸命調べたのですが、読み終わってから地図がついてることに気づきました…。これから読む人は是非活用してください。

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2015年06月04日

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・遠野の人々は、動物も人間のような感情を持つ畏敬すべき存在、だと考えていました。

雌狼が子供を殺され復習にやってきた時、素手で応じる猟師の話があります。
子供への愛情から襲ってくる狼に対し、武器を持って戦うのは卑怯だと考えて、猟師は自分のワッポロを脱いで腕に巻き狼と対峙しました。その後、狼も猟師も深い傷を負ってまもなく死んでしまいます。
文明の利器である鉄砲で野生動物と向き合うのは、ある意味では卑怯で、
狼も人間も野生動物で、只の動物だとなった時には、素手と素手で戦うのが、最も敬虔な勝負というふうになるのだろうと思いました。
一方で、猟師であるならばより効率よく狩ればよく、鉄砲を使わず命まで落としてしまうのはナンセンスだと考える人もいると思います。

けれどもこれは現代人にとっては最も見えにくい(理解しがたい)、「狩猟民の精神」が垣間見えます。文明の利器によって人間はある程度、自然に勝ち、その効率の良さに甘んじてしまいがちですが、たとえば自然の猛威に触れ自然にはまるで敵わないことを思い知った時、人々のこれまでの生き方、在り方さえを問われると思うのです。
その時、「遠野物語」は非常に大きい意味のあるものだといえて、人間が人間だけしかいないというそういう世界ではなくて、動物とも自然界ともバランスを取りながら慎ましく生きていく、現代の中では無意味に思われがちな事でも全体として大きく見据えたとき、遠野の人々の考えから学ぶことは一杯あるのだということを知りました。

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2014年07月02日

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日本民俗学の父と呼ばれる柳田國男先生。
岩手県遠野の民間伝承を採集して
まとめられた「遠野物語」。

日本の原風景を牧歌的に語るのではなく、
昔話のように教訓を含んだもの、
風習や伝説とともに、とりとめのない
世間話のようなものも含まれているのも
口承たるリアルさで面白い。

目に見えない世界が信じられ
怪異が不思議としてではなく、
人々の生活と地続きだった古き時代。

自然への畏敬の念、人々の暮らし。
時に閉塞感があり、時に温かみをもって
周囲と繋がり、年中行事で四季を感じ、
目に見えないものを想う心の豊かさ。

現代に語り継がれた物語などの原点も
たくさん含まれていて感慨深く面白かった。

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2014年06月13日

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一応大学で民俗学を学んでいたので、絶対に一度は読まなくてはと思いつつ、文体を敬遠していました。
妖怪話ばかりかと思っていましたが、遠野に住む人々の生活を書かれているので、全部が妖怪話ではありませんでした。
また同じようなお話もまとめるのではなく、それぞれ書かれているのが、グリム童話初版に通じるものがあるなと思いました。

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2014年04月11日

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簡潔でありながら、臨場感あふれる名文。遠野の世界にすぐに入り込める。
後半、現代文になると読みやすくなるが、前半の古い文体も非常に魅力的で、どっちも読めるのはありがたいなと思う。
でもほんと怖いな…夜一人で読んでたりすると、電気を無駄につけたくなる^^;

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2014年03月30日

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「拾遺」エピソード174がサイコーだ(オチは恐ろしいけど)。
根岸鎮衛『耳嚢』の「残念なり」みたいで( ̄m ̄* )。
それにしても巻末の著者年譜に圧倒されます。
なんという充実した人生だろうかと。

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2012年07月31日

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常野物語「光の帝国」を読み、なるほど元ネタ遠野物語なんだ、タイトル聞いた事あるなァと思ったのがひとつ。
次読んだ本が「始まりの木」で、民俗学の祖柳田國男と遠野物語が物語のキーになっていたのがふたつ。
ここまで連続して登場されると気になるというもの。ご縁を感じて読んでみました。

東北のとある地遠野にてその地に住む人々が体験した話を、柳田國男がまとめあげた物語。
日本に伝わる民話の大元、というのが体感だった。自然に対する敬意だったり、人としての礼儀だったり。
今よりよほど、生活に対する感謝があったんだなぁ。
いつからかなんて分からないけど、近代化の波に呑まれて、だんだんなくなってしまっていただろうと感じる。
この物語が今読めることに感謝。

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2024年04月15日

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 河童、座敷わらし、マヨイガ、隠れ里といった他の作品でもよく使われるモチーフを始め、遠野における妖怪や狐、熊や犬、文化や風習に関する話を集めた説話集。言わずと知れた日本の民俗学の萌芽になった本だが、柳田国男の素朴な文章と相まって説話の一つ一つが短編の話を読んでいるように思えた。
 同じ文庫内に収録されている遠野物語拾遺の中にあったオシラサマに関しての比較や由来などの考察がとても興味深かった。私は正直なところ、そこまで響くものは多くなかったが、今でも音楽や物語で使われるモチーフが多く登場する後世への影響力や話の一つ一つに誰が話したかがきちんと記録されていたといった研究として緻密に行われたことなど、読んでいて感心することが多かった。解説にも三人の文豪の異なった批評が載せられていたりと、人により感じ方が違うのも、とても面白かった。
 田山花袋は「其の物語についてに就いては、更に心を動かさないが、其物語の背景を塗るのに、飽まで実際を以てした処を面白いとも意味深いとも思つた。」と評し、島崎藤村は「不思議な、しかも活きた眼の前の物語に対すると、ルウラウ・ライフの中に混じて見出される驚異と恐怖とを幽かに知ることが出来るやうな気がする。民族発達の研究的興味から著わされるものであるとしても、猶私は斯の冊子の中に遠い遠い野の声といふやうなものを聞くやうな思ひがする。」と評し、泉鏡花は「此の書は陸中国上閉伊郡に遠野郷とて山深き幽僻地の伝説異聞怪談を土地の人の談話したるを氏が筆にて活かし描けるなり。(中略)又此の物語を読みつゝ感ずる処は其の奇と、ものの妖なるのみにあらず、其の土地の光景、風俗、草木の色などを不言の間に得る事なり」と評した。私の抱いた感想は田山花袋に近いと思う。

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2022年08月13日

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20年近くに前に友人からもらった本。
(私があげた、ルナールの博物誌のお礼に、と言っていた気がする)
少し読んで、へえ、と思い、そのまま時間が経ってしまった。
今回、ふと思い立って再チャレンジ。
年末から少しずつ読んでいたので、3ヶ月くらい掛かったかもしれない。
一編ごとに、ごく短い文で簡潔に纏められている。

昭和初期のものだから、内容はおもに、明治大正、まれに江戸の話もある。
伝わる風習、動物の不思議なエピソード、寺社仏閣、霊体験、身分制度、山にあるもの、人間など、あらゆる物語が記録されている。

本書には、遠野物語および、遠野物語拾遺が収録されている。
内容にも驚くべきことが多いが、何より、その分量に圧倒された。
その昔、みんなが口々に伝え合ってきたことを、佐々木氏を通して、「書き留める」ことは非常に重要だったんだなあとわかる。
すごい仕事量だ。

作者の経歴をみると、80代になってもなお、精力的に講演や執筆、後進の育成、と活動を続けているので恐れ入る。
この時代の80代なんて、今の100歳くらいの感覚では?

読んでいて気に入ったのは、天狗と仲良くなる話、子供や祭りが好きで賑やかな場面には乱入したがる仏像の話など。
あとは拾遺の最後のほうのエピソードで、兵役や旅行で遠くにいった家族の動向を占う術があったことも、電話もテレビもない時代の情を思って身に沁みた。

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2022年03月23日

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久々に読みなおしたくなったので、角川ソフィア文庫から出ている遠野物語の文庫本を購入しました。
索引や年譜、解説、遠野郷略図も揃っているので、手元に置いておき手軽に読めつつも、しっかりとした遠野物語の資料価値もある気がします。
装丁が綺麗なのも良い。

遠野物語自体には口語訳がないので、これぐらいの時代の文体を一切読んでないと、ちょっとだけ難しいのかもしれないなぁとは思いました。

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2020年07月02日

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なんぞRace系の本州土人を捜索せんとする柳田大先生の何はいいとしてだ。
 「願はくは、これを語りて平地人を戦慄せしめよ」
とかもかっこいいとしてだ。
 東北のなんぞの化かし(Bewitchment!!)に、ネコミミウサミミおんにゃのこがあるのはなんといふか。しかもコンボで兄さんを襲ふ。

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2018年04月10日

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ネタバレ

遠野に伝わる古来からの風俗や伝説、奇譚などを集めた本。読み辛かったが内容はとても面白かった。これ一冊紐解けば、怪談話や不思議な話がいくらでも書けそうだ。

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2017年02月08日

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この「遠野物語」は日本民俗学、開眼の書である。
岩手県遠野出身の小説家・民話蒐集家の佐々木鏡石が語った民話を、柳田國男が筆記、編纂した。

題目を見ると、山男・山女・河童・天狗・神女・姥神・仙人。家の神だと(オクナイサマ・オシラサマ・ザシキワラシ)等々。
妖怪や怪談、伝説、村の行事と多岐である。
々木鏡石が代々、土地で伝えられている話を直接聞いたり、中には近親者や友人の話、自身の体験とリアリティー溢れている。

書店で購入した時には気付かなかったが、"遠野郷本書関係略図"なる地図が付いていた。

地図で場所をチェックしてみると、実際この目で確かめてみたくなる。
私は土淵村辺りを散策したい。

しばらく東北地方は御無沙汰しているので、弾丸ツアーでもいいから遠野郷を体感してみたい!

できたら、白水温泉に入る余裕もあったらいいけど...。

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2015年03月18日

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【本の内容】
かつての岩手県遠野は、山にかこまれた隔絶の小天地で、民間伝承の宝庫だった。

柳田国男は、遠野郷に古くより伝えられる習俗や伝説、怪異譚を丹念にまとめた。

その幅広い調査は自然誌、生活誌でもあり、失われた昔の生活ぶりを今に伝える貴重な記録である。

日本民俗学を開眼させることになった「遠野物語」は、独特の文体で記録され、優れた文学作品ともなっている。

[ 目次 ]


[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年08月23日

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おしらさま、座敷わらし、さむとの婆・・・大好きな遠野。曲がりやの主人の囲炉裏を囲んだ夏がよみがえります。学生時代、何回も遠野を訪れ、物話の場所をひとつひとつたずねました。やさしい暖かい方言・・。柳田さんの、この本は民俗学だけでなく、不思議な世界や、自然への畏敬がぎっしりつまっています。いつ読んでも、どのページをみても、感慨深い!日本の良さがここにあります。

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2014年12月11日

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日本民俗学の嚆矢とも言える作品とのことで、敷居の高さを感じて、今まで手が出せませんでしたが、案外すんなりと読めました。
岩手県遠野地方の怪異譚、伝説、生活誌など今に伝えています。
読んでいると、今は昔の日本の農村風景が目に浮かぶようです。

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2013年07月22日

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数行から、一ページぐらいの短い分量の、遠野の村人から聞いた話をたくさん集めた、民話集。
使われている言葉は少し昔のものであるにもかかわらず、リズムが良いためか、あまり違和感なく、すんなりと意味が伝わってくる。文体としても美しく、味のある、いい文章なのだと思う。
似た話しがまとめられて、続けて語られるので、これだけ狭い地域の中でも、同じような不思議体験をしている人がたくさんいるということが、リアリティーを感じさせる。
結構怖い話しも多いのだけれど、語り口が淡々としているので、いかにもそれが当たり前のような感じになり、読んでいると、不思議とあまり怖さを感じない。
やっていることは、人に会って、その体験談を聞き書きするという、ごく単純なことなのだけれど、最初にそれを大々的におこなった柳田国男の功績は、この「遠野物語」を読んだ人たちに、自分たちにも同じようなことが出来るのではないかと思わせ、やがては民俗学という学問領域が作り出されるにまで至ったことだろう。
今の日本には、この舞台になっている遠野のような、文明化されていない森深い村というのは無くなってしまっただろう。柳田国男が訪れた時代の遠野の生活というのが実際にどういうものだったのか、とても興味を持った。

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2020年07月15日

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青空文庫8月8日公開分。
高校の読書感想文で読んで以来の再読。
ほぼ初読か。
末尾の歌謡が全く記憶にないのは新版の追加分だからか単に記憶の衰え故か。
高校当時とても読みたかったのは確かだが、読書感想文には不向きな内容で執筆に難儀したのを憶えている。
オシラサマにオクナイサマ、ザシキワラシにマヨヒガに河童に猿の経立(ふったち)……名の羅列だけでテンション上がるのが凄い!
民俗学の古典的名著たる本書に関しては、読みにくさを解消する新仮名でなく歴史的仮名遣いが正解。
読感にはオススメできませんが。
コレデドンドハレ。

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2023年10月22日

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慣れなくて、読むのに時間がかかったが話が色々入ってた面白かった。
人は呆気なく死んでしまうのねと感じる。

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2021年06月26日

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ネタバレ

無駄なことを挟まず淡々と語られる。伝承があるような地域に縁がなく、このような話にはとても惹かれた。大体は意味もなく人の力ではどうすることもできないようなことばかりで、だからこそ人々は恐れたし言い伝えられてきたんだろうと思う。

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2019年01月09日

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遠野地方を旅行するにあたり、遠野の歴史を知りたいと思ったのが、読み始めたきっかけです。

実際、姥捨て山の話を読んだ後に、姥捨て山のデンデラ野を訪れると、風景が鮮明になりましたし、河童のはなしも、カッパ淵を訪れると、本当にあった話に思えます。馬と女が、恋をして悲劇的な結果に終わった話には、自由にならない時代の哀しみを見てとれました。
この時代の自然への恐れや、信仰も読み取れます。
凄い、本です。

純文学、難しいですが、やはり、国の歴史や風土、人の悲哀を感じるには、外せません。

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2014年06月15日

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いろいろな「遠野物語」が出てますが、表紙がきれいだったのと「拾遺」が収録されているのでこれを購入  
山の神様や家の神様、野辺の狐狸や狼、猿などなど  

神さまや仏様が田植えをしてくれたり火事を消してくれる話が、なんだかほっこりとして好きです  
「真面目に信心すればいざという時に助けてくれる」という教訓話として片付けたくない温かみを感じるのは、柳田国男の文才のせいかなあ  

狐狸や猿のいたずらに対しては、けっこう容赦がない(笑)  
狐汁にして美味しくいただきましたとさ、ちゃんちゃん  
農作物を荒らすこともある獣に対しては、農民は憎しみも持っているだろう  

本当に表紙がきれいだし手触りもいいから、シリーズの他のものも欲しくなってしまう  
一つ目小僧とか好きですし

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2014年01月05日

Posted by ブクログ

合間合間に読んでずいぶんと時間が経った。
やっと最後まで読むことができた。

こういうの好き。

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2013年10月19日

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