【感想・ネタバレ】新訂 福翁自伝のレビュー

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Posted by ブクログ

日本人の自伝では最高傑作でしょう。明治31年、福沢諭吉先生65歳の時に江戸末期から明治に掛けての出来事を速記者に話したお話しをベースに本人が加筆して刊行しています。
約150年も前の事とは言え歴史に残る事件なども多数出てきて、諭吉先生の子供時代から青春時代、壮年までも飽きる事なく読み進められます。
慶應義塾大学の創始者として有名な諭吉先生ですが、読めば読むほど、自分の好きな事だけやって、やりたい放題の超ヤンチャ人生です。
この本を若い頃に読んで居たら慶應義塾大学に何がなんでも入りたいって思ったかもしれません。それくらいブッチャケた明るい等身大の言葉で、自分の事も、時代の事もめった切りします。
子供の頃から何でも出来て、勉強も出来たが興味を持たない分野や持たない時期は敢えてやらなかった。でもその気になったらガンガン頭に入った。など天然なのか、、、恐らく高IQで反骨精神の強い変人だったのは間違い無いでしょう。
封建制度の時代から鎖国から開国、文明開花まで、欧米へも翻訳者として留学したり、押しかけ的に同行して付いて行ったりしていたので有能で有名だったが、維新後の新政府、政治に頭を突っ込まなかったのは賢い選択だったでしょう。
面白かったのは本人は恨みを買って無いと思っていたようだが、思った以上に饒舌だし舌鋒も鋭く、尚且つお酒も大好きな人だったので陰では相当恨みをかっていたのがうかがえます。
一番の感想は若い頃に読みたかったなという一言です。

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2024年02月28日

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諭吉の好きなことと嫌いなこととやった事が書かれた自叙伝。こんなに詳細に正確に数十年も前の過去を覚えていて言葉にできることがまず、凄いんだけれども、その人生もやっぱり破天荒で人間味溢れてて突き抜けてて凄い。

★嫌いなもの→封建の門閥制度、血、攘夷論、鎖国、(漢学)、借金すること、役人

★好きな物→酒、タバコ、勉強

★ モットー
・数理と独立
・倹約しろ。貸し借りは一切するな。
ただ使う時は騙すなどせずにちゃんと使え。
・まず獣身を成して後に人心を養え。
・放任主義
・勉強よりも健康が大事。
・人間万事、停滞せぬように p308

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2022年06月16日

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一万円札と言えば福沢諭吉。こんな破天荒な人物だったんだ、ということをまざまざと見せつけてくれる作品。古典だといって肩をはらずとも、読み物として十分面白い。

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2022年05月05日

Posted by ブクログ

口述筆記に加筆したものなので、非常に読みやすい。
幼いころから60歳までを振り返る。

こうして読むと、福沢諭吉という人は、過去国内に存在しなかった西洋の理念や文化を完全消化して国内に紹介する学者・文筆家・啓蒙家としての才能、慶応義塾の創設者としての実業家としての才能、社会のなかでやりたいことをやるためにうまく立ち回る実践者としての才能、そのいずれも兼ね備えた傑物だったことがわかる。

うまく立ち回るというと言葉は悪いけれども、それがなければ、ろくな資格もないのに幕府の一員として渡米も渡欧もできなかったはずで、それに、あまり本人は語っていないけれども、維新後は在野の大物として、当時の政界と全く無関係というわけにはいかなかっただろうから、政治的な手腕や影響力も相当のものだったにちがいない。

こういう人物が、実際にいたということを知るだけで、本書を読む価値がある。
しかも近くの大分県中津市出身なので、より身近に感じた。

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2020年07月16日

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晩年の福沢諭吉が自分の人生を振り返って語ったことを文章にしたもの。ずっと積読本になっていたのを山から引っ張り出してきた。古文のような読みにくいものだと思っていたけれど、意外なほど読みやすい。

慶應義塾を創った以外に何をした人か今ひとつ分かってなかったけれど、緒方洪庵の適塾にいて、オランダ語をマスターした後、横浜でオランダ語は通用しない、世界は英語だと知り、今度は苦労して英語をマスターする。咸臨丸に乗ってアメリカに行く。政治には関わらず、塾を通した教育の人だった。

若い頃の恥ずかしい話なども惜しげもなく披露してくれており、何というか気持ちのいい読書ができた。時代の雰囲気もよく伝わってきた。

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2020年05月16日

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全く堅苦しい本ではなく、読みながらクスクス笑える。福沢諭吉の人生を追いながら彼の処世術や教訓を学べる。

一見無鉄砲でだらしのないようだが、確たる信念を持ち、絶えず好奇心を持つ勤勉な姿勢を生涯にわたって崩していない。このメリハリこそが当時としては名誉ある洋行メンバーとして選ばれ、数々の名著を残した所以だろう。

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2020年01月06日

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時代の雰囲気が伝わってきて、とても面白い本です。読んでいて福沢さんが話しているように引き込まれます。陽だまりの木の中の元ネタとか結構確認できるので、手塚ファンにも楽しめると思う。
思いの外幸運も重なって慶應大学は大きな学校になる事ができたんだなと感じる。

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2017年09月26日

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小林秀雄大先生が、『学問のすすめ』などからは決してこぼれてこない福沢諭吉というひとを知るために挙げていたような気がする。
あまりに見慣れて、あまりにそのことばが使いまわされていて、正直、この福沢諭吉というひとをどこか敬遠していた。だが実際手に取り彼の淀みない流れるような口授に、改めて、このような先人のことばに触れられる喜びを感じた。自伝と銘打っているが、この作品は福沢諭吉というひとの精神が自ら自身を語ったものと言っていい。池田某のことばと同じ匂いがする。エッセーのような、物語のような。
ほんとうに福沢諭吉というひとは、正直に善く生きるということをやってのけた大人物であると思う。等身大で生き続けられたというそのことが、驚くべき事実だ。いわゆる日本という国が大きくその価値転換を示されたときに、自分のしたいことだけをして、静かに、だが確実にその種を蒔きつつも、うまくやり過ごす。小林秀雄に言わせれば、「変人」ということばが最もふさわしい。
まるでこのひと平等主義者のように扱われているが、平等主義などといえば笑って「そんな大層なものではござりません」と言っただろう。男女平等、何をそんなこと今さら。もし今に生きていたら、平等平等と法律などに躍起になるひとをけらけらと笑って酒でも飲んでたでしょう。
平等なんてものは最初からそうなっているのだ。すべてはことばだ。善いものは善いし、悪いものは悪い。ただこれだけだ。善いと悪いの区別がつくという時点で平等ではない。だが、この自分という存在からすべてが始まっている。これ以上当たり前なことはどこにもない。そして、これはすべてのひとにあてはまる。自分でなく生きているひとなどいない。これが平等だ。金のためにも国のためにも、子供のためにも、家族のためにも生きられる人間なんぞいない。だが、どういうわけか自分というものが生まれて、自分というものを生きるより他ない。これが独立だ。だから自分が嫌だと思うことはしない。なぜ自分が金をひとからくすねたりごまかしたりしてまで生きねばならないのか。そうまでして金をためる必要はない。要るときはその他で使わなければいい。
彼が鎖国や門閥制を毛嫌いしたのは、理にかなっていないからだ。善いということは生まれた家や将軍や天皇のことではない。そういうものとは関係なく在るものだから。そうであるなら、なぜ、善いものをひとは求めないのか。生れた家で決まるのか。これが彼にとっては我慢ならないことだったから彼は飛び出したのである。彼にとっては王政維新とかどうでもいいのである。そんなものでひとの本質の何が変わるというのだ。だから政府に関与しないのである。
国がなんだ。俺は自分ができることだけをする。俺のしたいことは誰にの邪魔にならないはずだ。俺は静かに考えるだけだから。俺から学びたいならいつだって来るがいい。俺はそんなこと惜しまない。だが、考えるのは学びに来る君だ。
彼はひとは社会の虫でその習慣の粘り強さを良く知っている。その習慣を変えるのは容易なことではないのも自身でよく体験した。その習慣を改めるには社会の大きな変化が必要だと彼は言った。独立心を説く彼が、社会というものに習慣を依存させてしまっているように思える。だが、これは違う。社会のせいなどには彼は決してしていない。彼にとっての社会とは、この自分自身という存在に他ならない。自分が習慣を改めようと思わなければまるで意味がないと彼は知っている。ではなぜ習慣を改めようと思わないか。ひとつにその習慣が善いものだと思っているから。もうひとつがそれが習慣であるということにさえ気づいていないから。そのため、彼は有形において数と理を求めたのである。そして、その数と理を学ぶためにはことばとしての英語が必須であったのだ。英語が主流であることは実際事実なので、そこで彼はしょうがなくオランダ語を捨てて英語を学んだのだ。英語が大事なのではない。英語はただの手段でしかない。日本語や中国語で同じことができれば、おそらく英語をわざわざやる必要なしと彼なら言っただろう。
彼のことを考えていると、この福沢諭吉というひととソクラテスというひとを無性に対談させてみたくなる。

ソクラテス まったく君はずいぶんうまいこと生きたもんだね。見上げたもんだよ。
福沢 それを言ったらあなたの方がよっぽど話題の尽きない人生だったでしょうに。
ソクラテス 僕の方は裁判なんて厄介な制度が習慣としてあったからね。
福沢 習慣ってのはほんと、恐ろしいものですね。
ソクラテス まったくだ。あれほど恐ろしく不思議なものはない。
福沢 僕なんてもう面倒くさくてどうにでもなれ! って投げ出しましたもん。
ソクラテス 君の自伝でもあったね。学校つくれとか、官僚になれとか、いろいろ。
福沢 あんなもので人間ころって変わったらそれこそ、あなたに申し訳ないですよ。
ソクラテス どうも人間そう変わっていないようだね。世界というのは自分のこと以外のなんだというのだ。
福沢 独立というのが何よりも必要だというのに。有形、実践、世に役立つ、なんていうものがいかに浅薄なことか。
ソクラテス あれが僕にはわからない。一体何が何に役立つことなのか。何を何に実践するのか。
福沢 そんなに知りたきゃちゃんと学問でもしてみろ!って言ってやりましたよ。
ソクラテス 君のそういうところが役得なところだねぇ

ふたりで酒を飲みながらそんなこと言っているような気がしてならない。
体調の問題か、彼が自伝で終わりの章はかなり足早に書かれている。書ききらなかった日清日露戦争、大正昭和聞いてみたかった。

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2016年01月26日

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ネタバレ

口述筆記ということだが、福澤自身が随分筆を入れているとのこと、口語体の自伝として黎明期の傑作ではないか?虚飾や隠し事もあろうが、とにかく合理主義者としての福澤の人となりを余すところなく示していると思う。本人の好き嫌いは置いて、誰が読んでも楽しめるはず。

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2014年08月31日

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福沢の生涯以上に幕末〜開国の時代の様子がよく書かれていて歴史で学ぶことのない日本国の状況が述べられていて面白かった。

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2013年11月09日

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これをそのまま映画化したらコメディ映画が出来上がるのではないかと思うくらいユーモラスな自伝。門閥制度が嫌い、漢学が嫌い、そして攘夷が嫌い。これらのごく個人的な嫌悪感が新しい社会を構想する原動力になったという事実は興味深い。門閥制度への嫌悪感は西洋流の平等主義を受け入れる下地を作っただろうし、科学的な根拠を持つ洋学を学んだあとは、漢学や攘夷といったものが極めて非合理的なものに見えただろうことは想像に難くない。明治新政府に仕官しなかった理由を語る終章(「老余の半生」)は福沢の精神を最もよく表していてやはり感動的。一切の迷信を排したウルトラ合理主義者である福沢が、独立心という無形の矜恃に最高の価値を置いていたことはやはり特筆すべきだろう。記憶だけが頼りの口述筆記であるため事実誤認も数多くあるのだろうが、それを差し引いても、すぐれた自伝文学であると同時に第一級の歴史資料としての価値も併せ持つ稀有な作品。

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2013年11月03日

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諭吉の、意外な面を多々知ることができ、自分と照らし合わせてあれこれ考え参考にしながら読める。慶大生を問わず少しでも多くの人に読んで欲しい。

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2012年09月23日

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 慶応義塾大に入学した時、配られた本。
 内容は福澤先生の出生から、長崎遊学、緒方洪庵の塾や欧米各国で学んだこと、明治維新まで…生涯のすべてが自伝の形式で書かれている。自伝の形であるので固い文や抽象的な文ではなく、柔らかい口語の形で書かれている 。 
 「あるとき兄がわたしに問をかけて『おまえはこれから先、何になるつもりか』というから、わたしが答えて『さようさ、まず日本一の大金持ちになって思うさまに金を使うてみようと思います』というと….」(幼少の時 兄弟問答p16)「ほかになにも法外なことは働かず行状はまず正しいつもりでしたが、俗にいう酒に目のない少年で、酒を見てはほとんど廉恥を忘れるほどいくじなしと申してよろしい。」(大阪修業 書生の生活酒の悪癖p55)など
 自伝される福澤先生自身は、お酒好き、気性は荒っぽい、少年期の夢はお金持ちと崇高なイメージとはかけ離れたものであった。そこには普通の学生像があった。
 だが、幕末から明治の日本の近代化に尽力した業績からわかるように、そんな普通の学生が、めまぐるしく変わる世の情勢に対応するため、幼い頃から苦しめられてきた封建制度を変えるため、その中で学問にひたむきに励む。
普通であってもいい。しかし、刻々と変わる時事やそれに乗じて発生するいろいろな社会問題、その中で自分はどう向き合い、どう解決していくのか?学問を通し、冷静に考え、行動していかなければならない。

慶応義塾万歳。

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2012年05月09日

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江戸後期に産まれ大阪は適塾にて洋学を学び、米国視察を経てひろい視野を身につけ明治の日本を創っていった大物・福沢諭吉大先生の『ばくまつめいじ回顧談』。

ゆきち本人がしゃべるのを記者が速記していったその文章を、ほとんど手直しせずそのまま本にしたせいか
内容めっちゃ江戸っ子ことばwww
すごいww読みやすいうえにとても笑えます。そして、ゆきちにユーモアの才能があることがとてもよくわかりました。

にしても、自分いがいの人間がバカにみえて仕方ないゆきち先生・・・あんた最高だよww

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2012年12月18日

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なんとさわやかな読後感だろう。その弁快活にして虚飾なく、精神が自由闊達なことがよくわかる。人となりを知るにあたって自伝というものはだいぶ差っ引かねばならぬ形式だが、福沢さんはこのままの人だろうと思える。まことに人間として嘘がなく、信頼ができる。本でもその誠実が伝わるのだから、講義ならなおさらだ。あれだけの門下生が集まったのもうなずける。その人となりと人生が率直さで貫かれた稀有な人だったのだろう。
福沢は現実家だ。神仏を振り返らぬのも、洋学を学んだのも、子供の教育で学より頑健が先んじるのも、現実の実相をよく見よう見てもらおうと努めただけだ。怨念や嫉妬というものとはもっとも遠い存在だ。
現実主義者は、観念=イデオロギーを最も嫌う。彼が攘夷佐幕の両主義を軽蔑するのも当然のことで、彼らはまったくめくらの妄想をしている点で同根にある。この点は、いつの世も変わらない。一言放てばイデオロギーに組み込まれてしまう時代で、福沢は頑なに沈黙を守り、西洋について書いた。福沢は、西洋は妄信したのでなく、現実を考えるに具合がよい素材だったのだ。

西洋文明の普及に努めた福沢を、西洋文明を日本で最初に公に紹介した新井白石と比べるのも面白い。彼は極めて冷静な官僚であり政治家だったから、西洋人と接した際、一義的にはこの異教と文明が日本にどのような影響を与えるかを分析していた。だが、その奥底で、人間白石としてこの科学という学問にいかに心が躍動したかが、「西洋紀聞」には描かれている。彼は漢学者の大家ではあるが、決して漢学のイデオロギーに囚われていた人ではない。あらゆる当時の学問に手をつけていたことから分かるように、彼が興味を持ったのは「現実」という一点のみだ。「紀聞」のなかでキリスト教についてわずか数行で精緻な論理で論破しながら、一方で科学については己に言い聞かせるような長い叙述をしていることからも、その白石の原理を知れる。
人間としては圧倒的に福沢の方が魅力的だが、現実を唯一の原理として考えるため、信頼できることには変わらない。

このあと小林秀雄「福沢諭吉」を読んで、そのあまりの精度、ずいぶん考えさせられた。
「「福翁自伝」が、日本人が書いた自伝中の傑作であるのは、強い己れを持ちながら、己れを現わせんとする虚栄が、まるでないところからきていると思う」。まさに。

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2021年11月03日

Posted by ブクログ

福沢諭吉先生の自伝。若い頃はまあ血気盛んな、どこにでもいるような若者でも在り、意外といたずらっ子だったのだなーとびっくりした…明治維新のという激動の時代の中でも、かなりマイペースで、しかししっかりとした信念を持って慶應義塾を建てられたことを知った。実は学問のすすめをまだ読んでいないので、なる早で読んでみたいと思う。福沢先生の意外な一面がたくさん描かれていてとても面白い!

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2019年12月29日

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福沢諭吉の生涯を通してその人となりや考え方等を知ることが出来た。想像していたのと違い、意外とおとなしめな印象を受けた。

新政府よりの人物と思っていたが、全くそうでは無かった。榎本武明の助命にも一役買っていたとは。。

読みにくそうと思い敬遠していたが、割と読みやすかったが少し時間がかかった。

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2017年03月31日

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ネタバレ

本書で興味をもった点は3点。

①目的なしの勉強
ここでは目的を持たずして勉強したことこそ仕合せであったと述べている。何々を成し遂げたいが故に勉強に励んでしまうと却って身構えてしまい修学することができないとのことで、身軽な状態で学ぶからこそ結果が出たとこの時は述べているようだ。

②一国の独立は国民の独立心から
別の本で「国を支えて、国に頼らず」という言葉を福沢伝に付け加えていたが、まさにそのことを福沢自信が述べている。こういった心持を持っていたからこそ、教育者という身分であり続け、政治社会に足を突っ込まなかったようである。

③海臨丸での米国航海から
米国渡航、欧州渡航についての感想を述べており、自分自身はこの点がとても興味深く読めた。当時の日本人がアメリカでのもてなしや風情に驚いている姿が見て取れが、これが後々の英語教育を推し進める源流になったのかと思うと、その経験たるや想像を超えたものなのだろうと。

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2013年05月05日

Posted by ブクログ

憧れるというか、惚れる。できればもう少し若い時に読んでおけば良かった(現在43)。福沢の独立不羈、血に交じりて赤くならずの姿勢が「至極変化の多い賑やかな」人生に繋がった。あわせて、詳細な後述で維新前後の日本の状況を知ることもできる。「幼少以来の飲酒の歴史」などおもわず微笑んでしまうようなエピソードもあり、ユーモアもあった方なんだなぁと思った。

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2013年04月04日

Posted by ブクログ

福澤諭吉の自伝。口述したものを速記させ、
速記の清書に対して、自ら訂正加筆して作られたということです。

読み物として大変よみやすく、しかも面白い自伝でした。
特に、前半の学問修行のころの細々とした話は、その時代の雰囲気や、
福澤諭吉の行動がありのまま描かれているように思いました。

例えば渡米中、日本人が洋食に慣れないので自分まかないにしたところ、
アメリカの人はかねて日本人の魚類を好むことをよく知っているので、
毎日毎日魚を持ってきてくれたという話、(P111)
ワシントンの子孫はどうしているかと尋ねると、
冷淡な様子でなんとも思っていないことに驚いた、というのは日本では、
源頼朝、徳川家康などの子孫が重んじられるという頭があるから、(P115)
など、一つ一つ体験として語られます。

最後の方で、新聞には自分の意見を自由に書け、
でも他人の身を評するなら、その人に対面して直接言えることを書け、
対面して良心に恥じて率直に言えないことは書くな、とありました。
若い頃は、無茶で迷惑なことをやっていたりもしましたが、
それも包み隠さず述べられていて、
カラリとしていて、言い訳のない人柄が好印象でした。

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2013年03月09日

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適塾時代の勉強が、立身やら出世には全く関係なく、難しくてしんどくて新しいからやってるんだぜ!俺らすげぇべ!ってとこがシブいなー
とことん合理主義なのに、肝心のところはそうでない。
読後感爽快。
「安心決定」と言って自分の方向を定めることの出来るハートの強さが羨ましい。

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2013年01月04日

Posted by ブクログ

福沢諭吉って、実は「天は人の上に人を作らず 人の下に人を作らず」という言葉しか知らなかった。政府にどっぷりつかっている人だと思っていた。
福沢諭吉は、自分の考えに基づいてはっきりと行動する人だったし、尊王攘夷運動などは疑問視していたし、体制というものをあまり信じていないようだった。その考え方や身の振り方があまりにもはっきりしているので、すぐ身の回りにいる人には怖いくらいの存在感を持っていたのではないか。
とても勉強ができたし、勉強に対する熱意も強く、見習わなくてはいけないと思った。
アメリカに行った時の話が、興味深くて面白かった。

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2012年07月12日

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授業で読み進めたが、ところどころでしかも授業は半期のため途中まで。
諭吉が口述筆記させた文だから硬くなくて読みやすい。

読んだのは始めから留学するあたり。
お札の顔とはまた違う若い諭吉の顔。
写真も扉絵に載ってて、授業中は他の写真もスライドで見たけどなかなか濃い顔。
背が高くてかなり破天荒で、色々塾の仲間と悪さをする。
金があれば酒を飲む。
でもすごい勉強してる。
そりゃ大学も作っちゃうわけですよ。

全部読破したいと思いながら、いまだ栞は半ば。

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2019年01月16日

Posted by ブクログ

福沢諭吉の塾生だった頃のワルノリぶりには現代の学生も敵わないでしょう。

自分の子供には好き放題させ、子供が遊びまわって家の障子を破っても、怒りもしない。
子供は元気が一番。
礼儀は大人になってから身に着ければいい。
勉強なんて、自分からしたくなるまでは、元気に外で遊びまわっていた方がいい。
特に勉学で子供に厳しくすると、人間が小さく育つ。
それゆえに明治の学校教育は間違っているという、福沢諭吉の子供の育て方と、学校教育のありかたに賛同します。

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2016年04月12日

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幕末の時代背景にあまり詳しくないが、説明が多いので読みやふい。偉人である福沢諭吉の禁酒に失敗しタバコに手を出してしまったり、若気の至りの様々な悪戯、意外な特技など人間らしいところにクスッと笑える。福沢諭吉の人生をなぞりながら考え方や信念を知ることができる本。短い項に分かれているので隙間時間にもおすすめ。

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2023年02月02日

Posted by ブクログ

スイスイ読めて面白いし納得できる。

とにかく酒を飲みに飲んで、いろいろ言い訳かましながら煙草も吸い始め、
神社にいたずらしても特に不幸がないやら、偽りの遊女の手紙を仲間に送りつけたり、何せ派手にやってますわ。
現代の慶應生に通じるものが大いにある。

その上で勉強熱心なのが凄い。
それだけ酒を飲んでるけど、塾ではめちゃくちゃ勉強してる。蘭訳が通じないとなるとすぐ英語勉強して、翻訳を生業にしている。必要と思ったらすぐに本気で勉強してる、そこのメリハリの凄まじさが読み取れる。そして必要な勉強(所謂実学)を選んでしている。だからといい、金儲けのためや出世のためではなく、実直に勉強できる環境だったのがよかったと書いてて、その辺は大いに参考になる。上野戦争の時に慶應義塾だけは授業をしていたのは有名な話だが、その精神の根っこが辿れるので面白い。

あとは処世術じゃないけど、自分に正直なところが素晴らしい。嫌な仕事は断る。政治参加も断る。その辺りの軸がありつつ物事を取捨選択してる生き方は凄いし、羨ましくもある。

そういう意味でも、面白い物語ってだけでなく、参考書チックな部分があって非常に読み応えあり。

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2020年05月09日

Posted by ブクログ

目下再読中の大作『大菩薩峠』の中で維新時の最大の巨人的評価を受けているのを読んで本作をほんと久方ぶりに手に取る。
正直まぁそんなに面白い本ではありませんな、解題にも書かれてますがちょっと清廉過ぎるし。まぁ相当な酒好きとかおっと思わせる箇所は多々あるものの、この手の本に期待する無茶苦茶感がほとんどないからねぇ。
唯この本の重要性は、これまた後記にも書かれてますが、これほどの人物であっても世に蔓延る偏見・時代の制約からは逃れられないという深い現実。こういうのを読むとアリの凄さが際立つんだよなぁ、、、

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2016年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

福沢諭吉も、若い書生時代には中々DQNなことをやっていたようで。
反封建主義の姿勢には共感を覚える。

「私は毎度このことを思い出し、封建の門閥制度を憤ると共に、亡父の心事を察して独り泣くことがあります。私のために門閥制度は親の敵で御座る。」(14頁)

「日本の不文不明の奴らが殻威張りして攘夷論が盛んになればなるほど、日本の国力は段々弱くなるだけの話で、しまいには如何いうようになり果てるだろうかと思って、実に情けなくなりました。」(134頁)

慶応は寄付金が多いらしいが、これは当初からの塾の校風を受け継ぐものなんだろうな。214頁参照。

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2015年07月05日

Posted by ブクログ

福沢諭吉の生涯が記載されている本で、レビューでは絶賛されているものの、個人的にはそこまで深い感銘は得られなかった。しかし、ある一つの時代を生きた者、学問・貿易の基礎を築いたものの一生としては興味深いものがあった。

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2014年02月15日

Posted by ブクログ

諭吉さんの性格を知りたい人におすすめの本。世界の偉人ってその功績だけで勝手な人物像抱きやすいから注意だね。

まさに「学問のすすめ」だね。日々精進!!

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2012年04月24日

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