【感想・ネタバレ】眠りの牢獄のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての作家さん。
評価に、何度この手に騙されるんだ…!て書いてあったのにすっかり忘れて読んですっかり騙された笑
まあ内容に必要なトリックではなかったかな?
でも、アヤコなんで男3人に自分1人なんてメンバーでお泊まり会?て思ってたから、そこも伏線だったかとすっきりした。
ただ最後の吉野に襲われるシーンは、なんか男に都合いいように描写されてんなと思った。

重量感はなかったけど、読みやすくてすっかり騙されたので満足度高め。

(いまノベルスの背表紙見たら、監禁された三人の青年、って書いてあった。これはミスかな?)

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2つの視点で物語が進み、最終的に繋がっていく物語。
複数の謎が一つの線になっていく様は非常に美しい流れでした。
私自身はそうだったが、ミステリーをある程度呼んでいる人なら大体のトリックはピンとくる可能性もある。
最後の結末はリドル・ストーリーとしても取れる表現で最後に大きな謎と想像を与える展開にしっかり心を掴まれ、
殺人トリック、叙述トリック、リドル・ストーリーと余すところなくミステリーが初めから最後までぎっしりと詰まった一冊。
もしかすると様々なトリックに頭を持っていかれ、最後のオチに気付かない人もいるかも。
多少のエログロ要素あり。

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2021年06月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初っ端から性行為のシーンでおおうっとなったけど何となく違和感が。それが最後のどんでん返しの伏線だとは気付かなかった。
まったく繋がりそうにない2つの物語、どうやって繋がるの?いつ繋がるの?と思いながら読んでいたから兄の名前出てきた瞬間わー!とうとう!!でもどういうことー!?って興奮した。そこからは北澤の下の名前にえー!?ってなり…主人公女性にまたえー!?ってなり…笑
主人公の名字が作者と同じっていうのもまた読者に男性だと思い込ませる材料なのね。一人称が「僕」なのはちょっとズルくない?と思うけど読み返してみると伏線はいくつか張ってあってなるほどーと納得。気持ちよく騙され、叙述トリックとしてかなり楽しめました。

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2021年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良くも悪くも小奇麗にまとめてあるなって印象。

吉野が浦賀と亜矢子を突き落す動機が弱め、
北澤が地下シェルターという非日常空間で死んでいたにも拘らず亜弓がその事に一切触れずに冴子を責める不思議、
北澤が冴子にメールする際わざわざペンネームを本名のアナグラムにするのは変、
(読者に『気付けるかな?』という挑戦を交えるのは分かるんだけど、そのせいで登場人物の行動が不自然になるのはどうかな)

という気になる点もちょいちょいあったけど、
まぁ元々そんな力作にするつもりもなさそうな雰囲気だしね。
さらっと読むのが正しいような気もする。

浦賀が女性だったってのは実は最後の方まで気付かなかったよ。
今思えば伏線はバリバリにあるのでじっくり読んでいた人はたぶんすぐに気付くレベルだと思うけど、
自分は『浦賀ってば・・・本番せずに二穴責めとかやるじゃん』とか意味分からない興奮に気持ちが行ってました。

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2016年02月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「どんな夢を見ているの。」
地下シェルターに閉じ込められた3人。 外に出るためには5年前の転落事故の真相を告げよ。
外部で進行する交換殺人の本当の狙いは、そしてこの作中作「かつていたところ」という物語の正体とは。


体験せよ浦賀トリックの帯に釣られ牢獄に迷い込みました。 物語は浦賀とその恋人である亜矢子が階段から突き落とされる所から始まります。 5年間眠りの牢獄から抜け出せない亜矢子、そして1日で目覚めた浦賀、やがて事件の真相を求める亜矢子の兄の手によって事件関係者の3人が地下シェルターに閉じ込められてしまう。 3人は途方に暮れながらも事件を振り返るのだが・・・。
一方、別視点では冴子という女がネットを通じた交換殺人のやり取りを持ちかけられる。 自身の元恋人・博の殺害の代わりにある人物の殺人を依頼されるのだが・・・。
この全く視点の異なる二つの物語が「かついていたところ」という亜矢子のために書かれた小説なのだという。 250頁の中に詰め込められたいくつもの技巧。 欲張りセットなパズル小説だった。

本作の美しい点はやはりラストの亜矢子が手渡された小説の件である。 
眠っている亜矢子の下に行くためのに屋上から身を投げた浦賀。 「かつていたところ」は自身に起きた事を亜矢子の為に託す生涯最後のミステリ。 足の筋肉がかなり退化してることを考えるとやはり亜矢子は長期間眠っていて起きた時には事が全部終わっていたという解釈。
あるいは眠りの牢獄にいたのは浦賀の方で看護師から渡されたのは「電脳戯話」だったのではないかという解釈。 つまり「かつていたところ」が浦賀の見ている夢ということだ。 ミステリ的な夢を見ると本人が述べているし、ラストの「どんな夢を見ているの?」にも繋がる解釈である。
作者自身、看護師が述べたタイトルをわざとぼかしているので各々好きな解釈を取ればいいと思います。

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2023年01月10日

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ネタバレ

ハサミ男とおなじ衝撃を受けた。面白かったポイントは2つある。

 1つめは、浦賀が女というトリックに騙されたこと。
 一人称が僕、冒頭の亜矢子とのイチイチャ、これだけの要素で浦賀は男だと思っていた。考えてみれば、浦賀が男だと明言されてなかったのに。先入観の裏をかかれたどんでん返しに衝撃を受けた。
 今思えば違和感あったシーンは2つあったな。第一に、浦賀が吉野の路上ライブに行ってファンの子が不満そうな顔で去る所。何で不満そうにするんだろ?と思ったけど、浦賀が女だったら吉野の彼女だと勘違いしたんだろうな。第二に、浦賀と亜矢子が行為中。前戯たっぷり(足の指全部舐めるなど)したのに、なぜ本番しないか疑問だった。でも浦賀が女なら納得。だって女には入れるアレがないもんね。これにはヤられた。

 2つめは、吉野と北澤のキャラが濃くて面白いこと。
 吉野が気持ち悪かった。北澤の血をすすって人肉くうとか正気の沙汰じゃない。いくら保身のためとはいえ、「証拠隠滅のために死体食ったろ!」って、どんな神経してんだ...。吉野が浦賀を犯してるときの、腰を一定のリズムで犯してるのもコワイ。
 吉野が浦賀のことを「変態」「特殊な性癖」「お前の病気を治してやる」と表現してるのは偏見だなと思った。きっと彼は同性愛に対して激しい嫌悪感を抱いてたのに違いない。俺だったら相手がレズと知った時点で非難もせず手を引くね。
 北澤は俺と似てたので感情移入できた。俺も束縛されるの大嫌いだし、飽きたらすぐに女を捨てるし、その場限りの関係多め。
 冴子が束縛女でうざかった。あの束縛具合じゃ嫌気がさす北澤に同情。別れて正解だったと思う。さすがに彼女の親友に手を出したのは解せぬがね。冴子が掲示板に書き込むときと、北澤本人にメールしてる時の温度差のギャップが怖かった。束縛女と別れる時は穏便にしなきゃアカンでしょ。

 俺も今までワンナイトした女に悪口書き込まれてると思うと身震い。もしかしたら殺したいほど憎まれてるかもしれない。冴子のような女に捕まらないよう用心せねば...。

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2021年01月04日

Posted by ブクログ

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昏睡状態になった妹の真相を探る兄によって地下室に監禁される話と、代理殺人を持ちかけられる女の話という、一見すると関係のない話が同時進行で進んでゆく。倫理観を置き去りにしたパズラーな作風に加え、ややエログロが混在する描写は好みが分かれるものの、全体的に破綻もなく丁寧な仕上がりである。

ただ作中の仕掛けの一つである語り部の性別誤認トリックにはそうそうに気づいてしまって、むしろ隠す気があったのかどうか疑うレベルだった。男に対する嫌悪を端々に滲ませるあたりは伏線としてよかったが、セックス時の描写が決定的で、手がかりを与えすぎているように思う。もう少しモテない男というのを偽装したほうが良かったのではないだろうか。また交換殺人の女の彼氏の正体もわりと早い段階で分かってしまった。名字しか出ていない時点で主人公の友人のどちらか片方であることはバレバレであり、また監禁シェルター内の殺人も、人数の少なさから犯人は容易に想像がつく。謂わば濃密ではあるものの詰め込め過ぎな感が否めない作品であり、登場人物全てに均等に犯罪に関わる役割を与えたせいで、一つ崩れればドミノ倒しにネタが割れてしまうという難点がある。それでも解決のカタルシスがあればいいのだが、作中の事件のどれもが容疑者が少なすぎてフーダニットの楽しみがない上、ホワイダニットとしても魅力がない。二つの事件が絡むことが分かってしまっているが、その絡み方にあらかた想像がついてしまったというのが一番の難点だろう。絡むのが分かっているだけに、より予想外なひっくり返しが欲しかった。

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2019年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

叙述もので、主人公の名前が作者と同じ浦賀。まさか自分の名前も叙述トリックに使っているとは。そこはお見事。ただ、浦賀の叙述部では登場人物は意図的に姓をつかっていて、冴子の叙述部では意図的に下の名前のみだから、内容は先が読めてしまう感じではあるかな。

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2016年12月29日

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