周囲からは、独身で友人もいなさそうな哀れな中年男性とみられている主人公のフジイ。一見、しがないサラリーマンのフジイですが、フジイはただフジイとして居るだけで、彼と関わった周囲の人間が勝手に救われていきます。
独り身、あるいは友達がいないということで、その人の「幸せ」は決まるのか? 周囲の空気を読んでコミュニケーションをとり、周りの人たちに好かれることを第一にした結果、本当の自分自身を見失ってはいないだろうか――? 周囲にさまざまな気付きを与えながらも、ただ淡々と過ごすフジイという存在に、ページをめくる手が止まらなくなります!
どことなく日常にむなしさを感じることがある人や、人間関係で悩んでいる人、孤独感がある人におすすめしたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月12日
フジイのお父さんが公園での息子の行動をみて「大丈夫」と思えたシーン、そこには描かれていない背景や行間を目一杯想像させられて、鼻の奥が少しツーンとしました。
他のエピソード(1巻含む)もそうだけど、セリフが抑え気味な分、フジイの表情に変化が少ない分、周囲の様子や行間から色々読み取ろうと想像力をブンブ...続きを読むンに働かせながら読んでいて、気づくと自分をフジイに限らず色々な登場人物に重ね合わせてみたりしています。
瞬間的に漫画の世界と自分の原風景的な経験がリンクする感覚があって、読んでいて不思議な心持ちになります。
淡々としてるのに読後の余韻が大きい。
お父さんのお見舞、敬語での会話なのにも理由があるんだろうけど、それも追々わかるのかな。
主人公に影響され、登場人物達がほっこり浄化されていくさまに、こちらもほっこり。
世の中捨てたもんじゃないと思いたいし、そう思わせてくれる作品。オススメです。
自閉症の子を持つ親です。フジイが大きくなった我が子のような気持ちで読んでました。
フジイのような大人になってほしい、子供が大きくなった時に、もっとフジイのような人間が認めてもらえるような世の中になって欲しいと思います。
特に2巻の父親との話は、自分と我が子のとおい未来のように感じ、心暖かく、涙しまし...続きを読むた。
いよいよ主人公の学生時代がわかる!こんなマイペースな主人公に大学時代に付き合っていた人がいた。相手は、マイペースな感じが好きで付き合い始めたらしいが実はもっと違う付き合い方がしたかった。だけどそれは主人公にはできない事だった。別れる事になってから相手の事が好きだったかもしれない姿が興味深い。
路傍の存在であるが故の悲哀が印象的だったけどそれなりに充実した日々を送っていて普通に羨ましい。フジイと関わった人同士の繋がりがどうなるか楽しみ。
ふだんあまり読まないタイプの作品なので、二巻目買ったら飽きるかなとも思っていたのに、全然違いました!
一巻目もしみじみ衝撃を受けたのですが、この巻、一巻目を上回る、しみじみ衝撃です。
日々の喧騒がすーっと解けてゆく気がします。わざとらしさのいっさいない作品。すてきです。