【感想・ネタバレ】化け者手本のレビュー

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Posted by ブクログ

面白かった。その一言に尽きる。1作目が手元になく二作目からとなったたため、最初は話の流れやキャラクターが掴めなかった。また歌舞伎について全く知識がなかったため、最初は途中でやめてしまうだろと思っていたが関係性や世界観が掴めてくると話の面白さに目が離せなかった。

キャラクターも私の好みを捉えており、主役同士の関係性や掛け合いが大変心地よい。
作者さんは夢枕獏作 陰陽師 を読んでいるようで、こちらの作品が好きな方には大変ハマるであろう。

世界観については、江戸時代が、舞台でありさらに歌舞伎の世界で行われるミステリー件人情ものである。江戸の雰囲気も身近に感じられ、人情もののしんみりした感じが好きな方に是非オススメしたい。
また、歌舞伎について全く知識はなくとも、説明はしてくれるし、さらに気になったら調べる程度で済むので読みやすい方である。

これは余談だが、主役の魚之助と藤九郎の関係性
にはブロマンス要素が含まれている。
女形が主役であるのでそういうふうに見えてしまうのと私の趣向で見えてしまうのかもしれないが、そういうのが好きな方にも読んで欲しい。

大変面白い作品でした。前作も読ませて頂きます。

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2024年05月04日

購入済み

藤九郎と魚之助のコンビが帰ってきました。
今回の事件は何かの見立てと思しき変死体が舞台に現れるというもので、化け物心中のときよりも親しくなった二人が事件を解決します。
親しくなるにつれて心情の変化に戸惑う二人の姿と、好きなもののために命をぞんざいに扱う人々が印象的でした。
魚之助が舞台に戻り藤九郎と離れる未来を想像すると嬉しさ半分、少し寂しくなります。

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『化け者心中』の続編。
江戸時代。鳥屋の藤九郎と、元女形花形役者の魚之助が、演目「仮名手本忠臣蔵」を上演中の中村屋で起きた鬼が下手人の殺人を解決するお話。

好きだわ、この世界観が。
藤九郎と魚之助の距離が縮まった。
で、その距離感と関係性に二人が悩むという、素晴らしい展開。
寝言が男か女か、という件は 非常によかったです。
元遊女の人虎、という正体はなんとなくわかった。
殺されちゃった新吾くんとか、男の姿の魚之助の救出劇とか、随所に見所があり、話もテンポよく進んで面白かったー。
好きなシリーズだ。
前回の『化け物心中』を読み直したくなった。

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

江戸中期〜後期に素敵という言葉は使われていたのか?
まあそんなことより面白いし、白魚の意匠が大流行していたことを「群れを成して泳いでいた」と表現するのが上手いと思う。
表紙イラストもよく見たら不気味。赤い房の付いた簪みたいなのはどこに刺さっているのか?
魚之助の左手から垂れ下がる髪の毛は背景の枝から繋がっているし、いすかはやたらリアル。

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2023年09月06日

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今回もどっぷり歌舞伎の世界へ。忠臣蔵をこの前見たので、解説してもらってるようでよかった。
文脈が流れるように詩吟のようで、ちょっと戸惑うというか、鼻につくというか…。
まだまだこれからも続くだろうから、どうなるか楽しみ。
藤九郎の魚之助への想いが、男女だったらすごくドキドキして実を結んでほしい!って感じだけど、いかんせん同性同士。昨今だとそんなのは問題視しちゃいけないんだろうけど、どうなるのかなぁ。

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2024年01月25日

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ネタバレ

2023.7.28初版 ハード本 デビュー作「化け物心中」の続編。中村座の[仮名手本忠臣蔵]の芝居中に、首を折られた変死体が出た事件の謎を解く鳥屋の藤九郎と元役者の魚之助。個性ある役者や恋する娘達が絡むが、女人虎の仕業。魚之助と藤九郎の関係性にも進展?しつつもおさまるところにおさまった感。更なる続編が出て、シリーズものになるのか?時代や芝居言葉の言い回しが少しわかりにくく、読みすすめるのに時間がかかった。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

誰も彼も、芝居に恋愛に執念が凄まじい。文体は正直言って読みづらく感じるのだが、読み進めるうちに段々と引き込まれる。

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2023年11月25日

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ネタバレ

好きも過ぎると恐ろしい。芝居熱とともに魚之助と藤九郎の気持ちの揺れや距離の縮まる様が描かれ、この世界観にハマる。とと様の人間っぽいところが垣間見れ、もっと知りたいと思う藤九郎の気分。

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2023年10月21日

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前作『化け者心中』から3年ぶりの続編。
紗久楽さわの装画も艶やかに、魚之助と藤九郎のコンビにまた会えて嬉しい。
と、この二人、それぞれの胸中に微妙な変化が。

魚之助にもっと近づこうと、己の頭の中に芝居の箪笥を拵え、自らも芝居者になろうとする藤九郎。
年を取ること女形でなくなっていくこと、藤九郎の優しさが自分を変えてしまうことに怯える魚之助。

二人がお互いをかけがえのない存在と思っているのは明らかなのに、そのために反って二人が傷ついていく姿が切ない。
「わかり合えねぇのは良いことなんですか。俺はあなたとわかり合いたい」p219
他者とわかり合えることの喜び、
わかり合えてしまうことの悲しみ。

何も知らない純真無垢さは確かに鋭い切れ味に違いないけれど、「相容れない」ものを知った後の綯い交ぜの強さというのは、より深みを増すのではないだろうか。

「化け者」に見事戻った魚之助を、藤九郎と一緒に見届けたい。そこから、また二人の新たな関係が始まると信じたい。

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2023年09月08日

Posted by ブクログ

「化け者」としたところに作者の想いが込められてるいるのだろう

「死ぬほど好き」よく使われる表現だが、いったいどれだけの量を大きさをあるいは覚悟を指すのだろう
そしてその大きさを示すために他人の命を秤に乗せてしまった時に化け者は化け物になってしまうのかもしれない

それにしても魚之助と藤九郎のコンビは非常にバランスが悪い気がする
もちろんあえてそうしているのだと思う
とくに藤九郎は読者をも上回る勘の悪さを度々披露してるにも関わらず、さも当然、真っ当な行動だと思っていてもどかしい
つまりは目が離せない
うまいなぁと思う

作中「化け者」は己全てを芸に捧げる役者のことを指しているが、なんだか小説家ってのも「化け者」のひとりなんかなぁと思ったり

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2023年08月20日

Posted by ブクログ

とてもリズムがあって心地良かった。演者の名前やら役名やら実名やら屋号やらがややこしかったけど後半迫力を感じて引き込まれました

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2023年11月19日

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まず、引き続き、紗久楽さわ氏の絵。本当に本の世界感を丁度良く表してるし、引き込まれる。読む前に10分以上見てた。

相変わらず女形な世界観は素晴らしい。
OBが現役フルボッコ。

ただ、やはり廓詞っていうか、文体が2作目でも慣れてないのか、恋愛物が苦手だから全編それが漂ってる事に拒否反応あるのかわからないけど自分には…

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

魚之助・藤九郎コンビシリーズ第二作。
続編が出たのは嬉しいが、今作は少し切なく苦かった。

前作同様、芝居に現れる妖し探しが本筋だが、役者の業、恋に溺れる者の業が描かれる。
魚之助は最初こそ前作同様の高飛車人間だが、途中から変化が出てくる。
中村座のライバル市村座で立女形を務める円蝶の痛烈な皮肉、藤九郎との交流のなかで変わっていく自分、老いていくことへの不安…様々な葛藤が魚之助を襲う。

一方の藤九郎はより魚之助を知ろう、寄り添おうと芝居の世界に浸かり魚之助の友人・花魁の蜥蜴に会いに吉原にも向かう。

化け者になる恐ろしさ、化け者でなくなる怖さ、化け者に取り込まれる恐ろしさ、化け者にすらなろうとする怖さ。

『好きという気持ちは、こんなにもおぞましく、煌びやかで、恐ろしい。
そして役者というものは、その好きを一身に負っている』

藤九郎の純粋さ優しさは、魚之助らにとってはある種の残酷さも感じるものなのかも知れない。
だからこそ『相容れへん』『わかり合えねえ』ことに少し安心感を抱くのかも知れない。
魚之助と藤九郎の関係性の面白さが分かってきた気がする。

※シリーズ作品
①「化け者心中」

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2023年09月30日

Posted by ブクログ

『化け者心中』の続編

鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった魚之助のコンビ再び。
人の命さえも手段にしてまでも芸道を突き詰めたいと思ってしまう「化け物」たち。
芸に生きる人たちも怖いが、恋に目がくらんだ娘たちが一番怖かった。

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2023年09月04日

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