【感想・ネタバレ】最後の祈りのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

自分の中でベスト10に入る小説でした。
読むのが苦しく、面白かった!と気軽に人に言えないような不思議な気持ちです。
こんな復讐の仕方があるのか!と途中で衝撃を受け、そこからは一気読み。
凶悪犯に対して簡単に世間は死刑!とコメントするけれど、死刑囚に一人の人間として接している刑務官にとって死刑執行はとてつもないことなんだろうなと思います。死刑囚に、お前らだって人殺しだと言われる場面がありましたが、刑務官の体と心の負担を思うと、簡単に死刑、死刑と言えなくなります…。
最後、主人公には初志貫徹してもらいたかった気もしましたが、そこに至るまでの気持ちの揺れが丁寧に描かれていたので納得できました。

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2024年01月29日

Posted by ブクログ

2024/1/27

死刑囚、刑務所モノはわりと読むけれど、教誨師という立場は初めて読んだ。

若い女性を続けて惨殺した男。
無敵の人で、ふてぶてしく、反省の色は全くない。
反省の気持ちを持たせるためには生きる希望を持たせること、死にたくない、と思わせることが必要。

落とし所はどこなんだろうと考えながら読んだけれど、複雑だった。

実際刑務官や教誨師の仕事はとても重要で辛いものなのだろうなぁ。死刑が執行された時の死刑囚の最後の言葉を知りたい、と思った。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

読んでいる時も読み終わった時も苦しくて、苦しくて、涙が止まらなかった
この感情をどのように言葉にしたらいいかわからないけど、許すことができた人が許されますように

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

薬丸さんの本を読む時は、絶えず
「自分だったらどうするだろう」
と考えながら読んでしまう。
本書もまさにそう。

最初のシーンで石原ではなく工藤の最期を描いたのはなぜなのか、というのにも悩んでいる自分がいます。

読むのに苦しみを伴い、それでも読む手が止まらない、そんな本だと思いました。

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

遺族の心の葛藤や復讐の思い、犯人の冷酷さと人間性を描いた人間ドラマ小説。牧師の宗佑(そうすけ)さんは、受刑者の救済に尽力する教誨師として活動していた。
死刑判決を受けた犯人は冷酷な態度を崩さず、自らの罪に対する反省や贖罪の意思は微塵も見せなかった。その犯人に大切な人を殺害された宗佑さんは、犯人との対面を求める決意を抱き、その思いと犯人の人間性を描いた対話が始まる。
犯人の深層に迫り、復讐と赦しの狭間で揺れ動く父の心の葛藤を描く、重厚な人間ドラマです。
私たちに人間の複雑さや善悪の判断を問いかけてくる作品です。

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2023年11月18日

Posted by ブクログ

最後の祈り
薬丸岳さん。

大好きな薬丸岳さん。

初めから終わりまで、
胸が苦しくなる。
感情移入しすぎて、倒れそうになっちゃう。

死刑制度。
絞首刑。
執行する刑務官。
教え諭す教誨師。

薬丸岳さんは、本当にすごい人です。
伝わりすぎた。

考えさせられた。

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

「13階段」や「グリーンマイル」などで、死刑囚の映画は視たが、この本ほど、詳細に描かれているのは初めて。

絞首刑というものが、それを執行する刑務官、教誨師など、どれだけの精神的なストレスを与えるのか、ひしひしと伝わってくる。
処刑の方法は、もっと見直されなければ、成り手がいなくなってしまうのでは?

死刑反対を唱える団体もあるが、
実際、自分の大切な人が殺められたら、どうだろう。
その犯人が、塀の中とはいえ、規則正しい生活の中、食事と睡眠を保証されている。
それも、すべて、国民の税金で賄っている。
どんな理由があるとしても、命を殺めた人が、殺められた人の遺族にとっては決して許されるはずがない!

ストーリーとしても、さすが!
石原の心を開き、殺人鬼から人間に戻った姿を見届ける姿に胸が熱くなった。

虐待や親の身勝手で、子供たちがひどい幼少期を過ごさないためにも、もっと支援する工夫が大事。
未来の犯罪者を作らないためにも。
出生率を上げるだけが、子育て支援ではない。

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

殺人犯と、娘を殺された父
教誨師として対面する死刑囚が、娘を殺した犯人。
贖罪や反省の態度など微塵も窺わせないふてぶてしい態度の死刑囚が、どう変化して、どう死刑を迎えるか。

親子関係の設定やエピソードにわざとらしさは否定できないし、その辺の回収ができないまま終わるが、本筋のところの死刑囚の贖罪とか反省のところは、すごく重いし、収まりよいラストですごく良い。

一気読みできる読みやすさと没入感

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

教誨師や刑務官がこんなにも壮絶な苦しみを背負い、日々死刑囚と向き合っているという事に衝撃を受けました。
娘を惨殺された復讐ができるのか、それとも違う結末が待っているのか凄く気になって一気に読んでしまいました。
最後はある意味スッキリしたというか、いい終わり方だったと思います。
重く辛い内容でしたが、読み応えのある作品でした。

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2023年10月23日

Posted by ブクログ

教誨をして死刑囚がおとなしく
刑に服するということは
即ち、死刑を執行しやすくするためでもある…

なるほど、牧師さんにとったら
なんともいえないジレンマ。

死刑ってなんだろう。

何の反省もなく刑に処されても
被害者としたら納得はいかないだろうしねぇ。
やっぱり難しい。

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2024年05月16日

Posted by ブクログ

とても良かったです。
石原、保阪、小泉の心情の変化が丁寧に描かれていて、納得のできるラストでした。

めちゃくちゃ身勝手な感想ですが、薬丸さんが人間ドラマだけで傑作が出せることが証明されてしまいミステリファンとしては戦々恐々してます。

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2024年04月19日

Posted by ブクログ

最初から最後までとにかく苦しかったです。
薬丸岳さんの作品はとても好きで発売したらすぐ購入して読むんですが、この「最後の祈り」はなかなか手が出せませんでした。覚悟してお読み下さいと薬丸さんもコメントされている通り覚悟が必要でした。

大切な娘を暴漢に殺された。妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し死刑判決に「サンキュー」と高笑いした犯人。読んでいて怒りに震えます。
牧師である宗佑は受刑者の精神的救済をする教誨師として犯人と対面できないかと模索する。この犯人を地獄に突き落とすために。

400ページの長編で犯行の描写もあり読み進めるのが辛かった。でも読まなければいけない、読みたいと思いました。犯人が憎くて憎くて仕方なかった。
死刑囚と接する刑務官の苦悩も丁寧に描かれていて読み応えが凄かったです。
ラストまで目が離せなかった。結末はなんとも言えない。タイトルの「最後の祈り」の意味がわかりました。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

教誨師を務める牧師の男が、その娘(公には娘とされていない)を殺し反省の態度が全く見られない殺人犯と教誨師として向き合う物語。
かなり重いテーマだが、ぐいぐいと引き込まれた。実際に反省の色がまったくない凶悪殺人犯にこんな変化があるものなのかとは思うが、まさに人間ドラマだった。死刑執行に携わる刑務官や教誨師の職責の重さにも思いを馳せた。

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

重かった。色んな人の感情が、私の中でごちゃごちゃになって、本当に疲れました…

死刑制度ってどうなんだろう
何が復讐になるのか

実際に大切な人を犯罪で失った人と、それ以外の人では、考える重さが全然違いますよね。

自分は赦せるのか。大切な人を殺されたら…
イヤイヤ、ぜったい無理。想像するだけで辛い

そして、こんな職業があることも初めて知りました。
殺人者に「神様はあなたを赦します。私もあなたを赦します」なんて言うなんて…

一度間違いを犯した者は、やり直すことができないのか、と聞かれたら、私はそんなことないと思うけど…
でも、でも。。。

答えがないいくつもの問いに溺れて、辛い!
でも、人は楽しいことだけじゃなくて、こういうこともたまには考えて生きていかなきゃいけないよなぁと思いました。

とりあえず、次は明るめの話を読みたいけど。手元には違う、薬丸岳さんの本が待っています…!

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2024年04月11日

Posted by ブクログ

罪を償うこと、許すということの難しさを重たく訴えてくる小説でした。薬丸岳さんの小説に出てくる残忍な犯罪者達、全てに向けての筆のようにも感じます。最後があっけないとの感想も多いですが、自分は、主人公の石原、姉、宗佑、小泉の動きのひとつひとつが意味深く、静かに沁みてきました。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みながらどんどん辛く心が締め付けられていく
死刑囚にかかわる刑務官、死刑囚に教誨をし、最期のときに祈りを捧げる牧師。神経が壊れそうになっていく日々が苦しい。

凶悪犯罪を犯した死刑囚の石原は贖罪の気持ちもなく、死刑も恐れてないという。
せめて絶望させてから死刑にさせるのが復讐になると考えた
我が子をなぶり殺された牧師の葛藤が痛い程伝わってくる。

人を許すことの究極は子どもを殺された親が殺人犯を許すことではないだろか

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

相変わらず薬丸岳さんは重たくて破壊力のある題材を持ってきます。自分の娘を殺した死刑囚の教誨をするという内容で、よくこんなドMな内容を思いつくなという印象でした。
凶悪犯には更生など求めず死刑にして欲しいと思ってしまう人間なのですが、この本では死刑に携わる事によって、心が病んでしまう人たちが沢山出てきます。
そうか、死刑にしろと言うのは簡単だけれど、それまで世話をしてきた人たちが、自分たちの手で殺さなければならないし、その体の重み、熱を感じなければいけないんだと思ったら、急に死刑というものがなんの為なのか分からなくなってしまいました。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

被害者家族の辛さ、苦悩が伝わって読んでるだけで辛くなった
犯人から直接犯行の様子を聞かされるシーンは自分が保坂さんになった感覚になって激しい怒りを覚えた

とても考えさせられる一冊

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

死神にはならなかった。実の娘を殺されて、教誨師の立場を最大限利用して石原を絶望のどん底に叩き落とすラストも考えられたはずなのに、敢えて赦しを作者は選んだ。人は赦し、赦されることを望んでいるのだろうか?たとえそうだとしても、ドス黒い思いを抱えた2人の男の救いのない結末が良かった。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

娘を殺された教誨師と無惨に殺した殺人鬼の激しい対峙を予想していたのですが、見事に違っていました。教誨師の死に行く者への最後の言葉が、そんなに簡単なことではないと思いつつも心を揺さぶられました。良い作品だと思いました。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

重い重い話であった。
惨たらしい殺され方をした娘の復讐のために、加害者の石原の教誨師となり、死刑となる直前に絶望を与える言葉を突き刺すのだと決意していた宗佑。ハラワタ煮えくりかえるような言動を続ける石原だが、宗佑の教誨を受けるうちに徐々に変わってきた。宗佑に会いたいがために神に祈ったという石原の言葉に宗佑も思いが変わってくる。人との触れ合いで、人は変わっていくんだなと思った。憎しみ続けるより許せるようになりたいとの思いにグッときた。そして、迎えた処刑直前の石原の言葉に、宗佑は葛藤の末に許したと言うと石原の頬の震えが収まった。

この本に前に読んだ「罪の境界」に引き続き、ひどい生い立ちが犯罪の根っこになることを改めて痛感した。そうならない世の中に、小さなことでもできることがしたいと思った。非常に考えさせられる小説だった。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

教誨師という存在を初めて知った。
刑の執行までに罪を認め、向き合い、被害者たちへ贖罪の気持ちを持つ。
そこまで至る者が皆ではないかもしれないけれどただそうであってほしい、そうなってくれと祈りながら読んだ。
読み進めるうちに苦しみを与えるだとか復讐だとかそういうことが薄くなっていくのが不思議で誰かに祈りを捧げることで自分自身の気持ちも浄化されていくようだった。

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2023年11月07日

Posted by ブクログ

自分の娘を殺害した死刑囚と対峙する牧師の保坂。教誨師となり、憎むべき死刑囚の最後の瞬間まで寄り添う。理由は早く死にたいと願う死刑囚から、死にたくないと思わせることで生への執着を持たせ、復讐すること。物語の最後の最後まで、保坂の揺れ動く感情に共感できた。保坂のこれからが平穏な日々であることを心から願う

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2023年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

#最後の祈り #薬丸岳

薬丸さんの書籍が大好きでいろいろ読みましたが、いつも最後に正解がわからなくなり終わります。
人が人を裁くことや自分の気持ちの折り合いの付け方の正解がわからなくなります。

最後に被害者と加害者がお互いの存在で救われる場面は本当に圧巻でした。それが復讐であっても。
読後もずっと悩み続ける作品です。


殺人犯と、娘を殺された父。 死刑執行を前に、 命懸けの対話が始まる。

娘を殺した男がすぐ目の前にいる。贖罪や反省の思いなど微塵も窺えないふてぶてしい態度で。

東京に住む保阪宗佑は、娘を暴漢に殺された。妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し、死刑判決に「サンキュー」と高笑いした犯人。牧師である宗佑は、受刑者の精神的救済をする教誨師として犯人と対面できないかと模索する。今までは人を救うために祈ってきたのに、犯人を地獄へ突き落としたい。煩悶する宗佑と、罪の意識のかけらもない犯人。死刑執行の日が迫るなか、二人の対話が始まる。動機なき殺人の闇に迫る、重厚な人間ドラマの書き手・薬丸岳の新たな到達点。

〈著者・薬丸岳さんから〉
「死刑になりたいから人を殺した」
「誰でもいいから人を殺したかった」
世間で無敵の人と呼ばれる凶悪犯には心がないのか。いや、そんなはずはないという祈りを込めました。
ぼくの作品の中で最も重く苦しい物語です。どうか覚悟してお読みください。

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

とてもとても重く、難しいテーマに真正面から向き合った作品。
いったいどのような結末を迎えるんだろう?
このテーマに結論なんて出るんだろうか?
わたしならどう考え、どう行動するだろう?と自分なりに考えながら読んだ。

そして、受刑者たちにこんなふうに接して働いている方々がいるということ、そういった仕事についていることの大変さに改めて気付かされる。
死刑執行の場面に立ち会い、その執行に加わらなければならないなんて…いったいどれほどの精神的負担だろう。

最後の最後まで途切れない緊迫感。
長さを感じさせない作品だった。

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2023年10月08日

Posted by ブクログ

重い、重くて少しずつ読んだ。人間の本質を問う主題に寄り添う気持ちが切なくて、、
どの章も何で?と叫びたい場面ばかり。私は傍観者で良いのかな?皆んなに呼びかけたい作品

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2023年10月06日

Posted by ブクログ

確定死刑囚と接し、死刑執行にも携わった刑務官の心情。
被害者遺族としてだけでなく、教誨師としての苦悩。

今回もなかなかに重たい物語だった。
罪深い人が何人も出てきた。

拘置所や死刑について(執行も含む)の緻密な描写もすごかった。

最後の方で展開が早くなり、ササッと終わってしまったように感じた。
そこがちょっと残念。

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2024年03月15日

Posted by ブクログ

非常に内容の重い小説だった。読み終えるのに 一週間以上掛かってしまった。
教誨師は中山七里さんの小説で知ったが、ここでは死の直前にも立ち会うということで大変な仕事と思う。その上に、相手が自分の娘を殺した殺人鬼であり、大変さが増してくる。殺された娘の義理の母親が、主人公に執拗に殺人者の教誨を勧める姿にも狂気を覚える。
鬼畜のような殺人者達が全部では無いが、裁判でも反省すら見せないのに、教誨師によって反省と死への恐怖が宿るのが不思議な光景に映る。切っ掛けを求めていたということだろうか?
息を呑む最期の展開は、呆気ないほどの幕切れ。これで良かったのかな?

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2024年02月21日

Posted by ブクログ

犯してしまった罪を赦すことができるのはいったい誰なのか、誰に赦しを請えばいいのか。
牧師ではあっても決して聖人というわけではなく、罪の意識を背負いながら生きる主人公が赦しを求め続ける姿に共感できないことはないけど、登場人物の気持ちや考えがあっさり簡単に変わってしまったり(あっさり簡単に変わってしまってるように感じたり)、人の心ってそんな簡単か?と感じてしまったりもした。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

読んでいる途中、胸がムカムカしてきて挫折しそうになった。それほどこの犯人が最低の最低に最低の男だった。
秘密にしてたけどほんとは実の娘で(その母親と恋人同士だったのにその姉に一目惚れして母親を裏切ったという経緯あり、その女性は子どもを残し自殺)その娘(由亜)が妊娠7ヶ月の時にこの石原に惨殺される。
そして牧師だった宗佑が教誨師として石原の前に現れる。
生きる希望を与えた上で死刑に言い渡され絶望させるという復習の為に。
最初は反省の欠片もなく若い女をいたぶり殺す楽しみがなくなったから早く死刑にしてくれと言ってた石原がだんだん宗佑に心を許していき、生き別れになった姉とのやりとりも含め最期は姉の言葉を理解して死んだ人は何も伝えられないということを実践して姉に言葉を残さず(それが彼に贖罪)執行されていったというラスト。
うーん、私はこの内容よりもむしろ教誨師という仕事と死刑に携わる刑務官の仕事の精神的な辛さに思いを馳せたね。
こんな仕事は辛すぎる、絶対精神がやられるだろうし、食欲もなくなりげっそりして仕事を辞めていく人が多そう。
並の神経じゃ務まらないと思う。
いろんな意見がある死刑有無問題だけど、やはり人を殺めることには変わりないことで、それを人に負わせるのはあまりに理不尽だとも思った。

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2023年12月03日

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