【感想・ネタバレ】ヤラセと情熱 水曜スペシャル「川口浩探検隊」の真実のレビュー

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Posted by ブクログ

テレビ番組「川口浩探検隊」についての調査

月刊誌EX大衆で連載5年追加3年かけて
80〜90年代のテレビ番組について調べたり取材したのをまとめている。
ヤラセや演出について、テレビやメディアを考える上でとても興味深い。

驚くべきエピソードや登場人物が次から次へと登場してページをめくるのをとめられなくなる。
時代の熱量とともに筆者のテレビ愛も感じられる。

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2023年07月03日

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探検隊の関係者の話が想像に難くない面白さがあるのは当然として、構成が素晴らしい。嘉門達夫を導入に、次々と話を聞く中で浮かび上がる伝説の人。そしてご本人には当たれなかったが重要な事件の関係者の書籍を発掘し、伝説の人が幻かと思いきやほぼ同じキャラの洞窟の前で昼寝していた人の託宣を受ける。著者が一番面白がっているのが伝わる筆致。

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2023年05月16日

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週刊誌的なネタから始まり実はマスコミに対する深い問題提起。80年代日本の業界、ノリとヤラセ、演出についての貴重な記録。

水曜スペシャルのスタッフがたまたまロス疑惑に直面しマスコミとして最初に三浦和義氏に取材。その胡散臭さを見抜いていたとういエピソードが面白い。

筆者の前作のテーマがプロレスだったという点も面白い。

マスコミ論を学ぶ人には是非読んでほしいと思う。

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2023年04月23日

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まず面白い。そして異なった立場と視点から見た事実の豊かさたるや
当時から人々になめられていた物にこそ衝撃の事実が数多く存在し、リアルだと信じられていた物に存在した数々のフェイクに、もはや笑いがこぼれる皮肉

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2023年04月07日

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テレビ朝日の水曜スペシャル
「川口浩探検隊」の制作スタッフへの取材。
これは相当面白いです。
圧巻です。
ただの暴露本ではなく、テレビ愛に満ちた
教科書です。
テレビが最も面白く、最もバカらしく、
ハチャメチャでありながら、
テレビ愛に満ちたテレビマンたちの悪戦苦闘ぶり。
クリエイターの方々にはぜひ読んで頂きたい、
傑作です。

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2023年03月20日

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70年代生まれにとって、忘れられない体験である「川口浩探検隊」。前半の裏話を面白おかしく読み進めていくうちに、「テレビ」とは、「バラエティ」とは、どんどん深みにハマり、最後は圧巻の語りで締められる。大人が真剣勝負で遊んでいたというのだろうか・・・視聴者はバカではないと信じてどこまでも作り込んでしまう。本物なのかヤラセなのか、グラデーションから混ざり合ってしまう感覚。
ひとつ言えることは、あの頃のテレビは無茶苦茶で、でも、面白かった。

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2023年02月18日

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テレビというエンターテイメントを少しでも面白くしようという熱情が過剰になりヤラセ演出を生み出すが、でもそれはあくまでも「演出」であり「欺瞞」ではないわけで、そこの線引きはそもそも視聴者側が自らしなくちゃいけなかったことだったのに、いつの間にか「リテラシー」「コンプライアンス」というお題目が横行してテレビ側に責任を押し付けるようになってしまったのが、結局、テレビを殺すことになったということなんだと思う。


プチ鹿島氏の語り口は相変わらず声出して笑っちゃうくらいに面白い。

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2023年01月12日

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我々は数多の書籍があるジャングルで、遂に本書を発見したっ!

40代後半以上の人なら覚えておいでだろう。テレビ朝日で放送
されていた「水曜スペシャル」。そのなかで当時の子供たちが
手に汗握り、固唾を飲み、心を躍らせた「川口浩探検隊」。

嘉門達夫氏が番組内容を茶化して歌った「行け!行け!川口浩」
いうパロディ・ソングを覚えている方もいるだろう。

著者もそんなひとりだ。探検隊の放送を毎回楽しみにしていた。

そんな著者が、川口浩探検隊の隊員として参加した当時の
スタッフを探し出して番組の真実に迫った。探検隊のみならず、
「ヤラセ」と言われるテレビ番組の真相にも迫っている。

と、川口浩探検隊のナレーション風に書こうと思ったのだけれど
無理だったので、ここら辺で止めときます。

凄かったと思うのよ、この探検隊シリーズ。今のように気軽に
インターネットでなんでも調べられる時代ではなかったのだから。

その土地に伝わる伝説などを参考にしながら、原始猿人やら、
怪鳥やら、双頭の蛇やら、未知の生き物を探しに行っちゃう
のだもの。

番組に携わったスタッフの情熱もとんでもなかったよ。「どう
したら面白くなるか」を常に考えて、遂には蛇と蜥蜴を縫い合わせ
て、存在しない動物を作っちゃう。

だが、そんな番組も今は作るのが難しいだろう。同じテレビ朝日
「アフタヌーン・ショー」でのヤラセが発覚してからというもの、
コンプライアンスが厳しくなったから。

白か黒か。それだけで判断できないものってあると思うんだ。
特にバラエティ番組なんかはね。見終わって「面白かったけど、
これって本当にいたんだろうか?」って視聴者に思わせる
のもいいんじゃないかな。

当時はオカルト番組だっていっぱいあった。オウム真理教の
一連の事件以降、オカルト封印になっちゃったけどね。心霊
治療なんて「んなわけあるかぁい」って突っ込みながら見て
いたわ。見る側の「見方の自由」さえ奪われた感じ。

川口浩探検隊や「水曜スペシャル」だけではなく、前記の
「アフタヌーン・ショー」ヤラセ事件や、旧石器捏造事件、
ロス疑惑事件まで話が及んで、読み手を引きつける。

テレビがエンターテインメントとして機能していた頃の、
ハチャメチャな裏話としても楽しめる。

尚、ロス疑惑事件では発生当時、ロサンゼルス警察の取材を
していた「水曜スペシャル」取材班が真っ先に三浦和義の
インタビューを取っていたことにびっくり。

そして、「作り物」の番組を制作していたスタッフたちは
一様に「これの事件、おかしいよね」と感じていたのだとか。
なるほどな…って、変なところで納得。

テレビで放映されない裏側に、本当の「ドキュメンタリー」が
存在していたんだね。スタッフたち、かなり危険な目にあって
いるのだ。それさえも、今じゃ出来ない取材準備かもしれないね。

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2023年11月05日

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子どもの頃、怖くて、あんまり直視出来なかったけど、翌日の学校は番組の話題で持ちきりだった。
テレビ制作に携わっている全ての人に読んでもらいたい。

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2023年01月27日

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川口浩探検隊〜アフタヌーンショーやらせ事件〜ロス疑惑〜徳川埋蔵金〜旧石器捏造事件が一本の線で繋がっていく展開に戦慄。1984年のテレビ朝日。

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2023年01月08日

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 私はテレビが好きだ。いや、好きだった。テレビは、ためになることもならないことも、面白いこともそうでないことも、毎日毎日、ほぼタダで(公共放送以外は)垂れ流している、不思議な機械だ。最近のテレビはつまらなくなった。テレビをつけても、昔見た2時間ドラマの再放送か、プロ野球の中継、好きな海外ドラマの録画と、あと時々ニュースを見るくらいだ。ちょっと前まではそんなことはなかったように思うが、ここ数年、本当にテレビを積極的に視ようとは思わなくなった。楽しみにしているテレビ番組は、5本の指でも余るくらいしかない。
 平成も、前半のころはそんなことはなかったし、ましてや子供のころ、昭和の後半から末期にかけては、テレビは本当に楽しいおもちゃ箱だった。楽しいことやくだらないことがいっぱい詰まっていた。スイッチを入れると歌謡曲が流れ、時代劇ではばったばったと悪人が切り殺されていた。心霊写真やUFOが子供たちを恐怖に陥れ、川口浩がジャングルの奥深くへと謎の生物を求め分け入っていった。人生において、くその役に立たないものに、我々はくぎ付けになった。この本は、そんな時代とその終焉を告げる転換点について、時代の生き証人たちの言葉から浮かび上がらせていく。テレビ番組において「ヤラセ」とは何なのか。真実とは?事実とは?取材を進めるうちに曖昧になっていく「事実」と「ヤラセ」の境界線。そして、迷走し逆転する価値観。「川口浩探検隊」を探す探検は、思いがけなくもテレビそのものが持つ暗部というか、宿痾にたどり着いてしまう。伝説のプロデューサーへの直接取材を探検の最終目的地と設定していたのだが、果たしてその計画は実現するのか。はたまた・・・。
 ここ2、3年、懐かしい昭和のテレビ番組関係の出版物が相次ぎ、その高い資料性に釣られて何冊か買い求めた。本書もそんな中の1冊であり、「ヤラセと揶揄され、嘉門達夫の歌で面白おかしく人口に膾炙したテレビ朝日『水曜スペシャル』の「川口浩探検隊」について、それこそ、面白おかしく語った」本だと思い込んで、読み始めたところ、私は大きく裏切られた。もちろん、よい意味で、である。「水曜スペシャル」、中でも「川口浩探検隊」への並々ならぬ敬愛と憧れにあふれた著者のスタンスは、毒蛇や崖をものともせず密林や洞窟にに分け入る探検隊の姿そのものだ。次第に深い闇とぬかるみに踏み込んでいく著者のあくなき冒険心と「真実を知りたいと思う心」には圧倒される。そして、たどり着いた果てに彼らが見たものは。

 読み終わって、なにか物悲しい、寂しいものが心に残ったことに、私は戸惑っている。もう、あんなにおもしろくむちゃくちゃなテレビ番組は、作られることはないのだろう。すべてはゆめまぼろし、密林のかなたに消えた双頭の大蛇のごとく、それはあったのかなかったのかすらいずれわからなくなるのだろう。そして、それ作った男たちのわけのわからないパッション。彼らもまた、時代とともにあとかもなく消え去るのだろう。
 私は、そんな番組が作られた時代に、リアルに出会えていたことに、感謝するほかない。すべては一期一会。テレビ、テレビマン、視聴者が同じ夢を見ていたころ。本書はそんな時代への鎮魂歌に思えてならない。

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2023年11月01日

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子供時代に見ていたけど、ヤラセとは思ってなかったかな。特集によって内容に差があったような記憶がある。
本はとても興味深い内容でした。

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2023年09月26日

Posted by ブクログ

今や歴史的な評価は「伝説のヤラセ番組」として(ともすると半笑い的に)確定している感もある『川口浩探検隊』をOBスタッフに取材しながら再検証した一冊。まさしく本書それ自体が探検隊の新作。「我々は遂に〜」のような文体にニヤニヤしていたら(ヘビは生に限るw)いつの間にかロス疑惑や旧石器捏造事件(本書を読まなければマジで一生思い出さなかったかもしれない)にまで話は及び、そこからフェイクニュースやエコーチェンバーといった現代性を帯びたイシューに一気通貫で到達する構成・筆力が面白すぎる。単にヤラセを糾弾するわけでもなければ「テレビなんだから」という開き直りでもない非常にバランス感覚のあるスタンスもプロレスに明るい著者だからこそ書けたものなのだと思う。そしてワクワクしながら読んだ先にあったのは、この情報化社会を生きる我々は『川口浩探検隊』を冷笑している場合ではないというオチだった苦さも手伝って不思議な読後感。

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2023年06月04日

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ネタバレ

思えば、ルポルタージュの題材としては格好の象徴でありながら、意外やこれまで"川口浩探検隊"について著された書物や記事、リポートは多くない。
毎月購読していた雑誌「ムー」を隅まで読み尽くし、五島勉氏の「ノストラダムスの大予言」や中岡俊哉氏の「恐怖の心霊写真」の世界に没入していた当時の私は無論、「水曜スペシャル」の当シリーズの放送を、もはや信じるとか信じないとかの次元でなく、ありのままの真実として捉えて文字通り一心不乱に視聴していたわけで、まず以てその時点で本書に対するスタンスには高い下駄が履かされた。

もちろん、双頭の蛇ゴーグは作り物であり、類人猿バーゴンも人が中に入った着ぐるみであり、ジャングルも洞窟もすべてスタッフが事前にロケハンと仕込みを済ませた舞台であるということが、当事者たちへの丹念な取材と共に改めて丁寧に解説されている。
ここまでは極論すれば中身を読まずとも内容はある程度推測可能だが、実際に読んでみると、エンタメに徹しきった当時の関係者たちの仕事ぶりたるや、少なくとも私の想像など遥かに超越してぶっ飛んでいたことが分かり、心底たまげた。
映像には映らないところ、オンエアには乗らないところで、スタッフは毒蛇を捕まえ、断崖絶壁を下降し、現地の部族に身柄を拘束され生命の危機に瀕している。。
著者のプチ鹿島氏は辺境作家の高野秀行氏にも取材しているが、高野氏が「一番ヤバい時っていうのはカメラが回せないときなんですよ」と、見事に本質を言い当てている。
そのカメラが回っていないところのプロセスも含め、旅程を余すところなく綴って読み物に昇華しているのが例えば高野氏の著書であったりするが、番組はそのリアルな裏側を潔く捨て、"見つかったら謝ろう"精神で以てあくまでもエンタメとして造形していかなければならないわけで、これはなんたる業、宿命か。
「スリランカのときは、向こうでヤバいものがあまり撮れなくて。で、スリランカからの帰り道にタイに寄って、この洞窟を使ったんです」
ヤラセだ過剰演出だと、最近でもバラエティー番組や情報番組が槍玉に挙がる事例はあるが、国境を超えて移動しそれっぽい"ニセモノ"を接ぎ合わせるなどという大胆な発想はさすがに21世紀に生き残っているはずはなく、有り体に言って、スケールの桁が違う。

最終章は一転文体を変え、放送作家である鵜沢茂郎氏のインタヴューが独白スタイルで収められているが、その内容は圧巻という他ない。
コンプライアンスなどという言葉がなかった昭和のテレビ界に禍々しく満ちていた傲慢さを存分に放ちながらも、今のテレビに対する悪辣な批判はズバリと核心を貫いている。
リテラシーとは? 今更ながら考えずにはいられない。

「世の中で言う、『数字を取るためにやむなくやりました』とか、『チェック体制が甘かった』とかっていうのはほとんど嘘だと思ってる。」

最後に一つ、"ジャイアントトロピガルガー"という名称が幾度か出てくるが、正しくは"トロピカルジャイアントガー"。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ


川口浩探検隊の世代ではないので少し割引かも

ヤラセというと、視聴率のためという印象だが、むしろ現場の制作する人のクリエイターの創作意欲がそうさせている印象

少なくともそこには熱いものがある

終盤、話が広がってくるとなんかなあという印象を受けた

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2023年08月26日

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