感情タグBEST3
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ひと、まち、と来てのこの本。
一番考えさせられた。
妹が、自分の十年来の友達とクルマに乗っていて、事故に遭う。
そして、少し後を引く後遺症が残る。
冒頭から、自分の身に置き換えた。
自分の家族がそうだったら、どう思うだろう。どう行動するかな、と。
主人公が勤務しているスーパーでのパートさん達との関係も。
どこにでもありそうだけど、一番身近で悩むことが多そうだし。
解決の仕方は、あぁ良い方に転んだな、と喜べた。
事故が起きてから、連絡が途絶えていた友達との再会も。
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江戸川区平井から荒川河川敷。この舞台がとても好きだ。いろんなぎくしゃくやわだかまりを取り除くのは、自分から動くしかないんだ。こんなにすっきりといくことはないかもしれないけど。
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前作、前々作に登場した人物や場所がてでくるのは、やっぱり気持ちよくわくわくする。
『人に謝る、ちゃんと』って意外と難しいんだよな〜と感じていた。言葉が出ないとか。
でも、最後の怒涛の謝罪シーン、すごくよかった。
ある意味勢いも大事だよなと。
家があって、家族があって。やっぱり大切だなと感じた。
今、学生時代の友達に謝ることは思いつかない。
ただ、学生時代に仲が良かった仲間と疎遠になっているのは確か。連絡を取ってみよう。と改めて思った。
荒川の河川敷いきてぇー!!
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最高です。
三部作の中で、話のテーマとしても、主人公としても、個人的には一番好みです。
「ひと」や「まち」は、周囲の人との関係性などに焦点が当たっていましたが、「いえ」は家族がメインテーマ。
家族や周囲の人とのギスギスした関係が、ゆっくりと氷解していく感じが、読んでいて本当に心地良かったです。
で、その氷解のきっかけが何か特別なことではない所が良いです。家族や先輩、彼女と話したり、自分のことを見つめ直したりしたことで、絡まった紐がスルスルほどけていく感じというか。
そして、主人公の三上傑くん、周りに素っ気なくて、淡白なところにシンパシー感じます。(ホケツだったとこも)
特に、いつでも前向きでないと、罪である様な風潮に対する考え方に共感。
実際、基本は前向きなんだから、落ち込んだ時くらい、そのうち前向きになれればいいって感覚でちょうどいいと思いますし。
「まち」と「いえ」の舞台でもある平井駅で聖地巡礼をしたくなりました笑
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心理小説なのである。ゆっくりゆっくりごまかさず、心の中をみつめていく。
ただ日常の描写が続くのではない。そこにある生き方を、とても丁寧に描き出すのだ。
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世の中、そうそう思ったようにはいかない。
妹の交通事故で受けた障害も、事故を起こした相手が自分の友達だったら傑のような気持ちになっても仕方ないと思う。気持ちが何か一点に定まったままになると当たり前だけど、そんな気はなくてもおざなりになってしまう。まさに負のスパイラル。
妹提案の家族会議をきっかけに、諸々のギクシャクを解決、決着をつける傑。物事を白黒はっきりさせて、逆にはっきりさせずに解決するのもありなんだなと改めて思った。だけど私は白黒云々以前にそんな一歩も踏み出せなさそうだ。
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荒川沿いの町、江戸川区平井を舞台にしたヒューマンドラマ。
* * * * *
主人公は三上傑。スーパーのハートマートに勤める25歳。描かれるのは、仕事でもプライベートでも屈託を抱える傑の8ヶ月間。
と、概要だけで馴染んた名称が2つもあり、読むのが楽しくなってきます。
のっけから「喫茶羽鳥」です。ファンにはおなじみ、昭和の名残り漂うお店です。
カフェでなく喫茶店です。だからピーナッツの小袋がピッタリきます。この感覚がいい。
三上家のご近所もまたいい。
まずは「筧ハイツ」。なんと「江藤瞬一」君も登場します。それも結構重要な役どころでの登場です。
おまけに三上家の隣家には「郡唯樹」君が住んでいるのです。
「面倒な兄」。そんなことありませんよ。
妹の脚に残る障害。
仲違いする両親。
難航する妹の就活。
すべての責任は親友と妹を結んだ自分にあると思ってしまうのはしかたないことでしょう。
気に病むな。そう思って、傑にエールを送りながら読み進めてしまう作品でした。
『ひと』『まち』でもそうでしたが、自分ではどうしようもない出来事と向き合う主人公に対して、温かい目線でもって描くのが、小野寺さんは本当にうまいと思います。読んでいても希望の灯が感じられて安心できるところが、小野寺作品の魅力です。
さらに本作では、主人公には実にステキな彼女までいて、ひどいことには絶対ならないんだろうなと予想できたので、小心な自分には大好きな作品になりました。
「筧ハイツ」を中心にした「江戸川区平井」が舞台の一連の作品は大好きなシリーズです。どんどん書き足していってほしいと願っています。
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バイトが結託して新人社員をシカトかよ。
いい大人が何やってんだよ。
もらい事故で障害が残って家庭崩壊かよ。
救いがないよ。いい加減にしてくれよ。
で終わる訳がなかった小野寺ワールド。
なかった事には出来ない現実を受け入れるには、
家族であっても個人差がある。
時間もやり方も。
あんな事さえ起こらなかったら、というタラレバを繰り返しても仕方ないって理屈では分かっていても納得出来ない時には、家族に八つ当たりしてしまう事もあるだろうし、でも、先に現実を受け入れた家族だって、八つ当たりされて楽しいはずもなく、空気が悪くなる、ギクシャクする。
私なら逃げてしまうかもしれない状況を、こんな納得いく形で収めてくれるとは思ってなかった。事故はなかった事にはできないし、障害が消えた訳でもないのに、家族それぞれが現実を受け入れたラストに、大団円、という言葉を思い浮かべました。
田野倉のコロッケや、江藤くん、郡くん、懐かしい面々が出て来て、みつばの町のお話を読んでた時の様な感覚。片見里にも連なる様な懐かしさ。
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『ひと』が面白かったので手に取った1冊。
途中までクサクサしてて、家族も仕事も、彼女とも、うまくいかなくなってしまうのではないかと、嫌な予感を常に抱いていたが、後半はそれらをスッキリ回収していき、気分良く終われた。
主人公は、決して「できる人」ではないのかもしれないけど、素直に自分と向き合ことのできる人。そして妹と彼女は彼よりもちょっと強い人。
『まち』も読んでみたい。あと作中に出てきた『ホケツ!』も。
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事故で足に障害を負ってしまった妹の兄が主人公。
後天的な障害を持った人のきょうだいもそれはそれで受け入れるのも辛いんだろうな。
しかもその事故は妹の彼氏であり、兄の友達でもある人が運転していた車に乗っていたから巻き込まれてしまった部分もあるし。
憎むに憎めないし、でも許すこともできない。
難しい立場だわー。
だけど、思い立ったが吉日で間髪入れずに謝ってしまうって見習いたいと思ったね。
思いは言葉にしないと伝わらないのは知ってるけど、それができずに大人になってしまったからな。
なんか一冊で色んなことを感じた。
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安定の小野寺節。言い回しが小野寺節。
別作品に出てきた人が出てきて楽しい。けど、意外と覚えてない私。
小野寺さんの作品に出てくる人って、みんな優しい。ほんわかあったか系。
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妹の足の事故を境に、自分の頭の中で悩み続ける毎日。悩む中で、自分の嫌な所に気づいて自己嫌悪し、周りが見えなくなって更に自己嫌悪する。
しかしふとした会話で、他者の立場になって考えることができた。すると、素直に相手に思いを伝えたり、反対に話を聞いたりすることの良さに気づく。今まで言いたくなかった「ごめん。」の一言が、スルッと出るようになる。
この物語を通して、主人公と自分を重ねることがあった。そんな書き方ができる小野寺さんの本が好きです。
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ちょっと心が痛くなる。でも、良かった。
他人の気持ちが分かる人になりなさいと幼い頃からよく言われた。でも、考え過ぎると足元が覚束なくなって躓くんだ。
この作品自体は、そんなに深い所まで入り込んでいないし、程よい視点で捉えてくれている。家族、夫婦、兄妹、友人、同僚、部下、色んな繋がりがあって、毎日を生きている。捉え方は人それぞれだとは思うが、筆者は毎回このシリーズ最後の一文に全てを込めてくる。今作は私の中では腑に落ちた。良作ですよ。
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ひとシリーズ第三弾。
舞台は同じ平井駅近くの荒川の河川敷近く。三上家の長男傑、妹の若菜が主人公。
若菜は傑の親友大河と付き合っていたが、二人でドライブ中に事故を起きて、それが原因で若菜は足をひきづるようになる。
そんなことをきっかけに、何か全てがトゲトしい感じになっていく。
お客様対応をキッカケにして、謝罪って、やってみたら思いのほか気持ち良い事に気づいて、回りとの関係を修復していく。
若者の清々しさが強く感じられ、読後感は非常に良い。
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ひと、まち、いえの3部作サクサク読みました。悪人が出て来なかった。中でも「いえ」が一番好き。答えの出ない いろんな葛藤、悪い循環は得てして重なり易く、何度自分の心の中を覗いても、人は自分を守るために逡巡しがちでなかなか踏み出せず思い悩む。
ほんのはずみで踏み出した一歩が次へと繋がって、もつれた糸がスルスルとほどけていく。案外「生きてる」ってそんな連続なのかもと感じさせて貰えた。
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このシリーズ、全部で3作出てるのかな。
今回で一応3作とも読んだなぁ。
コロッケの子と、消防士の子と、最初のコロッケの話は最後までどうなったんだっけ?
どの話も、日常の切り取りだったり、全然自分もそんな事思うよなぁ、って共感して出来る、ちょっとだけこころが洗われる様な、良い作品だと思います。
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『まち』『ひと』からちょっと間あけて『いえ』を読みました。世界線が一緒なので、ちょっと忘れてる部分もあるけど楽しい。
彼氏とドライブ中に事故に遭い、足を引きずりながら歩くようになってしまった妹の若緒。彼氏は親友だった大河。大河を恨む母と大河は悪くないと言う父。前半の家族や周りとの関係を読者に理解させる構成がうまい。
家族はバラバラに、仕事も上手くいかないし、学生時代の劣等感。そんなぐだぐだした主人公を見ていてくれる彼女。そして気合いの入った妹に影響を受けて、最後の巻き返しが清々しかったです。
ダラダラした会話とか説明部分は読み飛ばしちゃったけど、淡々と読める良い小説でした。
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「ひと」「まち」が入ってて、ちゃんと読んでいたから、なんかわかって嬉しい感じで、しかも下町の河川敷の感じがよくわかるから、心地よい。
この作品も心の機敏が細かく書かれていて、そこが好き。
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主人公は家族想いで、家族にも周りの人にも気を使う性格。気の使い方や思考回路が私と似ていると思った。心にモヤモヤが残っていた人との事を勢いに乗って次々に謝っていき心を軽くしていくところは、読んでいて私も一緒にスッキリした。自分軸で決着をつけていくことで前に進める。同じような負の感情を持ちがちだから共感できたのかもしれない。
田野倉の名前が出てくるとなんだか懐かしい気持ちになる。
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兄目線から、家族の様子、友人,彼女、職場、近所、様々なつながりが描かれていて、どんどん読める作品。いいところも悪いところも含めて、人間らしくていいなと思えた。
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以前に【ひと】を読み、他のも読んでみようと手に取った。
この作品にも、前回のメインであるおかずの田野倉が一瞬出てきて、おっ!と思った。
家族関係、友達関係、職場関係。
それぞれに問題があって、それでもその問題について逃げずに話し合い、お互いの気持ちを相手に伝える。
そんな人との向き合い方が丁寧に描かれている。
誰もが経験しそうな日常生活、そして誰もが経験しそうな悩み。
近所の人達との関わり合いもほっこりし、安心して読める。
傑の思い立ったが吉日の行動があまりに潔くてかっこいい。
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主人公・三上傑の妹である若緒は、恋人の城山大河と(傑の友人でもある)ドライブデート中に事故を起こし、その後遺症で左足を引きずるようになってしまった。事故以来、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡り、三上家はどこかぎくしゃくしている。教員の父は大河に一定の理解を示し、納得いかない母は突っかかり、喧嘩が絶えない日々が続いている。
いつも通り、主人公の傑のキャラクターがなかなか良い。傑物、豪傑、の傑から取った名前で「すぐる」というのだが、『残念ながら、おれは傑物でも豪傑でもない。どちらかと言えば凡人だ』と自らを語る。妹である若緒を心配しながら見守る優しい兄貴だ。
若緒の強靭な精神力には感心させられる。不慮の事故で不自由になった足を嘆かずに強みにして、就活に苦戦しながらも、ついに希望先を勝ち得るのだから。しかも、恋人の大河に別れ話を持ち出したのは若緒だったことが終盤に明らかになる。理由は、今後大河が事故の責任を負い関係を続けていくことになるのは嫌だったからと、家族の前で話した。あまりにもカッコよすぎる若緒が凹んでいる私に喝を入れて来る。兄貴の傑がパートのおばちゃん、気まずくなっていた大河との関係を修復していったように、崩れかけていた家族も元通りになっていった。
たぶん、交通事故が起きなくても、いつか若緒と大河は別れることになっていただろう。
本作は『ひと』『まち』に続く三部作。登場人物に以前の作品に出てきて彼らが友情出演(笑)していて、『まち』の主人公だった瞬一がめでたく消防士試験に受かっていることが知れる。というか、傑と瞬一は同じ街に住むランニング仲間なのだ。自分が住んでいる街も同じように様々な人たちが色んな物語を持っているのだろう。いつもウォーキングで挨拶しすれ違う人たちの顔が浮かんだ。
今回も、日常の平凡な暮らしの中に語られる小野寺さんの術中にはまってしまった。
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「ひと」「まち」を読んだのが2、3年前なので、久々のこの作品世界が懐かしく、相変わらず心地良かった。
特別優れている、とか秀でている、鋭い、とかでは無い、市井の普通の人々の出来事、思いが淡々と描かれているだけなのですが、其々の思い、思い遣りが心に沁みるという愛おしい世界。
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「ひと」「まち」とおなじ装丁の今作は
やはり同じ地域を舞台としている
「まち」で出てきたアパートの近くに建つ一軒家
そこに住む4人家族の兄が主人公
ちなみに前作の「まち」の主人公江藤くんも度々登場する
(主に江戸川ランニング、お散歩仲間として)
両親、妹と一軒家で暮らす三上傑
スーパーに就職して3年目
パート従業員とうまくいかず悩み中
そして傑の大学生の妹、若緒は就職活動中の大学生
恋人の大河とドライブデート中の事故で怪我し、足を引きずるようになってしまった
大河は傑の古くからの友人であり、家族ぐるみの付き合いがあった好青年
その大河への対応を巡って三上家はぎくしゃくしていた
事故を起こした大河に対して、どう接したらいいか悩み、迷う傑
一度犯した過ちは、決して消えないものなのか、
傑は仕事ではパート従業員のおばちゃんたちに嫌われて、
でもだからといって、媚びるのも嫌だったり、
日常のちょっとした小さな不満を正当化して他人を批判したり、評価したりしていたが
ある時、事故後の大河の苦悩を知り、
憎むこと、許すこと、後悔、そんなモヤモヤした気持ちの末に
今までの小さなもめ事に対して、自分の気持ちを正直に語ったり、謝ることでスッキリとしていく
「ひと」「まち」の主人公と比べるとちょっと器の狭い感じのする傑
独りよがりだったり、お酒に飲まれて失敗したり…
でも、いい人ばかりではないのが世の中なのでそんな主人公もいいなと思う
Posted by ブクログ
スーパーの社員として働いて3年目の主人公の妹が主人公の友人と恋人関係になってドライブしていた時に事故に遭ってしまい、主人公の妹の左足が不自由になってしまった。
その左足の不自由のせいで就活が、なかなか思うようにいかない、また主人公の友人とギクシャクした、主人公の友人と付き合わなかったら事故は起きなかったのにと付き合いを許したのを後悔する親との関係がギクシャクした、主人公が働く職場で人間関係のトラブルが起こるなど、悪循環
だった毎日が少しずつ登場人物の努力次第で良い
方向に変わっていく物語だった。
たった7・8ヶ月間の出来事の物語だったが、そのような短期間でも、悪循環だった生活が良い方向に変わっていくのだなと学んだ。
Posted by ブクログ
「ひと」シリーズの中では
全体的に薄曇りのイメージ。
どの作品も日常を丁寧に描いていて好きだけれど、「いえ」は家族の形態をとったお話なので、あまりにも身近すぎるのかも。
「ひと」「まち」を読んでから読むことをおすすめします。
Posted by ブクログ
この『ひと』シリーズ?は知ってるお店とか出てきてうれしい
内容的には、他の本に比べると、内容?ドラマ性?が少し薄い気もしたかな…
憎むでも許すでもなく、主人公が飄々とことをこなす感じで、あまり感情移入できず…
Posted by ブクログ
他の小説で読んだことがある登場人物の名前にドキッとする。
狭い世界でもこんなにいろいろな事が起きてる。
いい人間じゃない、わたしもそういう自覚ある。
イイヒトになろう、というか、イイヒトに見えるように行動したいと思う。
でもそこには他人の目がある前提。
ひとりでひとりきりでいるときに、イイヒトやれない。