【感想・ネタバレ】ボタニカのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今年のNHK朝ドラ「らんまん」の主人公牧野富太郎の生涯を描いた長編小説、本当に明治の人は偉大であった、それも土佐出身だ、その割に高知県は冷たいのではないか坂本龍馬のような銅像もないのではないか、そう言う小生も植物学に興味が無かったので、今日までまるで知らない人物だった。しかし今日でも続くアカデミズムの弊害は明治の世からもあったようで、妬みや嫉妬が渦巻く世界のようだ、まだ自然科学は幾分マシのようだが、社会科学となると大して成果もないくせに日本学術会議のように国の足を引っ張る輩が跋扈しているようである。

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2023年05月25日

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やはり朝井まかてさんの本は話に入り込めて良い。
屋久杉や桜の描写等が綺麗で、実際に見てみたくなった。

本当に奇人であったのだろうが、周りの人は本当に誇りに思っていたのだろうなぁ
出会いにも恵まれている。というよりも掴み取りに行っている気はするが。

興味と才能と(環境も少し)あると、これほどのめり込めるものなのか、こんな人生で長生きできるのはもはや性分でしかないだろうな。
自分なら早死にしそう…

子ども目線の話も気になる。

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2023年05月06日

購入済み

 まかてさんの大ファンです。

読みたいと思っていてついに買って読み始めましたがまだ途中なのですが読みやめられなくてついつい遅くまで読んでしまいます
ものすごくきょうみがわきますとともに先の進行具合が楽しみです。
植物の名前も知っているものや知らないものなど専門家でなくても辞典を一度目にしたいと思うほどです。
いろんな書かれていることの表現が上品で素敵です。
色々感激しています。他にもたくさん拝読しています。  もっと読んでみたいと思います。途中でレヴューもないかと思いましたが気持ちお伝えしたくて、、、、。

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2023年03月13日

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「らんまん」の主人公の話とは知らずに、ドラマもほぼ見ていなかったけど、猶さんもスエさんも大変。朝ドラは女性が主人公というイメージがあり、今回は男性?と、思ったが、いやいや主人公は猶さんであり、スエさんだ!

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2024年05月12日

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牧野富太郎。すごい人がいたものだ。
好きなことに情熱を注いで何もかも注ぎ込んで、周囲の犠牲的献身やサポートも吸い尽くしながらどんどん前進していく。誰もやらないことをやる人、偉人と奇人は紙一重だと思う。
この人が自分の家族だったら、誇らしく思えるだろうか。嫌になってしまうかもしれない。
彼を裏から表から支援して、彼の能力を発揮させてくれた人々に賛辞を送りたい。

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2023年12月29日

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朝ドラの題材にもなった牧野富太郎の物語。好きなものに対してはどこまでもまっすぐで情熱的。でもそれ以外には無頓着。牧野博士の人間味あふれる人柄と粘りさと呆れ怒りながらも彼を見捨てない周りの人達の力強い人生に魅了されました。

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2023年11月25日

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ネタバレ

植物そのものにまた世間の人が
触れておらず名前の知らない草花が
たくさんあった時代。

これは何という名前だろう
この花とこの花は似ているから
同じ系統の花かもしれない
それをこの牧野富太郎を筆頭に
日本の植物図鑑がどんどん
華やかに埋め込まれていった。

植物を愛し、植物に愛された人
己の探求心を生涯一度も止めることなく
ただただ生えている草花を愛で
解明を続けた人。

私たちが今、花の名前を知ることができるのも
すべてこの方のおかげだろう。

この人の研究の裏で
妻や子供が少しだけ犠牲に
なってしまったのではないかなと
母の目線で思わずにいられなかった。

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2023年10月25日

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何かを成す人は何かに突き抜けている事が多いけれど、牧野富太郎さんはその最もたるものだなあ。と…笑
自分勝手ともとれる行動の数々に、周囲の人の苦労を思って苦笑いしながら読んだ。私だったらこの人のそばにいるのは無理だなぁ。
文体がとても読みやすい。

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2023年10月21日

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ネタバレ

牧野富太郎の生涯を描いた朝ドラ「らんまん」をみているので読んでみた。ドラマは随分優しく万人受けするように描かれているし、牧野先生は笑っている写真しか知らなかったが、壮絶な人生を歩んで来られた方なんだ。日本人の手で日本中の植物相フロラを明らかにする。誰もが手に取る植物図鑑を作る。地位も名誉も関係ない。私財を投げ打って借金を重ね、貧乏にめげないこんな学者はこれからは出ないかもしれない。利尻島、屋久島まで行っていたとは。後世にどれだけ功績を残したことだろう。惚れ抜いたもののために生涯を尽くす。なんとかなるろう。

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2023年09月19日

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ネタバレ

朝ドラがきっかけで読みました
ドラマとはかなり違う人物で…
やはり偉大な事を成し遂げる人の周りの人(家族や親戚)は私財を投げうったり大変な苦労を強いられるのだなぁと
家族がお金に困っている中、自分はのうのうと旅館に泊まっていい物食べている場面はイライラさせられた
結果的には偉業を成し遂げているのだけど なんだかなぁ…

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2023年09月10日

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朝ドラらんまんの主役槙野万太郎のモデルの伝記と聞いて。
牧野富太郎氏、なかなかの破天荒。
現代ではこういう経済状況での生き方は難しい。明治大正ならでは、と思う。
白光で関わったニコライさんが登場していて、共通した時期の話なのだと納得した。
朝ドラでも少し触れていたが、牧野さんはロシアに行こうとしていた。その際、ニコライ神父を訪ねて助力を乞うたらしい。
自分が牧野さんと関わるのは、ちょっとご遠慮申し上げたいが、かっ飛んだ人物の伝記として読む分には面白かった。
朝ドラと牧野さんの人生は似て非なるもの。とはいえそれなりになぞっているので、朝ドラのネタバレを嫌う人は、ドラマが終わってから読むべき。

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2023年08月18日

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牧野富太郎の世界にどっぷり浸かった。
植物への愛情がどこまでも深く、ご本人は幸せな人生だったと思う。
しかし、私生活の奔放さにはただただビックリ。
実家のお金は使い果たして、あちこちから多額の借金をするような暮らしなのに、生まれた子どもは13人って!
「なんとかなるろう」って、ならないでしょ。
と、突っ込みながら読んだ。

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2023年07月29日

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NHKの朝ドラ『らんまん』、絶好調のようです。過日、このドラマについてFacebookにアップした際に、友人から朝井まかての『ボタニカ』を紹介してもらったので、読んでみました。

久々に小説を読む楽しみを味わいました。広辞苑が横にあった方が良いんですが、調べるのがまったく苦にならないんです、これが。最終章から少しだけ紹介すると、「闊い」、「圭角」、「頤」等々。

読み進むうちに、
  類稀なる天才だけど、人間的にはど~なのよ!
  奇人変人を遥かに通り越してる!
と呆れるばかりでした
「第十一章 奇人変人」で娘婿と富太郎が次の会話を交わしています。
  「お義父さんに社会的な常識や実務能力を求めるなんて、土台が無理なんですよ」
  「そうでもないはずだと、自分では思うとったがなあ」
  「本物の奇人変人は自覚がありませんからね」
が、最後の二章(「恋女房」、「ボタニカ」)で牧野富太郎という天才をなんとか受け入れることができました。「恋女房」の章で、猶(佐川における妻:この事実は自伝にも多くの評伝にも記されていないそう)が次のように言っており、これで私もなんとか牧野富太郎を受け入れました。
  「ただひたすら、あなたに夢中だったのかもしれませんねえ。草木に夢中なあなたに」

とは言え、こんな人とは絶対に関りを持ちたくないという思いに変わりはありません。

実家の造り酒屋を潰し、明治に作った借金の二千円(現在だと4,000万円相当)は三菱本家の岩崎家(土佐出身の縁)が返済、大正に作った借金が三万円(現在だと1億2,000万円相当)は神戸の資産家が返済(富太郎の植物標本を買い取り、それを富太郎に寄贈:神戸に植物研究所を創ることが条件となっていたが、これが進まず資産家との間でトラブルになる)。開いた口が塞がらないとはこういう時に使うのでしょう。

アインシュタインもモーツァルトもアスペルガー障害であったと言います。おそらく牧野富太郎も同様であったのでしょう。

NHK朝ドラ「らんまん」は牧野富太郎をモデルとした『フィクション』とのこと。今日(06/30)、祖母が他界して一区切りとなりましが、これからどのように描かれるのか関心が高まります。

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2023年06月30日

Posted by ブクログ

牧野富太郎さんは、いろんな意味でとんでもない人だった。
朝ドラ「らんまん」は、脚本家がどういう展開にしていくのか興味深い。

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2023年06月18日

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牧野富太郎の生涯を描いた作品。一生涯、植物に捧げたそのバイタリティに圧倒される。天才、奇才あるあると思うが、周りを振り回し敵が多い分、愛されキャラでもある。そんな富太郎の光と影が絶妙に描かれている。

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2023年06月11日

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別に朝ドラに触発されたわけではないのですが、昔からそのお名前しか知らない人が一体どんな人物なのか知りたくなって読みました笑
さすがに稀代の人物だったようですネ!
土佐の佐川村の裕福な造り酒屋兼商家に生まれた牧野富太郎、幼くして両親と死別した彼は生業に興味薄くてもっぱら植物に関心のある育ちをする。
じてさらにその傾向は強まり時間も金銭も植物への研究に注ぐ込み、ついには生家を潰してしまう。
ともかく植物への偏愛ぶりが凄まじく、家庭を持ってもひたすらにのめり込み続けるのが小気味良い♪
また何故か子宝に恵まれて13人を授かり6人が育ち上がる。内助の功の奥さん壽衛と、最初の妻 猶がなかなか魅力的な人物に描かれています。
自分の手足と目で極める実学の植物学者として終生を貫き通して94歳で亡くなるまでボタニカ(植物 種)に向き合った牧野富太郎のお話し!
これを読んだら朝ドラを観る気が無くなるのではありませんか?
いや面白かったです。

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2023年05月31日

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ネタバレ

富太郎、なまじ生まれが裕福だったばかりに、金銭感覚がなさすぎだと思った(マリー・アントワネットか!)。お金があってもなくても、必要なものは買ってしまう。しかしそうでなければあれだけの成果は上げられなかった気がする。
富太郎にの行動に対して、さまざまに心を乱された。
・実家のお金を湯水のように研究に使う(オイオイ)
・スエが出てきて、一瞬で…(えっ!)
・スエと子を置いてロシアに行こうとする(絶句)
・実家を潰したあとも行動を変えない(ある意味あっぱれ)
・若きパトロンが現れめでたしめでたし(よかったー!)
 …じゃない!!(オイオイ!!)
主人公の不遇やピンチには憤慨したり応援したくなるものだが、でも、富太郎も富太郎なんだろうな…と思ってしまう。猶の懐の深さ、すごすぎる。

とはいえ、富太郎の天才ぶり、交差する著名人(南方熊楠や森鴎外など)などの登場には胸が踊った。土佐弁は坂本龍馬みたいでかっこいい。ちらっと登場したコンフェイトウは先日「どうする家康」にも出てきたので、おっ!と思った。朝ドラマ「らんまん」を見る目が変わりそう。

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2023年05月23日

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ネタバレ

よく生きられた‼︎

感心せざるを得ない。

いっぱい出てくる草花。
たとえの表現も、美しい。

また手に取りたい。

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2023年05月21日

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日本植物学の父と呼ばれた牧野富太郎の破天荒な生涯を描く。
子ども時代が好きだなあ。
自然豊かな土佐の情景が浮かんでくる。
佐川の野山を巡り植物採集する富さん。草花に話しかける土佐弁が柔らかくて心地よい。小学校を自主退学し、独学で植物学を極めていくのだからやはり天才なのだろう。

生涯をかけて"好き"を貫き通した富さんには二人の妻がいた。土佐の正妻お猶さんと東京のスエさん。実家を潰そうが、莫大な借金をしようが「なんとかなるろう」と繰り返す富さん。「なんとかなりません!」と読みながらついつい声を荒げてしまったが、明治の女性は本当に我慢強くて驚かされた。子どもは13人生まれ7人が成長する。55歳で亡くなったスエさんは苦労続きだったけれど、楓の翼果について教えてくれた富さんをずっと好きでいたのだと思う。

本の中には沢山の植物が出てきて興味を引かれた。
羊歯(グルグル) 梅花黄蓮(バイカ)
山藤(アマアマ) ワカキノサクラ
ムジナモ、いちょうの木、樒は「悪しき実」のアを取りシキミの名になったと・・植物を知る楽しさも味わった。
朝ドラ「らんまん」が始まる前に小石川植物園や大泉の牧野記念庭園を是非訪れてみたい。

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2023年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

来年春スタートの朝ドラは、主人公のモデルが牧野富太郎
と知り、読み始める。

なんか・・・この暴走・・・
自分の目指す道だけをみつめ、
周りを頓着しない(残酷なほど)

これ、最近、どこかで読んだなぁ・・・
あ、「白光」か。
同じ作者じゃん。

そういえば、本作にもニコライ主教が登場していた。
朝井まかてさんったら、うまいこと資料を使いましたねw

「白光」の山下りんは、家族も持たず、独身で突き進むけれど・・・
富太郎は、家族持ち。しかも、子どもが次々と産まれる。
13人産まれて、5人死なせてしまうのだったかな?

家族は貧乏暮らしを耐えているのに、
ご本人は高知の裕福な実家を潰したうえ、
出版のほか資料購入やら採取旅行やらで2万8千円
(現代で言う2000万以上)もの借金を作り、
篤志家に肩代わりしてもらう。
それなのに、その人物ともいざこざを起こす・・・

わたしは妻の立場で読むから怒り心頭。

でも、待てよ・・・
これって、妻・スエさんのありようが
結果として際立つのではないかしら?

富太郎のいとこにして前妻・猶のセリフに・・・
「スエさんは、従って耐えるだけの女性ではない。
自分で誇りとともに、自分が選んで生きたのだ」というような
セリフがあったよね。

そうか、夫「牧ちゃん」に惚れ抜いていたんだね。

これほどの女性、たおやかな美人で商才もあってという人に
想われるのだから、富太郎は、やっぱり魅力的な男なのだろう。
わたしのような狭量な堅物にはわからないだけで。

蛇足ながら、近代の大学社会のあれこれが富太郎の道を狭めているけれど・・・
それは今もさして変わらない気がするなぁ。
悪しき伝統による死屍累々。


さて朝ドラでは主演が神木隆之介さん。
妻には浜辺美波さんの名前が取り沙汰されていた。
でも正式発表がないところをみると、これはガセ?

浜辺さんならスエさんにぴったりだと思うのだけれど・・・はたして?


評価の本音は、主人公に共感できず、憤りばかりので「3」ながら、
スエさんのために★★★★に格上げ。
わたしと主人公の相性が悪いってことだもんね。
(過去をふりかえれば、作者ともあまり合わない気がする)

5月11日追記 浜辺美波さんが妻の役と決定したそうです。

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2023年04月01日

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494ページ
1800円
4月3日〜4月6日

『らんまん』の牧野万太郎をイメージしながら読んだ。こちらが原作なので、史実に忠実なのだろうと思うと、ちょっと富太郎に幻滅するところもあった。富太郎の奔放さや金遣いの荒さに呆れると共に、スエさんを置いてロシアに行こうと思っていたのだなんて!人を妬んだりする心も描かれていて、どんなに立派な人でも、人間くさいところもあるものだと少し安心もした。

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2024年04月06日

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牧野富太郎をモデルにした小説。
NHKのらんまんと、起こる事件などは変わらないがドラマはやっぱり主人公が、皆に愛されるようにえがかれていた。
でも、この富太郎は、ちょっと難あり過ぎだなぁ
近くにいたら大変だなぁ
スエさん偉いなぁ〜良く添い遂げたなぁ

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2023年11月16日

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ネタバレ

挫折本
植物学の父、牧野富太郎を題材にしていた。と、読みはじめて気がついた。牧野氏昔から本でよく読んでいたので、そちらのイメージが強く受け入れられなかった。
植物に期待しすぎてしまった。

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2023年11月16日

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植物学の父、牧野富太郎の話。
朝ドラらんまん面白かったし、と思って読んだらドラマとの違いにガッツリ殴られる。途中で一旦閉じ「私の知ってる綾ちゃん(猶さん)はいない、ドラマと現実は違う」と落ち着けてからまた読み始める。
いやまぁそりゃ、現実(小説)はこうよな。酒と家が大好きで跡を継いで酒造りをしたいと気高く美しい綾ちゃんも万太郎と家族を思い気高く自分の選択で生きて行くスエちゃんも、ドラマの中よなぁと当然のことを思う。
さて、実際の万太郎いや富太郎はどんな人物だったのか。予想以上の破天荒な人たらし、いやもう周りの人の立場になったら殴りたいとか思う時もあるんやけど、一途に草花を想う姿に絆されてしまう。くっそ人たらしめ。ここまで草花のことを想い尽くした人はおらんやろうなぁ。そして南方熊楠のことが気になる……何者だ奴は。

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2023年10月15日

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ネタバレ

「草を褥に」に続けて牧野富太郎を読む。こちらはきちんと「小説」であり、読みやすい。
冒頭の、植物の声に耳を傾け話しかける富太郎少年が良い。この様子は小説全体を通じて折々に顔を出すのだが、純粋さの発露のようなこんな部分があったからこそ、他が傲岸で破天荒であっても彼を愛する人が絶えなかったのかもしれないと思わされる。
とはいえ、いろいろめちゃくちゃである。まず謙遜という言葉がなさすぎる。知っていることしか教えないと言って学校は辞めるし大学にすら入らない。既存の権威に屈しないと言えば格好いいが、ではなんでも自力でできるかと言えばその才覚はなく徒に金を遣って家を潰しその後も分以上の支払いをし続けて借金地獄である。そして大きな声で偉そうなことだけはたくさん言って周りを巻き込むくせに、いざ物事が動くと目の前のやりたいことしかやらないために全てのことを中途半端にしていく。やりたくないことをやらないための理屈はその都度偉そうにぶちあげるので、トータルでは言動に矛盾が生じているが本人は気がつかない。
うーわー、こういう人知ってるわー。自分の中にもちょっとその気があるから(ヲイ)余計に、絶対近寄りたくないタイプです。
なまじ小説として一人の人間を活写しているだけに、嫌なところが目についてなかなか苦しい。個人的には、借金が生理的にダメなので全編通して無理であった。ツケで買うのもしたくないのに、年収の何十倍もの借金をするとか想像しただけで倒れる。しかも一度精算してもまたあっという間に借金が膨らむなんて一体どうなっているのか。植物のいい話が合間に挟まっていてもお金の話が出てくるたびに心のメーターが負に振り切れるのが自分でわかった。あ、この人、やっぱ無理。
富太郎を取り巻く人も、最初は好意的なのに途中で敵に回る人(谷田部教授や松村教授などなど)と、最初からずっと好意的な人の二手に分かれている。後者はなんていい人たちなのであろうか。私は前者の中でも池長孟に最も感情移入してしまって、富太郎への同情が干上がった。富太郎は自分によくしてくれる人のことを最初は感謝してもすぐに馴れて下に見る言動になるから、それを許容できない人とは関係が破綻するのであろう。心から富太郎を敬愛している人(壽衛)か、「しょうがない人だな」と受け入れてくれる人(池野成一郎などなど)としか関係が続かないのだなと思って読んでいたが、最後の最後に池長孟との和解があった。富太郎は何一つ変わらなかったが、池長孟が成長したのであった。
そして、本編ではさらっとしか出てこなかったが、おそらく筋金入りのセクハラオヤジであったことも間違いないと思う。壽衛とのこともキレイに書いてはあるが、要するに十代の女の子とずるずる同棲してデキちゃってそのまま妾宅を構えただけのことであり、そこも留守がちにしているうちに最初の子が死んじゃって逆ギレとか、ほんとありえない。
オンナとカネに汚い人間は、どんなに仕事ができても尊敬はできない。そんな当たり前のことを再確認した一冊であった。

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2023年09月18日

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ネタバレ

朝井まかて作品 2冊目 植物学者 牧野富太郎を題材にした作品

朝ドラ「らんまん」にも題材にされた 「植物学の父」牧野富太郎
高知県の酒蔵の息子は 小さいときから植物が好きで、頭も切れる風変わりな子どもだった。小学校を中退して植物採集に明け暮れる「岸屋の坊」
15歳の時 時間と知識のある富太郎に地元の小学校の臨時講師としての声がかかる。
そして従妹 猶(なお)との祝言。
妻に酒屋と祖母を任せて 植物学の研究の為上京する富太郎。
そして菓子屋の娘 スエと出会い 高知と東京の2重生活を送る。

ドラマの中でも相当 破天荒で 周りの意見や状況は二の次、植物一筋で 身近にいたら巻き込まれそうな危険人物だけど、実際はもっとひどすぎる。
ドラマの中のおスエちゃんは 賢く健気で主人公を支えて上手くいっていたけれど、実際は16歳で妊娠 生涯の出産13人。
借金返済を実家、岩崎家、そして植物標本を売るという形で池長猛に出資させたのに・・・。

朝井まかての読みやすく、植物の生き生きとした表現が、牧野富太郎の人間性を魅力的するから 小憎らしい。
まぁ 敵も相当に多かったけれど 支援者も沢山いたことを考えると 人たらしだったのであろう。

富太郎に悪態をつきながら この本を読むのも楽しいかもしれない。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

朝ドラ、らんまんを観ていたので読んでみたくなりました。
結構本と内容に厚みがあり読み応えはありました。方言や漢字が難しい事がありましたが、牧野博士は本当に植物を愛している人なんだと分かります。
借金のせいで人生に難が続いても、気にせず植物にことに関しては一生懸命な姿に何とも言えない気持ちです。

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2023年08月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

NHK朝の連続テレビドラマを見る前に読めばよかった(. ̯. )だいぶ印象が違うので。
牧野富太郎は植物を愛し、ひたすら採取と研究にあけくれた人というのは分かっていたし、妻や家族がそれを支えていたのも分かっていたけど、お金の苦労を全て妻に押し付けていて、くれるという学位も一般人に堕ちてしまうようで嫌だという理由で60代まで拒み続け、そのため薄給に喘ぎ借金を膨らますなんて、有り得ない( т-т)
壽衛はいい人すぎる。本人が幸せだったならいいけど。
人々に自分の知識を分け隔てなく与え、いつでも前向きに植物学を追求して生きる富太郎を周りの人は応援したくなってしまうんだろうな。

この頃の世界に追いつけ追い越せという時代の勢いはとても前向きで、影日向なく努力する日本人の国民性?も手伝って新しい知識を貪欲に取り込み、より良いものを作ろうとする、そういう社会の姿勢が開国後、日本が列強の属国にならずにすんだ理由のひとつではないか。
牧野富太郎も世界に学び、日本の植物を全て明らかにしたいと考えた。
それにしても、植物愛好家を日本中に育てたのは牧野富太郎だったとは。正に生き字引だった。
もう一度高知の植物園に行きたいな。

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2023年08月15日

Posted by ブクログ

表紙の感じが良くて買って、積読していたら、朝ドラになると。なんか、読みにくくなって、でもなんとか読んだ。朝ドラとは少々内容が違う。でも、牧野さん本来の流れなんだろう。楽しく読めました。

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2023年06月02日

Posted by ブクログ

朝ドラ「らんまん」のモデル、牧野富太郎さんの生涯を描いた作品。

植物学者としてとても有名な方らしいのですが、無知なものでこの作品で初めて知りました(^^;)
ドラマはフィクション強めかな?
こちらとはちょっと違う印象。

子供の頃から植物を愛し、その魅力にとりつかれ、植物の研究のために全生涯を費やした牧野富太郎。

ひとことで言うと"奇人変人"。
この人、人生本当に楽しかっただろうな〜
口癖は「なんとかなるろう」。
いやいや、周りはめっちゃ大変な思いしてますから〜〜

周囲への迷惑を顧みず、自分の好きな事だけをして生きてきた富太郎。
人としてはちょっと〜とは言うものの、植物学に於いては多大な功績を残す日本が誇る権威であることは間違いない。
まずこんなに長い間ずっと、一つの事に熱中できるって凄すぎる。←94歳で亡くなるまでずっと!
そしてその行動力には脱帽〜。フットワーク軽い!
気になったらまっしぐら!
ちょっと物怖じするとか全然ない笑
なんとなくそういう所、羨ましくもあったな〜

天才ってちょっと変人が多いのかな〜
家族は苦労が多かったろうけど、それでも寿衛さんは幸せだったんじゃないかな〜となんとなく感じた。

牧野さんの植物画集をチラっと見たけど、もう凄すぎてため息。見惚れてしまうくらい美しかった。

とても良かったけど、長くてちょっと途中でだれてしまったので☆3で。

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2023年05月29日

Posted by ブクログ

朝井さんが書くキャラクターはいつも破天荒。
はっきり言って牧野富太郎のこと、破天荒すぎて全然好きになれない。好きなことばっかりして、周りを顧みない。苦手なタイプ。
だけどそういう人でも周りに支えられて、素敵な出会いもあって、学問を続けることができた。
知を受け継いでいく人は、程度の差はあれどこういう生き方をしてるんだろうかと、困惑の一方で感謝を感じた。
出会えてよかった本。

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2023年04月09日

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