【感想・ネタバレ】ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選のレビュー

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Posted by ブクログ

律子さん連作は、あれ?これどこかで?と思いながら読んでいたが、著者自身があとがきで書いているように、『神よ憐れみたまえ』の原型と言えるね。

どれもよく出来ていると思うけれど、『恋慕』『年始客』『やまざくら』あたりが特に◎。

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2022年04月20日

Posted by ブクログ

小説のみならずエッセイも収録された怪奇譚傑作選。小池真理子さんの短編ホラーって結構読んでる……って思っていたのですが。「律子慕情」「午後のロマネスク」って、ただの恋愛小説だと思って完全に読み逃していました。不覚。
特に「律子慕情」に収録されている「恋慕」「花車」「慕情」が素敵。死者の霊が登場するのでホラーとは言えますが、全然怖くないの。むしろこういう現れ方ならしてほしいと感じてしまいます。どこまでもさりげなく現れ、ただただ見守りそして消えていく愛おしい死者の姿がこれほどまでに静謐に描かれている作品ってなかなかないのでは。そして最近「神よ憐みたまえ」を読んだところなので、そちらとの符合にも「おっ」と引っかかりました。
一番怖いと思えたのは「声」。これ、幽霊なんて出てこないのにね。とても気持ち悪くて怖い物語。そしてまっとうに幽霊が出て怖い「水無月の墓」「やまざくら」も絶品。だけどこれらは怖いだけではなく、ひどく淋しい物語でもあるのですね。読後感がひたすらに切ないです。

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2022年03月31日

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短編小説かな
っと思いきや、話が繋がっているのもあり
面白いが、

短編小説もあり、『んっ?』っと思ってしまった物もあり斜め読みをした部分があり、
星⭐︎を減らしています。

個人の感想です。

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2023年02月04日

Posted by ブクログ

美しいホラーを始めて味わった。
ひたすら恐怖を感じる作品も良いが、たまにはこういったものに手を出したみるのも悪くないと感じた。

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2022年04月25日

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 2021年刊、文庫オリジナルのホラー短編アンソロジー。2001年から2017年に発表された作品が収められている。
 冒頭の3編はエッセイである。著者の母親が霊感の強い人だったそうで、著者自身も幾らか霊感があり、何度も霊を見る体験があるとのこと。なるほど、それで幽霊の出てくる物語を多く書いてきたのかと納得。
 続く「恋慕」「花車」「慕情」は『律子慕情』なる単行本に収録された連作で、主人公律子の霊体験を、幼女時代からの成長に伴って描いている。この3編が、とても良い。一般的にこれは「ホラー小説」なのか?という疑問もあり、「恐怖をメインとした小説」という定義からは外れ、普通小説としての滋味を持って物語が進む末に、最後に故人の幽霊が出現する。その故人は主人公にとって親しい人々で、遺恨を遺して死んだわけでもないから「うらめしや」ではなく、生者への優しい愛惜を持って立ち現れるのだから、ほとんど怖くない。怖いホラー小説ではないが、怪異小説と呼ぶなら当てはまる。しかしそれよりも普通小説として「良い作品」だと思う。読んだことはないが、小池さんは恋愛小説を多く書いてきた作家なので、さすが、恋愛体験の細かな機微を巧みに描いている。
 掌編小説も何編か入っているが、ちょっとしたスケッチといったところか。小池さんは川端康成の『掌の小説』を愛読しているそうだ。
 ホラー小説らしく恐ろしい物語を紡いでいる時も、作者の文体は淡々としていていたずらに情動に揺れることは無い。特に文学的に優れた表現は見当たらないが、改行が多すぎることも無く、地味ながら却ってホラーの味わいを際立たせて効果的である。その点、こんにちの他のホラー作家の作品よりもぐっと優れている。
 普通小説の味わいを持ち、ふつうに優れた短編小説の入った、良い作品集だった。
 

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2021年12月23日

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花車が好きだった。どれも恋愛と幽霊を絡めたような話で好みではあるが、恋愛模様によくも悪くも昭和みを濃く感じる。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

角川ホラー文庫だったので、手に取りましたが、怖い要素は少な目でした。
短編集だからと目次から摘まんで読んでみたら、時系列でつながっているお話もあったので、順に読む方が分かりやすいです。

死者の想いと触れ合う物語たち。読んでいて、死者と生者の境界線の揺らぎを感じ取れました。読み終わった後は、古い友人と再会した時のような、嬉しさ、寂しさと懐かしさが綺麗に混ざったような気持になりました。これがノスタルジーでしょうか。

---13編の中から何個かあらすじと感想---

『死者と生者をつなぐ糸』
あらすじ:私は14年ほど前、いるはずのない場所で、母の形をした何かとすれ違う。
こういう奇妙な体験がいくつもある。昨年、母が死んだ。もう現世にはいないが、
「母」の見た目を保った何かとすれ違うかもしれない。(中身は多分母ではない)

感想:理解不能な領域に踏み込もうとしているなーって感じがした。14年前、すれ違った「母」は、本当に何だったんだろう、、。


『現実と異界』
あらすじ:母は、空想好きの可愛らしい人。母から日常的に怪異譚を聞かされて育った私。これは本当に怖い!という話を聞くと、母はあっさりした口調で、死者を恐れていない様子。母は、日常の一つとして死者と交流している。
私は、母の影響もあってか幽霊話などが好きだった。作家になった私は、ホラー小説を書いている。

感想:
(一部要約)母から聞かされた怪談話は、死者と生者が一体化し、妙に現実的。特に理由もなく、ふらっと現世に顔を出す死者というのは、美しい情景だ①。いくら震えあがるような怖い話であっても、読み手の美意識をくすぐるような情景が潜んでいなければならない②。

①「ふらっと現世に顔を出す死者というのは、美しい情景だ」個人的には美しさというより神秘的という感覚に近いものを感じた。
②「いくら震えあがるような怖い話であっても、読み手の美意識をくすぐるような情景が潜んでいなければならない。」他の話を何個か読んでから「現実と異界」を読んだので、確かにどのお話も一貫してその情景が感じられたなあと思った。


『恋慕』
あらすじ:私の叔父が死んだ。
叔父は亡くなる前、行き先を告げずに家を出て音信不通だったが、死ぬ前日、私に大好き、かわいいと電話をかけてきた。次の日、自殺で死んだ。
アメリカで映画俳優の夢破れ、実家に居候し始めた叔父。叔父は父よりはるかに美男子。叔父は酒におぼれてだらしない男だった。私と同様、母も叔父に惹かれているらしい。私は叔父を大人の男性として意識するが、叔父が好きなのは私の母。しかも母が父と結婚する前から。そんな三角関係で揺れる私。それなのに叔父は、私をお嫁さんにしたいと冗談を言ってくる。思わせぶりなのか本気なのかつかめない。
そして突然の死。何で死んでしまったんだろう。ある夜、叔父が化けて出て、慈しみの念を感じた。私を見たあと、母のところへ向かう、叔父。絡まった感情が伝わってくる。叔父は、名残惜し気に夏の空へ消えていった。

感想:いるよね、叔父さんみたいなどんな年代の女性も惹きつける人。
顔は整ってて、だらしないところが、母性本能くすぐりそう。
私(主人公)の叔父さんへの感情は恋でも愛でもない。ファンとか推しが近いのかな。叔父さんも思わせぶりな言動ばかりして、ホストと女の子みたい。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怪奇と幻想は一つになるのだなぁと読みながら思っていました。

あの世とこの世の幽世を隔てるのは何なのだろうなぁとも。

ですが、ここで読んだ懐かしい光景は怖いというよりも郷愁を呼ぶものでしたね。

こういう作品は大好きです。

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2021年11月23日

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