感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いやはや参った。
ミステリとホラーは血縁関係で言えば近親関係にあるとどこかで読んだ。
本書はと言えば実録怪談とミステリの組み合わせという離れ業をやってのけた素晴らしい作品である。
釣り上げた人が死んでしまう魚、を追ってある二人は調査を開始する。この二人の関係性が実によい。書き過ぎでもない、書かなすぎでもない、描写も的確で物語に没頭する事ができた。新名智の作品を次からは本棚に探すことになるだろう。
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怪談師という職業が面白いと思った。人を殺す怪談を探している私と、怪談で死にたいカナちゃんと、一緒に住んでいる2人の目的が一致していても、暮らしている中で変わっていく関係性、復讐をするためというカナちゃんの本当の思惑と、後半の展開が面白かった。何より元恋人の献身的な協力は当初ロマンスのようなものを感じたが、本当はこちらも復讐のためという事実が衝撃的だった。虚魚という名の通り、怪談は本当はないという結論かと思ったが、最後はホラーな展開で、そこもよかった。
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ほんのり百合で面白かったです!途中出てくる怪談も怖面白いし、家族や友人を突然失った悲しみも、それが癒えていく過程もじっくり書かれていたし、何よりみさきとカナちゃんがバカやったり助け合ったりしながら絆を深めていくところがよかったです。次回作に期待!
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すごくよかった。
怪異というものは、人間にはどうすることもできなくて。
軽い気持ちで扱ったりしたらとんでもないことになるし、勝手に成長しちゃうし、変化しちゃうし。
そこがゾクッとさせてくれてよかったなあ。
とんでもない魚釣りの話だね。
それから、文章はすごく読みやすいのに割と読むのに時間がかかる。目がすべるところがない。
無駄が全然ないって思いました。アソビみたいのがほとんどなくて、全て丁寧かつ誠実にかかれた文章だと思いました。
最初から最後まで、余すことなく楽しめる本です!
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怪談師の三咲は、呪いや祟りで死にたいと願うカナちゃんと知り合い一緒に暮らすようになった…2人は「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という話を聞き、そのルーツを辿る旅をする…そんな中それまでお互いに触れようとしなかった過去が怪談のルーツとともに徐々に明らかになっていく…。読みながら怖いなぁ…と思いました。怪談を作るのも怪談と捉えるのも人間であって…でもそれによって関わる人の人生が変わっていく…そんな風な落としドコロかな~とか、漠然と感じました。ラストは意外でしたが、読みやすい作品でした!
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実話怪談のような、都市伝説のようなものとミステリーが一緒になったはなし。
女ふたりでバディのように人が死ぬ怪談を探している。
実話怪談でひとが死ぬはなしってあまり聞かない。実話怪談は実話なのでそれを経験したひとは生きていないといけないのだ。
ひとは生きて死ぬ、死ぬまで生きている、それを誰かに途中で奪われてしまったらその思いはそこで消えてしまうのか、それとも残るのか。
そういうものが形になっていることが恐怖につながるのかもしれない。
この小説は残されたひとたちが生きていいのかその理由と肯定を探す物語でもあった。
最後まで読んだときにこのタイトルの意味が分かった。
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2021年 横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。怪談を収集し、執筆したり、人前で語ったりする「怪談師」の丹野三咲は、本当に人が死ぬ怪談を探していて、呪いか祟りで死にたがっているカナと利害が一致(?)したことから、一緒に暮らしている。そして二人は、「釣り上げると死ぬ魚」の話を探るため、静岡、長野の各地を巡り、現地調査を行なうが・・・。それはまるで、民俗学のフィールドワークのような面白さ。三咲、カナとも、互いに隠している秘密があり、ホラーという枠組みだけでなく、ミステリのような妙味も。これからが楽しみな作家。
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怪談師 丹野三咲がオカルト話の実態を調査していく過程で、様々な問題を解き明かす物語だが、相棒のカナちゃん、情報提供をしてくれる大学生の昇、弁護士の松浦、同業者の吉澤など一癖のある登場人物との掛け合いが楽しめた.三咲は事故で両親を亡くしており、犯人を憎んで呪い殺したい願望を持っており、それが発端で怪談にのめり込んでいる.釣り上げた人が死んでしまう魚の話がストーリーの始まりだが、件の川、更には池などを調査して行き、雑多な情報を整理しながら原点を目指すが、明快な答えは得られない.カナちゃんが柚原百香であること、昇に季津子という妹がいることが判明した時点から、大きな展開が起こる.最後の場面の三咲と昇との対決で堅い氷が解けるように、これまでの疑問点が解消する展開は面白かった.
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めちゃくちゃ好き。
人が死ぬ怪談を収集する主人公と怪談で死にたい相方のホラー百合です。「釣ると死ぬ魚」の怪談を解いていく作品。
最後まで怪談がちゃんと怖いし、不気味なのとても良いわね。
フィールドワークを含めながら怪談を調査していく二人ですが、その中でそれぞれのリアルと知らなかったことを知る展開。同時にどうして会談を求めるのか、自分にとって相方はなんのかが浮かび上がります。
劇重感情。
怪談の扱い方と描き出すものが好きでした。
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めちゃくちゃ怖くはないけど、スルスル読める良い作品だった。デビュー作らしい。凄いな!!
ググってみたら、もう2冊刊行されてるらしい。
次は「あさとほ」を読んでみよう。
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2人の若い女性の悲しい生い立ちが引き合わせ、怪談を通じて仲を深めて言った。
階段というものと偶然はほぼ変わらないのでは、という言葉には納得した。
階段をつうじて、2人の中が良くなれた、生きる目的を見いだせたのがよかった。
最後の柱と男の死は意味わからなかったけど、怪談などひとつのキッカケに過ぎなかったのでは?
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怪談をメインとした小説をあまり読んだことがなく、新鮮で面白かった。さくさく読むことができた。
目に見えない怪談を信じて真相を追っていく三咲とカナちゃん。一緒になって真実を追っている感覚でドキドキした。
怪談を追う理由が怪談を信じているからではなく、心の拠り所を求めている・復習のためなどというところになるほどと思わされた。後半では登場人物の関係が明らかになっていって面白かった。
タイトルの意味がやっとわかった気がする。
表紙とタイトルで衝動読みしたけど、良かった。
この小説がきっかけで、私も少し怪談に興味が出てきた。
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怪談をモチーフとしたミステリ。
読みやすかったー。これがデビュー作なのか。
安心して読める1冊。
怪談が題材となはなっているが
それ程怖い話が出てくるわけではなく
そこが少し残念だった。
ただ次の作品が出たら私は読むのだろうな!
Posted by ブクログ
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。
怪談師の丹野美咲は身元不明の自殺志願者だったカナちゃんが酔っ払って倒れているのを拾って、一緒に暮らしています。
美咲は車の事故で両親を中学生の時に亡くしその交通事故を起こした犯人を本当の怪談によって殺して復讐したいと思っています。
美咲とカナちゃんは狗竜川に現れるという釣り上げた人が死んでしまうという魚を探そうとします。
一方、カナちゃんもとある目的から、偶然ではなく美咲に近づいてきたことがわかります。
カナちゃんの目的はこの世に呪いが実在しないことを証明することです。
オカルトって本当にあるのか。あることを証明するより、ないことを証明する方が難しいとこの本にあります。私はオカルトはない方が絶対いいと思います。
前半の四分の三は魚に関する怪談と美咲とカナちゃんの関係などですが、後半の方はとある人物の過去が絡みミステリー的な展開になります。
私はオカルトやホラーよりミステリーの方が好みなので、後半の展開の方が断然面白く読めました。
後半のミステリーとホラーの絡みにはかなりぞっとしました。
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ホラーなのか、これは。
ホラーミステリーというジャンルだったので、ホラーは苦手でもイケるのではと思い購入。
結果、怖くない。ホラー苦手でも読める。
むしろどこがホラー?という気分。
読みやすかったし、3人の関係もなるほどねとは思うけど、もうひと捻り欲しかったな
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ホラーだと思っていたが、途中からもっと壮大な内容だった。
主人公が怪談師ということもあって、中盤まではあちこちで聞いてきた怪談話がたくさん出てきたりして、情報量が多いな…と思っていた。
怪談の成り立ち、そしてそれがどのように脚色され、どのように広まっていくのか。
怪談の内容にスポットを当てがちだが、怪談自体に目を向けるのは新鮮だった。
登場人物の関係性があらわになるのも驚きだし、最後は思いっきりホラーというのも面白い。
怪談に取り憑かれた人達の行く末は幸か不幸か。
Posted by ブクログ
2021年度大賞。
ホラーなんだよね。その魚を捕まえると死ぬらしい。怪談士の美咲は、同居するカナちゃんとともに探しに行く。両親と車に乗り、自分だけ生き残ったトラウマ。このパターン最近読んだ本と一緒だw 美咲の元カレとともに探し始める。
ホラーだけど、こわくはない。
Posted by ブクログ
「人を殺す怪談」を探す主人公と呪いで死にたい相棒の設定に引き込まれました。
ホラー小説というよりかはミステリー要素が強く、怪談の謎に迫っていく描写もテンポがよく、非常に読みやすかったです。ただモヤッとしたところもあったので評価は3くらいかなと思いました。
Posted by ブクログ
たまたま
目について
内容も分からないまま
借りたコチラ
偶然にも
この前読んだ
怖ガラセ屋サン
にも登場した
怪談師が主人公
これは一体
どっちなんだろぅ
怪談話しか
それとも
ミステリーか
最後まで
どぅ転ぶか
分からない展開に
読む手が
止まらなくなりました
私は
怪談物も
ミステリー物も
好きなので
結果に
満足でした
Posted by ブクログ
少し前に量子力学についてのコラムを読んだ。
量子と言うのは原子や電子、光子などの総称で物質を構成するとても小さな単位のことなんだそうだが、この量子、とてつもなく不可思議なもので、
通常の物理法則が当てはまらず、解っている事って現段階で全容どころか、例えば量子そのものの周りを漂う霞程度のものらしい。
量子力学に『二重スリット』なる実験があり、詳細はともかく、その実験から導き出される結果は『ある一点』以外完全に同じ条件下で行っても、全く性質の異なった結果になるという事なのだ。
そして、その『ある一点』とは、
『観測』されているか否かだと言う。
いきものではない量子が観測されている状況とそうでない状況では全く異なる結果を出すのだ。
それは何故か?
解っていない。
『虚魚』というこの作品を読み終えて、この量子の事が頭に浮かんだ。
物質の最小単位が人間の介在に呼応して性質を変えるのであれば、この作品の様な事は充分起こり得るんじゃないのか?と。
(知らんけど)
この手の話を端から否定して回る○槻せんせぇに代表されるお年寄り達は沢山いるけれど、何しろ相手は未開の分野である。
昭和から使い古した朽ちたものさしでは測れる筈もないのだ。
そういえば大○せんせぇって、なるほど『蛙』に似てる。海を見たことないのだろう。
先の量子を仮に2分割出来たとして、一方を太陽系の遥か彼方に追いやる。その状況で地球に残された一方に観測付きで同じ実験をすると、太陽系の端の一方も観測されている事がわかるらしい。
しかもノータイムで。
なぜか?
勿論、わかっていない。
着眼が秀逸で面白い作品だったが、個人的には怖さが少し足りなかった。