【感想・ネタバレ】三十の反撃のレビュー

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Posted by ブクログ

変えたいけど変わらない、動きたいのに動けない。
こんなモヤモヤを抱えた現代人に読んでほしい。
ソン・ウォンピョンからのささやかな反撃。

著者は名門、韓国映画アカデミーに入って、のちに小説家になっている。華々しいキャリアを積んでるように見えるけど、それだけじゃなかったのだな。役者の後書きを読んで納得
もしかしたら次元が違うのかもしれないけど、人間味を感じられてすごく好きだし、
『アーモンド』もそうだったけど、映像が目に浮かんでくるような小説で、そこもすごく好き。
ジヘとギュオクの甘い感じも好き。好きな人に対する心の動き方を描くのが上手いのかな。

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2024年02月22日

Posted by ブクログ

とても面白かったです

ネームドキャラ誰も彼もに葛藤というか人生があって、それは読者の私にとっても通じるものがありました
仕方ないことばかりに取り巻かれてなお、生きていく姿に見てられるというか

書かれてらっしゃる著者の方がしっかりと社会を生きていかれてるのが、本から伝わってきました
国内の著名な作家は、実家が極太かったり、2世アーテだったり、読んでも白けてしまうことが多いです

勃興期にあるのかしら、韓国文学は市井の人々が人生を練り込んで書かれた印象があります
小説も詩も、どれも私の好みに合うものばかりで、読書していて楽しい、という感覚を思い出させてくれます
勉強感覚で、教養として…、といった自意識を忘れ、ただ続きが気になるというだけで読みこんでしまいました

1番感動したのはキムジヘがゴンユンとのレスバに敗けてのちの、ギュオクとのダイアローグです
このやり取りには、「そうだよな、そう」と、私の人生が納得していたの感じます

保守的に変貌した既婚者とのダイアローグも忘れられません
社会経験を通じて、一日一日を穏やかに過ごしたい、それだけを望む生き方にとても共感します
また読み返したいページです

この小説は、烏滸がましくも私に地続きの部分があると思わせられるものでした
読んでよかったです

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

ソン・ウォンピョンさん3冊目。
初稿の時点では「普通の人」というタイトルだったそう。
主人公ジへと自分が重なる部分が多かった。
だからこそギュオクがジへをかわいくて素直で好きだと言った時、嬉しかった。救われたような気持ちになった。

「アーモンド」も素晴らしかったけど、私はこっちの方が好き。

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2023年12月11日

Posted by ブクログ

「アーモンド」に続く第二作。ようやく読む。
生きづらい世の中の、泳ぎ方。
変わることを押し付ける世の中で、簡単に変われないけどそれなりの生き方はある、と言ってもらっているような。それも人生だし楽しいかはわかんないけどなんとかなる、というか。
いい話。こんな物語を描いてみたい。

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2023年05月07日

Posted by ブクログ

周りに合わせて、空気を読んで、なんで?と思っても仕方ないと言い聞かせて。
その上、自分のやりたいこともわからずとりあえず生きるために働く。
私はそんな自分を少しでも変えたいと思ったし、また勇気をもらいに戻ってきたいと思えた作品だった。

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2024年06月11日

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30歳の非正規社員キム・ジヘ。平凡に生きている彼女が同僚と出会い、やり取りがキッカケで小さな反撃をしていく。

ジヘと自分は年齢は違えど共感する言葉がたくさん出てくきた。
理不尽な事に立ち向かおうとする姿に勇気をもらえる。
大きく変わらなくとも何かを変えたいと気持ちを表し反撃をし、以前はただ平凡に生きようとしていたジヘの心の変化がとても良かった。

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2024年06月08日

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なんだか『逆ソクラテス』を思い出しましたよ。

男性の実家が裕福で、女性が厳しい生活状況というのが韓国あるあるな感じがしたけれど、韓国社会の実情が良く見える小説だった。
日本も似たような感じだけど、本当に締め付けの強い社会になってしまっているなぁと実感する。
身を守るために嫌なことに目を瞑り続けていても、結局守られることはないのだ。

2024.3.10

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2024年04月25日

Posted by ブクログ

人生はいつも競争で、上を目指し続けるしんどさ。
見下したり見下されたり。
生き苦しそうな社会で、諦めることや我慢することに慣れてしまった30歳の主人公が、偶然の出会いと仲間との行動をきっかけに小さな反撃を始め、最後には自分らしく踏み出していく姿に私も背中を押される思いでした。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

主人公のキム・ジヘはよくある名前の通りに普通で平凡な三十歳。会社で非正規雇用で働いて、自分はこのままでいいのか、どうせこんな自分なんかじゃ何もできないと日々悩み、苦しんでいた。
そんな最中に、世の中に反撃の狼煙をあげようとするギュオクと出会う。
這いつくばりながらも、少しずつ勇気を出して一石を投じようとする。
結局とても大きく世間を揺るがすような反撃はできなかったけれど、小さい範囲で、たとえ声をあげても届かなさそうな闇にだって、一人でだって、声を上げられるんだ、小さな反撃も繰り返せば何かが少しずつ変わっていけるかもしれない。
そう思わせてくれる、爽やかな読後感でした。
日本にも声なき声がたくさん溢れている。
私だって世の中に反撃したいことは山ほどある。
平凡な私の声はどこにも届きやしないかもしれないけれど。涙を拭いて、よし、と思える話でした。

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2024年03月02日

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諸々たる世の事情、日本と変わらない。理不尽な事あるけど、ほんの少しの勇気と行動があっても良いと教わった。その先が変わる変わらない関係なく。

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

今まで色々な韓国ドラマや映画を観てきた。
登場人物の多くが朝から晩まで働き、
みんなでワイワイお酒を飲んで、
酔い覚ましスープやハチミツ水を飲んで
また働いていて。
アクティブで凄いなあ、と思う反面、
自我が強いというか、
権利を振りかざして怒ったり喚いたり、
他人のせいにして自分を正当化したり、
そういう部分に辟易していた。

そんなドラマや映画ばかりではなく
静かに優しく物語が進むものもあって、
日本にはない表現の素晴らしさや
心を柔らかく包むような言葉の数々に
感動させられて詩集を購入したり。

この作品も
生まれた年代のせいで
ありふれた名前になってしまった
主人公の淡々とした物語で、
自己紹介が苦手だったり、
みんなと一緒に食事に行くのが嫌で
架空の友達を作り出し言い訳にしたり、
共感できるところが多かった。
彼女ジヘはもっといい生活に憧れ、
今はインターンだけれど
いつか上へ行く、という小さな野心があり。
知り合った仲間(年齢も性別も様々)と
世の中を、自分の生活を変えようと行動する。
それは思ったよりも上手くいかず、
挫折を覚えるけれど、
行動した、という達成感は
彼らの心をほんの少し変えていく。

とても素敵なドラマを観たような
読後感だった。

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2023年11月14日

Posted by ブクログ

前回の朝鮮近代短編集の停滞がウソのように、一日で読み通した。とーぉっても面白かった。李箱文学賞ではなかったが、本書は済州4・3平和文学賞を受賞している。2017年に韓国の本屋に並んだようだ。朴政権を退陣させた蝋燭集会に集まった「普通の」若者たちを、たくさんたくさん励ましたに違いない。

読みながら、この20数年間で20数回行った韓国の、そこでほんのひと時出会った若者たちの、あの姿、この姿が、走馬灯のように駆けていった。

主人公ジヘは、2010年当時30歳だったいわゆる「88万ウォン世代」(月収約8万4千円)。(←その後韓国の最賃は劇的に上がったから、日本の非正規とある意味変わらなくなっているはずだ)ジヘも、最貧の象徴である「半地下」の住居に住んでいる。インターンという名の半永久試し雇用で神経をすり減らしている。

少し勘違いしていた。世の中を大きく変えることはできないけど、身近なところから30通りの「反撃」をする話なのかと思っていた。実際には30歳の主人公たちの反撃だし、その「小さな」反撃が、必ずしも有効になるわけじゃなかった。唯一劇的な効果を見せたキム部長への反撃も、87年の闘争に参加したキム部長への正しい攻撃じゃなかった。

それでも、少しでも反撃することで若者は成長する。韓国の若者たちの社会を見る目は、健全でポジティブで、日本の若者たちを日々見ている私には眩しい。

私が韓国で出会った30歳前後の彼女たちは、
観光案内所ではおそろしく優秀だったし、
正社員の女性たちはなんとなく不遜だったし、
喫茶店での交流会の若者の政治意識の高さ、
旅で知り合った青年は、やはりジヘと同じく、
2008年の百万人ロウソク集会に参加していた。
ハンギョレ新聞の編集部、
その他民主団体の受付女性たち、
思えばみんな若い女性だった。
日本のように年寄りじゃない。
貧民街の隣に次々と高層アパートが立ち並び、
考試生(役人試験を目指す人々)の住む街も歩いた。
87年、08年、17年と、「普通の」彼女たちは、時には敗れ、時には集会に参加し、この時代を何とか生きている。

現代韓国が生き生きと息づき、そしてまるでワンクールのテレビドラマみたいだ、と思って読んでいたら、著者の本領は脚本家、映画監督だという。韓国若者の才能に幸あれ。

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2023年03月06日

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30ページ過ぎて、ジョンジンさんが出てきてから、面白くなった。ゴンユンとのエピソードが印象的で、結末も好き。不満を抱えているだけじゃダメってことだね。小さくても行動を起こさないとな。K文学、他の作品も読んでみたいな〜

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2023年03月04日

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何者でもない主人公が仲間と出逢い、なにかを変えようと行動を起こす話なのだけれど、彼らの行動に芯がなく、「これでいいのか……な?」という漠然とした不安が感じられる。だが、そこを含め共感ポイントが多かった。

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

小説のシュチエーションと同じ気持ちを味わえればと思い、本書記載のジャスを聴きながら読んでみました。ジヘの気持ちが耳からも伝わり小説の中に入り込むことができた感じがします。不条理に対する憤りを不満に思い、行動すれば何かが変わることに対して、普通の人である自分も踏み出す勇気をもらえた感じがします。アーモンドも読んでみます!

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

間違ってることを間違ってると言うだけでも少しは世の中が変わる
そして 私は世界で一つだけの存在
そう思うようになるには それに気付くまでには かなりの道程が必要

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

三十歳記念に読んだ本。
疑問をもち、考え、行動することはリスクも伴うし気力と体力がいる。それでいて事態が好転する保証もない。
そんなリアルさが絶妙な加減で描かれていた気がする。
度々登場する曲をBGMにしながら、勇気ある行動に声援を送りつつページをめくった。
最後の主人公の発想、とってもいいなあ〜

そして、こういう注釈の付け方もあるのか!と新しい発見。韓国文化の学びにもなる。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

周囲の圧力や誘いに流されてしまったことに後ろめたさを感じつつ、最後は前に進むことができたヒロイン。
世の中何かしら上手く行かないことも多くて、妥協したり自分を誤魔化したりしてしまうことも多い中、どんなに時間がかかってもそこから一歩を踏み出すこと、踏み出していいのだということを後押ししてくれたような、そんな気がしました。

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2024年04月15日

Posted by ブクログ

正直、そこまで響く内容ではなかった。
社会に不満を持つ、けれど声をあげられない女性の物語でゴテゴテとしたドラマなどなく、淡々としているところには好感が持てるが、イマイチぴんと来ない、というのが本音でした。

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読みながら図星を突かれたような気分になりした、主人公はまるで自分のようであり、停滞していることがわかっていても、何もすることができない、ただ無意味に時間だけが過ぎて行く、本から目を背けたくなりました。
ただ主人公が自分の気持ちに正直になり、黒歴史のような経験を経て、新しい道へ歩み出したことに対して、自分も変われるのかなという気持ちになりました。
作品全体を通して、人生そう上手くはいかないし、人は簡単に変われない、けれど、自分自身が良いと思えれば、例え同じことでも、人生は価値あるものに変わるのかなと感じました。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

色んな葛藤だったりだるいことに対する考え方や姿勢はわかると思うところがあった
ジヘたちの活動の強化版が海外の迷惑活動家なのかなと思った
満たされない生活の中で鬱憤を晴らすために大義名分を掲げてよくわからんことをしてるのかな

着地として誰もが立てる舞台みたいな考えはよかった

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

ゴンユンとの過去を思えば、素直に真面目に生きてこれたジヘは偉い!
「友だちじゃない」宣言のシーンは胸がすいた。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

アーモンドの衝撃が鮮烈過ぎて肩透かしを喰らったように読み始めましたが、アーモンドを一旦忘れると等身大の繊細な心理描写がなかなかいい作品だと思った。でも、期待してたんやけどなぁ。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

"あらゆる手段と方法を使って、私はほかの人たちとは違うすごく特別な人間なんだと、だからどうか私に注目してくれと、ありったけの力を込めて叫ばなければならない時代がやってきた。"
実は最後まで読み切ることが出来なかった一冊だけど、ただ、この一文がどうしても頭に残り、こういう文章に出会えたことに大きな価値を感じた一冊です。また読んでみたいと思います。その時は最後まで読めるといいな。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

お国柄の文化たるものはてんで分からなかったけれど、生きることの大変さは全国共通だと思うのであれよあれよと共感して惹き込まれていってしまった。一気読みに近い感じでページ捲っちゃったな。ギュオクとジヘのラブロマンス的な描写にもキュンときちゃった。

作者さんのあとがきによる「私は、自分自身と貴方たちに聞きたかった。どんな大人になりたいのかと。今という時間をどのように記憶し、刻んでいくつもりなのかと。反撃がうまくいかないとしても、心の中に志しの一つくらいは持って生きるべきではないのかと。」といった言葉が胸に沁みた。アーモンドも読みたいッスネ。

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2023年08月11日

Posted by ブクログ

韓国の30歳女性の生活や気持ちが細やかに描かれていて、主人公が世の中に反撃しまくる展開だと勝手に思い込んで読んでいたら、チャレンジして失敗して、最後になんとか成功するものの、とても切ない話でした。

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2023年07月26日

Posted by ブクログ

韓国も日本も人々が悩み感じている事は同じなんだな‥と思う所と、韓国独自の表現や事象が伝わりにくく読みにくいと感じる所の両方がある作品だった。

日本の氷河期世代にあたる世代が韓国にもある事を知れたし、持つ者と持たざる者の格差への憤り、どうにもならない感じも同じで共感出来た。

皆様々な葛藤を抱えながら、何者かになる事を夢見て日々の現実を生きている。
苦しみながら、もがきながらも自分の人生を歩んでいけることは幸せだと思う。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

やっぱりこの作者さんは、些細な心情表現とか微細な行動の言語化がすごく上手。ただ、上手いがゆえにすごくリアルで、第三者の人生をぼーっと眺めているような感覚になってしまった。主人公のライフスタイルと情感が私にはほど遠かったせいかもしれない。

世の中に対する不平不満、デモ活動とか、自分の生活への不安感とか、なんとなく生きにくさを感じてる人たちにとってはものすごく共感できる話なんだと思う。

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2023年03月30日

Posted by ブクログ

素直なジヘと哲学科卒業のギュオクの王子ぶりが好き。
正直前半はイマイチだったが、爽やかな風や季節の匂いが想像できる、五感に訴えてくるラストはすごく良かった。ソウルに行ったことはないが私も都会の空き場所にいる感じがした。
お国が違っても人間の悩みはそう変わらない。「本当は何がしたいんですか?」という問いには、自分も向き合うのは怖い。

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2023年03月06日

Posted by ブクログ

この本はたしか元SKE48の岩永亞美ちゃんがおすすめしてて読んだ本
僕は人が薦めてる本を読むの好きです
自分では選ばないような本に出会えるから
この本も韓国の本で自分からでは絶対読んでない
内容は日本の小説と変わらないけど、韓国の文化とか食べ物の描写があって韓国に興味が湧きました

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2023年01月30日

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