感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シリーズ二作目。
どんな作品でもそうだが
子供が自身の心情を吐露する描写は
やっぱり心が痛くなる。
虐待の連鎖。それが根幹にある本作品。
それにしてもこの結末はビックリした。
本当悲しくて辛くて。
あの親子3人が故郷に帰ってきた時に
そっと誰かの助ける手が届けば
こんな事にはならなかったのではと
思わずにはいられない。
最後に夕夜がおじいちゃんと
笑顔が戻るまでに回復して
静かに暮らしてる空気が感じれて
それだけでもホッとした。
夕夜もおじいちゃんももう一人じゃない。
助ける手がやっと届いたんだ。
そんな気持ちになれた。
Posted by ブクログ
狩野雷太シリーズ2作目。今回は長編で、シリーズと言いながら狩野雷太は重要な脇役に回っている。狩野雷太でなくても物語は成立する役どころながら、前作を読んでいるとキャラクターに厚みが出る。独立した長編ながらシリーズとして成立しているところが上手い。
狩野雷太の扱いだけでなく、長編ミステリーとしても秀逸。車上暮らしの父と兄弟、狂言誘拐事件、ネグレクトによる用事餓死事件。数年を経て起こるこれらの出来事がどういう風につながっていくのか?
物語前半で犯人も動機も手法もすべて分かったはずの狂言誘拐事件、その奥底に潜んだ真相の解き明かされ方。シブいミステリーを読んだなぁって思いとともに、貧困化する日本の根底には、子供を産み育てられない社会環境があるんだなと痛感する。
Posted by ブクログ
この女の子は性的虐待受けていたとはいえ、
兄を殺そうとするし
友達も殺したし(死ななかったけど本人は殺したと思っていた)
こどもふたりを殺し(本当は1人だけど)
どんな理由であってもやりすぎや。
同情できない。
その息子も鳥を殺そうとした。
この子どもことはキチンと治療しないと
将来、ふとした瞬間で
母親のようになってしまうような気がする。
怖い。
ってこれが差別なのか。
私も怖いやつなのかも。
こどもが被害になる話は読むのがつらいな。
Posted by ブクログ
狩野雷太シリーズ第2段。今回は長編で2章からなる。
第1章は旭と雄飛の因縁と犯罪のアウトラインが描かれ、狩野の登場は2章から。(東野圭吾『ガリレオ』シリーズなどと同様の手法です。)
* * * * *
おもしろかった。
アサユウコンビの犯罪は結構アナだらけに見えるし美織のキャラ設定や言動には無理があるようにも思いますが、狩野の捜査の手が迫ってくるとアサユウ(特に旭)側につい感情移入してしまいます。
ということは作者が敷いたレールに見事に乗ってしまった証拠で、それは作品に惹きつけられたということなのです。素直にシャッポを脱ぎます。
そしてさらに気に入ったのは、物語の収め方です。アサユウと美織は救われ、由孝は命を落とす。読者の判官贔屓に応えてくれる結末。いや、ニクいです!
ぜひこの路線でシリーズ続編を希望しています。
Posted by ブクログ
兄弟の話で前半50ページは淡々と進むが、
後半になるにつれ、伏線や兄弟の考えがわかるようになってきて面白い。
たくさんの要素が絡み合っているのに物語としてきれいにまとまっている点に感心した。
Posted by ブクログ
凄まじかった。
『偽りの春』に続く狩野雷太シリーズ第二弾は虐待をテーマにした二部構成の長編小説。
一部ではアサヒとユウヒの兄弟が実行した狂言誘拐が描かれる。
それから8年後、とあるマンションの一室で衰弱した男児が発見された第二部から物語は大きく動いていく。
児童虐待、養護施設内の陰湿ないじめ、壮絶な場面に何度も目を背けたくなる。
短絡的とも思えた狂言誘拐の裏に隠されていた真実に衝撃を受け、更にそれまで信じていた事柄も次々と反転していき、その度に驚きと切なさで胸が詰まる。
罪のない子らの慟哭が聴こえて来るような一冊だ。
Posted by ブクログ
狩野雷太シリーズ第二弾
今回の狩野は主人公というより名探偵役という感じでした。
二部構成で第一部は狂言誘拐のクライムサスペンス、
第二部は8年後の保護責任者遺棄致死事件から始まり過去の事件、関係者たちの生い立ちなど、
狩野の手で全貌が暴かれ、非情ながらも自分たちの罪や負のスパイラルを直視させたところまでは、
前作同様、すっきりするところではありましたが、登場人物たちの過去が可哀そうすぎたので、
判決結果はホッとしました。
無戸籍幼児や家庭内DV、貧困なシングルファザーやシングルマザーなど社会的問題も盛り込んでいて、
硬派な社会派ミステリーという感じでしたが、狩野の存在が物語性を際立たせていて、読者に悲壮感を引きずらせないようにしていると思います。
ただ、このシリーズって続くのかな?
Posted by ブクログ
著者の作品を何冊か読んだ上で
謎の上から目線で言わせてもらえば‥
「上手くなったな‥」と思った。
それぞれの人物の話が割と丁寧に作り込まれていて、点と線で繋がる感じで、次の展開はどうなるんだろう?と楽しみながら読めたし、
文章力も上がっている気がした。
「すみれ荘‥」がかなり微妙だっただけに
あまり期待せず読んだら引き込まれた。
貧困・格差・虐待・教育虐待・連鎖
現代の問題を盛り込んだミステリー
Posted by ブクログ
怒涛のクライマックスを見逃すな - 降田天「朝と夕の犯罪」★★★★☆
これは、面白いな!SPドラマとかにするといいと思う。1章のおわりと2章のあたまがかけ離れているので短編集かと思ったがみごとに連携されてきた!
みごとな結末でまったく予想外だった。悲劇は連鎖するし、血は争えない。
Posted by ブクログ
p.84
"おかしなそぶりが少しでも見られれば、娘の命はない"
誘拐にあるあるのセリフだと思うんだけど、この「おかしなそぶり」ってどんなそぶりの事なんだろう?色々あるとしても、これを言ってる時の犯人はどういうそぶりを想像してるんだろう?
結局真昼の父親は誰なの?
雄飛の動機が浅い。結局何も得てないし。
旭もなんであの程度の脅しで雄飛に従ったのかイマイチ納得いかない。
結局隠し通せてないし。
最大の見せ場のはずの狂言誘拐が一瞬で終わって、この後一体何の話するの?って思ってたけど思ってた以上に話が混み合ってきて良かった。
だからこそなんか色々気になる。
千夏の存在もよく分からない。なんで千夏だけ引き取って貰えなかったのか、お姉ちゃんの名前や父親の名前、忘れっぽい父親との今後。
Posted by ブクログ
近頃、ネグレクト、幼児虐待を扱った小説が非常に多くて読んでいて憂鬱な気持ちになります。世の中そういう人が増えたというより、昔は表面に現れていなかった問題が表面に出てきていると思っています。
これもネグレクトが二つ出てくるのですが、それが過去、現在で繋がっています。しかし連鎖では無いんですよね。絡み合っているという感じでしょうか。
血のつながらない兄弟が一人のクズ男と一緒に賽銭泥棒や万引きなどで糊口をしのいで
いるのですが、これも一般的にはネグレクトなんだけれど、三人が三人を気遣って生きているのがひしひしと感じられて胸が痛いです。
世間的にクズなのに子供への愛情は間違いなくある男、世間的には名士で金もあるのに愛情より世間体を取る親。色々な事を考えさせられますが、一番可哀そうなのは放置された子供。どう転んでも許されないからな。と新米おじいちゃんは憤りながら読みました。
Posted by ブクログ
第一部は、離れていた兄弟との出会いとそれまでの境遇。
単純に思われた狂言誘拐は…
それからこの兄弟は…
もやもや感が残ったまま、第ニ部へと
繋がりが感じられないまま、引き込まれてしまう展開に圧倒された。
真実を見抜く交番巡査である狩野に脱帽。
悲劇と衝撃の連続で、驚かされた。
家族の在り方を考えさせられる奥深い内容だった。
Posted by ブクログ
虐待する親に翻弄される幾つもの家族。頭のいい子達なのに…。隠そうとしたことが明かされたことより、隠されたわけでもなかった事実が明らかになったシーンが衝撃。狩野っていい人に見えて残酷。
Posted by ブクログ
かつて狂言誘拐に手を染めた兄弟、我が子を餓死させた元少女、生き残った男児。
暴かれた真相の先に待ち受ける悲しい秘密といくつもの嘘。
泣きたくなるようなストーリー展開。
狩野に落として欲しい、だけどどうにか逃げ切って欲しい。
2つの考えが最後までせめぎ合う倒叙ミステリー。
Posted by ブクログ
狩野雷太はある意味主役
一応「偽りの春」警察官狩野雷太シリーズの続編。
今回はアサヒとユウヒという兄弟が主役で、
過去の誘拐と現在のつながりをうまく描いていますね。
※アサヒとユウヒの名前が似てて混乱しました。
狂言誘拐の真相が、残酷で悲しいんですが、
事件の前振りが長いわりに、真相のインパクトが少し弱いかなという気がしました。
しかし、そんな事件を解決に導く、
影の立役者、狩野雷太の推理力がすごいです。
あえて狩野雷太を主役ではなく、ちょっと絡んでくる形にすることで、
ミステリアス感を演出していますね。
実際、前作読んでない方は
「この人急に出てきてなんなの?
しかもあんま事件に関わってない感じなのに、
推理力キレキレで気になるー」となると思います。
狩野雷太は、まぁある意味主役といっていいでしょう。
降田天先生のそういった読ませ方、(私が勝手に思ってるだけ)
と読後のなんとも言えない切なさが、いつもどおり表現されていて良かったです。
Posted by ブクログ
相変わらず降田天氏達の物語は綺麗なんだけど、これに関してはもっとドロドロした所を描いて欲しかった。
関係性は解るんだけど、個人的なそれぞれの思考っていうか動機っていうか。
システム的には二部構成で良かったんだけど、様式美に行ってるのが何とも勿体無いな。
Posted by ブクログ
狩野雷太の続編。
父親と窃盗を繰り返しながら車上暮らしをしていたアサヒとユウヒ。血の繋がりはないが兄弟みたいな2人。生き別れになった2人が再会をし、狂言誘拐をする第1部。
それから8年後。幼い兄弟が自宅に置き去りにされ、妹が亡くなる虐待事件が起こる。
関係なさそうな二つの事件と徐々に関係性がみえてくるアサヒとユウヒ。
形を変えた虐待の連鎖。戸籍のない子供たち。
最後に希望はあるものの、それを上回るやり切れなさと切なさでズシーンとくる読後感。
Posted by ブクログ
10年ぶりに再会したアサヒとユウヒの兄弟が狂言誘拐を起こし、その8年後の話。この兄弟達に感情移入をしてしまって迫ってくる警察が恐怖でしかない。最後に明かされる負の連鎖がしんど過ぎて、皆のこの先を応援したくなる。
Posted by ブクログ
タイトルはシンプルなのに、内容はあれもこれも盛り込まれた作品。
偽りの春を読んでいないので、途中ちょろっと出てきた狩野には違和感しかないが、もっと違和感を感じたのがスティックシュガー3本をガソリンタンクに入れたら本当にエンジンが壊われるか、というのをアサヒが一度もネットで検索しなかったのか、ということ。
試しに「スティックシュガー ガソリンタンク」で検索をしてみたら、ヤフー知恵袋であっさり解決。
普通に走行できるそうです。
Posted by ブクログ
「偽りの春」を読み終えてすぐの今作。
まさに一気読み。
狩野雷太の活躍を期待して読み始めたのだけど、
残念ながら今回は控えめ。
様々な家族の形が描かれた本作。
特に幼い子どもたちにとってはつらすぎる経験でしかない。作品の中とはいえ、この先彼らがトラウマとなりそうな経験をどう乗り越えていくのだろう、と
暗い気持ちになった。
ラストは明るい雰囲気で締めくくられたが、
そこには違和感が。
そしてちょっと納得いかなかったのは美織の行動。
なぜ二人も産んでしまった?
憎んでいたわけではなかった我が子を放置できる?
そしてなぜヒーローだった彼を置き去りに?
そう言ってしまうとこの物語自体が始まらないんだけれども。
Posted by ブクログ
父親の死の原因を警察は「車のトラブル」と二人に告げたが、はっきり自殺とされたものをそんな言い方するだろうか?父親の遺体に会わせてもらうこともなく、それぞれの方向に行かされる小学生。
なんでも調べられる年齢になってもシュガーで車を不調にできると信じているのも不思議。育児放棄し一人を虐待死させてしまう妹の絡みも何か救いがあるのかと思ったが、狂言誘拐のあと子供を産んで、その上いつのまにか女児まで産んでいる計画性のない生活ぶり。子供をかわいがっていたというが、なぜ長期間放置して生死にかかわる状況でも平気だったのかも一貫性がない。どの人物とも気持ちが寄り添えない。
Posted by ブクログ
04月-05。3.5点。
超貧困の兄弟、父親の死後別れ別れになる。久しぶりに再会した二人は、ある犯罪を企み。。
後半の謎解きが、怒濤の展開。次々新事実が明らかになるが物語に破綻無く、作者の筆力が高いことを痛感した。
哀しい物語。
Posted by ブクログ
アサヒとユウヒの狂言誘拐から始まる物語だけど、思ったよりも深すぎる話だった…。
第一部と第二部で内容がガラリと変わるというか、児童養護施設を助けるための狂言誘拐が一転、育児放棄致死事件に発展。読み始めの印象よりもかなり重い作品でした。
Posted by ブクログ
前作?の狩野雷太シリーズを読んでいたので、狩野の推察を真似しながら読みました。笑
なので珍しく、犯人が先に分かってガッツポーズしました。
ストーリはとても悲しく児童虐待と過去の誘拐事件でしたが、狩野が出てきた瞬間に、オチは救いようのないものではないと、少し安心しました。
「彼女はもどらない」を読んでから作者にハマり色々読み漁っています。
Posted by ブクログ
初めての作者さん。本の最後の作者さんの感謝の言葉でシリーズものと知りました。
2部構成で2部は2006年だかの苫小牧の事件を彷彿とさせます。
1部2部と主軸の話が興味深かったですし家族の在り方など考えさせられる話でもあったのに、個人的に警察側の存在が雑然とするところもあって、シリーズものと知ったあとに、シリーズと主軸の折り合いの付け方がもう少しありようがあったのかな、と思いました。
ただ1部の話の2部での落としどころは個人的にとても良かったです。その後の兄弟も気になりました。
Posted by ブクログ
神倉駅前交番狩野雷太シリーズの第二弾。
シリーズ前作の連作短編がすこぶる面白かったので期待したんだけど、これ、狩野雷太シリーズにする必要ある?って言うのが正直な感想。
警察側の主役は神奈川県警の烏丸というイケ好かない女刑事で、期待した狩野と月岡(みっちゃん)も最後に辻褄合わせのように出てきただけ、葉桜刑事もほとんど出てこないし。
狩野の鋭い洞察力は今回も生きているんだけど、文鳥のエピソードからあの結論を導き出すのはいくらなんでもって言う気がするし、何より狩野とみっちゃんののんびりした雰囲気と今回の深刻な事件が全くマッチしていない。
ここは別の作品にした方が良かったのではと狩野ファンとしては残念でならない。
まあ、ミステリとしてはしっかり練られて伏線も回収され良くできてるんだけどね。
敗因は烏丸のキャラかな〜。最後まで好きになれなかった。