【感想・ネタバレ】世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOURのレビュー

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Posted by ブクログ

おもしろい。知らなかったことが盛りだくさん。だけど、自分の目で確認するだけの度胸も胆もないものだから、イラストで充分です。捌かれた後のお肉と料理の紹介が豊かすぎて、新鮮なホルモンを食べに行きたくなります。

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2023年02月07日

A

購入済み

面白かった

生き物を殺して食べるということについて
普段考えることはないので
とても参考になった。
日本での常識と他の国の考えの違いも、
とても面白かった。
何が正しいということではないけれど。

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2022年12月18日

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世界を旅しながら屠畜について考えられる本
イラストが結構沢山あって状況がイメージしやすく
お肉メインのお手軽世界旅行ができる

日本の場合だけでなく海外での事例も食文化に触れながら
生き物をつぶすことについて知れる

なかなか屠畜なんてテーマで世界旅行する人は居ないだろうけど
ひとつのテーマを持って世界を回るのって楽しそう

読後感がクレイジージャーニー観たあとみたいな感じ
あと読んでると色んなお肉食べたくなる


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2021年09月18日

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 世界各国の屠畜事情、どのような動物をどのような事情でつぶして食肉に仕立てるか、屠畜に関わる職業とそれらへの差別はどうなっているのか、などに取材した内容。
 著者の「差別とはなにか」「『動物をつぶす』ことが『残酷』とはどういうことか」という疑問への真摯な姿勢と、屠畜という職業への愛が伝わってくる本だった。
 「食育」に興味のあるかた、また「食べること、食べられること」に関心のあるかたにおすすめしたい。

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2021年09月14日

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ーー屠畜という仕事のおもしろさをイラスト入りで視覚に訴えるように伝えることで、多くの人が持つ忌避感を少しでも軽減したかった。(p.461 あとがきより)

2007年初版、2011年に文庫化されて以来、すでに14版。筆者の目的は十分に達せられているように思える。何せ、面白い。そして、職人さんへのリスペクトが溢れている。
雑誌『部落解放』の連載だということを知らずに読んだので、のっけから「白丁差別」の話が来ることに「?」となったけれど、読んでいるうちに「なるほど」と腑に落ちた。けれど、冒頭に引用したように、本書の焦点は「屠畜の面白さ」。さまざまな国や文化によって違うこと、共通すること、そしてなにより肉は美味しいということ。美味しい肉になるまで、大変な手間がかけられているのだということ。
知らなかったなぁ、ということが満載だった。自分の中の忌避感にも向き合わざるえなかった(私はどうしても馬肉が食べられない)。食文化への偏見、職業への偏見にも向き合わざるをえなかった。アニマルウェルフェアや動物愛護にどうして自分が胡散臭さを感じてしまうのかについても考えることができた。臭いものには蓋をして生きている自分を感じざるを得なかった。

屠畜への忌避感ゆえか、アニマルウェルフェアの観点からか、畜産が非経済的で環境負荷が高いとするSDGsの観点からかはよくわからないけれど、バイオ肉や代替肉の研究は盛んなようだ。それの行き着く先はユートピアだと研究者と企業は言い、ディストピアだと『オリクスとクレイク』(マーガレット・アトウッド)は言う。本書を読んで思うのは、人間の本性を受け止め損ねたらディストピアコースなんだな、っていうこと。芝浦屠場の移転話も持ち上がっているみたいだけれど(今はどうなんだ?)「そんなにこぎれいに暮らしたいのかあ。」という筆者の感想に同感。人間は生きもの。人工物のクリーンさが理想?除毛して、除菌して、除臭して、視界から消して??生き物を殺して食べている、お肉大好きな生き物だという事実も抹消??生存に必要な範囲を超えた「清潔」を徹底追及して、生きものやめて、一体、何になるつもりなのかしら???クリーチャー????

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2021年05月03日

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肉を食べるということは、命を奪うことであるの当然ことである。それを知って肉を食べて生きているわけで、
屠畜(または屠殺)に焦点をしぼって、
日本を含めた世界各国の屠畜のやり方や、
屠畜に対する意識を読めておもしろかった。
もともとは「部落解放」という本に連載されていたそうで、
日本での「穢れ」という意識についても言及されている。
また、アニマルウェルフェアという、家畜の人権みたいのについても考えさせられるが、
もちろん僕自身はこれからも肉を食います。

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2021年03月14日

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食べるために動物の命を奪い解体する。人が生きるために必要な行為が時と場所により差別される。世界の屠畜を取材、豊富なイラストで解説した作品。

詳細なイラストと装丁が何より魅力の一冊。あまりに細かく老眼には少々厳しい。

臭いもあれば血もある現場、通訳ガイドかみ怯んでも筆者は全く平気である。

日本から韓国、モンゴル、アメリカなど世界を取材、良質のノンフィクション。

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2021年03月03日

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世界の”屠畜”模様のレポート。
元は、被差別部落の職業差別レポートだったはずだけど、
いつの間にやら、屠畜レポートに。
家畜を食品にする、難しくてありがたい職業だけど、
宗教、文化、食生活、政治で、いろんな立場に。
とにかく、お肉食べる時は「いただきます」を
ちゃんと言いましょう。

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2019年11月24日

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ひー
 角川書店で本を出してゐる作家のブログで、編集の人から変なもの、 「盲点」や「黒人」へ
「これまずくないですか?」
 と言はれたとか言ふのがあったが、なんかこの本は出とるな。
 屠畜をあからさまに蔑視する朝鮮人、その態度を「清々しい」といふ著者、外圧に負ける食犬文化と抵抗する犬鍋業者、屠畜を犯罪と言ひきるインド人、屠畜文化がない沖縄からやってきてさういふ異文化に接触する人、などが描かれてるのだが。

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2019年10月17日

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内容(「BOOK」データベースより)
「食べるために動物を殺すことをかわいそうと思ったり、屠畜に従事する人を残酷と感じるのは、日本だけなの?他の国は違うなら、彼らと私たちでは何がどう違うの?」アメリカ、インド、エジプト、チェコ、モンゴル、バリ、韓国、東京、沖縄。世界の屠畜現場を徹底取材!いつも「肉」を食べているのに、なぜか考えない「肉になるまで」の営み。そこはとても面白い世界だった。イラストルポルタージュの傑作、遂に文庫化。

肉が好きです。特に焼肉が大好き。出来る事なら毎日食べたい。カルビにホルモンにタン。どれもこれも家畜とお肉にしてくれるひとが居て初めて成立する事です。でもそこはかとなく流れる屠畜への蔑視。それが世界共通なのか日本だけのものなのか。とことん潜入取材をしている稀有な本だと思います。「飼い喰い」を先に読みましたがその手前にある世界の屠畜事情のルポです。自分自身目の当りにしたらきっとしばらく肉食えなくなるであろう光景のオンパレードですが、屠畜蔑視ではなく逆に尊敬してしまいます。速やかに裁かれで美味しく安全なお肉として皆の食卓に上るその大変さ。その為に変化進化してきた食肉業界。未だに結婚差別や就職差別があると言います。そういう人は肉食わないのかと声を大きくして言いたい。おちょぼ口でかわいそうなどと言いながら肉を口に運ぶ人々。自分の手を汚さないままに批判だけで恩恵を享受する人がどれだけ多いことか。
と、堅い話はあるものの、実際世界中のお肉の現場をイラスト付きで解説する本書は、興味津々で是非読んでいただきたいです。読み終わった時にはパックのお肉の手前の姿が思い浮かぶはず。それをありがたく思いながら今日もおいしく頂きましょう。

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2018年02月10日

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屠畜が「残酷」と隠されていることを問題視し、それなら見てもらおう、と世界の屠畜とその国の屠畜に対する意識や差別感情なども一緒に紹介した本。生と死が隠されていることについては考えたことがあったけど、ここにもあった、隠されているもの。私も屠畜見てみたい!となった。こういうものを見ながら生きる方が、絶対に生が充実すると思う。

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2015年12月16日

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ネタバレ

この世にふたつとない、イラストルポ。屠畜を通して、食べること、生きることを考える。じつになまなましい。素晴らしい。

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2014年01月28日

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家の畑が獣害に会い、狩猟免許を取得し自然と屠畜にも興味が出て紹介された本。
いろんな国の屠畜事情が紹介されており、旅行記としても優秀だった。
屠畜は食べるため、生きるためある種当たり前だと考えていたのにそれに差別が存在していたということを目の当たりにし、驚いてしまった。
また、日本もクジラを食べることが非難されるが、その国の人が伝統的に生きるため食べてきた文化を非難は絶対面もあり前向きでなければいけない。
実際には難しいと思うが、昔のように家庭菜園レベルで家で食べるものをさばくという風になってもいいのではないか。
とにもかくにも普段食べているものがどういう過程でそうなっているか、授業に取り入れるなどして解体を誰もが一度は目で見て行って考えてみるべきだと強く感じる。

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2013年12月22日

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すごい本だ。
日本は言うに及ばず、韓国、エジプト、チェコ、モンゴル、アメリカと、世界の屠畜の現場を巡ったレポート。
大規模な工場のようなところから、家庭での屠畜まで、その「現場」も多様。
特にモンゴルの、一滴も血を外にこぼすことなく羊をつぶす方法などは、実際的であるだけでなく、洗練された方法で、感心してしまった。
屠畜に携わる人への職業差別や、「動物を殺すなんてかわいそう」という動物愛護意識と屠畜とのせめぎ合いなど、難しい問題にも果敢に踏み込む。

「自分も食べているものなのに、何も知らないでいたというのが恥ずかしい」というのは、本書の中でも何度も出てくる言葉。
私自身も、本当にそう思った。

後書きには続編も今企画されているとあった。
そちらにも期待したい。

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2013年10月03日

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著者のバイタリティと好奇心に、ただただ敬服。

以前読んだ「ドキュメント屠場」でも思ったけど、屠畜は本当に職人の世界であり、それは世界どこでも変わらないんだなと思った。

屠畜に携わる人への差別の有無もテーマだったため、著者は各地でそれを尋ねるのだけど、屠畜の技術やルポに絞ってもよかったんじゃないかと思う。でもまあ、屠畜や肉を扱う以上は、避けることはできないんだろうな。

印象に残ったのは、チェコとバリ島。そして芝浦屠場、アメリカ。お祝いやお祭りに豚や羊をつぶして食べるという“肉を食べる特別性”になるほど! と思ったし、古くから肉を食べ、屠畜が身近に行われていたところでは、屠畜する人への差別感がないというのも納得だ。

だけど、昔から肉を食べていたはずなのに、大量の屠畜をこなすために高度にシステム化されたアメリカでは、差別感はなくても、“誇りを持てない最低の仕事”となっている。難しい。

BSE検査やトレーサビリティに対する日米の明らかな姿勢の違い、動物愛護団体によるプレッシャー、同じ仏教でも「人に利益をもたらすための殺生は罪ではない」と説くチベットやモンゴルの仏教などなど、いろいろと興味深かった。

命をもらって生きているということ、子どもはもちろん、大人も考える時じゃなかろうか。

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2013年08月08日

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生き物がどう殺されていくのか知りたくて読んだ。
主題としては「なぜ日本では屠殺業を営む人が差別されているのか、他の国でもそうなのか」というルポ。
私自身は「人間に殺されて可哀想だな、でも私も肉好きだしな…」という想いはあり、ただ屠殺業に従事する人に対して残酷だとか感じたことは一度もない。本書が書かれてからだいぶ時間も経っているから、差別意識も少しずつ無くなってきているのではないかと思うけど。

家畜がどういう風に私たちの目の前に肉として運ばれてくるのか全然知らなかったので、本書はイラスト付きでわかりやすく解説されているためとてもイメージしやすかった。自分が読んできた本の中でも珍しいジャンルなのでとても勉強になった。正直動画とか写真で見られるかというとなんとも言えない…ので、イラストという点もありがたい。血とか苦手な人でも大丈夫そう。

日本だけじゃなく各国の屠殺文化まで綿密に取材されていて面白かった。
同じ仏教国でも生きるために必要だからと、差別意識などがない国、完全に汚れた仕事だと思われている国…国の数だけ価値観が多様で面白い。

私はお肉が好きだから、しっかり家畜に感謝をして残さずお肉を食べ続けたい。可哀想と思うなら食べないのではなく、命に感謝してちゃんと頂くことが大事だと思う。

ちなみにこの本自体は良い内容だと思うが、著者に関してはちょっと行きすぎというか、殺されるところをワクワクしながら見たりちょっとサイコみを感じてしまう。個人的には家畜を「つぶす」という表現も好きじゃない。

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2023年08月17日

Posted by ブクログ




・私が食べているお肉が生きている動物からどのように作られているのか


・屠畜場の重要な役割
 動物には病気や不衛生な個体がおり安全に屠り食肉にするには技術や設備が整う屠殺場が重要な役割を担っている。日本で獣畜(牛豚馬羊山羊)を勝手に解体してはいけないのも食中毒や病気の蔓延を防ぐためである。ただ少し前の沖縄では羊と山羊は捌けたらしい。

・屠殺やその職に関わる労働者に対する国毎のイメージや考え方

 面白いなと思ったことが国や宗教によっては屠殺にとても肯定的な考えがあること。
 例えばバリのヒンドゥー教徒の考えにお供えとして殺された植物や動物は位が上がり天国に行けたり生まれ変わったらより良い身分になれるとされている。人間の食事も人間へのお供えとそれるので屠殺は良い行為である。
 他にもモンゴルの遊牧民はそもそも食は他の生命の犠牲に成り立っているとしてる。
 屠殺という職業に関しても一部の宗教的には神様への生贄やお供えとして動物を屠ることが多々あるためその技術は良いものとされている。

・韓国や中国での犬食文化
 

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2022年01月21日

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筆者がモンゴルにて、羊を目の前で解体され振る舞われたことをきっかけに「屠畜」に興味を持ち、海外と国内の屠畜の現場を回ったルポです。文庫で450P以上と長いですが、各国の屠畜を通じて文化人類学、歴史、動物の情動、宗教観、日本特有の差別の構造にも触れ、興味が途切れることなく読めました。

オリジナルの単行本は2007年に発表されてますが、それ以前にも屠畜・屠殺を題材にした本は多く出版されています。しかし屠畜をこのようなポップな装丁、感性、文体で本にしたことは凄いと思います。当時話題になりましたし、多くの人の価値観への見事なカウンターとなったのではないかと想像します。

文体および文中の著者の振る舞いは、よく言えば天真爛漫、悪く言えば(著者ご本人も文中で書いてますが)不躾で、著者の素直なリアクションが伝わってきます。素直ということは当然、著者のバイアスもそのまま文中に現れるので、動物愛護の気持ちの強い人などからしたらケンカを売られているように感じる物言いも見られます。そのあたりは読者の好みによりますね。

基本的には、動物が気絶させられたり、ノドを捌かれ吊るされたり、皮を剥がされたりする場面においても終始ネガティブな反応はほぼなく、ワクワク!な筆者ですが、文中で一箇所だけ著者が「かわいそう」と思う場面があります。それは肉の需要量に応えるため、人工授精によって牛を増やしている現実に触れた時です。人間の都合で自然な繁殖である「交尾」をせずして生涯を終える牛がいるということを知った時の筆者の心情はワクワク!の時と対照的で印象に残っています。

日本の食肉文化の歴史は世界的に比べて浅く、そのうえ現代は家畜を飼う一般家庭も少ない。「動物を殺して生きている」という感覚は極限まで薄められています。ベジタリアンではないわたしとしては、動物がどういう風に肉へと加工されていくのかを見ずして美味しい思いだけするのはフェアではないと思ったので(フェアにはなり得ないとも思っていますが)、屠畜の現場の動画を目を逸らさずに視聴しました。おそらくその動画は動物愛護的観点に偏った編集がされていて、外国の特に残酷なものであったと思いますが…。あとはお肉を食べられることに感謝を忘れないようにしようと思います。

個人的な話ですが、わたしの幼少期に母は移動販売業をしており、顧客の中にたまたま屠畜場で働く人がいて、学校を終えたわたしの送り迎えのついでに仕事のため2、3回ほど屠畜場へ母はわたしを連れて行きました。そこでわたしは初めて吊るされた大きな枝肉を見て、「本当にあの『牛』が『お肉』になるんだ」と悟ったことを読後に思い出しました。そして今思えば母は屠畜業に対する差別がなかったのかもしれないと気づき、今更ながら母を尊敬しました。

日本の屠畜場は世界に比べて衛生面ではトップクラスであり(その分めちゃくちゃスタッフさんが働いてくれている)、日本産の肉を食べられていることはとてもありがたいことだと改めて感じました(ま、食肉偽装という別の問題はあるでしょうけれど…)。

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2021年11月18日

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屠畜っていうと、牛や豚などを「殺して肉にする」エグいと思われるテーマです。獣医師にとっても、と畜検査員になりたい!と免許取得後の第一選択にしていることはまずないんじゃないかと個人的には思うわけですが、本意・不本意の別なく、と畜検査員になられた方にはぜひ一度お手にとって眺めていただけると良いのではないかと思います。

僕はこの本を読んで、自分の仕事であると畜検査がより一層好きになりました。

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2020年10月04日

Posted by ブクログ

なかなかしつこく屠殺について調べていて、興味深く読んだ。
しかし、この本も相当前の本だから、今は事情も変化しているんだろうな。
ちなみに、私は、著者と同じく、屠畜と動物愛護は別物だと思うし、肉食べてる以上、屠畜には敬意を払うべきといつも思ってる!

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2020年09月12日

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屠畜の世界っておもしろい、且つ、とても重要な産業です。もっと知ってもらうが必要ですね。
命をいただくことは生きること、生きることは命をいただくこと。当たり前のことであり、残酷なことでは無い。もっと尊い仕事として扱われてもいいように感じました。

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2017年04月11日

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数人からオススメされた屠畜の本。いきものがお肉になるまでを描いた(本当に詳細なスケッチもある)一冊。各国の美味しく食べるための技や、衛生管理や効率化するための職人的技術はすごい。動物愛護のことや職業差別の意識についても各国でインタビューされてて、自分はどう思うだろう、どこの国のどの宗教のどの人の考えに近いだろうといろいろな視点があり面白い。モンゴルの平原のように空間だけでなく動物と人間と自然と、全てのものが平行、水平で真っ直ぐだというのは、わたしでは現地に行っても体感できない気がする。お肉は美味しく食べてるし、山羊皮の財布気に入って使ってるから、いろんな人に感謝感謝の、読んで良かった一冊です。

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2017年09月16日

Posted by ブクログ

多くの人が日常的に肉を食べているにも関わらず、それがおいしいお肉になるまでの過程をビュジュアル的に思い浮かべることはできない。豚や牛、鶏、馬、鯨、鹿や羊、などなど。お肉になる動物は数知れず。魚をおろす人はまあまあいるが、俺、自分で鶏を絞めるよ、なんて人には出会ったことがないし、いたらなんでそんな話すんだよ、と白い目で見るかもしれない。

「屠畜」の現場は未知の世界だ。かつ食文化の盲点だ。


豚がどう解体されるのか知らなかったし、牛がどう解体されるのかも知らなかった。日本では電気ショックで気絶させて、気絶しているうちに解体していしまう。たぶん当の本人(本豚、本牛)は死んでるのに気づいてないんじゃないか。
解体の過程がまあ細かい。こんな細かいイラスト解説いるのか?ってくらい細かい。正直イラストじゃなくて映像で見せてくれたほうがわかりやすいかなぁと思ったけど、映像で見たらトラウマになるかもしれないので、イラストでギリギリなのかもしれない。でもこの過程に思いを巡らすというのは大事なことだ。


食事の前の「いただきます」という言葉。これは神仏への感謝の意味もあるが「命をいただきます」という意味もある。生きていくために犠牲になってくれた動物、植物への感謝の気持ちを表す言葉でもある。しかし、肉食という行為がどれだけ尊い命の犠牲の上に成り立っているのかを考えている人が果たしてどうれだけいるだろうか。
だから肉食をやめろと言っているのではない。菜食だって植物の命を奪うことを無しにはできない。命をいただいているんだよってことを自覚することが、命を大切にすることにつながっているということ。加工食品ばっかり食べてる現代人に欠落している視点だなと思う。





ここでは日本のことしか書かなかったけど、本書では世界各国の屠畜事情も書いてあるので内容はボリューム満点。比較してみると、庭で家畜を殺したり、店先で肉の解体をしている国のほうが、肉も内臓も無駄にしないし、ほとんどの部位を食べる。人目に屠畜の現場をさらすなんて野蛮だ、なんて言ってる国のほうが命の重みをわかってない。


この本、簡易版をつくって、小学校の教科書に採用したほうがいいな。

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2017年08月30日

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屠畜するところ、お肉が作られるところを見たい!というやわらかめ視点と、屠畜に従事する人々が受ける差別への問題意識というかため視点のバランスがいい。
イラストがとても素敵。

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2015年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

差別について切り込もうとするが、それはほとんど上滑りで、むしろ読みにくい。作者も気にしちゃいるものの、それよりも屠畜職人の高度な手際や技術に感銘を受けて、作者がはしゃぎまくるシーンが俄然盛り上がる。肉好きの身としては、単純に食肉を支える人々に感謝と尊敬の念がわく。
作者のこだわりで、屠殺ではなく屠畜。差別と戦うというほどでもなく、かと言って「寝た子を起こすな」論に与するわけでもなく、単にこの人がいかに屠畜文化を偏愛しているかが伝わる文とイラスト。後書きにあった続編も面白そうで楽しみ。

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2013年12月18日

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<単行本のレビュー転載>他の方もご指摘しているとおり、差別に関しては、「どぉしてだろぉー」と問い続けるモノの、どん欲に掘り下げようとはしていないように思います。
自分たちが口にするモノを屠ったり・おろしている人達が差別されるのってヘンだよねと言う感覚はごくごく真っ当だと思うし、共感しますが、じゃぁ「この差別のある実態」と「私の感覚」との断絶はいかにして説明されうるのかというところが「やっぱりわからない、なっとくいかない」で片付けられている部分は多い(沖縄の章で触れられていたが―日本国内でも地域差はすごく大きいはず)。
肉を扱う料理人にもおすすめの一冊。
イラストは、単行本のほうが大きく見やすい。

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2013年11月20日

Posted by ブクログ

「思想強っ」

著者の考えなのか、解放同盟系の出版社・編集の意向
なのか、はたまたその両方なのか分からないが、「屠畜関係者に対する差別は依然としてある」前提で話が進み、著者の問題意識にのれない。

ただ、命を頂く行為を社会から見えないようにすることはいかがなものかと思う。その点は同意。
屠畜を各国、文化圏から描写した内容は興味深く、良かった。

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

BookBarで紹介されていたので、読んでみる。
肉は食べるし、昨今「肉をたくさん食べようぜ!」という風潮が強い。
しかし肉大好き、食べたい!という者の中の何人が屠畜の現場を知っているのだろうか。
きちんと命を頂いているということを、この本は教えてくれる。

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2018年05月03日

Posted by ブクログ

世界の食卓に並ぶ肉の背景を取材した作品。

殺して食べるからには残さず美味しく食べなくちゃね。
肉を食うからには一度は真剣に考えたいこと。

恥ずかしながら、日本も含めて多くの国で屠畜業が差別の対象になっていたことすら知らなかった…

普通にこの仕事をする人がいるから美味しく肉が食べられると思っていた。

あれこれ可哀想だと騒ぐなら食うな!食べたいなら美味しく残さず食べる!
個人的にはそう思ってきたし、これからもそのつもり。

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2018年03月11日

Posted by ブクログ

二日で読み切った。彼女の屠畜フェチっぷり全開って感じで旅が貫かれてる。これと言った心境の変化が著者の中であるわけではない。いちいち気にしてしまうナイーブさを持っていたらこんなには回れなかったんだろうけど、これだけ回り切ることに何の意味があるのかというとよく分からない。好きだから回ったんだなーってことはわかったけども。まあ、旅なんてモノはその程度のモノ。それは「僕の見た「大日本帝国」の旅も同じ。回りが評価をすると、なんだか高尚なことをしてきたかのようなパブリックイメージがつき、そのイメージに旅してきた本人も感化されちゃったりするんだけど。
僕自身、屠畜の様子をこうしてまとめて読むのは初めてだったが、読み切るという行為にあまり意味を感じなかった。イラストやら淡々とした細密な描写は、知らなかったことを知ったという喜びがあったがこれだけのボリュームで読む必然性は感じなかったな。
皆が絶賛するほど良い本だとは思わなかった。身体のいいなりの方が全然好きだ。

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2016年06月08日

Posted by ブクログ

世界各国で生き物が食べ物になる過程をまとめた本。品川に行くとSONYの目の前に食肉処理場があることにずっと物凄く違和感を感じていたが、この本を読んで、さらに、そんなに莫大な量の食べ物が作りている事にも驚いた。
肉を作る人達の事を差別する歴史があることは知識として知っていたが、実感値としては全くわからない。お百姓さんありがとうというのとほぼ同じ感覚だな。よくいう話ではあるし、巻末で佐野真一も書いているが、生と死が遠くにありすぎる事はいいことのようには思えない。なんで生きていられるのか、理解するべきだと思う。残酷なんてナンセンスで、動物愛護という考え方やそういう人に対しての忌避感には人間のエゴを強く感じる。

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2015年09月22日

「ノンフィクション」ランキング