【感想・ネタバレ】番付屋新次郎世直し綴りのレビュー

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Posted by ブクログ

ミステリー要素を持った時代小説。小町番付に載った娘が顔を傷付けられる。犯人は意外な相手。
隠蔽する与力が酷過ぎるが、昼行灯の同心が陰で助けてくれるのでホッとする。
主人公・新次郎も番付で被害を受けた過去があり、同じように被害を受けた理吉を番付屋に誘うが拒否される。犯人に近づくための番付屋なのだろうが、正解なのだろうか?
続編へ導く終わり方だが、今のところ続編の情報は無いようなので残念。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

作者さん初の書き下ろし作品。

廻り髪結いの裏で番付屋をしている新次郎。
得意先の娘で近頃〈小町番付〉の小結に選ばれた娘が襲われ顔を傷つけられるという痛ましい事件が発生。
新次郎は番付屋の仲間たちと事件を探るのだが、別の事件との関わりが見えてきて…。

瓦版屋にスポットを当てる作品はあるが、番付屋とは新鮮。様々な番付屋が乱立する中、根拠も何もない、単なる持ち上げ番付や逆に貶める番付もある。だが新次郎たちがやっている番付は裏稼業ではあるものの、孝行番付や特産品番付など至って真っ当なものだ。通常は。

ただし、事件解決の際には番付を使ってその真相を明らかにする。ここがちょっと悪乗りしてるかとも思えるが、放っておけば揉み消される類いの事件なのだから、新次郎たちのやり方は痛快だ。
娘ながら男姿で敏捷に動き回る彫師の美美や、剣の使い手でもある筆耕の訳あり浪人の宝木など、仲間たちも個性的。主人公の新次郎は何と、人気役者にそっくりなほどの男前で、今回はそのことも事件解明に一役買っている。

一方で新次郎が番付屋を始めるきっかけとなった、薬種問屋を営んでいた実家が番付により崩壊した過去は辛い。その真相が明かされる日は来るのか。
また宝木が何者かに度々命を狙われるその理由も分からない。宝木を助けてくれた謎のご隠居も気になる。宝木の正体や抱える事情は続編で、ということか。

新次郎と仲の良い、昼行灯こと同心・佐竹がなかなか良い味を出している。のらりくらりしているようで、抜け目がなさそうで、手柄を敢えて仲間に譲っているのも何か深い訳があるのか。

テンポ良く読めるが、様々な事件や要素を頑張って詰め込んだ感があって、終盤はそれらが上手く繋がり過ぎる印象もある。だが設定は面白いし、これからのシリーズとしての物語も気になる。
続編が出るだろうから、今後が楽しみ。

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2020年07月01日

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