【感想・ネタバレ】産声が消えていくのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

奇をてらうわけではなく、切実に産婦人科医療の現状を語りかける小説。
産婦人科医の著者だからこそ書けるリアリティが満載だ。

医療現場において「if」は360度広がっていて正解がない。だからこそ医者は身を削って奮闘してくれているのだ。恋人との時間も精神も肉体も全て削ぎ落として、その先になにがあるのかというと、終わりはない。
主人公の菊池のように第一線で活躍したいというプライドと、医者としての救済心から突き進んでいくだけなんだろうと思う。これはどんな仕事にも言えることかもしれないけれど。

11月に出産したばかりだったので、産婦人科に興味を持ち手に取った本書。
母子ともに健康で出産できたことは当たり前なんかじゃないということ。
医者と助産師への感謝の気持ちがわき起こりました。

菊池先生、結婚と再就職おめでとう。
これからも時間に追われる日々だと思いますが、どうかご自愛のうえ邁進してくださいね。

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2019年01月18日

Posted by ブクログ

終わりよければすべて良し、とか
結果がすべて

ってすごく怖いことだと思いました。
今まではポジティブな意味でしか
とってなかった。

途中で気を抜いても、結果が良ければ
経過なんて関係なし。
でも、死力を尽くしても悪い結果になると
死力を尽くしたことすらもなかったことになる。

コード・ブルーでもこの話ありましたね。

冴島さんはバックに器具を1つ入れ忘れちゃったけど
結果的に患者さんは助かったから良し。
檜山は患者さんを想って最善と信じる行動をしたのに訴えられる。

本当に怖い。

そんな恐怖を知ってもなお、
良いお産を、と思い続け365日24時間の拘束を受け入れる。
精神的に仕事を続けられなくなっても、
一時の休暇後また元の状況に戻ろうとする。
休んでる間も働き続けている他の産婦人科医と一緒に
お産を守るために。

本の終盤、休んでいる間、初めて主人公が
涙が込み上げ、咽び泣くす場面では
同じように息が詰まりました。
弱音を吐かず、他人を励まし続けてた。
けど、そんなのしんどいし、苦しいに決まってる。
それに気づき、泣く時に隣にいた美紀の存在や
同じように過酷な状況に身を置く親しい医師たちの存在は
とても大きな意味を持つと思います。

この本を読んでる時は常に目に力が入っていました。
患者に「様」付けで呼ぶことへの疑問、
お産の際の過度の医療介入について、
妊婦の意識の低さ、
あともちろん、医師不足について
など考えさせられることがたくさんありました。

いつか、人格者が救われる世の中になりますように。

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2012年10月06日

Posted by ブクログ

どこの産婦人科でもこの物語のような出来事があったと思う。この物語は2000年代の産婦人科のある総合病院が舞台だけれど今はアクティブバースとか自然派みたいな流れはどのようになっているのか知りたい。
20年後の菊池先生の物語が気になりました。著者の他の作品も読んでみようと思います。

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

産科医の先生が書いた、ドキュメンタリー?な本、一応フィクションらしいけど、実話でしょ?って感じ。めっちゃリアルだった(ガチ)日本のお医者さんの数は、先進国の中で、ほぼ最下位…外科も少ないけど、特に産科医と小児科は悲惨。激務。過酷。これは平成22年に出たやつやから、コロナのことは書いてないけど、医療崩壊でこれからもっとひどくなるんかな?、
産科医が少ない理由は、夜間でも関係なく勤務が必要で必然的に激務になるから、それと訴えられることが他の科より圧倒的に多いからだって。裁判になって優秀なお医者さんも追い込まれていく…。
健診もまともに受けてなかったテキトーなお母さんが救急オペで運ばれて、無事に産めたり、子どものために愛情いっぱいいろんな準備してたお母さんが出産時に容体急変したり…
できるだけ自然に産んでほしい助産師さんとリスクを少しでも減らして確実に産むためにカイザーしたい産科医さん、、いろんな大変さが産科医にはあるんやって思った。

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2022年09月03日

Posted by ブクログ

産科医が減ってるというのはなんとなく知ってたけど、実際の医療現場がここまで逼迫してるのは驚きだった。自己犠牲の元成り立ってる日本の医療体制がどうか改善してほしい。医療関係者に、頭が下がります

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2022年03月25日

Posted by ブクログ

産婦人科の医者が主人公で
医療現場のお話でした
現場の大変さが感じられました
そして追いつめられる主人公
医療小説として楽しめました

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2020年09月05日

Posted by ブクログ

出産した記憶がまだ新しいうちに、と手に取った一冊。
サスペンスとなっているけれど、ノンフィクションの様な印象。

産婦人科の先生たちは本当に忙しそうで、いつ休んでいるんだろう?と検診や出産時に思っていました。
お産は自然な事ではあるけれど、やはり不安は付きもので、妊娠してから出産までの約10ヶ月間、先生や助産師さん方にお世話になりっぱなしでした。

減少していると言われている産婦人科医。
彼等の頑張りに母親となる女性もその家族も支えられているのだなぁと再認識。

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2019年03月25日

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命に近い仕事。業界の構造の問題と組織の崩壊。責任感の強さと自分の崩壊。
#産声が消えていく #太田靖之 #読書記録2018 #読書記録

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2018年12月07日

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少子化が叫ばれている中、経済状態とか、子供がいると仕事がしにくいなどのほか、産婦人科の医師の減少も大きな問題だということに改めて気づかされた。

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2018年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

裏表紙などには「サスペンス」と書かれていますが、本作はどちらかといえば「お仕事小説」じゃないでしょうか。

確かに、導入部は医療裁判の様相を呈していて、その先には医療事故の真偽をめぐる患者側と病院側の争いや、事実の隠蔽といった怪しい行為があるのだろうと期待させられるものでした。

けれどその先にあった内容は、超ブラック企業的な病院の実態と、激務という言葉すら生ぬるい職場環境に押しつぶされていく医師と看護師の様子。

現役医師という著者が「現場の実態を知ってもらいたい。理解してもらいたい」という想いを込めまくって医療現場の実態を描いた小説という印象だったため、サスペンスというよりお仕事小説と感じた次第。

期待していた内容と違っていたので、その点では肩透かしを食らった感はあります。ただ、内容自体は同情と共感を誘う興味深いものではありました。

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2018年07月11日

Posted by ブクログ

ある緊迫の一晩の描写から始まる。

途中は、主人公が医師になってからその晩に繋がるまでの過程が丁寧に描かれる。

読みながら抱く感想は、「医者になんてなるもんじゃないな。特に産婦人科医には」だ。

医師にもっと希望を持たせたい。救いを与えたい。

率直にそう思う。

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2020年11月18日

Posted by ブクログ

現在の産科をとりまく問題について、事実をもとに書かれたフィクションです。

“いかなる患者も診る”という方針を掲げる希望会総合病院に、産婦人科医 菊地堅一は勤め始めます。高い志とは裏腹に現実は、医師不足・24時間の拘束・医療控訴…。そうして、医師も看護士も疲弊していきます。

お産は昔も今も命がけの大仕事です。医療技術の進歩によって、昔は失われていた命も救えるようになってきています。マンパワーさえあれば…。
安心して子供を産み、育てられる世の中にしてほしい。

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2019年02月07日

Posted by ブクログ

産婦人科の大変さをリアルに伝える作品。小説としては説明くさく野暮ったい文章だった。ミステリー展開でもないし。割り切ってノンフィクションとかドキュメンタリーにしてもよかったかな。

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2019年01月10日

Posted by ブクログ

現役の産科医が描くリアルな産科の現状。少子化以上に進む少産科医の現実や、どれだけ医療技術が進歩しても変わらないお産の怖さについても知ることができた。

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2018年10月14日

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