【感想・ネタバレ】寒い国から帰ってきたスパイのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年11月05日

ル・カレ初のベストセラーで,古典的名作との触れ込みだが,その評判に違わないおもしろさで,むさぼるように読んでしまった.
派手さの全く無い地味な諜報戦をメインに据え,騙す,騙し返すの応酬で攻守は二転三転し,驚きの背景が明らかになったあとに,後味の悪い結末を迎える.
やはりスマイリー三部作も読まざるをえ...続きを読むないな,これは.

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Posted by ブクログ 2016年03月07日

スパイ小説。と言っても一般的なスパイ小説の定義はわからないんですけど、ミステリー小説でもあります。
ミステリーである以上、何か謎があり、それを解明しないといけないのですが、本作では主人公のスパイ、リーマスの立場に立って、「自分は本当に大丈夫なのか。」ということが謎になります。
著者のルカレは元々スパ...続きを読むイだったこともあり、「自分は本当に大丈夫なのか。」という謎を考えつつも、同時にその緊迫感がリアルに伝わってくる記述で、ハラハラする面白い小説です。

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Posted by ブクログ 2014年06月02日

ティンカー、テイラー…がものすごく面白かったので、(スマイリー三部作の一つと勘違いして)読み始めました。
確かに色々古いんだけれど、そんなこと関係なく面白い!!素晴らしいストーリーテリングや描写力。特に人物描写がすごい。どんな登場人物にも存在感がある。
著者が訴えたかったことは、今も全く改善されてい...続きを読むないと残念ながら思うだけに、今の戦争を舞台とした著者の小説も読んでみたいと思った。
スマイリー、ギラムはほんの少し出てきます。
あと、後味は悪いです。

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Posted by ブクログ 2012年07月04日

 スパイ小説であるが、アメリカ小説と異なりハッピーエンドでは終わらないので、これだけ小説として有名になったのであろう。ベルリンについて知らないと興味が半減すると思われる。

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Posted by ブクログ 2023年08月13日

アマプラで“ナイトマネージャ”を見終えて、手元にあったこの小説を読み始めた。
流石・・スパイ小説の古典、金字塔である。
冷戦当時のリアリティと60年代を思わせる「歴史の進行、弁証法の必然性」といった表現等に時代を感じる。全体を覆う暗いトーンは新たな流行だったのだろうか。
査問会以降は最後まで一気読み...続きを読む。作品中の論述、展開の面白さに引き込まれてしまった。
翻訳の一部に⁇と思わせる箇所もあるが、これは翻訳小説のあるある、気にはならない程度。
後で映画の方も見てみるつもりだ。

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Posted by ブクログ 2023年07月14日

ジョン・ル・カレを読まずして旅立つことはできないのだよ諸君

ただ、ひとつだけ告白しておこう
ずっとジョン・カレ・ルだと思っていたよ
バーモントか!

はい、スパイ小説の教科書と言っても過言ではない『寒い国から帰ってきたスパイ』です
1961年刊行でイギリスとアメリカの最優秀ミステリー賞を同時受賞し...続きを読むた傑作であります

いやー、こっち側もいいですなぁ
巻末の解説にもありますがいわゆるスパイ小説というのは「超人的な能力の持ち主である主人公が、《手に汗握る危機一髪》的な事件で活躍する《神話》であった」のに対して本作は圧倒的なリアリズムを持ってスパイの世界を描いているんですな

そしてもちろん、それだけでは英米同時受賞なんてことにはならないわけで、とんでもないどんでん返しとスパイの世界を象徴するような結末が待っているわけです

いやー、ジョン・カレー・ルー(開き直った)おもろいわ!
スパイ小説、どっち側もおもろいわー!

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Posted by ブクログ 2022年09月15日

MI6出身の著者によるハードボイルドなスパイ小説。やはりスパイものは冷戦の頃が一番おもしろい。

実際に存在した高位の役職に着いた二重スパイをモデルにしたのだろうか。

東ドイツ側のスパイハンターであるムントを失脚させるためのミッションにアサインされたMI6リーマスは東ドイツ側に寝返ったフリをして潜...続きを読む入するが、ミッションの本当の狙いを知らされていなかった。実はムントはMI6側の二重スパイで、ムントへの疑惑を振り払うことがMI6の本当の狙いであった。

p210 思想について語り合うシーンが印象的。

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Posted by ブクログ 2022年01月31日

諜報活動は人の騙し合いである。真相を幾重にも隠していく、その先には彼らの尊厳をむしり取られていく裏切りや懲罰が潜んでいる。国家という組織はいつしか利権や体裁を優先する組織となり人に命を瑣末に扱うゲームに興じているのではないか。一人ひとりの献身がチェスの駒のように扱う人々もまた駒となっていることに気付...続きを読むかない道化師のようでやるせない。情報という形が無いものに奔走する姿は人固有の滑稽である。スパイに限らずスマホにご執心の方々もしかり。

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Posted by ブクログ 2020年01月12日

おもしろいのだけどなんだろ、いうほどめいさくなのだろうか。著者はそこまで称賛されるべき書き手なのだろうか。
リーマスが身を持ち崩す(ように装う)様子などそこまで克明に詳しく描く?もっと短く済ませられないもの?尋問の内容などもそこまで詳しく描く?断片的に済ませられないもの?後半の裁判のシーンなどはスリ...続きを読むリングな場面だしどんでん返しも含まれているから書く必要があると思うけど。
まあ最後のどんでん返しもスリリングだしラストの壁のシーンもすごく美しいしいいんだけど、別の書き手がかいたほうが間延びしないのではなかろうか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年08月17日

池上彰さんがお薦めされている、しかも珍しくフィクション(勝手な印象ですが、よくノンフィクションをとり上げられているイメージなので)というところに興味をひかれ、はじめてのスパイ小説に挑戦。

主人公は、冷戦下の東ドイツで諜報活動を行っていた初老のイギリス人スパイ・アレック。
宿敵ムントとの戦いに敗れ、...続きを読む全てを失い帰国するものの、復讐のために再び戦いに身を投じる……という筋書き。
要するに、すべての設定が渋めです。
もちろん私の普段のごく平凡な暮らしぶりと何ら共通する要素はないのですが、それでも引っ張られるように最後まで読みました。
とにかく、物語の緊張感がすごい。

冒頭に、「喋らないことも嘘の一種」という一節が出てくるけれど、この言葉どおりの、喋らない、語らないことによる嘘の応酬が、本書の全体を通じて繰り返されています。
それが特によく表れているのが、登場人物同士1対1で展開される尋問や法廷闘争の場面。
個々のエピソードが、緻密に組み合わされて、大きな筋書きを描き出す様子は読んでいて圧巻で。

そして、本書の凄さは、ああ面白かっただけでは終わらない読後感だと思います。
筋書きが巧みであればあるほど、もっともらしいイデオロギーを掲げたって戦争は結局は暴力のぶつかり合いで、誰しもその中ではなすすべがない、あまりに小さな存在であることが胸につきささります。

期せずして終戦記念日近くに読んだ本書。
恐らくは非常に高いクオリティでつくらているNHKスペシャルなどの戦争特集番組も怖くてみられない、気が小さすぎる私だけど。
どんな理由があっても戦争が、暴力が正当化されることなんてありえないのだと、強く感じる1冊でした。

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Posted by ブクログ 2017年05月29日

スパイ小説の古典、面白かった!!

アクション劇はほぼ皆無で、

尋問描写と
三人称で人物の所作とインサイトの描写を中心に
進行していくので、淡々とした進行に映るのだが、

寒い国へステージを移して以降の、
たたみ掛け方が凄まじく、
攻守の激しい移ろい、綯い交ぜとなる真実に辿る複数の筋、
が 「こ...続きを読むの先どうなるんっ!!??」の連続で、
頁を繰る手が止まらず、
ラスト100ページは あっという間に読み終えてしまった
とりわけ
査問会議(法廷劇といえるかな)が圧倒的だった

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Posted by ブクログ 2016年12月04日

最後の最後で真実が明らかに。こんな世界が、実際に存在したのか、現在もあるのか…。人が信用できなくなりそう。

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Posted by ブクログ 2016年05月02日

ティンカー、テイラー…を読んだ時、人物を覚えて追うのに必死だったけど、これは登場人物も少ないし心理描写が多いから読みやすかった。
派手なシーンはないんだけども、これからどうなっちゃうの?というドキドキ、ハラハラするストーリーです。ただ、勧善懲悪・最強の主人公!みたいな爽快感はないかな…。

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Posted by ブクログ 2015年06月19日

個人と組織、というのがやはり命題なのか。諜報戦に限らず、個人は全体の動きに噛み殺されるのが常だが、そんなの間違ってる、ということを逆説的に提示した作品。人を人とは思わない冷徹な作戦を組み上げるプロット力と、登場人物に血を 通わせる描写力の両方を持った作家がル・カレで、今回はその実力を純粋に発揮したも...続きを読むのだと思う。

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Posted by ブクログ 2014年10月03日

非常に面白かったです。物凄く遠くから回り込んで少しづつ近寄って行くような展開で前半は何をしているかよく見えて来ないので面白く有りませんでしたが、ページをめくる毎に物語に吸い寄せられて…敵の敵は味方みたいな話だけど、終盤、一番遠くにいる人物が一番大きな絵を描いているのが見えて来出した所なんて、無茶苦茶...続きを読むオモシロイです。殺伐とした暴力が横行するのではなく、敵味方と云えど利害関係こそで動いているんだなぁ〜って感心させられてしまいました。もう50年ほど前の本ですが翻訳も良くてとても読みやすかったです。

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Posted by ブクログ 2013年08月17日

時代は東西ドイツに分かれていた冷戦時代。英国のスパイリーマスが任務に失敗するところから物語は始まる。リーマスの起死回生の策成るか?東独のスパイである仇敵ムントとの対決や如何に!本書で英国諜報部MI6のことを通称「サーカス」ということを初めて知った。

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Posted by ブクログ 2013年05月13日

スパイものということで、ジェームス・ボンドのようなものを想像していた。最初はとまどったが、すぐにストーリーに引き込まれて一気に読んでしまった。

このてのものでリアリティーをおえば、爽やかなラストなどを期待するほうがおかしいんだろうけれど、後味が悪く読後しばらく憂鬱な気分になった。スパイものはやっぱ...続きを読むりハリウッド的娯楽作品のほうが私には合うみたいだ。

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Posted by ブクログ 2013年01月11日

スパイ小説の名作、という位置づけの小説。
途中まではどうなの?と思いながらページをめくっていたが、後半の展開はなるほどです。
最後、そうきますか。。。
情景の浮かぶ小説ではあります。

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Posted by ブクログ 2012年01月27日

登場人物の知っている情報と読者に与えられている情報の差が、物語に謎を与え、文章を読み進める推進力となっている。後半その差が一致してからの緊張感はたまらなかった。ドキドキした。

明確な個人 vs. 全体(組織)というテーマも、エンディングに至るまで印象的に描かれている。

硬派な文体は好き嫌いが別れ...続きを読むるかもしれないが、十分引き込まれるものがあった。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

1978年発行ということなんで私が生まれる一年前。結構古いですね。スパイ小説の金字塔と紹介されたら、見ないわけにはいかない。面白かったんだけど、やはり洋書ということでスッと理解できないときがあるのと、字が小さい‥。老眼が始まってる私にはちと辛い。やはり、ラストシーンが印象的でしたね。それは見てくださ...続きを読むい。

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Posted by ブクログ 2023年04月30日

 スパイ小説の古典といっていいほど有名な本。スパイ小説ということもあり、諜報活動において注意しなければならない決まりや原則が所々言及されている。たとえ非道なやり方であったとしても、必要とする情報を得るために容赦なく行動する様は、まさにスパイのあるべき姿である。また、本作の冒頭における男女間の描写も、...続きを読むスパイならではの描写である。異性のちょっとした関係から、活動に大きな支障をきたす職業はほかにないだろう。

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Posted by ブクログ 2022年04月29日

冷戦時代のスパイの話。
池上彰さんが好きな本だという事で読んでみた。
歴史の知識が浅い自分には少々難しい内容であったが、途中から世界観にどんどん引き込まれていく。

乾いた骨をしゃぶり続ける狼。その骨を取り上げないと新しい獲物に飛びつこうとしない

このセリフが妙に心に残った。

スパイものの小説と...続きを読むいうものを初めて読んだのだが、映画でもスパイものというジャンルは全然見た事が無い。
007すら見た事が無いため、今度見てみようと思う。
歴史を改めて学んだのちに読み直したいと感じた。

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Posted by ブクログ 2021年12月26日

スパイものの古典かつ金字塔と言われる作品らしい。その手の『分野で一番』と言われる作品は読めるうちに読んでおきたい、と思って読んでみた。

ラスト30頁で見事に世界が反転する様は、ミステリーファンなら嬉しい騙され方でしょう。
ラストは切ないけど。

守りたいものを守るために、敢えて嵌めに行って失敗させ...続きを読むる、という大変逆説的な作戦で、人間の心理として、こんな作戦がとれるものだろうか、と言う気もしたが、少なくとも撹乱戦法としては機能するような。

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Posted by ブクログ 2021年06月17日

スパイ小説の金字塔と言うことで読んでみた。諜報部員の生々しい現実とスパイ情報部員の中にも普通の人間と同じ血の通った人間味のあるストーリーが具体的にリアルに描かれている。物語を通して情報部員の裏に潜む非情な世界とスパイの特殊な使命と悲劇が描かれている。スパイ物として非常に面白い物語であります。

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Posted by ブクログ 2021年04月25日

 先日亡くなられたスパイ小説の大家ジョン・ル・カレの代表作の一つだ。僕の生まれる前年に発表されている、すでに古典といってもいいのではないか。

 現代のスパイ小説を読みなれていると、本作に出てくる人物は純朴に映る。遂行される作戦も単純で遂行されるスピードも牧歌的だ。どんでん返しのあるストーリーだが、...続きを読むひねりがなくストレート。そう、夏目漱石の心を読んでいるような印象で、まさに古典的名作だ。

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Posted by ブクログ 2019年12月18日

30年ぶりくらいに再読。
ほぼ覚えていなかった。
ただ、後味の悪い作品だった記憶があったが、読み返してやっぱり読後最悪。
しかし、これがスパイ小説の神髄なんだろうな。
善悪の区別もない、因果応報もない。
何ともやるせない。

三分の二程度、法廷への場面までは、やや冗長。
しかし、ラスト三分の一でのス...続きを読むリリングな展開は見事すぎる。
それまでのストーリーの必要性もここで頷ける。

そういえば、東ドイツという国があったのだなあ…
と、当時はこんなひどい話もあったのかもしれないなあ…
と、今もあるのかもしれないが…
と、感慨に沈む。

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Posted by ブクログ 2018年10月18日

スパイ小説の古典的名作。
WW2後の東西冷戦時のベルリン、ロンドンを舞台にイギリス諜報部のスパイを描いている。

時代のせいか、ちょっとわかりにくい箇所が多いと感じたが、後半の疾走感や緊迫感はさすがと感じた。ジョン・ル・カレ氏の作品は初めて読んだが、他も読んでみたいと思う。

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Posted by ブクログ 2017年01月20日

スパイ小説の古典的代表作。

イギリスのベテラン諜報員、アレックリーマスは敵対国の凄腕諜報員の手により、敵国内のスパイを皆殺しにされてしまい、失脚した。
リーマスは個人的に復讐を誓い、非公式に敵対する諜報員を破滅させる作戦を上司と計画し、実行に移した。
それは自らのキャリアを捨て、人生を代償にした作...続きを読む戦であった。

スパイ映画なのにアクションはほぼ皆無。主人公もめちゃめちゃ強いわけでもない。
そして、3/4読み終えるまで何が起きてるのかもよく分からない。
ただし最後のネタが判ると、組織同士の恐ろしく複雑な騙し合いが恐ろしくなる。
実際のスパイはこんなかんじなのかな?
それにしても何もかも信じられなくなるという小説でした。

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Posted by ブクログ 2016年12月18日

他の作品の評価見るに、ジョンルカレの作品では一番面白いんじゃなかろうか。「我らが背きしもの」とか割りと早い段階で挫折したし。
そこまで場面の切り替えや登場人物の視点入れ替えは激しくない。ほとんどリーマス一人の視点に寄ってるから話が分かりやすい。のかもしれない。
カーラは登場せず。変なリアリティあって...続きを読む何か凄い。TTSSよりこっちを映画にするべきでは?

最後のネタバラシは外事警察を思い出させる。
ラストは「人狼」みたいな感じ。まあ、そうなるよな……あの女が脱出出来た時点でそもそも存在している事がサーカスにとってのリスクだし。

「はかがいかない」ってどこの方言なんですかね…

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年07月01日

・・・どよーん

動揺したせいか
ラストのオチを読み返してしまった。
やはりそうか。そうだよね。

フィクションですけどね。
フィクション。2度言う。落ち着こう。
こういう時代があったことも事実だけれどね。

スマイリーとギラム
ちらっと出てきてる。お留守ですか、そうですか。

読後 絶版になってし...続きを読むまっている
スマイリー関連2冊を手に入れてしまった。

こうなったら最後まで読むしかございません。

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