【感想・ネタバレ】死ねばいいのにのレビュー

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Posted by ブクログ

読み始めは、ケンヤの話し方にムカついて、この本苦手だなぁーと思ったが、貸してくれた人の面目が立たないだろうから、無理して読み進めた。
だけど、1人目2人目と読んでるうちに、ケンヤからの問いかけでズルズルと仮面が剥がれ、押し問答の末に本性が現れていくことに、どんどん引き込まれていった。巧みな文章。
分の感情さえよく分からないのに、他人のことなんて理解できないよなぁ…。
因みに50歳間近なわたしは、不幸でもないけど、もういつ死んでもいいやと思っている。

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2024年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『死ねばいいのに』
舞台を見に行くため、その前に再読。

この本がミステリだと紹介されるのがずっと不思議なんだけど、この本を「犯人は誰だ?」と考えながら読む人はいないんじゃないかな。

「死んだアサミがどんな人だったのか教えてくれ」と聞くところから始まるのに、いつの間にかアサミではなく聞かれた人物自身の醜い部分が引きずり出されていく。この会話の流れは巧みだなあ。気づいたら誰もアサミの話をしていない。

「醜いのは分かってるけど辛くて苦しくて逃げられなくてどうしようもないんだどうしろっていうんだ」と訴える彼らは、「死ねばいいのに」と言われたところで死にはしない。
しかし誰よりも不幸だったのに「ヘンテコな人生だけど幸せだ。このままずっと幸せでいたいんだけど、どうしたらいいだろう」と言ったアサミは、「そんなに幸せなら、幸せでいるうちに死ねばいいのに」と言われて呆気なく死んでしまう。

『魍魎の匣』の雨宮を思い出す。
どんな環境に身を置こうとも、それを最終的に受け入れて自分を幸福な状態に持ち上げる、狂おしいまでに現実肯定の出来る人…。
雨宮は、作中で彼岸に行ってしまった(人を辞めてしまった)男として描かれているが、アサミを殺す際のケンヤは「自分が手を掛けてるのが人間じゃなくて、何かもっと凄えものみたいな気がして来て」と怯えている。
また、アサミを模したであろう1ページ目の写真には「菩薩」と文字が入れられている。アサミが京極夏彦的に"ヒトでなし"判定なのは間違いないと思う。
やはり京極夏彦オタクとしては、"ヒトでなし"概念が大好きだし、生き残ってうだうだ苦しみ続ける人間達と悟ってさっさと死んでしまったアサミとの対比を魅せる構成の美しさに感嘆する。

死んだアサミがヒトでなしとして書かれているからこそ、「死ねばいいのに」と言われても死のうとしない奴らの、浅い欲望とか、狡さとか、都合の良さとか、そういう部分が人間らしくて、人間はそれで良い、良くないかもしれないけどそれで当たり前で、それが人間だ、というのが読者への赦しでもある。

もちろん、この本の見どころは他人の吐き出す苦しみを切り捨てていくケンヤの言葉だろうと思う。
醜くて生き汚い登場人物達はみんなどこかが私と似ていて、ケンヤに説教されるたびに心が痛み、反省する。
でも、最終的に生きているのは「何も望まなかったアサミ」ではなく「醜い欲望ばかりの人々」なのだ。

人間、自分勝手な欲望ばっかり抱えてて「足るを知る」なんてなかなか出来るもんじゃないけど、本気で「足るを知る」ができると「完全な現実肯定」ができてアサミになり、それはもはや菩薩になるということなのだろう。
それは美しいことかもしれないが、もうヒトではない。

でも幸せになれるなら菩薩になりたい気もしてしまうな…。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

舞台化するというので観劇前に履修。
これをどうやって舞台にするのか、愉しみで仕方無い。
タイトルのニュアンス最高でした。

何はともあれ、ワタライケンヤが好き過ぎる。ふふ。

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2024年01月21日

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死んだ女のことを聞いてまわる無礼な男。
その男と話しているうちに、自らの矛盾や身勝手さを突き詰められ、しまいには「死ねばいいのに」と言われる。その言葉を言われた当の本人は、自分自身で気づかなかった本音や感情に気づいてしまう。
無礼な男、ワタライケンヤが聞いてまわる人たちは、身勝手な人たちだ。ただ、その人たちが持つ身勝手さは、読者である自分自身も持っているものであり、だからこそワタライケンヤの放つ「死ねばいいのに」という言葉が、まるで自分自身に言われているかのように刺さってくる。
しかし、その時に、改めて自分自身を客観的に見ることができ、自分の背負う余計なものに気づくこともできるかもしれない。
気づくだけでは、きっと日常は変わらない。だが、気づく前と気づいた後では、その背負っているものの重さは変わるかもしれない。
本作は正に「憑き物落とし」の本だと感じる。
そして、憑き物を落とされているのは、作中の登場人物ではなく、読者である自分自身だった。

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2023年05月31日

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・読んでくうちに、アサミがどういう人だったのか気になって仕方なくなって、ページを捲る手がとまらなかった。アサミが幸せと言った言葉をケンヤは信じたけど、本当に幸せだったかは分からないし、幸せだと自分で思ってても幸せじゃないこともあるしその逆もあるし、幸せってむずいなと思った。

・周囲の状況の描写がなく、(ミステリーってそういうものなのかな、久々に触れたから分かんないけど)淡々と会話が進んでいくから読みやすかった。

・決めゼリフがいつ出てくるのかそわそわしながら読んでた。ケンヤ、おれ馬鹿だからっていうくせにめちゃくちゃ論破してて途中から面白かったしカウンセラーになった方がいいよ。魅力的なキャラクター。

辻村深月さんの的確な解説もすごくよかった。たしかにもう「死ねばいいのに」とは言えないな。前向きになる、とは違うんだけど。「強制的な救済」なんて言われてしまうともうそれ以外の言葉が見つからない。

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2022年11月06日

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ネタバレ


最後の章を読んだときに、個人的にはめっちゃしっくりきて大好きってなった。

最初から、読み進めることが全く難しくないストーリーと文章で、あっという間に虜になったのだけど。
ずっと、犯人はこの人だよなあ、でも全然動機とかわからんしキャラめっちゃいいし好きだし面白いいい人なんやけどなあと思いながら、真相?を知りたくて次のページを捲る手が止まらんかった。
ほんだ、最後の章で動機?を知ったときに、なんかもうめちゃくちゃよくて、一気にこの小説が好きから大好きになった。
1回読み返してて、やっぱり好きやから、これはたぶん自分の中でも上位の好きな本になる。

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2022年01月27日

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亜沙美が死んだのはショックだったな。そう言ったのだった、私は。ー冒頭から持っていかれた。
初めての京極作品。書店で思わず手に取った、目を引くタイトル。試しにページを捲って書き出しを読んだ瞬間に、これは絶対に面白い!と確信し速攻レジへ。
驚いたのは、その読みやすさ。私の場合、初めての作家さんだとどれだけ面白くても、文章のクセや世界感を掴むまで始めの数十ページ読むのに時間がかかるのだが、本作は気がついたら100ページ以上あっという間に進んでしまっていた。まるで映画を観ているように自然にのめり込んでいた。
ワタライケンヤの正体には途中から分かってしまったが、そんなのは作者の許容範囲なのだろう。分かった上で、この不思議な物語がどう結論づくのか、どうしてそんな行動をとったのか理解したいと思った。
結局、理解しようと思うことが間違っていたと思った。
事件を捜査する警察や、弁護士、裁判官たちは、生前の被害者のことを知らない。事件を起こす前の犯人を知らない。それを正しく裁くべく理解しようとする。それは結局は自分たちの理解できる感情に当てはめて、理解したつもりになっただけで、本当の動機を理解することなんて出来ないんだと思った。
でもそうして範疇に収めないけば、いつまでたっても罪は裁けないか、問答無用で投獄ということになる。
情状酌量って何だろう、本当の正しさってどういう事なんだろう…とハッとさせられた。

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2022年01月25日

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京極夏彦の話題作、「死ねばいいのに」。タイトルが衝撃的だけれど、主人公?のケンヤの素朴な問いかによって登場人物たちが問い詰められていくのと合わせて、読者もえぐられていく、そんな作品。ヤクザ、陰湿的な嫌がらせをする女性、うだつの上がらない男性社員から警察、弁護士まで人間誰しも弱みがあり、素朴な問いかけに反論することができない。それを超えていたのが、、、。
ライトな小説ながら読ませる力は強力でさすが京極夏彦という感じ。

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2024年04月06日

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来年の舞台化に向けて、予習のために読みました。
「京極さんのお話読むの久しぶり〜。ゆっくり読むぞー」と思いつつ、気づいたら読み終わってました。。。

読めば読むほど、つかみどころのない。
むしろ、つかみたくない気になる。
会話してるのに、会話しているのを読んでいるだけなのに、どんどん感情が迷子になりそうなお話。

わかったつもりでわかってない。
知ってるつもりで何も知らない。

ちょっとなんていうか、複雑な気持ちにされる読後感な一冊です。。。

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2023年09月11日

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個人的・夏のホラー強化月間…のつもりで読んだんだけど、これもまた違ってました。作者に対する思い込み。これを読もうと思ったのは、ダヴィンチ・プラチナ本だったっけ?氏の著作なら何でも、というファンではないから、何かきっかけがあったけど忘れた。さておき、ノンシリーズの本作、自分の読んだ氏の本の中ではだいぶ好きな方だった。不遜な態度を取る割にビビりな主人公とか、なんだか身につまされるようで…。でもそんな彼から発せられる言葉たちは、実に的を射ていて、本当は自分のことばかりのインタビュイーたちの化けの皮を、見事に剝がしていく。そしてこの連作インタビュー物っていう結構、だいぶ好きだな。恩田陸のQ&Aとか。

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2023年09月09日

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ネタバレ

アサミのことが知りたいというケンヤ。
会社の上司、恋人、隣人、母親等々、一人一人に会いに行く。
誰も彼女のことをくわしく語らない、分かっていない。
彼女の話よりも自分の置かれた状況、愚痴、不平不満が止まらない。

そこでケンヤがいい放つ「死ねばいいのに」。

ケンヤが、相手の本質をとらえる。
ハッとする、ゾクッとする。
ケンヤに知られていないと思っていたことを突っ込まれると本性をあらわす。

一気読み。
なぜアサミは、殺されたのか、彼女はどんな女性だったのか。

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2023年05月09日

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目を逸らさずどこまでも真っ直ぐに、教えてよ何で?と問うてくる7人目に、問われるのがつらくなって読み進めづらい気持ち。

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2023年05月06日

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ネタバレ

【2023年14冊目】
「死ねばいいのに」
ともすれば、ものすごい悪口である。悪意100%である。タイトルにもなっているこの言葉は、物語の章が変わる度に必ず発せられる言葉だ。けれど、それを発するケンヤという男は何も相手を不快にさせようと思って言っているのではない。

死んだ女、鹿島亜佐美について何一つ知らないから教えてくれと、話を聞きに行くケンヤの先々には様々な相手がいる。不倫相手、隣人、ヤクザ、実の母親、警察官――亜佐美の話を聞きに行っているのに、なぜか彼らは自分のことばかり話すのだ。だからケンヤは話を聞いた上で結論付ける。

死ねばいいのにと。

言われた相手は皆一様な反応を見せる。だが、「はい、じゃあ死にます」とはならない。普通だ、それが普通の反応の筈なのだ、なのに。

ケンヤの言うことは1人目から最後まで至極真っ当で、そうだそうだと思いながら読みつつも、かと言って話を聞きに行った相手が特別変なことを言っている訳ではない。ただ、視点が亜佐美ではなく、自分の世界だけに向いているだけ。だから、その目線でしか話せない。いつの間にか愚痴になっている。でも死ぬほど辛いわけでもない。

恐ろしいのが登場人物誰一人として辛いから死にたいと思っていたわけではないというところです。そりゃあ、わからないと思う、話も聞きたいと思う。でも死人に口なし。最後の最後でケンヤが笑うんですけど、やっと理解できることを言われた=自分の罪っていうのが何とも。

改めて京極夏彦さんは恐ろしい作家だなと思いました。解説が辻村深月さんというのがまた。

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2023年01月22日

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素直さの強さ。
まっすぐであることの残酷さ。
ただ、相手が豆腐なだけという可能性もある。
生きづらいよねぇ。でも、がんばろ。

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2023年01月17日

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「俺、アサミのこと知らないんすけど」
殺された若い派遣社員アサミのことを聞いて回るケンヤ。無礼なこの男は、アサミを知るかもしれない人物を一人ひとり訪ねていく。
一話進むごとにアサミという人物が紐解かれていく。







そのはずなのに……


最後、やっぱりアサミが分からなくなった。

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

現代モノは読み易い。
頭の悪そうなケンヤとアサミの知り合いとのやり取りからアサミの人物像が次第に浮かび上がって来る。
こりゃあ、結局、犯人は〇〇〇かなぁなんて思っていたら案の定ではあったのだけれど、そこからのケンヤの所作がなんと言うか哲学的というか、的を得てるというか。
後が気になり過ぎて頁を捲る手を休めることなく怒涛のゴールイン。でもこうなるとストーリーの詳細はかなり見逃しちゃうんだよなぁ。
落ち着いたらもう一回読むか。

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2022年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんてこったい。
辻村美月さんが崇拝されていたので読みました。
ほとんどが会話で構成され、章毎にひと段落するので読み進めやすい。が、愚痴だらけで気分が悪くなる、でもケンヤの言葉にハッとするのは読者も同じなのでは。敢えてともみえる難しい漢字とガラの悪い話言葉の入り混じりや、立場が逆転を繰り返すのが斬新で面白かった。著者の意図を考えるのが楽しい1冊。
文庫でなく、単行本の装丁がとてもいい。異常で神聖な雰囲気すらある威圧感が合っていた。

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2022年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
人が死を選ぶ理由は、他人には推し量れないものだけど、
自分がこれ以上ないほど幸せで、この幸せな自分のまま死にたいというのは、稀な理由だろう。
本作は、上記の稀な理由をおそらく本心から抱き死んだ狂人と、その狂人を目の前にして理解不能を悟り恐怖を抱いた加害者、を軸にした作品
というふうに読み取った。

どんなに幸せだと思っていても、人間の欲は底がないから、並大抵の人間はもっと上、より上の幸福を願い、他人を或いは自分を嘆き不幸を謳うものだ。
なのに、アサミはどんな目に遭っても、どんなに悲惨な目に遭わされても、心の底から自分は幸せだとケンヤに言い、その様子に嘘偽りがなかったらしい。
だとしても、自分が本当に幸せだと思っている者は、それを見ず知らずの他人に話したりはしないだろうし、
まして自分を殺させた後のケンヤがどうなったとしても、不幸になったとしても一切関係ないと考えていたようである。
アサミはやはり、聖人ではなく、狂人だった。

一人目。二人目。……の各章の各登場人物の語り口だけ、冗長すぎて読むのがかったるかった。
だけど、それがないと本作の醍醐味である憑き物落としができないのだろうから、致し方ないのかも。

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2022年09月04日

Posted by ブクログ

思っていることや、言っていることが、とても単純にたどって行くと、思い込みや、言い訳になっていることに気付かされる。

何も持たない者、そして持たないことに、負い目も僻みも焦りも持たない者、例えば無邪気な子供から、そのカラクリを見透かされて狼狽えている人々

面白い切り口で、新鮮だった。

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2022年04月12日

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死というものは私たちに、生を実感させる物だと思う。現実に流されてながら生きる私たちは死を実感する機会がない。それは同時に生を実感する機会もあまりない。
これは死を通して人間の内面を炙り出す生々しい作品だと思う。
「死ねばいいのに」この言葉の衝撃は大きい。幸いにも死というものが近くにない日本で間接的に触れることができる作品だ。
私はうつ病で死というものを嫌でも感じた。生々しくとても人に言えるものではない。でも私は生きている、生きている。ただそれだけ。

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2022年03月29日

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これは好みが大きく分かれる作品だと思う。
私は、好き。
といっても、初めは登場人物達のやり取りにイライラと何だか分からないモヤモヤしたものを感じてしまった。
それでも、読む手は止まらない。

タイトルをキーワードに、見えてくる関係者達の人間性。
こういった言葉の使い方の上手さは、京極夏彦の大きな魅力の一つだと思っている。
その巧みさを存分に味わえる作品。

犯人の存在についてはすぐに分かったけれど、きっとそのように書かれているのだろう。
分かってからが面白い。
アサミと犯人の最後のやり取りがまた面白く、怖かった。

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2022年03月26日

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どうしてアサミに関することを聞きたいのかという大枠が主題であるにもかかわらず、個々の詳細なストーリーで展開していきます。各登場人物ボコボコに否定されてますね。決め台詞がタイトルです。
アサミが可愛そうすぎることは本人の明るい態度で若干救われますね。

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2021年12月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一日で読み終わる京極作品。
文章の密度低めで難しい言い回しもほぼないのでスルスル読めた。

一人の青年が殺された女性、鹿島亜佐美の関係者に会いに行き、その中で彼女がどんな人間だったのか、何で殺されたのかが明らかになっていくミステリー。
かと思いきや、読めば読むほどわからん。
関係者たちが自分の話しかしないから、彼女の人柄も何で殺されたのかも全くわからん。
人が一人死んでいて、しかもあまりにも不幸な境遇にいた子なのに、何でみんな自分の不幸ばかり語るのよ?
とても胸糞が悪い。読み進めるほど女性が気の毒でたまらなくなってくる。

途中で亜佐美を殺したのは健也だろうな、って何となくわかってくるんだけど、4日しか会ったことのない女性のこと何でそこまで気にかけるのかは良くわかんなくて。
最後の最後で彼を突き動かしていたものを知ると同時に、亜佐美のことは何もわからんかったとわかる。わからんけど、それで良い気がした。
あの境遇で幸せだって心の底から思えて、その幸せを抱いたまま死にたい気持ちなんて、一生わからんわ。理解できん。
ホラー小説というカテゴリではないと思うんだけど、読後に暗い深淵を覗いてしまった気持ちが残る。
幸せって何だろな……

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

不審死を遂げたアサミについて、話を聞いてまわる青年ケンヤ。ただアサミのことを聞きたいだけのに、誰もが自分の話しかしない。
ケンヤと彼らの会話が続くだけなのに、読む手が止まりませんでした。好みは分かれる作品かも(私はOK)。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

タイトルに釣られて買いました。

物語の構成がすごく面白いと感じました。読んでいく中で、この本のタイトルの意味が変化していくところが良かったです。この物語はしっかりと伏線が回収されるし、登場人物の内面も明らかに書かれているので、後味はすっきりしていました。よかったです。

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2023年09月27日

Posted by ブクログ

まず、題名が衝撃的でした。
内容も何だか自分が責められているような感覚に陥る私的にはイイ気分で読めるお話ではないです。
でも読むのを止められず、結局最後まで読んでしまう中毒性のある本でした!
結局、話に入り込んでしまう程魅力的だったんだと思います(^_^;)

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2023年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自宅マンションで殺害された女性。
その知り合いに生前の彼女のことを聞き回る若い男。
彼の目線から物語が描かれている。
6部構成になっており1部を読んだ時にかなり引き込まれて
続きが読みたくなった。
面白かったです。

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2023年01月20日

Posted by ブクログ

★2つと迷っての3。

ある女性が殺されて、その関係者に主人公(?)の男性がいろいろと聞いて回る、というもの。

6章仕立てだが短編集ではなく、各章が1人目、2人目…となってヒアリングしてまわる相手ごとに章立てされている感じ。

主人公はヒアリング相手と会話していくのだが、それが、もう、まったく、全然、どうしようもなくかみ合ってない。
というか、会話は成り立っているんだけれどそれぞれの「当たり前」の大前提が違うというか、別の次元から話しているような感じ。

かみ合ってないけど支離滅裂ではない。会話は成立しているけれど、「そもそも」みたいなところが違っている二人の会話を見ている感じ。

さっきも行ったけれど、完全に会話は成り立っている。
でも主人公の言っていることはどこか根本的におかしい。でも、主人公の言っていることの方が正しいように錯覚してしまう。

すごく違和感がある会話をここまで見事に表現するのはやはり京極さんならではだと思った。
ラストはやや失速と言うか、「???????」だったけれど。

これを読んでいて
「ケーキの切れない非行少年たち」を思い出した。

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2022年03月08日

Posted by ブクログ

初京極夏彦先生。
そんなに分厚くなく(^^)、スイスイ読めた。
面白かったけど、アサミちゃんの気持ちはわからん。

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2021年10月16日

Posted by ブクログ

初の京極夏彦作品。全て自分の弱い部分を突かれているようで、ホラー作品より怖い内容だった。読んでいて、そんなつもりは…という何度心で思った事か。

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2021年04月11日

購入済み

つまらなかったなぁ

小理屈が大した説得力も無く、稚拙な遣り取りの中で繰り返されるパターンを対象人物を変えながら展開して行くのだが、主人公の主張とする理屈が通る様に、設定されている相手のレベルが低く、とても詰まらない本だった。

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2023年10月03日

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