【感想・ネタバレ】もう「東大話法」にはだまされない 「立場主義」エリートの欺瞞を見抜くのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「霞が関文学」という文学がある。その中身はというと、霞が関の官僚が都合の悪いことを、うまく薄めるあるいは、抹殺するために句読点や「~等」、「原則~」という言葉を駆使して自分たちの利権をガッチリ確保する利権文学だ。

 その一方で、話す方はというと「東大話法」がある。その心は、「霞が関文学」同様、政官財の世界で、自分たちの都合の悪いことを左から右に流すために、耳に心地の良いことや「専門用語」を駆使して、もっともらしく聞こえるために「厚化粧」して、やり過ごすという人々を惑わすもの。

 この本の著者は、まさに「東大話法」の一丁目一番地にある東大の先生というだけに説得力がある。著者によると日本人は「立場のある家畜」、そのために「立場社会を守る話法」として便利なために使うとある。「東大話法」には、研究中としているが20挙げられている。ルール1は、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。これを見てふと浮かんだのが、あの軸がぶれている政党の代表だな。すっかりマインドコントロールされて、増税ソーセーと言われたかどうかわからないが、増税路線一直線になっている。

 著者によると、「立場」を東大ではてってき的に叩き込むとある。論文の審査で、教授から「あなたの立場はどうなのか、立ち位置を確認しなさい」というようなことを言うとある。日本の最高峰と言われる大学、さらにそこから政財界に広がる東大話法。立場三原則なるものがあり、次のようなものを指すと指摘している。

1.役を果たすためには、なんでもやらなくてはいけない
2.立場を守るためには何をしてもいい
3.人の立場を侵害してはいけない

 福島第一原発の事故からの一連の出来事の中での原発ムラの住民の説明が、胡散臭さにあふれている理由がよく分かった。

 選挙もあることだし、「東大話法」にふわふわとたぶらかされないように注意しようと思った。もうすでに「東大話法」が知らず知らずのうちに、そこら辺にあふれているかもしれない。何しろこっそりが得意だからなあ。

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2012年11月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何か言っているようで何も言っていない、むしろおまえ(私)が悪いくらいの勢いで何か言ってくる、という東大卒上司について、より理解を深めて打ちのめしてやりたく購入。

東大卒に対するムカ付きを筆者と共有できた点でうれしかったが、何ら解決策をもたらしてはくれなかったので、3点とした。

私は、上司と話す時、言ったことを紙の書きながら、そのロジックを見える化して、けむに巻かれないようにする。話したことをメモしておき、彼の言動の矛盾を的確に指摘する。今のところ、これがベスト。実際、上司に嫌われて評価が下がるリスクはあるので、いつでもこの会社やめてやる、くらいの覚悟は必要。

・・・とはいえ、たとえあいつのピンチでも、のらりくらりと本質的な決定を避けている間に、(組織変更とかパンデミックとか)風向きが変わって、ひょうひょうと生き延びていやがる。むかつくが、あいつは生き延びるかもしれない。

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[原理]

P7「立場」こそが「実体」であり、人間はその素材にすぎない。

P8 自分と持ちつ持たれつで生きている方たちの「立場」を危うくするような発言をしたら、自分の立場も危うくなる。

P50 東大文化
 ・徹底的な不誠実さ
 ・抜群のバランス感覚
 ・高速事務処理能力

P71 立場三原則
 ・役を果たすためには、なんでもやらなくてはいけない
 ・立場を守るためには何をしてもいい
 ・人の立場を侵害してはいけない

[個人の現象]

P8 当たり障りのない発言でごまかす。
  適当にウソをつく。

P9 難しい話をしているのではなく、わざと難しくする。

P21 どこまでも欺瞞的(あざむき、だます)で、どこまでも傍観者ぶったものの言い方

P30 現実から目を背けて思考停止をしていることになる

P91 巨大な機械自分の脳を過信せ素、歯車になることを厭わない

P114 個性を捨て、自分らしさにこだわらず、

P128 なるべく決めたくないことを、「議論が足りない「そこまで議論が煮詰まってない」などと言い訳

 のらりくらりと塩漬けにする

P127 できもしないことをやっているふりをする

P179 まったく根拠がないことを、根拠があるように思わせる。

[集団の現象]

P60 大きな悪事であればあるほど、責任が分散されて、加担していた個人がそしらぬふりをしやすい

(リスクの放置、先送り)

[あるべき姿]

P30 欺瞞を撃ち、今そこにある危機を現実のものとして受け入れることで、人ははじめてその苦難を乗り越える道を乗り越える道を模索し、知恵を出して、多がいて手を取り合うことができる。

p110 「いつでも辞めるという覚悟で辞表を机の中に入れておかないと、仕事なんかできないんだよ」


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①自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。

②自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。

③都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。

④都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。

⑤どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。

⑥自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。

⑦その場で自分が立派な人だと思われることを言う。

⑧自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。

⑨「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。

⑩スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。

⑪相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。

⑫自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。

⑬自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。

⑭羊頭狗肉。

⑮わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。

⑯わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。

⑰ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。

⑱ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。

⑲全体のバランスを常に考えて発言せよ。

⑳「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。

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2020年04月05日

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