【感想・ネタバレ】注文の多い料理店のレビュー

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Posted by ブクログ

賢治さん祭り2作目はこちら。
これも賢治さんフリークの教授からお勧めされたもの。9つの短編童話集ですが、この順番で掲載された角川文庫版で読んで欲しいとの事でしたので、表紙も可愛いですし購入。

賢治さんはご自分の作品を『イーハトーブ(賢治さんの気分次第でイーハトブだったりイーハトーヴだったりするらしい)童話』と命名されているらしく、岩手県の事だそうです。
彼の物語は『鏡の国のアリス』等の昔から人気の架空世界と繋がっている設定なのだとか。

それを言い切ってしまう賢治さん、ぱねぇ…。(死語でしょうか)

私が小学生の折に、担任が今思えば賢治さんファンだったようで、これでもかと言う程に国語の授業で読まされたにも関わらず、あまり覚えていなかったので新鮮な気持ちで読めました。

賢治さんは『心象スケッチ』という造語を使ってご自分の詩集や童話を表現されています。
自然の中に一人立ちながら、自然から受け止めたこと、感じたことをそのとおり書いた(という設定らしい)作品、という意味らしいですが読んでいて納得しました。

どのお話を読んでも、都会に居る筈なのにまるで大自然の中にいるかのような錯覚を覚えます。

特に『狼森と笊森、盗森』はその最もたるもので、地質学者である賢治さんが、30万年強の時を経て出来た山々の様子を描いたお話。
その山に住む岩の視点からお話が語られるので、開拓にやってきた農民が手にしている鋤や鍬などの道具を『武器』と表現するなど、いかに自然と一体化して書かれたかが伺えます。

お気に入りは『どんぐりと山猫』と『烏の北斗七星』『月夜のでんしんばしら』
アウターゾーン、逢魔が時を思わせる時間に山猫から下手くそなハガキが来るというワクワク感。
鉄砲を怖がってる辺り、『注文の多い料理店』の山猫さんの親戚なのかな?

読み終えて、序文に書かれていた「(この物語の幾つかが)おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません」を思い出しました。

なった、なったよ賢治さん…。なんだか大自然、ひいては宇宙と一体になって銀河を走っている気分だよ…(銀河鉄道の夜は入ってないんですが)

都会の喧騒でお疲れの方、是非このイーハトーブで心身共に浄化され、自然と一体になっていた頃の私たちを思い出しましょう。
(名探偵のいけにえを読んでいるせいか宗教風味に…)

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2023年09月01日

Posted by ブクログ

手元にあるのは、クラッシックスではなく昭和55年の改版22版角川文庫。①宮沢賢治の序が付いているほか、②菊池武雄さんの初版本挿絵も復刻されている。さらに付録として③『注文の多い料理店』新刊案内、④注釈、⑤弟さんの解説「兄、宮沢賢治の生涯」、そして⑥小倉豊文さんの「新しい古典復刻の弁」、⑦石森延男さんの「宮沢賢治の作品」も付されている。最後に⑧主要参考文献と⑨年譜と、文庫とは思えない贅沢な内容となっており、これらの資料と合わせて読めば宮沢賢治作品の理解も深まると思います。また、私は出張で訪れた岩手で盛岡方言などを耳にしましたが、あの優しい温かみのある「音」を知り、この作品への親近感がさらに高まったように感じます。

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2019年07月26日

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久しぶりに手に取った宮沢賢治。
日本語の暖かさ、美しさ、情景とそこに潜む怪しげな不思議な何か。
話の美しさに心がときめいて、こんなだったかしらとワクワクした。
小さい頃から何度も何度も読んでいるけれど、よむたびに、私という読み手の年齢が変わると印象も、気がつくところも変わって行く。
そういえば星の王子様も、年齢とともにちがうところに心を動かされる。
美しい賢治の話に、読み進むのがもったいなくなった。
また、読みたい。

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2017年12月03日

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冒頭の「きれいにすきとおった風を食べ・・・」の文を読んで一気に心をつかまれた。
とても美しく美味しそうな言葉の使い方。
ただこの一文を読んだだけで私は虜になりました。
どのお話も不思議でした。面白いではなく感動でもなくそれでも確かに心に残る話ばかりでした。

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2016年07月05日

Posted by ブクログ

“これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。”


宮沢賢治の童話集「注文の多い料理店」。賢治は小学生の頃から大好きでよく読んでいましたが、やはり圧巻です。
高校生になって久しぶりに読みましたが、賢治の世界観にすぐ引き込まれてしまいました。
こちらの本はほとんど賢治が出版した童話集「注文の多い料理店」を再現していて、かなり凝っているなという印象を受けました。
表題作「注文の多い料理店」を筆頭に、
・「どんぐりと山猫」
・「狼森と笊森、盗森」
・「烏の北斗七星」
・「水仙月の四日」
・「山男の四月」
・「かしわばやしの夜」
・「月夜のでんしんばしら」
・「鹿踊りのはじまり」
といった9編の童話から成っており、私の一番のお気に入りは「烏の北斗七星」です。
とは言っても、どれも動物・植物・自然・電信柱などといった私たちの身近にあるような物を題材としているので、親しみやすく読みやすいと思います。
何と言っても賢治の童話は読んでいて心が洗われる気分になります。
童話とは言っても大人から子供まで幅広く楽しめると思います。更に面白いのは、読む年齢によって考える事・感じる事が全く違うのも面白いです。いつ読んでも新鮮で新しい発見があります。

また、童話を読み終わったら是非小倉豊文さんの解説を読んで頂きたいです。賢治への理解も深められますし、何より同氏の賢治に対する熱意がひしひしと伝わってきます。
隅から隅まで楽しめる本となっていると思います。

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2015年11月30日

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なんども なんども なんども
読み返してしまう本です
序から始まって どんぐりと山猫
注文の多い料理店 月夜のでんしんばしら いい!(*^^*)

解説の
兄 宮沢賢治の生涯!!(/´△`\)

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2015年03月28日

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宮澤賢治には、こうやって物事が見えるんだなぁと、その感性に感服する。
ほっこり切なく、静かで美しく、たまに読み返したくなる。

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2013年05月21日

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これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです──。
そこでは、森と人が言葉を交わし、烏は軍隊を組織し、雪童子と雪狼が飛び回り、柏の林が唄い、でんしんばしらは歩き出す。暖かさと懐かしさ、そして神秘に満ちた、イーハートーヴからの透き通った贈り物──。

「どんぐりと山猫」、「注文の多い料理店」など、子供の頃にも聞いたことのある童話が収録されていて、改めて読むととても意味が深いものであるように思う。
至るところに盛り込まれた挿絵がとても綺麗で感動した。

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2011年04月22日

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宮沢賢治の童話集。
彼の作品には、ちゃんと自然の魂が宿っている感じがします。
太陽の温もりから、風の音から、土の匂いから、立ち上がっていく物語たち。
詩的で美しいです。

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2010年11月25日

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賢治が存命中に唯一発刊された童話集。それの挿絵などを出来るだけ忠実に再現したものらしい。そういう風に読むと感慨深い。

10/10/1

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2010年10月01日

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自然が好きな人、文学が好きな人、美しいものが好きな人、人間が好きな人、序をぜひ読んでください。序に、宮沢賢治という人の、すなおで、美しくて、ひかえめで、愛おしい気持ちと才能が全部あります。

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2010年07月18日

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「どんぐりと山猫」「狼森と笊森、盗森」「注文の多い料理店」「烏の北斗七星」「水仙月の四日」「山男の四月」「かしわばやしの夜」「月夜のでんしんばしら」「鹿踊りのはじまり」
清六さんの解説付き

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2009年10月04日

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「序」がステキすぎる。この世で最も美しい序文だと思う。この透き通った物語がキラキラしくて大切に思う。この序を根底に置いて全編読むと、賢治が語りかけてくるように思う。

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2021年12月18日

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本屋さんで何か面白そうな本はないかなとブラブラしているとき、ふと宮沢賢治の本が目にとまった。
懐かしいなあ、「注文の多い料理店」は面白かったなあ、と思ったら、なんだか無性に読みたくなった。
ということで購入。

表題作をはじめ九作。
当時の表紙や挿絵などが入っており、そこには“イーハトヴ童話”とある
イーハトヴというのは理想郷として虚構化、あるいは幻想化された岩手県、とある。故郷である岩手県に理想の地を重ね描いた賢治の世界なのだなと感じた。宮沢賢治は誰もが知る作家のひとりだと思うし、「注文の多い料理店」や「風の又三郎」など内容は知らなくてもタイトルに憶えのあるひとも多いだろう。わたしもそうだが、知っている気になっているだけで、実は宮沢賢治の作品をロクに読んだことがない。

今回読んでみて、どの作品も文章のリズムがあり詩的だと感じた。
「注文の多い料理店」が読みたかっただけなのだが、読んでみると面白い。

「どんぐりと山猫」も、あたたかみのある物語で好きだ。

「烏の北斗七星」は、戦前らしい勇ましい文章で時代を感じる。

どの作品にも東北の訛りから伝わる朴訥としたあたたかみ、動物が主役になることも多い童話らしさ、身の程を弁えた控えめな人間性が表れている。

解説や年表にもページが多く割かれており、宮沢賢治を改めて知るために参考になる一冊だった。

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2017年04月14日

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ネタバレ

童話集・とても印象の深い話ばかり。
注文の多い料理店は面白い。電信柱は考えて歩くのはユニークである。どの話も独特の世界観。

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2016年10月10日

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面白かった!

時代なのかもしれないけど
童話でも小説でも今はこういう話あんまりない気がする。

『注文の多い料理店』も面白いけど
『鹿踊りの始まり』も面白かった
教科書か試験問題でみたような

『これらのわたくしのおはなしはみんな林や野原や鉄道線路やらで虹や月明かりからもらってきたのです』

んな言葉を信じられるような短編集でした

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2013年03月02日

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大人が読んでも面白い童話。題名は聞いたことはあるけど、読んだことがない作品の一つだったので手に取ってみた。
子供のときに読んでみたらどうかといわれたら、方言や昔の言い回しが難しいので、ちょっとつらいかも。
たくさんの擬音語が、感性を膨らませる良い話だと思う。

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2012年08月14日

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イーハトヴを想像するうえで必要な知識はあるかと思うが、生きて表に出たことのある人のうちで我慢をしっている人は、その一片に容易くたどり着けるはずである。
短編を続けて読んでいるうち暖房が心のうちか、体の近辺から起こっているように感じた。すりガラスの模様が氷に、カブのエンジン音は『かぶ』のロックに、僕自身はちいちゃく強く頑丈になった。
賢治の作品を読むと胸のうちに積もる感情か何か残るものがある。

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2010年06月11日

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「これを読んだら無性に寂しくなりました。実際に岩手に行ってみて、賢治の故郷はホントに素敵なところでした♪」

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

数十年ぶりに手に取った童話集。
社会の波に揉まれ気がつけば大人になってしまったが、読み終えたときの感想はあの頃のまま。
名作は時を越える・・・ってな感じかな。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

個人的には「月夜のでんしんばしら」が好きです。



宮沢賢治ワールドの中のでんしんばしらが実際あったら面白いのに。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

題名は知っていてとても有名な物語。30歳過ぎて初め読んだ。内容と題名の組み合わせは、斬新な発想で、ミステリーのような謎解き感を一瞬感じるものの、そこまで予想外な展開でもない。この時代の言葉のチョイスと丁寧な物言いが好き。

最後の一文が何を言いたかったのかわからず、気になって少し薄気味悪い気持ちがした。少し時間を空けて解説を読んでみようと思う。
「しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった二人の顔だけは、東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。」

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2023年09月28日

Posted by ブクログ

注文の多い料理店は面白かったけど、それ以外は世界観が独特すぎて、イマイチ理解は出来んかったかも。口ずさみたくなる歌は読んでて気持ちいい。

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2023年06月05日

Posted by ブクログ

読書録「注文の多い料理店」3

著者 宮沢賢治
出版 角川文庫

p42より引用
“ それはだいぶの山奥でした。案内してき
た専門の鉄砲打ちも、ちょっとまごついて、
どこかへ行ってしまったくらいの山奥でした。
 それに、あんまり山が物凄いので、その白
熊のような犬が、二疋いっしょにめまいを起
こして、しばらく吠って、そえから泡を吐い
て死んでしまいました。”

目次より抜粋引用
“どんぐりと山猫
 狼森と笊森、盗森
 注文の多い料理店
 烏の北斗七星
 水仙月の四日”

 若くして亡くなった、日本を代表する近代
作家による童話集。
 表題作の他童話9作、実弟による解説、著者
の年譜などが、当時の挿絵等と共に書かれて
います。

 上記の引用は、表題作中の一節。
人より先に犬が参ってしまうとは、よほどの
ことなのではないでしょうか。最後まで読む
となるほどと思ってしまいます。
 挿絵等は当時の物を可能なかぎり復元して
あるそうで、味わいを感じます。横書きタイ
トルの読む方向も現在とは逆で、時の流れが
表れています。
 童話であるので、ファンタジーでありなが
ら、考えさせられるところも多い作品集。若
い年代のうちに読む方が、響くところが多い
のではないでしょうか。

ーーーーー

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2020年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

メルヘン・ファンタジー。幻想世界。心象風景…
いい意味の戸惑いを感じたのは、児童文学ゆえか。頭が固くなっているのかなあ。
やはりタイトルにもなっている「注文の多い料理店」が強く印象に残っています。

方法というのはおそらく想像するよりも沢山あるのだろうなあ…

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2013年05月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今改めて読み直してみると、宮沢賢治が持っていたイマジネーションの大きさに驚かされます。
空想、架空、幻想、そんな言葉で表現することが申し訳ないような、
自然の懐に抱かれて人は生きていることを実感させられます。

表題作「注文の多い料理店」はあまりにも有名な作品ですが、
子どもの頃漠然と読んだ教科書の中の物語としてではない面白さが満載です。
例えば言葉の使い方。「すぐに食べられます。」なんて、自分が食べる側なのか、
逆の誰かに食べられてしまう側なのか、どっちの意味にも受けとれる言葉を、
小学生でも分かるように使っているところが、テクニックとして面白いです。
これ、簡単なようでかなり高度なワザなはず。
そして何気にミステリーだし。(笑) 会話が成立しているのに、相手の姿は1度も登場しません。
相手はナニモノ・・・。これ、よくよく考えると結構怖いかも。
全体的に自然を擬人化したお話が多いですね。賢治が自然とともに生きようとした証なのかも。
「月夜のでんしんばしら」もユニークな作品でした。月夜に鉄道線路沿いの電信柱が行進するお話。
彼ら電信柱の大将である”電気総長”さんが、最後に明かりの消えた汽車にもぐりこんで明かりを灯し、
小さな子どもに喜びを与える終わり方から、やさしさが伝わってきました。

落ち着いたらまた花巻の「賢治村」に行きたいです。
★★★☆

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2011年05月26日

Posted by ブクログ

「どんぐりと山猫」、「狼森と笊森、盗森」、「注文の多い料理店」、「烏の北斗七星」、「水仙月の四日」、「山男の四月」、「かしわばやしの夜」、「月夜のでんしんばしら」、「鹿踊りのはじまり」の9作を収録。

宮沢賢治を読むのは、
教科書以外では初めて。

自然と人間が共存している
平和な日々を思わせる作品の世界は、
穏やかな気持にさせてくれる。

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2017年01月13日

Posted by ブクログ

小学校で読んだよね、注文の多い料理店。
この歳になって改めてきちんと読んでみるのもいいかなと思い。

豊かな想像力を以てして読まなくちゃ、難しい。
子供向けの童話だから、それで正解。でも、難しい。

宮沢賢治って法華経を布教してて、この童話集自体も
布教の一部といってもいいらしい。
そういう宗教観もあいまってか
序の部分にあるように、自他共に認める
「わけのわからぬ部分」があるとのこと。ふむー

だけど、一冊通してみられる様々なバリエーションでいて
心がほんわりするような擬音語・擬態語の数々が
とても「いい!」と感じました。日本文学の美しさです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

色々と考えさせられる小説。正直何を伝えたいのか分からない作品が多いですが、一概に面白くないと決め付けられない不思議な魅力があります。これが宮沢賢治のリズムってものなのかな…?

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

宮沢賢治のリズム感が良かった。
どことなく、ロマンチシズムを感じる一作。
「注文の多い料理店」以外の7作品もなかなか面白かった。

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2009年10月04日

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