【感想・ネタバレ】幼少の帝国―成熟を拒否する日本人―のレビュー

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Posted by ブクログ

著者のフィクション作品などまるで触れたことなくいきなり本作を読んだ形。成熟拒否をテーマとし、多ジャンルの先端の人へのインタビュー&論評。普段触れることが少ない領域ばかりで面白かった。簡潔でわかり易さを重視する昨今の本と比較し冗長に感じる向きもあろうが、個人的には久々に贅沢に文章を読むことができた方を評価したい。

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2012年07月08日

Posted by ブクログ

これまで阿部和重さんの著作は全て購入しており、評論という今までにない切り口や、「幼少の帝国」というタイトルからしてデリダ(だっけ?)の「表徴の帝国」のオマージュといったところに、期待十分というで購入。
が、読後の感想としては、なんとまぁ切れ味の悪いというか普通の評論でしたー。

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2012年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本人は未成熟だ、というのが骨子なのだが、アンチエイジングにせよ、製品のミニチュア化にせよ、あちこちの情報を集めて切り貼りしてあるだけで、思考を深めていない。著者の物知りぶりをお披露目してるだけのように感じる。

日曜朝の子ども番組のキャラクターグッズがどうの、という部分がやたらと熱っぽく語られて著者のオタクぶりが伺えたあたりで,飽きて投げ出してしまった。仮面ラーダーの写真なんて、ここに必要だったんだろうか…。

幼稚というのは、自虐的に幼稚であることは認めても、なぜ社会がそのような方向に向かうのか理整然と説明できない、論理思考力が足りないのだと思う。小さなものや愛らしいものを好むから、カワイイが美学だから、というとってつけた説明ではなく、なぜそうなるかの分析が甘い、その事態そのものが日本人が幼稚なのだろう。これじゃいけないという問題意識はあって、共有されていても、解決策をひねり出そうとはしない。

50すぎたオッサンがおもちゃを万引きしてしまうような世の中。50近いオッサンが子どもを誘拐して自分の嫁にしたいと言っちゃうような世の中。オバサンたちがキティブランドなんか身に着けてる時代。そりゃ、成熟しないよね。子ども時代の想い出を捨てられない人は、どこか言動が無責任なんだもの。

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2014年08月19日

Posted by ブクログ

アンチエイジングや省エネ、小型化などの日本の産業の得意分野など、成熟拒否の一例かもしれないものを取り上げ、インタビューをしていくという作り。
ダイナミックさが足りないし、東日本大震災が絡んできて余計に軸がわかりにくい。でもそれ抜きに批評書けるかといったらまぁ無理だろうと。

ちなみに日本人の成熟拒否というワードはもう世界が日本を語るうえで常套句中の常套句と化しているらしいです。

私が読んで収穫だと感じた分野は美容整形。
昔は美容整形という言葉すらなくてヤミ状態だったとか、今の医者より昔の医者の方が技術が高かったとか。
高須先生さすがですわと感じた。
作法と美容のたとえとか、すとんと腑に落ちる。

私も中身の美しさが見た目云々って価値観はない人間だから。

あと阿部和重の小説ファンとしてはオタクもヤンキーも渾然一体となった独特なあの初期の世界観はこういう部分から来ているのか、とデコトラの章を読んで納得。楽しめた。

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2013年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

視点が面白いなと思いました。
一件あんまり関係なさそうな事柄が「幼少」というキーワードから
引き出されて「なるほどな」と思う現象の解説となっていたり。
物事の見方の視点のあり方の一つを教えていただいたような。

単なるエッセイとは違うし、ドキュメンタリーや評論ともちょっと違うような。
この方の小説、実は読んだことはなく著作も初めて読みました。
今まで出会ったことのないタイプの人だなと感じましたが、小説読んでみようかなとまでは思わなかった。

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2012年10月22日

Posted by ブクログ

昭和天皇&マッカーサーの2ショット写真から始まって、高須クリニックと日曜朝の特撮ヒーローを同じ遡上に乗せる剛腕っぷりは小説家ならではの空想力のなせる業。ほとんどインタビューの書き起こしなのに、わざわざこれはノンフィクションですよとのコトワリが確信犯的で、最後にはフィクションめいたカタルシスへと着地させ、読み物として面白い。日本人論としての評価は???

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2012年09月28日

Posted by ブクログ

一見、「幼少」的に思える文化から日本論を展開しているが、「成熟を拒否する」というテーマとは合致していない部分が多い気がする。特にバンダイの第7章辺りでは、バンダイの内情が主な内容で、一体何の本を読んでいるのかわからなくなる。
成熟を拒否する、とはそのあまり一般的な社会生活すら成り立たないレベルと認識しているので、単に事象への解釈が著者と異なるだけだろうが、全体を通して納得できる内容とは言いがたい。

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2012年08月05日

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