【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 塩狩峠のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

 久しぶりに涙目になりながら読みました。死や罪といった問題に真摯に向き合った信夫のラストに感動と信仰の光を感じられました。
 自分の小学生の頃、死んだらどうなるのかという問題に暗澹となり恐怖をしていた日々を思い返すと本当にあの頃の自分に読んでほしい一冊です。
 
 主人公の信夫の一生を追う内容のこの...続きを読む一冊。祖母や父の急死、一目惚れした女性の肺病など彼の一生も死について考える機会が溢れています。また、青年期特有の性や人間性に関する罪悪感にも遭遇していきます。その中で彼は真摯にいずれ来たる死や自分の傲りによる罪に向かい合い、そして信仰に殉じていきます。
 その過程が丁寧に描かれ、読んでると永野信夫に惹かれ、彼の信仰の光に触れたくなります。小学生の頃から漠然と死や自分の人間性の不完全さを考えた経験を思い返すと、余計に彼に同調し彼を尊く感じてしまいました。
 また、彼を訝しむ三堀が信仰の道を見出したのは今や堕落しきった自分も救われるのかもしれないと希望を感じることもできました。ただ、三堀の信仰が真実続くのかと疑ってしまう自分もいるのでまだまだ信仰の道は遠いなと苦笑しました。
 キリスト教の考えに触れるのに、すごくわかりやすい内容かなと思います。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

キリスト教が忌み嫌われていた時代。
士族の家に生まれた美しい青年ーー永野信夫は人間の罪深さについて悩み、考えながら生きていた。
やがてその問いの答えをキリスト教の教えに見出し、感銘を受ける。
仕事も私生活も順風満帆で、結婚を控えたある時、彼は列車事故に遭う。彼は自らの命を犠牲にして多くの乗客を救った...続きを読む

驚くことにこれは事実を元にした小説だそう。実際にそんな人がいたという事実に驚いた。
自分の尊い命を投げ打ってまで人々を助けた利他の心は、自分が損をしたくないという当たり前の価値観を覆される。

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Posted by ブクログ 2024年03月22日

1976年に開始された『新潮文庫の100冊』で、47年間選ばれ続けている常連作品。

この三浦綾子の『塩狩峠』と同様に、開始時から毎年選ばれている日本人の作品は、夏目漱石『こころ』、太宰治『人間失格』、井伏鱒二『黒い雨』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の4冊のみ。名作と言っていいでしょうね。

東京の本郷...続きを読むで生まれた主人公は、母が生まれて間もなく亡くなったと祖母に聞かされて育ちます。士族の家系故に厳格な祖母は、事あるごとに亡き母を例に上げて母を侮蔑していました。しかし、逆に少年は、もう会うことが叶わない亡き母を思い慕う日々を過ごしていました。

そんなある日、父に連れられて団子坂に菊人形を見に行くと、1人の少女が父に近付いて「おとうさま」と声をかけます。事情が分からない少年は、家に帰って祖母にその時のことを話してしまいます…

ここまでで約30ページ。裏表紙にあらすじが書いてありますが、それはラスト30ページのこと。その間には主人公が成長するにしたがって、様々な経験と共にキリスト教への信仰に目覚めていく過程が描かれる心の成長記です。

この話しは「あとがき」にもありましたが、実際にあった事故が下地にあり、事故の事実以外は、自己犠牲のキリスト教の精神に感銘を受けた著者の創作です。著者は小説を通して、はたして敬虔な教えをもとに行動し、私的な人生を省みずに人命を救うことができるのかという自己犠牲について問いています。自分が同じ立場になったら、残される人のことが脳裏に浮かんでしまい、おそらく無理でしょうね。

主人公は、クリスチャンになった後は、人間味溢れる人物描写が少なくなっていき、まるで聖人のようになっていくので、無理と考える自分が宗教と関係のない日常を過ごしているせいかもと思いました。しかし、聖人になるより、自分は日々を誠実に生きていきたいとは思いました。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

感動のあまりお手がみを出しました。その頃闘病中ということで代筆でお返事をいただき、さらに感動しました。無くしてしまいましが…。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月29日

星5個では足りない。感動した。犠牲がテーマの作品ではあったが、願わくば実直に生きた信夫とふじ子には幸せに暮らしてほしかった、最後読み進めるのが辛かった。利己的な現代で、自分含めて失われつつある人のためにという価値観が、綺麗に輝いているように思った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年01月21日

何度も読んだが、まだ読みたい気持ち。
あらすじは、自らを犠牲にして多くの乗客を救った永野信夫の生涯。
もともと実母や妹のキリスト信仰をよく思っていなかったが、親友のいる北海道に渡り、そこで自分も洗礼を受ける。親友の妹のふじ子は肺病だったが永野の熱心なアドバイスや食に気をつけることにより安定してくる。...続きを読む静かに愛を育み、結納の前日に永野は鉄道員として、キリスト教信者として、自分を犠牲にして暴走した列車を止める。

宗教色が強く、受け入れられない人もいるかもしれないが、信夫の清潔で信仰に基づいた生き方には心を打たれる。自分が信夫のようなことができるとは、到底思えないが、実在の人物がモデルになっているとのことに衝撃を受ける。
吉川との友情、その妹、ふじ子との愛情、菊や待子との家族愛、読んでいてどれも本当にいいものだと感じる。
でも身近な愛する人のために、死なないという選択は信者はしてはいけないのか?とも思った。
信仰のない私には、理解しきれない部分も多数ある。
でもどなたにも一読をおすすめする本。
氷点も好きだが、こちらも好きな作品。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月03日

最後がとても辛かった
ふじ子(だけでなく他の人々もだが)の気持ちを思うととても…
キリスト教のことをほぼ何も知らないので、そういうことなのかと少しだが学べた
あとがきも必読です

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Posted by ブクログ 2023年12月02日

すごくためになる本。思春期・青年期の信夫の葛藤が、自分だけが悩んでるんじゃなくてみんなそうなんだなと感じられた。
以前、中学生ぐらいの時に読んだ時よりもしっかり心にしみたように思う。

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Posted by ブクログ 2023年11月22日

読書感想文に選ばれた思い出の本。

人生で誰しもが通る悩みが沢山書かれていて自分と共感できるようなものが沢山あった。行動の描写がひとつひとつ丁寧でとても綺麗だった。涙無しにはとても読めない。

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Posted by ブクログ 2023年07月03日

素直な言葉で、まっすぐ書かれているので、主人公である信夫の心情が、本当に素直に入ってくる。

読み進めるごとに感情移入しているのに気づき、
最後を読むのが怖いほどだった。

自分にはない信仰を持った人の話を、これほどまでに素直に受け入れられたのは初めてかもしれない。

現代人が忘れてしまっている心が...続きを読むここにあると思う。

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Posted by ブクログ 2023年06月07日

作品を読み終えて、あとがきをみて驚いた。本当にあった話だったなんて!人間の死とは本当にあっというまに突然起こることだつくづく思った。

とても面白かった。その理由は大きく分けて三つある。

一つは、信夫とふじ子の恋模様が新鮮でいいから。病気になっても明るいふじ子は、女性としての強さを感じた。また、も...続きを読むらった花に喜んだり、部屋にトンボが入ってきて嬉しがる姿が無邪気でとても可愛いと思った。

二つは、今まで学んできた武士道とキリスト教の考え方を、内容をおいながら答え合わせできている感じがして面白かったから。信夫の父である貞行は本当に「武士」みたいな人。どんな人でも対等にみるし、一回かわした約束は必ず守ろうとするし。

三つは、人間性の高い登場人物が多く、読んでいて真似したくなるような考え方が多いから。貞行は武士道に通じているし、ふじ子は障害があるからこそ自覚的に生きられるという自負をもっているし。

古い作品なので、読む前は難しいのかと思ったけど、とても読みやすかった。読んで良かった。
もし北海道に行くことがあったら、塩狩峠にあるお墓に手をあわせたい。

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Posted by ブクログ 2023年05月19日

読んだ当時は中高生でしたが、涙が溢れて止まらなかったのを覚えています。宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』もそうですが、自己犠牲をテーマに描かれています。どちらも悲しく美しいお話です。

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Posted by ブクログ 2023年05月12日

宗教的なことや、実際の人物をモデルにしていることについてはともかく、この人の書く文章がすごく好きだと思った。あとがきもおもしろかった。

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Posted by ブクログ 2023年07月20日

事実を基にしたキリスト教徒の話。とても感動的な話で、終盤、涙が止まらなくなる部分があります。宗教を扱った物語ではありますが、読者がキリスト教的な思想に理解を示している事が前提の物語ではなく、宗教関係なしに読めます。お勧めです。

(再読時)
淡々と進むのに、最後には感動のあまり読み進めることが困難に...続きを読むなる小説。
20年前に読み、以後話は忘れても感動がずっと心に居座り続けました。
再読し、まったく同じ感動を再度味わえました。

ずーっと淡々と話が進みますが、あるページを境に涙がとぎれなくなり、感極まって読み進めることすら困難になります。残りわずかなページを、何度も中断しながら、長い時間をかけてやっと最後まで読み切ることができる本です。

淡々ととは言っても、飾り気のない素朴な文章、特に盛り上がりのない展開なのに何故か読み進めたくなる不思議なリーダビリティです。

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

ガラシャの時とはまた違った信仰心の在り方を知った。ガラシャの方が私は好きだったけど、塩狩峠も良かった。

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Posted by ブクログ 2024年04月01日

キリスト教という宗教自体には疑問もあるけれど、永野の最期は感動的だった。
学生のときに読んだ際も印象深かった記憶があり、よく覚えていた。
テンポのいい短い文章が凝縮された緊迫した時間をうまく表現している。
ふじ子たちの聞いた音、電車から降りる姿のことも覚えていて、学生の私も強く心を打たれたことを覚え...続きを読むている。

真面目過ぎるほど真面目な青年だ。
三堀の疑いは当然だと私は思う。

この小説のもととなった人物についても、少し興味がわいた。


2004.6.16
信夫は真っ直ぐな人間だ。自分をごまかさない。あれほど嫌っていたキリスト教に入信しようと決意できる素直さに驚く。たいしたものだ、と思う。私ならへんに意地をはってしまうかもしれない。この本を読んで、キリスト教も悪いものではないのかもしれない、と思った。もちろん、私にはキリスト教の知識も何もないけれど、このような真っ直ぐな生き方、おおらかな人格はうらやましく思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月15日

愛とキリスト教への信仰を貫いた主人公の生涯。
中学生の頃に読んで感動し、人のために生きること、犠牲を厭わないこと、そんなふうに生きたいと思った記憶があります。
あれから数十年…父から送られてきた本たちの中に入っていて再会した「塩狩峠」。
主人公のあまりに清く正しい生き方に驚き、残された者の喪失感や悲...続きを読むしみを思いとても心が苦しくなりました。

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

初の三浦先生作品。主人公の成長を通して、他者への愛と自分の信念について考えさせられる。ラストは泣ける。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月02日

ずっと読みたかった作品。わたしはキリスト教徒ではないが、キリスト教という宗教に少しは興味があるほうだと思う。

小説では、何年間も待ち続けた最愛の人との結納の当日に死ぬという、あまりにも悲劇的な結末だったが、実際はそのようなタイミングでなかったかもしれない。
主人公のモデルとなった長野氏の人生も、そ...続きを読むして死も、実際は小説ほど劇的で美談なものではないのかもしれない。

けれど、人々から愛され慕われた一人の人間が、悲しい事故のせいで亡くなったこと、そしてそれが仮説の一つではあるものの、自らの命を犠牲にした可能性があること、それを何年も先の時代に生きる人々が知り涙する、そんな機会を与えてくださった本書に感謝をしたい。

旭川に旅行したことがあるのだが、塩狩峠について知ったうえでもう一度訪れたい。

特定の宗教を持たないわたしには、信仰とは何なのか分からない。ただ、この作品を読んで信仰とは、誰にでも必ず訪れる死というもの、その避け難いおそろしい死に対して、人の心に安寧をもたらすもの、拠り所となるもののように感じた。


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Posted by ブクログ 2023年12月26日

三浦綾子(1922~99年)氏は北海道旭川市生まれ、旭川市立高等女学校卒、小学校教員を7年間務めたが、軍国主義教育に疑問を感じて退職。肺結核を患うが、口語短歌等に積極的に取り組み、1964年に朝日新聞社の懸賞小説公募に『氷点』が入選、大ベストセラーとなり、その後、クリスチャン(プロテスタント)として...続きを読むの信仰に基づく数々の作品を発表した。
本作品は、1966~68年に日本基督教団出版局の月刊誌「信仰の友」に連載され、1965年に出版、1973年に文庫化された。今でも「新潮文庫の100冊」に毎年のように入るロングセラーである。
私は、半世紀ほど前に読んだ記憶があるが、今般新古書店で偶々目にし、再読してみた。
本作品は、1909年に北海道の塩狩峠(旭川から稚内方面に向かって20kmほどのところにある峠)で発生した鉄道事故で殉職した、実在の人物・長野政雄をもとに描かれたものである。本作品執筆のきっかけは、上記月刊誌に連載小説を載せることに決めたときに、クリスチャンの三浦氏に白羽の矢が立ったことにあるが、三浦氏が当時、かつて長野政雄が居た旭川六条協会に所属していたことからも、必然的に選ばれたテーマであったと言えるのだろう。
読み終えて、私は多くの日本人と同様に無信教で、キリスト教(に限らず、他の宗教に対しても)に肯定的でも否定的でもなく、従って、本作品の各所に出て来る聖書の言葉や、主人公を含むキリスト教信者の登場人物の考え方・行動の仕方に、全面的に共感できるわけではない。加えて、古今の世界で起こっている対立や紛争の多くには宗教的な要因が絡んでいることを考えると、むしろ宗教(特に一神教)などは存在しない方がいいのではないかと思うことさえある。
一方、本作品の主人公が自らの命を犠牲にして多くの乗客の命を救った行為が、人間としての存在の意味を際立たせるものであることは確かで、それは、必ずしもキリスト教などの宗教に拠る必要はなく、人間としてどう生きるかに関わってくるものなのだと思う。

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

素朴な文書で物語はどんどん進んで行き読みやすい小説である。実在した人物をモデルとしたものではあるが、小説の主人公よりも更に高潔な人物であったというから恐れ入る。
自殺説もあるらしいが、だったら何故ハンドブレーキで車両を止めようとしたのか?…矛盾する。

全く今作とは関係ないが漫画『紫電改のタカ』を...続きを読む思い出した。どちらも悲劇的な終わり方、あともう少しで幸せが訪れたのに…。

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Posted by ブクログ 2023年09月03日

佐藤優の読解力の本で、題材となっていたので読む。

主人公信夫の幼年期、青年期の精神的な苦悩に少し共感。「自分は他の人と比べて真っ当に暮らしているはず」という潜在意識が、人に優劣をつける考え方をもたらして、相手の立場を慮る利他的な人になるのを妨げている。キリスト教入信後に信夫はこのような悩みを解決し...続きを読む、他の人にも影響を与えるような人格者となる。

人の思考、行動を許容し理解する読解力は、キリスト教においても必要な力であるように思われた。読解力の向上は、利他的な行動をも促進するのか

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Posted by ブクログ 2023年08月31日

特定の宗教を信仰しているか否かで、この物語の印象は変わってくると思いました。わたしは宗教に対して思い入れがないので、正直主人公の生き方には納得できない部分もあります。ただ、本当に立派だとは思います。また、「死」について考えさせられる場面もあり、いつ死ぬかわからないからこそ、精一杯生きることの大切さを...続きを読む改めて感じました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月22日

 明治時代、キリスト教が少しずつ認められるようになった。とはいえ、この宗教に対する偏見は依然として残っており、物語の序盤、主人公の家庭環境を見るとわかるように、信じる宗教が原因で、一部の家族と離れ離れになった。物語の途中で、実の妹との出会いや、亡くなったと思ってた母が生きており、祖母が亡くなって以降...続きを読む、同居する。この物語を読むと、異なる宗教が共存することの困難さが想像できる。
 子供のころはキリスト教に肯定的な見方をしなかった主人公が、物語の後半につれて、キリスト教の教えに感化されて、最終的に、自己を犠牲に多くの人々の命を救った場面は、ある種の輝きに満ちていた。この小説を読むと、宗教による力の両面性が見え透ける。

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Posted by ブクログ 2023年07月29日

主人公(信夫)の人柄がとても好きな作品。

真面目で責任感が強く頑固な反面、友人や知人の人間性を見抜くことに優れている。

青年期の複雑な自分の心と真っ直ぐに向き合い、親友と分かち合うことが出来ること。そしてそれを真っ直ぐに受け止めて共感できる友人。

信仰の違いで苦しめられた経験を持ちながらも、温...続きを読むかく信夫を見守り続けた家族。

そんな中で人間性を育まれた信夫が大切したもの・・・。

信夫がするいくつかの決断は決して小さなことではなかったはずなのに、軽視するでもなく怯むわけでもなく、常に謙虚でありながら芯は強く、川の流れに身を任せるように、自分の気持ちに一途に人生を渡る姿が印象的だった。

人との関わり方に戸惑った時、決断に迷った時に読みたい作品。

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Posted by ブクログ 2023年06月01日

母から勧められた一冊。
キリスト教を信仰することでこんなにも人生が変わることもあるんだと驚いた。
実際の出来事がもとになったと知りさらに感動した。

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Posted by ブクログ 2023年01月16日

 三浦綾子は塩狩峠をはじめとしてこれだけ社会的に愛される作品を世に出している。にも関わらず、なぜ目立って文学賞を受けていないのだろうと疑問に思った。当時はまだキリスト教を題材にした文学を正しく評価できる世相でなかったのか。いや、遠藤周作の作品もあるだろうから決してそういうわけではないだろう。そもそも...続きを読む両作品の毛色は大きく違うか。
 遠藤周作は読んでいて明らかに純文学の香がする。一方で三浦綾子の小説は大衆的である。評価の土俵がまず違うのだろうか。本書は読んでいて少し布教をされているような気にもなる。

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Posted by ブクログ 2022年12月21日

「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの果を結ぶべし。」
自己犠牲は悪であり、主張や発信が善とされている今日、自己犠牲が大きな発信となると知りました。

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Posted by ブクログ 2023年11月13日

自己犠牲による愛のカタチ。

ふじ子の回復を、ひたすら待ち続ける信夫の忍耐力。

おっちゃん、どちらも持ち合わせていません…。

時代背景が時代だから、確かに◯◯を信じるだったり、◯◯な病状だったら嫌厭されたり、◯◯ひいたりしてたら不遇なものとみられたり、そんな中でも主人公も周りの人々も、気をしっか...続きを読むりもっている姿勢に感心しました。

三浦文学、まだまだ追ってみたいです。

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Posted by ブクログ 2023年06月27日

ストーリーやテンポはやはり三浦綾子なので、読みやすく、考えさせられるシーンもいくつかありましたが、理想的な人物像と結末が少し出来すぎな印象でした。

他の作品にも共通して言える事ですが、
信仰ゆえなのか、理想の結末に到達するために
無理矢理な演出を感じる時があります。

三浦綾子さんは何冊も読んでい...続きを読むて大ファンなんですが、
敢えて言うならそういった部分を特に感じる作品なので★3つにしました。

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