【感想・ネタバレ】日本経済を学ぶのレビュー

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Posted by ブクログ

初版は2005年。
岩田規久男のちくま新書『経済学を学ぶ』、『マクロ経済学を学ぶ』、『日本経済を学ぶ』、を「経済3部作」と独自に名付けて、続けて読んだ。読んだ目的は、毎日読んでいる日本経済新聞をより深く理解するため、より世界を知りたいためとシンプルに言えるけれども絶望的に難しいことはわかっている。
1作目「経済学を学ぶ」は経済学とミクロ経済学の基礎理論について、2作目「マクロ経済学を学ぶ」はマクロ経済学の基礎理論について書かれている。
今回読んだ3作目『日本経済を学ぶ』は、第1、2章で戦後復興から高度経済成長を経て、バブル景気から「失われた10年」へ至る2004(平成16)年までの日本経済の歩みについて、第3~7章で、日本的経営とその行方、日本の企業統治、産業政策と規制改革、構造改革と少子・高齢化、日本経済の課題と経済政策、の順に書かれている。

つい先日GDPでドイツに抜かれ世界4位に落ち、昨日あたりの情報によると近々インドに抜かれ世界5位になることが確実視されているようだ。アメリカを抜いて1位になった時、[Japan as no.1]と日本では騒いでいた。そしてまたアメリカに王座を譲ると、そのうち中国にも抜かれ、ドイツにも抜かれ、そして現在に至る。今「失われた30年」という言葉を時々聞くので、2004~2024年の20年間もそれほど日本経済が隆盛しなかったということになる。先日日経平均が史上初40000円を超えたが、バブルの時のような熱気はない。不良債権問題もいつの間にか聞かなくなった。リーマンショックも大きな事象だし、コロナ禍もあった。何といっても人口減少もあるし環境問題もある。

著者を信じてちくま新書の「経済3部作」を読んだのはよい勉強になった。経済学は神の視点から見て、世界は広いと感じさせてくれる。例えば、物理でもモノを点として考える状況があるが、経済学も似ているし、ゲームのプレイヤーのような感じでもある。色々な状況や条件を考えているとき、頭の中に様々な経済の要素を使って世界を構築し、日本を浮き彫りにするのが経済の醍醐味だと思う。現状を把握して日本の経済政策を考え、舵を取って行くのが凄い。

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2024年04月23日

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戦後の高度経済成長期から失われた10年と言われる平成の長期経済停滞期までの日本経済の道筋を分かりやすくたどる。日銀の政策に2〜3%のインフレ・ターゲット政策を強く求めると書かれている。現在の日銀の政策はこれに沿っているのだろう。

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2018年10月20日

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高度成長期から2004年あたりまでの経済の歴史、また日本の経済の
問題点、課題について書かれています。
とても勉強になりました。
また本書では今後どのような政策をとればよいか提案しています。
その提案のひとつに「インフレ目標設定」を挙げていました。
これは、いま安倍総理が行おうとしていることです。
この著書は2004年時に出版されています。このころは経済が上向いて
いたようですが、2013年時点ではまだまだ不景気です。
この政策が(他にも要因はあると思いますが)うまくいく政策なら
もう少し早い段階で行えたらよかったのにと思ってしまいます。
まだ結果は分かりませんが、円高もとまり株価も上がっていっている
ので、岩田さんの見解は正しかったのかと思っています。

この本は日本経済の歴史を勉強するには最適ではないかと思います。
岩田さんの本はこれで2冊目ですが、分かりやすいので他の著書に
ついても読んでみようと思います。
経済についてもっと勉強していこうと思います。

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2013年05月09日

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2回ほど読みました。日本経済の概要を理解するのに最適の書。日本経済の関する基礎知識を身につけたい方に最適の本です。

文章は平易で、バブルの問題、企業統治、産業瀬策などの現象を、非常に分かりやすく解説しています。

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2012年12月26日

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ネタバレ

日本経済について歴史と政策について書かれた本。競争政策・安定化政策・小泉政権に焦点が当てられている。

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2012年08月07日

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内容は充実していて、それでもって堅苦しくないから読みやすかった。今までの断片的だった経済に対する知識が少し整理された感じ。まだ詳しく知らない単語とかが出てきたから、もっと勉強してから読むとより楽しめるかもしれない。予備知識が全く無いと難しいかもしれない。

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2010年09月25日

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-なぜ、戦後長い間、株主と経営者や従業員との間に利害対立が生ぜずにすんだのでしょうか-

アカデミックなタイトルですが、内容は、バブルやその崩壊、その後の経済停滞といった事象・現象が「なぜおこったのかを解明する」というアプローチなので、日本人なら誰もが肌で感じた「疑問」の回答を与えられ、スッキリすると思われます。後半は日本的経営の話や、環境問題にまで切り込み、問題が「今」の私たちの日常に近づき、飽きさせない。就活直前の学生と経営者には必須で読んでほしい一冊。

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2009年10月07日

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大学生向けということもあり、非常に分かり易く戦後の日本経済がどのような変遷を遂げてきたのかが網羅されている。基本としては最善の部類に入る本。何故政府による産業政策が不要なのか、何故緩やかなインフレが必要なのかがちゃんと説明されてて、「インフレ=悪」と思ってる様な人ほど読んだ方が良。この程度の知識もないのにエコノミストとか言ってる人は凄いなぁと変な意味で感心する。

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2009年10月04日

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高度経済成長期から平成不況までの日本経済の軌跡を経済政策に焦点を当てながら詳細に解説。
最後に、今の日本の課題と採られるべき政策を提示しています。
バブル崩壊、失われた十年といった言葉は知っていても、『なぜ起きて』『何が問題だったのか』がよくわからないという人にオススメ!

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2009年10月04日

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日本経済の過去・現在・未来を見渡せる良書。著者はリフレ派の代表格であり、マクロ経済の安定化のデフレ克服の重要性を説く。小泉政策の功罪も冷静にまとめられており、非常に有用。良い本です。

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2009年10月04日

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戦後復興からいわゆる失われた10年、そして日本経済の現状と将来の展望に関して非常によくまとまっている新書です。文章も非常に読みやすく、論理的にも明快で経済おんちでもわかった気になれます。ただこれはあくまで岩田先生流の経済解釈である、ということは念頭に置いたほうがいいかもしれませんね。なんにせよお勧めの一冊です。

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2009年10月04日

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現在、日銀副総裁としてアベノミクスの金融政策にたずさわっている著者が、高度成長からバブル景気、平成の長期不況、小泉改革までの日本経済を、明快に解説した本です。

本書では、行政指導は産業界の意向をおおむね受け入れる形で決定されていたとし、戦後の高度成長に政府による産業政策が大きな役割を演じたとする見方を批判しています。

また、平成の長期不況からの脱却には、市場の機能を活用する構造改革だけでは十分ではなく、デフレからの脱却を伴わなければならないという主張がはっきりと押し出されています。本書の刊行は2005年ですが、この頃から著者がすでにインフレ・ターゲット導入の必要性を訴えていたことが分かります。

本書の立場に対して、経済政策はより広い意味での社会政策の観点を考慮に入れるべきだという批判は当然ありうるかと思いますが(私自身も個人的にはそうした見方に共感しているのですが)、本書にそれを求めるのはないものねだりというものでしょう。一定の立場から、日本経済の歴史と現在の問題についてのクリアな見通しを示しているという意味で、良書だと思います。

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2014年12月06日

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通産省が行った産業政策は効果が無かった、行政完了や政治家には事業を育成する本当の誘引(インセンティブ)が無いので成長産業を見極めできない。
自由な市場で人々が創意工夫することこそ成長に繋がるなど、、いわば正統的な経済学の知見を易しく説いています。
今話題の金融政策については、インフレ期待形成について強調していますが、日銀の国債直接引受は明確に否定していますし、規制緩和や財政政策の組み合わせも大事と、あまり過激な金融政策一辺倒の話はしていません。ただし、どう金融緩和が実体経済に波及するかは簡単にしか説明されていません。
新書という制約もあるかと思われますので、また翁-岩田論争を読み返してみないと(前に読んだときは経済学の基礎がわかっていなかったので、理解が足りなかったと)。
2004年に書かれた本ですので、やや古いですが、今読んでもじゅうぶん面白かったです。

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2013年02月27日

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[ 内容 ]
わが国の経済は、この先、安定的な成長路線に復帰できるのだろうか。
不良債権処理、累増する国債、少子・高齢化と年金といった問題が山積している現在こそ、戦後の高度成長期から平成の「失われた一〇年」までを丹念に振り返る必要がある。
「日本的経営」の行方、コーポレート・ガバナンス、規制改革や構造改革などの課題を、さまざまな観点からダイナミックに捉える、最新で最良の日本経済入門。

[ 目次 ]
第1章 戦後復興から高度経済成長期まで
第2章 バブル景気から「失われた一〇年」へ
第3章 日本的経営とその行方
第4章 日本の企業統治
第5章 産業政策と規制改革
第6章 構造改革と少子・高齢化
第7章 日本経済の課題と経済政策

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月28日

Posted by ブクログ

 経済の回復より構造改革を優先させては、「改革」そのものが、危殆に瀕するという、「改革」の本格的論議が述べられている。基本的に著者は、「改革」については賛成しているのだが、デフレの状態にある社会を、マイルドな「インフレ」の情態にまで持っていかない限り、改革の意義が達成できないという。
■この点では、岩田の議論は、一貫している。日銀が、量的金融緩和の解除への意志を、年次目標も無く言い募っている現在(2005年11月)日銀の金融政策が、マクロ経済としてみた場合、正当なのかどうか吟味するには、岩田や、深尾の見解を抜きにしてはまっとうな経済議論は出来ない。
現実経済では、様々な要因により、市場競争が妨げられたり、マクロ経済が不安定になったり、環境が破壊されることがある。その要因は、競争を制限する規制、業者の利益を図る裁量的な行政、一部の業者を優遇する公共調達、受益者負担のない公共事業や補助行政、不十分な情報、市場の外部性、マクロ経済における「合成の誤謬」である。後者の二つが、構造改革によっては解決の出来ない事態である。
財投機関債と財投債の政府保証の及ぶ改革方法の手順の間違いのある郵政民営化、年金改革の賦課方式による若年層の負担増大の悲劇、地方財政改革の日本的悲劇、道路公団の民営化の上下二階方式の規制改革の不徹底と不備、英国の供給側の改革をそのままデフレ不況下の日本に当てはめる愚かさ、構造改革と少子高齢化の問題、日本の企業統治など、現在の日本が抱える社会の問題の縺れた解決の糸を解きほぐす便にはなるに違いない。
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有料道路事業を経営する特殊会社は、自ら資金を調達して、採算性を見ながら、道路の建設費用を負担する。が、それ以上の費用については、公団の資産と債務を継承する保有・債務返済機構からの資金調達や、国・地方公共団体の資金負担を仰ぐ方法も残した。採算を度外視した道路の建設の可能性が残る。

■日経新聞を含めたマクロの経済の見方、特にマスコミの日銀の金融政策についてのコメントに飽き足りない人には、向く新書版だと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高度成長から「失われた10年」を中心に、それらがなぜ起こったかについて丁寧に解説した本。
ニュースレベル程度の経済の基礎知識は最低限必要だと感じた。

起こった事柄の原因や対処方法がちりばめられており、逆に反対意見を知りたいと思わせるほど説得力がある。

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2011年02月21日

Posted by ブクログ

日本経済についていろいろ触れている作品。
今後の日本のあり方や今までの日本経済の経緯について
論述されている。
自分はとくに失われた10年のところに関心があって
非常に面白い意見を聞くことができた。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

恐らく近代日本史の知識があれば、この程度は既知であろう。
しかし、何故だかこれまで異常に毛嫌いしていたため、一切知識は無し。その食わず嫌いをようやく克服した一冊。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

恥ずかしながら、初めて完読出来た新書。(たくさん放置中・・・いつか読む・・・)
基本的に「市場感覚」が全然ナイねんケド、なるべく身近な例に結び付けて考えてみると、経済も面白いなァと思い出しました。

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2009年10月04日

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