【感想・ネタバレ】薔薇盗人のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの浅田次郎の小説を読んだ。
泣かせるというか、心にすっと入ってくるというか、
市井に生きる人々の矜持を描いたら最高の書き手といわれるだけのことはある。特に6篇の短編のうち、私が一番気に入ったのは「あじさい心中」です。リストラされたカメラマンが、偶発的に訪れた温泉街のストリッパーと心中してほしいといわれ、”不都合なことは思い当らない」

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2014年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

浅田次郎は長編が好きだなあ。

浅田次郎は短編とはいえ、その世界を描きだすのが上手いのだ。
だからすぐに情景が目に浮かんで、「で?」ってなってしまう。
もう一段の上を期待してしまう。

本来なら短い文章でその世界を描き切ること、できれば余韻をもたせることが短編小説に求められる部分なのかもしれないけれど、「蒼穹の昴」や「壬生義士伝」などの、圧倒的な描写の巧。
畳み掛けるように押し寄せる感情のうねり。

または「地下鉄に乗って」のように、視点によって見えているものが違い、事実が必ずしも真実ではないことを突き付ける一瞬。

そのようなものを、短編で期待してはいけないのだけど、期待してしまうのだ。
上手いから。

そういった意味で面白かったのは「奈落」
まだ着いていないエレベーターのドアが開き、一歩踏み出したために命を落とした会社員・片桐。
その事故で露わにされる、彼の半生。
そして彼の死が会社の歯車をも狂わせる!…のか?
ドラマ化する際には、ぜひ片桐役を緋田康人さんで。

女手一つで自分を育ててくれる母の苦労がわかるから、いろんなことを我慢して我慢して我慢していた少女が、この先一生わがままを言わないからと母にねだったものとは。「ひなまつり」
やっぱりこういうの書かせると上手いよなあ。

長期不在の父に代わって薔薇と母を守り、父に手紙で近況を報告する少年。
純粋な少年の目を通して描かれる近況から透けるように見える現実。
この透けっぷりが、大抵の大人にはガラス越しのように丸見えで、どこで話しをオトすのだろうと思って読んでいたら、ストレートに終わりました。

ジョン・ラッツの「腐れイモ」くらいのどんでん返しを期待したんだよね。
一方的な手紙だけで構成された小説だったので、つい…。
薄汚れちまった読者ですみません。

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2015年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編集。
「ひなまつり」主人公の女の子がしっかりしたいい子なんだなあ。
もうそんなに泣かせないでください。
「薔薇盗人」主人公の男の子がピンと来ないのにイライラした。
わざとだったら怖い。

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2011年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人々の様々な形の愛を描く短編集。
浅田次郎お得意の感動系を期待していたが、シュールな展開に物もあったりと、少し期待はずれ感はあったが、心が洗われる物語が多かった。

特に好きなのは「死に賃」と「ひなまつり」の2つ。
「死に賃」戦後の動乱の時期を勝ち残った社長が同じ時代を生きた級友から莫大な料金を引き換えに自分が死ぬ間際の苦痛を取り払ってくれるサービスがあると話を聞く。
その級友が亡くなり、自身も急な病に倒れたときそのサービスを使おうとするが。。。。
最後の意外な展開に加え、献身的な愛の形が露になったとき思わず泣けた。

「ひなまつり」東京オリンピックが始まる昭和の時代、シングルマザーの家庭に育つ女の子が大人の事情にふりまわされながらも、大好きな母と”おとうさん”のために奔走する物語。
自身の孤独や"おとうさん"に対する好きだけど自分ではどうしようもできない想いが語られ、その心中を察するだけで胸がいっぱいになってしまった。

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2016年05月05日

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