【感想・ネタバレ】トータル・リコールのレビュー

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Posted by ブクログ

2024年になっても新鮮な読み心地と生々しい迫力を備えている。時代を超えて読み継がれるとともに、実現可能な時代になりつつあることの恐怖も沸き起こる短編集。以下は個々の作品の備忘録


・トータルリコール
経験の記憶を販売する会社で記憶の植え付け施術失敗と思いきや、政府の要人というか機密を持っている重要参考人的な立場だった人の話。映画も見てみたい

・地球防衛軍
人類が始めた戦争を、人類が作ったAIで代理戦争をさせるも人間より遥か上の知能を持ったAIによって管理下に置かれていたことに気が付く愚かな人間の話。

・訪問者
核戦争後、人間が住めなくなった地球で生き延びるために細々と息をしている様を描いた作品。地球も生きていて、人間が滅びるのも地球の歴史の一部になり得る。人間が最後の地球の支配者だなんて考えは傲慢…。

・世界をわが手に
ラスト数行で察してしまう世界の真実と創造者。破壊衝動に限らず「本能的欲求・衝動」と括ってしまうが、それは理解を簡素化するための言葉だった。溜まったエネルギーの発出。何かを使役したい、力を持ちたい、強さを自覚したい。神になりたい。残酷な世界の成り立ちは残酷な人間のエネルギー衝動によるものだったかもしれない。

・フードメーカー
頭の中を他人から読まれてしまう恐怖。政府に対して不都合な思想ややましいことがあれば即刻逮捕。まさにディストピア!

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2024年02月25日

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本書はフィリップ・K・ディック短編傑作集ですが、有名なところではトータル・リコール、そしてマイノリティ・レポートが掲載されています。もちろんこれらの有名な話も面白いですが、私はむしろそれ以外の短編を堪能しました。

ネタバレになりますので深く書きませんが、「地球防衛軍」「訪問者」は立場の逆転という視点を、「世界をわが手に」はいまでいうシミュレーション仮説につながる話です。「ミスター・スペースシップ」はBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、「フード・メーカー」は、デジタル監視社会といった形で、むしろ2023年に読むほうが、リアリティを増しているという作品もあると思います。私は個人的に「世界をわが手に」が特に印象に残りました。この短編の中で、世界球という玩具を作っている会社の社長が、「人々は倫理観だけでは動かないんだよ、そうではなく・・・・」というシーンがあり、これは現代のSDGsへの大いなる警句だと思いました。つまり「サステナブル」「持続可能な社会」と倫理だけに訴えていても、一部の人は従うがマジョリティは動かないだろう、ということを想起させるわけです。SFのストーリー展開が卓越しているだけでなく人間心理を深くついた作品集だと思います。

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2023年10月14日

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この時代によくこのような物が書けたなと思う。
個人的には表題で映画化されたトータル・リコールや同じく映画化されたマイノリティ・リポート以外の短編の方が分かりやすく面白かった。また後ほど再読したいと思う。

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2022年11月03日

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フィリップ・K・ディックは20世紀中盤に活躍したSF作家で、この短編集は、有名な二つの映画化作品をベースに、21世紀に入って日本で再編されたもの。

いずれも切れ味抜群の結末と個性ある世界観で、「傑作短編集」の名に恥じないものばかり。
同じ作家の少し難解な長編「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」に比べて、ずいぶんと解りやすく、読みやすかった。

映画化された「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」はもちろん、他の作品もいずれも印象深い。
「訪問者」は、驕慢であった人類の地球上での最後の姿が垣間見える。
「吊るされたよそ者」のあとは、街中を走り回る自分の姿を夢に見そう。
「フード・メーカー」には、監視社会の問題が漂う。

フレドリック・ブラウンがちょっと不思議系でレイ・ブラッドベリが寓話的であれば、ディックは文字通りSFの王道。

もっと、掘っててみようかな……。

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2022年09月21日

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発表当時から時を経て現在より身近でリアルな近未来を映すSF・サスペンス短編集。タモリの歌唱が頭をよぎる「ミスター・スペースシップ」が異色でありながらどこか微笑ましくて好き。

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2021年08月12日

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表題の『トータル・リコール』を含むSF短編を収録した本。

表題の『トータル・リコール』は、何の変哲もない主人公が、火星にどうしても行きたくて「火星に行ったという記憶を自分に植え付ける」サービスを受ける話。
もしかしたら主人公のようなことが自分にもあるのかもしれないと思うと楽しい作品だった。

ディックの短編集を3冊読んだ中では、一番爽快感があり後味も悪くない作品が多かったように思う。

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2021年05月03日

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■トータルリコール
「自分の記憶は本物なのか」誰もが一度は考えたことがあるようなことが設定となっている話。
何が本物で偽物か?フィリップ・K・ディック作品に通ずるテーマが本書にも埋め込まれています。

■出口はどこかへの入り口
自分の夢を、正しいことをせず、ただ権力に従う。その結果としての評価が「いい人」である。
「いい人」という評価は誰の視点からかのものか、それが内包する意味は?
この評価はむしろ「くそったれ!」なものではないかと考えさせるお話

■地球防衛軍
設定としては米ソによる世界戦争という、作品の書かれた当時の冷戦の影響を強く受けている。
人類は永遠と戦争を続けるがそれは人類が一つになる過程で必要であったものであると語られる。
人類が人類自身では戦争を終わらせられないであろう諦めと、全人類が一つになったときに何を成しえるかという希望の両方を感じさせる。

■訪問者
核戦争後の世界を描く話。もはや”人間”にとっては故郷は帰る場所ではなく訪れる場所となる。
なんとなく切なくなるラスト。

■世界をわが手に
孤独な世界は諦めと狂気を育むだけか。
この世界も誰かの娯楽のために作られただけなのでは?

■ミスター・スペースシップ
機械の体に人間の精神。ありがちな話ではありますが、面白い。

■非O
この作品は正直理解できなかった。特に非Oの存在と設定が。
論理的であるということが正しいことではないといういうことか。

■フード・メーカー
他人に思考を読まれる息苦しさを感じる。
インターネットの検索内容や個人を特定できない情報としてでも思考を読まれるというのはいい気分じゃないよね。
そして情報が集まるところに権力が形成される。
秘密とは弱さであり、武器である。

■吊るされたよそ者
始まりには終わっていて、終わりにまた始まる。

■マイノリティ・リポート
抽象化されされ生み出された「多数」という結果は真実を表しているのか。
神は細部に宿る。

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2017年07月01日

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映画化されたトータルリコール、マイノリティレポートを含む短編集。名作と言われているのは聞いていたが、読むのは初めて。面白い。時代背景からか、核戦争に絡んだ話が多いのも興味深い。
子供の頃、SFはよく読んだが、ここしばらくはご無沙汰。人生後半にたくさんの楽しみが残されている感じがして嬉しいかも。

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2016年10月03日

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映画化された「トータルリコール」、「マイノリティー・リポート」含む10篇の傑作短編集。

ディックの映画化されたものは「ブレードランナー」を除いてつまらないので、この短編集も期待しないで読み始めたのですが・・・

やるではないですか!ディックにサイエンスは期待しませんが、人間(自分)は何をもってして人間(自分)と呼べるのか?という観点でいろいろな要素に分解して執拗に描くことにかけてはディックは最高です。これは、確かに精神を病んでしまうでしょう。

3.11後の現在に読んでも古びた感じがしないばかりか、今読むからこそ実感できる作品があるということはすごいことです。

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2014年02月01日

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どれもフィリップKディックワールド全開。
SF大好きマンからするともう堪らなく楽しい…!

全体的にそうだけど、特に「地球防衛軍」なんかはプーチンはじめ世界中の戦争おっぱじめる奴らにぜひ読んでほしいお話だった……

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2024年04月24日

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やはりディックはいい。どれもすれた雰囲気がただよう作品ばかりではあるが、単なるオールドSFではなく、どの時代でも通じる社会の根本的、根源的なものの皮肉などがきゅっとコンパクトに畳み込まれている感じがして良い。
そして、短編集のなかでは、トータル・リコールとマイノリティ・リポートのできが頭ひとつ飛び抜けているが、フード・メーカーも良かった。

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2023年01月25日

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ほんと、よく思いつくなぁと思ってしまう。映画の原作になるような面白さや設定の深さ、価値観の転換が短い短編の中にもふんだんに盛り込められている。

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2022年03月31日

Posted by ブクログ

フィリップ・K・ディックの作品は映画原作が多い。
「トータルリコール」火星を夢見る主人公が仮想記憶会社で旅行体験するが何故か不都合が。
「マイノリティ・リポート」犯罪予知システムによる管理社会。

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2022年02月18日

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発想に感嘆する。星新一のSFをヘビーにした印象。映画でしか知らなかった「トータルリコール」がこんな短編だったのも、こんなストーリーだったことにも驚き。表現が重厚なものだから、話の軽妙さがより際立って楽しめた。訳のおかげかもしれない。ここからあれだけ内容を膨らませた映画作品にも改めて拍手。シュワちゃんも好きだけれど、目が肥えた今はリメイク版がやっぱりいい。

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2020年09月08日

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映画原作でもある2篇を含めた合計10篇の短編集。
短編集初収録(本邦初訳1篇含む)である3篇は自分的にはイマイチでしたが、それ以外の7篇はすごくおもしろかった。

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2020年07月22日

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フィリップディックの短篇集
「トータル・リコール」
「出口はどこかへの入口」
「地球防衛軍」
「訪問者」
「世界をわが手に」
「ミスター・スペースシップ」
「非(ナル)O」
「フード・メーカー」
「吊されたよそ者」
「マイノリティ・リポート」
「地球防衛軍」が面白かった。

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2019年05月21日

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全体的に読みやすい。翻訳がこなれているからだろう。古い作品なのだがどれも古さを感じさせない。元のアイデアが良いからだ。個人的に印象に残ったのは、「出口はどこかへの入口」「地球防衛軍」「訪問者」「世界をわが手に」の4作品。人の良心を試されているかのようなもの作品が多い。

以下、個別作品の感想。

トータル・リコール
同名の映画の原作。主に映画の前半部分が本編である。この作品では記憶を取り戻した後のストーリーが異なる。淡々とした感じではあるが、しっかりとしていて面白い。昔のSFだなと感じるのは、記憶媒体にテープを使っていること。火星に人類が行ける時代になれば、テープは一般的な記憶媒体ではなくなってると思う。

◎出口はどこかへの入口
素直に楽しめた。サイバーパンクではないブレードランナー(『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』ではない)の世界観に近いかもしれない。人を試す展開がたまらない。

◎地球防衛軍
読み始めて戦争の目的に疑問を持った。戦争によって地表が放射能で汚染され、人類は地下で生活するようになり、戦争は完全にロボット兵士が続行するようになった。ある日、地表から放射能汚染されていないロボットが見つかった。それをきっかけに人類が動く。地球を守ったのは誰だろうか、地球を破壊しようとしたのは誰なのか、考えさせる作品だ。

◎訪問者
人間は地球を破壊しなければ気がすまないのかと思わせる作品だ。ただ破壊しても生き物はしぶとく生き残る。それがかつて人類と呼ばれていた種だとしても。また破壊しても新天地を求める行動を人類はするだろう。フロンティアを求める行動と言えば聞こえはいいが、新たに破壊するものを探しているだけかもしれない。懲りないなあ、人類は。

◎世界をわが手に
多元宇宙論が元ネタだと思われる。人々が盆栽を育てるように宇宙を育てる機械を持っている世界。人々はまるで神のように宇宙を育て、破壊する。やはり天罰がくだるよね。

◎ミスター・スペースシップ
膠着状態になっている戦争を打開するために人間の脳をコンピュータ代わりに宇宙船に載せるプロジェクトが実行された。ネタバレになってしまうが、ノアの方舟のような話だ。いい話だと思う。

◎非(ナル)0
すべてのモノ(オブジェクト)を破壊することが論理的だというのはあまり理解できなかった。非0はストートレックのバルカン人と似たような考えを持つ人々だと自分は考えたが、バルカンがすべてを破壊する行動に出るとは思えないので、あくまでも作者の思考実験と思うことにした。

◎フード・メーカー
先の展開ができるようにしたある程度見えてしまったので、特筆するのものはない。

◎吊るされたよそ者
電車の車内で気持ち悪そうにしている人などに手を差し出した方がいいかなと思うときがあるが、何もしないで通りすぎることがある。この話を読んで、もしかするとエイリアンに試されているのかも知れないと考えたら何もしないのが正解となる。冷たい世の中というが、もしかしたら我々はすでにエイリアンの支配下にあるのかもしれない。

◎マイノリティ・リポート
未来予知ができるようになり、犯罪者を事を起こす前に逮捕できるようになった。一見、素晴らしいように思えるが、使いようによっては人を陥れることもできる。アイデアとして面白く、ストーリー展開もテンポがいいので読みやすい。まあ、未来予知ができなくても、今の政治家は政敵を嵌めるために何でも工作するからなあ。現代の方がよっぽどマイノリティ・レポートを必要としているのかもしれない。

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2015年11月26日

Posted by ブクログ

ディックの短篇は、長篇に比べて読みやすくて解りやすい。そして、とっても面白い!
本書は、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「トータル・リコール」(最近はリメイクもされました)やスティーブン・スピルバーグ監督により映画化された「マイノリティ・リポート」の原作を含む全10篇収録の短篇集です。

地下に潜った人類に代わって、ロボットが地上で戦争を繰り広げる「地球防衛軍」やテレパス(精神感応者)による監視社会を描く「フード・メーカー」、地球外生命体の侵略物として非常にサスペンスフルな「吊るされたよそ者」、そして、プレコグ(予知能力者)により犯罪を未然に防ぐ社会を題材とする「マイノリティ・リポート」などなど、とにかく陰謀を扱った作品が目立ちます。疑心暗鬼とはディックの作品に共通する一種のテーマですが、これらの下地にあるのは、行き過ぎた管理社会や科学技術への痛烈な批判、人類の闘争本能への皮肉であると読み取れます。

ところで、核戦争後の地球を描く「訪問者」や神林長平の「戦闘妖精」を髣髴とさせる「ミスター・スペースシップ」などを読んでいると改めて気づかされるのですが、ディックの作品には先にあげた疑心暗鬼や科学技術への痛烈な批判にあたまが行ってしまうのですが、純粋にオチやアイデアが秀逸な作品が多いですよね。

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2015年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「トータル・リコール」・・・クウェールがリコール社を訪ねて、架空の記憶パターン(火星に行った記憶)を植え付けようとする→事実であって、彼はインタープランの秘密捜査官として火星に行き、プロの殺し屋として一人の男を殺していたことを思い出す。
→記憶の上書きしようと再びリコール社へ。強烈な願望を満たすために、宇宙人が自分を気に入り、自分が生きている限りは地球侵略をしないと言ったことを植え付けようとするが、これも事実であり、思い出す。
→クウェールを殺せない。殺人光線の杖が見つかるのも時間の問題だ、、、。
「出口はどこかへの入口」・・・不思議な<大学>へ行き、自分自身の忠誠心を試される話。
→自販機でハンバーガーを頼んだボブ・バイブルマンは偶然政府の軍が運営する<大学>への入学権を得る。
→そこで軍の機密である「パンサー・エンジン」の設計図を発見する。
→設計図を世のために公開するか、それとも軍の規律に従うか。選択を迫られる。
→<大学>に尽くしたバイブルマンは<大学>の目的である「たとえ権威に逆らっても独立独歩で生きること」を外れたため、放校処分になる。


「地球防衛軍」・・・地下と地上。ロボットが本当の意味で「地球を防衛した」話。

→8年間、アメリカとソ連の間で核戦争が行われる。

→人間は地下。ロボットは地上で戦争をする。

→地上では実は戦争は起こっていなかった。

→地上に締め出された一部の兵士と主人公は、ソ連の兵士たちと一つの世界を作ろうとする。

「訪問者」・・・核により生物が変化し、原住民の人類がもはや「訪問者」になる話。

→戦争がおこり、核によって植物、動物、鉱物などに変化が起こる。

→旧人類たちは鉱山から続く地下の洞穴でちりぢりになり暮らす。

→捜索をするトレントはロケットを打ち上げて植民惑星に移住する旧人類のコロニーを発見。

→「これは彼らの惑星だ。われわれのものじゃない。」「いつかまた戻ってきたいな」「戻る?」「いや、訪問にきたい。いつかそのうちに」

「世界をわが手に」・・・世界球の中で自分の世界を作り上げていた世界が、誰かの世界であった話。

→異星人との接触、交易、文化的財産の交換などのスリルを夢見ていた人類は、太陽系のどの惑星でも、自分達以外に生命が見つからないことに人類は絶望。

→ひとつの惑星に縛られているという鬱憤を晴らすために、人々はワールドクラフト社が作った「世界球」を手にし、自分だけの世界を作る。

→しかし、それは進化に限界がある。人々の動きたい欲求は満たされず、世界球を作っては壊す狂気がうずまく。

→アークトゥルスの中にいる異生命体とコンタクトに成功。人類は世界球を投げだす。

「ミスター・スペースシップ」・・・脳を移植した宇宙船が<ノア>となり、新たな惑星で社会を作り上げるため脱出する話。

→「ヤク」と戦争をする未来。宇宙の防衛ラインで、ヤクは自ら思考を持ち、任意に爆発していた。それをかわすには、機械的な思考でなく、人間の無意識は反射が必要。

→恩師の脳トマス教授の脳を移植したクレイマー。宇宙船はトマス教授によって操作されることになる。

→知的能力が失われていないトマス教授の提案で、習慣として身につけている戦争から脱した世界に移住するため、惑星へ飛び出すクレイマーとドロレス。

「非O」・・・非Oと呼ばれる新人類が、宇宙の破壊をする話。

完璧に論理的な思考を持つ非Oと呼ばれる新人類は、「もの(オブジェクト)は存在しない」という理論のもとに爆弾を開発。すべてを還元しようとする。

→地下に人間が潜っており、地爆を爆発させるための塔に向かって侵攻。打ち合い、負ける。

→非Oたちは死にゆくレムを残し、いつか計画を完遂させることを誓い、宇宙へ飛び立つ。

「フード・メーカー」・・・テレパシーを持つ新人類からの侵略を防衛する話。

→隠し事が許されない社会。思考が走査される。

→ティープと呼ばれるテレパシーを持つ人々がマダガスカルの戦争で突然変異により生まれる。ティープたちにより、人類への侵攻が始まる。フードを持ってるだけで犯罪とする法案を提出・可決させようとする。

→「フード」と呼ばれる走査防御装置を開発するジェイムズ・カッターにより、ティープには子どもが生まれないことを突きとめる。政治が止まり、ティープは自殺。全滅する。

「吊るされたよそ者」・・・宇宙人の侵攻を受け、吊るされる話

→吊るされたよそ者を見たエドはびっくり仰天。だが、他の人たちは見向きもしない。こちらがおかしいと言わんばかり。

→実は地下に潜って家の基盤を作っている間に宇宙人が到来。街中の人々が乗っ取られていた。

→隣町に逃げ出すエド。助けを求めるが、実はその町はすでに乗っ取られていた。

→よその町で吊るされるエド。宇宙人が地球人を探し出す「おとり」として。そして、その町でまた正常な誰かが、吊るされたよそ者(エド)を見て、驚きあわてる・・・。

「マイノリティ・リポート」・・・1,2,3の少数報告。

見知らぬ退役軍人カプランを殺すと予言された犯罪予防局アンダートン。

→逃げ出す、最初の時間軸である「カプランを殺す」時間軸から脱出。第2の時間軸「少数報告があることに気づいて、殺人しない決意をする時間軸」に。

→しかしカプランはその情報を手に入れ、犯罪予防局を失墜させようとする。

→第3の少数報告の世界。「決意を翻し、カプランを殺す時間軸」へ。犯罪予防局を守ったアンダートンは、元部下ウイットワーの力により、地球外追放にまで減刑。妻リサとともに地球を後にする。

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2014年09月07日

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 ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫で引用されている著作を探しているときにたまたま偶然手に取る。あとはまぁ二回ほど映画化されていますし、ね。

 ≪トータル・リコール≫は五十ページくらいの薄い薄い作品でこれが二度も映画化されるほど引き伸ばされるなんてすげーとおもいました。
 ≪フード・メーカー≫はなんかまんまサイコパス・PSYCHO-PASSやなぁと。アニメはヘルメットでしたがね。これに感銘を受けたのでしょうか。
 ≪マイノリティ・リポート≫もこの作者さんが書いていたということでびっくらたまげました。
 なんだこのフィリップ・K・ディックという人は……。
 脳味噌どうなってんだ……。

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2013年10月20日

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トータルリコールって全50ページの短編だったのか・・・
ってことで読始。  SFよむならフィリップKディックの作品読まなきゃ。
ってのもあって、半信半疑で読みすすめたけど、1960年代にこれ書いたのがすごいよなーと感動。

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2013年06月16日

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PKDは昔「電気羊は~」を読んでさっぱりで、そもそも何で読んだかというと「ブレードランナー」を観てさっぱり理解出来なかったからで、要するに相性が悪いんだと思ってました。

本作は半分くらい面白かった。
「訪問者」
「世界をわが手に」
「ミスター・スペースシップ」
「マイノリティ・リポート」

…もう一回「電気羊は~」に挑戦してみるかな…

全体平均で3.8くらいだけど切り上げて4。

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2013年04月02日

Posted by ブクログ

20年振りに読んだPKD。お手軽に楽しめそうな作品を詰め込んだ短編集。
どれもしみじみ面白く外れ無し。流石です。
「ミスター・スペースシップ」あたりは「ちょっと!教授!きょうじゅ!!」
というツッコミをせずには居られませんでしたが、好きですこういうの。
「訪問者」「吊るされたよそ者」がお気に入りです

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2012年12月01日

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 ディックの短編の詰め合わせで、標題の「トータルリコール」のほかにマイノリティリポートも収められています。
 ディックが執筆していた時代は東西冷戦の最中で、あのころは東西の争いが続くという時代感覚が多数をしめていたのか、すべての短編で西と東で核戦争が勃発したという設定になっていて、総じて暗い未来が多いです。

 ディックの描く未来は人間の業が昇華したような暗イメージが多いように感じるけど、それがディックが理性的に考えた未来の姿なのか、それとも人間に対するディックのまなざしが、未来を暗くさせたのかはよくわかりません。
 SFとはいえ、人の心象を書く感じが良いのです。

後、リメイク映画をやるみたいですけど、きっとシュワちゃんバージョンのほうが面白い

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2012年10月13日

Posted by ブクログ

『世界を我が手に』はなんだかMIBの最後を思い出した…。
マイノリティ・リポートは映画を見てみたくなった。

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2012年09月26日

Posted by ブクログ

フィリップ・K・ディックの短編傑作集。
どの作品も短いので読みやすいとは言え、それでも、SF初級者の私には難しかった。いつか、すらすら理解できるようになりたいものだ。
「ミスター・スペースシップ」と「マイノリティ・リポート」が良かった。
未来の物語の中に人間の本質、社会の歪みを突いて来るので、気づきが多い。SF小説の深さなんだろうな。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

表題となるトータル・リコールを含む短編集。

一番面白かったのはやはりトータル・リコール。
映画で観たなぁと思って読んだら全然違う話でびっくり!でも面白い。
なんというか落語にもなりそうだし「世にも奇妙な物語」にも出てきそうな、ありそうでありえない、子どもが夢想しそうなことを一流作家が書いたらこうなる、といった感じの短編小説。

他の映像化作品もぼちぼち面白いのでファンの方が読む分には良いと思う。

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2023年12月29日

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藤子・F・不二雄みたいな世界観だった。
なんか、映画みたいな壮大なSFを想像してたんだけれども、藤子・F・不二雄とか、星新一とかに近い感じ。
原作がある映画は絶対に小説読んだ方が面白いって持論なんだけれど、SFに関してだけは創造力が及ばなすぎて、映画の方が分かりやすい。
決して、面白くなくはないのだけれど、映画のイメージが強すぎて、ちょっと物足りない感じはある

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2023年07月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

“彼はめざめた——そして火星を恋い、その峡谷を想った。一歩一歩、足を踏みしめてその谷間を歩くのは、どんな気分のものだろう。意識がはっきりしてくるにつれ、しだいしだいに大きくその夢はふくれあがっていった。その夢、その憧憬。自分をとりかこんでいるその世界の存在さえ、実感できるような心地がした。(『トータル・リコール』より、p.9)”

 ハマっていると言うほどでもないが、ここ数ヶ月ディックをよく読んでいる気がする。短編集初収録の3篇を含む、全10篇を収録。
 表題作『トータル・リコール』が良かった。火星に行くことに憧れる会社員クウェールは、ある日リコール社を訪れる。夢が到底叶いそうにないことを悟り、それならばと偽の記憶を植え付けてもらうつもりだったのだが・・・。若干バカSFっぽい、とても愉快な作品だった。「現実と非現実」というディックが好むテーマも見える。

トータル・リコール/出口はどこかへの入口/地球防衛軍/訪問者/世界をわが手に/ミスター・スペースシップ/非O/フード・メーカー/吊されたよそ者/マイノリティ・リポート

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2023年02月09日

Posted by ブクログ

短編集だけどひとつひとつのスケールがすごくて、ちゃんと面白い。いくつか映画化されてるけど全部やれそう。

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2023年01月19日

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