【感想・ネタバレ】そして夜は甦るのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年12月30日

とりあえず沢崎さんがかっこよかった。探偵なのに襲われたらすごい闘うし、犯人を確信した後の本人への詰め方が興奮する。最後、諏訪が撃った弾が「幸いなことにそれて人差し指を失った」こと、彼らはいつも肝心なことを見落とす。と言っているのもかっこいい

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Posted by ブクログ 2021年04月29日

行方不明になったルポライターの調査に乗り出した私立探偵沢崎。事件はかつての都知事狙撃事件へと繋がっていく。歯切れのいい文章、洒落た会話、手に汗握るプロット。アメリカの本格ハードボイルドの翻訳を読むような、日本のハードボイルドではかなり質が高い正統派のデビュー作だ。これで十分なのだが、今後本家を超える...続きを読む作家の登場を期待させる記念碑的名作。

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Posted by ブクログ 2019年11月17日

さすがに原尞、処女作から読み応えあり。推敲を重ねただけあって文章は練れていて、いかにもハードボイルドという味わいが漂う。古い本なので、今となってはユーモアのセンスは古めかしいかなとは思う。でも、それでいい。主人公の探偵の沢崎、錦織警部、ヤクザの橋爪という常連になる登場人物の造形も実にいい。事件自体も...続きを読む二転三転として飽きさせない。うーん、佐伯名緒子の心理だけは、ちょっと分かりにくいかな。

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Posted by ブクログ 2019年07月04日

探偵沢崎登場、伝説とも言えるシリーズの第1作である。しゃれた会話と意表を突くストーリーの大人のファンタジー。登場人物たちがやたらと煙草を喫うのが時代を感じる。しばし、ミステリーの世界に酔いしれる。

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Posted by ブクログ 2019年05月23日

ネットで見かけて。

とくにハードボイルドが好きな訳ではないと思う。
暴力にも、カーチェイスにも、銃撃戦にも、ましてや美女にも
興味はない。

ただそれらを含んでいても含んでいなくても、
心魅かれるものがあるとすれば、
それは、多分、男の「強がり」なのだと思う。
「美学」とも「やせがまん」とか、
...続きを読むびたい人は呼べばいい。

誰にも、何にも囚われないおのれ一人の哲学だけで生き、
障害に対してそれを貫く強さ。
そういう意味では、
金も名も求めず自分の技だけを追求する「職人」に似ているのかもしれない。

謎解きも面白かったし、
どう見ても実在の政治家と俳優の兄弟をモデルとした登場人物は、
都知事となることを予言していて驚いた。
そして、
国鉄も、電話応答サービスも、喫煙者までもが懐かしい。

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Posted by ブクログ 2019年03月25日

【密霧の先に】私立探偵として生計を立てる沢崎は、消えたルポライターの捜索依頼を受ける。佐伯と名乗るその男は、妻との離婚を目前に控えて忽然と姿を消してしまったのだが、沢崎は彼がある特ダネを追っていたことを知り......。著者は、本作で山本周五郎賞を受賞している原尞。

緻密なミステリーラインが魅力的...続きを読むなことはもちろんのこと、沢崎を中心に広がるこの世界観がたまらない作品。ジャンルに落とし込めばハードボイルドということになると思うのですが、この渋い小説世界にどっぷりと身を浸したくなる一冊でした。

〜彼らはいつも肝腎なことを見落とす。真実を伝えると言うが、所詮はその程度のことだった。〜

沢崎シリーズは全巻読むことになりそう☆5つ

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Posted by ブクログ 2019年03月14日

久しぶりに読む手が止まらない小説に出会った。主人公の探偵沢崎は誉田哲也の小説の東刑事に似てるなと思っていた。正義のアウトローというようなイメージだがフィリップ・マーロウというモデルがいたんだと納得した。レイモンド・チャンドラーも今後読みたい

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Posted by ブクログ 2019年02月18日

面白かった。
日本のものはあまり読まないので、このミスで初めてこの作者を知る。続けてこのシリーズ読みたい。
車や煙草、音楽と時代を感じる。所長の使い方が上手い。依頼者の行動・感情が不可解だが‥
後書きが示唆に富む。すぐ「私が殺した少女」買おう。

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Posted by ブクログ 2018年03月06日

沢崎シリーズ1作目。再読。
犯人が分かった上で、真相がはずれるほど意外なプロット。
本格ハードボイルドという最高のブレンド。
探偵沢崎だけでなく、登場人物に血が通っている。時には冷たく銃口を向け、時には熱く煮えたぎり殴りかかる。確かに彼らは生きている
クールでタフガイ。社会に飽き飽き。煙草を愛する。...続きを読む最高の探偵の登場だ。
本ミスとしてもきちんと証拠から論理的に導く。ぜひとも本格ファンは手にとってほしい作品。
「それまでの明日」にたどり着く日が待ち遠しい。

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Posted by ブクログ 2017年06月18日

「そして夜は甦る」。原りょうさん。1988年のデビュー作。ハヤカワ文庫。

原りょうさんの、「探偵沢崎シリーズ」の第1作です。

「探偵沢崎シリーズ」というのは、

●主人公が「私立探偵・沢崎」(下の名前は誰も知らない。そういう意味では「新宿鮫」もそうですが)。

●全て、沢崎の一人称。という意味も...続きを読む含めて、強烈に、レイモンド・チャンドラー作の「フィリップ・マーロウ・シリーズ」の日本版、という確信犯的な作り。

●1988「そして夜は甦る」、1989「私が殺した少女」、1990「天使たちの探偵」、1995「さらば長き眠り」、2004「愚か者死すべし」。計5作しか今のところない。

●どれも、文章、風格、無駄の無さ、全て一級品で、オモシロイ。と、僕は思います。

●恐らく作者の意思でしょうが、まったく映像化されたことがありません。

というシリーズ。



そして、フィリップ・マーロウ的なブンガク世界を真面目にやっていますから、事件のあらすじを描写することに意味はないんですが...

「そして夜は甦る」という小説は、

●大財閥のファミリー、そこの娘から、「夫であるルポライターが行方不明、探して」という依頼を受ける。

●ルポライターは、どうやら「記憶喪失の、指が一本無い男」の取材?をしていた。

●指が一本無い男、は、どうやら、「都知事選候補者狙撃未遂事件」の関係者である。

●都知事(と、その弟)は、石原慎太郎さん(と、その弟の裕次郎さん)を、露骨に彷彿とする人物。

●結局、全ては、都知事(慎太郎サン的な人)と、その弟が、都知事選に当選するために描いた狂言だった。

●そしてその犯人役を、身内で騙してなすりつけようとする財閥ファミリー内の犯罪があった。

というお話です。

「狙撃犯の男」は、設定としてはジャズピアニスト。
犯人のうちの数名は、映像プロダクション、映画会社の助監督だったりスタッフだったりします。
(作者の原りょうさんが、長らくジャズピアニストとして活動されていました。でもそれでは(恐らく)食べて行けずに。
長い間、映画や映像の制作現場で助監督をやったり脚本を書こうとしたり、されていたそうです)



あまり説明するのも野暮なんですが、このシリーズ、僕は大好きです。(再読です)
フィリップ・マーロウの日本版である、というのはその通りなのですが、そんなことよりも、「それで、面白いのか面白くないのか」ということだけだと思うので。問われるべきは。

主人公の皮肉、比喩、独白の文章の切れの良さ。反骨精神。でも大人なしなやかさ。
それから、娯楽に徹してダレ場の無い展開。テンポの良さ。
つじつまとか、自然さとか、リアルとか。そういう近代日本ブンガク的な四畳半風味にまったく囚われない、エンターテイメントな自由さ。
僕は実にオモシロイし、好きです。
今回も、ちょっとばたばたしてて、「確実に面白い本を読んで癒されたいな」という状況で、再読してしまいました。



チャンドラー風、マーロウ風の中年日本人男性をどう作るか、という工夫のあとがあちこち見られます。
原さん自身がそうなんでしょうけれど、「囲碁ファンである」というあたりなんか、良いなあ、と思います。



携帯電話も無い時代、1980年代後半。
近過去の風俗資料っていう懐かしさ?という意味でもチョット面白かった。



シリーズ全体を貫く設定が、

主人公沢崎は、かつて、渡辺、という探偵に薫陶を受けた。事務所も「渡辺探偵事務所」だった。
ただ、その渡辺(元刑事でもある)は、妻と子を交通事故で亡くしてしまって以来、アル中に。
そして、暴力団の大量の麻薬と、億単位の現金を盗んで失踪してしまった。

という過去のアヤがあります。

今回再読して、「妻と子を事故で亡くして、アル中になった」という一文が、グッと来ました。
初読のときは、確かまだ、独身でした。

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Posted by ブクログ 2023年10月23日

★3.5だけどおまけで。
続編が多分直木賞だと思いますが、この処女作の方が何となく良い。
こなれているという意味では断然次作なんですが、何と申しましょうか、こういう世界を描きたいんだという熱を感じます。正直に言えば、推理の仕立てとしては緻密とは言えないと思います。でもそれを補って余りある作家の気合い...続きを読むがこの作品の魅力かと。

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Posted by ブクログ 2023年08月14日

追悼。なので☆はプラス1つ。デビュー作にしてこの品質。さすがです。それにしても、執筆が予定されていた次回作、読みたかったな~。本作や、オールタイムベスト入りの”~少女”より、最新作が一番素晴らしく思えただけに、その続編たる新作が読めないのはいかにも残念。ご冥福をお祈りいたします。

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Posted by ブクログ 2023年05月17日

ハードボイルドだ。レイモンド・チャンドラーの描く主人公フィリップ・マーロウのような探偵 沢崎が主人公。緻密な描写と粋なセリフで物語をぐんぐん引っ張っていく。文体に慣れるまでは読みづらいけれど慣れると快感に変わる。面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年05月09日

正統派ハードボイルド作品。都内で探偵業を営む「私」こと沢崎が資産家の娘の夫を探す事件から大きな陰謀に巻き込まれていく。プロットとしてはこの手の作品にありがちな展開。しかしながら沢崎の減らず口と数多な登場人物たちを使い切る手立てが上手い。なおかつ緩和した部分というか作品に遊びが無いため緊張した場面がず...続きを読むっと続く。普通なら読んでいるうちに疲れてくるが、沢崎が軽妙に語るためにしんどさが現れてこない。終盤が駆け足すぎるのがもったいないのと風呂敷を広げすぎているように思える点が気になるが、完成度はピカ一の傑作。もうめちゃくちゃ面白い。

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Posted by ブクログ 2021年02月04日

かなり昔だけど、実は一度読んだことがあって忘れていただけ?・・と思わせるようなテイスト。実は初読。お約束のような道具立てと気の利いた状況要約。
ベアノ曲線のように、細かい細かいピースを、探偵の目線動線でくねくねと辿っていくうちに、一枚の絵が浮かんでくるような読書体験。

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Posted by ブクログ 2021年02月02日

30年ぶりに読み返した。
やはり傑作。
チャンドラー好きだけあって硬質な文体が心地よい。寡作なのが残念だが未だに駄作は無いよね。

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

"昭和の探偵小説。物語の真相は読み返して確認したくなるほど込み入っている。
酒とタバコと自分で決めたルールは曲げないこだわりと粋なセリフで構築された物語は最後まで読者を飽きさせない。"

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Posted by ブクログ 2018年07月08日

あまりに、チャンドラーのエピゴーネンで、その潔さが却って清々しい位。
一人称の視点・短い文章・気の利いた(風に見える)科白回し等々。
「私が殺した少女」をかなり前に読んだから詳細を忘れていたが、ああそうなんだったなと思い出した。

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Posted by ブクログ 2018年04月30日

探偵沢崎の一作目を再読。
テレビで見たマーロウが格好良かった♡ので、チャンドラーを読んでて、『チャンドラーに捧げられた一作』という紹介があったので手にしたのか?ハードカバーの生頼義範絵でジャケ買いしたのだったのか??

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Posted by ブクログ 2023年05月17日

私立探偵沢崎シリーズ第一作。ハードボイルドの名作。
探偵沢崎は、両切のピースのタバコを吸い、車はブルーバードに乗っている。
新宿にある3階建モルタル塗りの雑居ビル、東京オリンピックの年に建てられだという、そのビルには、はげかかったペンキで渡辺探偵事務所と書かれてあり、そこに沢崎はいる。

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Posted by ブクログ 2021年04月10日

探偵 沢崎シリーズ 第一弾。

沢崎の探偵事務所に一人の男がやって来て「佐伯を探してくれ、ここへやって来たはずだ」と言うのだが沢崎には何のことか分からないところから始まる。

その後別の佐伯の妻からも同じ依頼を受けることとなり佐伯を探し始める。

王道を行く探偵小説で物語の本筋から外れた枝葉も面白い...続きを読むのだが、ストーリーが複雑な上登場人物が多くページを戻ることが多く その点が楽しめなかった。

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Posted by ブクログ 2019年08月25日

原尞 「そして夜は甦る 」ハードボイルド探偵小説。会話の中の比喩がとてもクールでいい感じ。暴力描写も少なく、お金、女性、お酒、権力との適度な距離も 現実に合っていて 自然な展開。唯一残念なのは 煙草シーンがものすごく 多くて、煙草=格好いい という演出の古さは感じた


「勝負に負けた人間は嫌いでは...続きを読むないが〜自分の敗北に気づかない人間は性に合わない」

「一夜にしてなれる仕事は 政治家と売春婦だけ」

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Posted by ブクログ 2019年03月14日

ストーリーの複雑さ、情報量の多さで思いの外疲れる。ハードボイルド作家のミステリー色濃厚なデビュー作。それにしても誰も彼もがヘビースモーカーで、それが普通…そんな時代もあったねと、懐かしく思った次第。

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Posted by ブクログ 2018年10月15日

うーん、チャンドラー。東京が舞台というところがリアルと言えばリアル、その分泥臭いと言えば泥臭い。前半にくらべて後半は謎解きに終止していてダンディズムが今ひとつという気がした。

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Posted by ブクログ 2018年06月20日

1988年刊行なのに不思議と古さは感じなかった。チャンドラーを通っていない自分には新鮮でもあったし、全編探偵視点なのは複数視点挿入の作品より物語そのものに集中できるので好みだ。携帯もITもない時代、ひとつひとつの可能性を根気よく潰していく調査は地味だが実直で、沢崎×錦織の凸凹コンビの合同捜査も王道の...続きを読む胸踊る展開。黒幕のモデルが丸分かりなのはご愛嬌か。登場人物が多いので、事件の真相が解き明かされる終盤の展開には頭がこんがらがりそうになった。しかし、高田馬場BIGBOX、1Fの古本市はそんな前からあるのか…。

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Posted by ブクログ 2018年06月09日

沢崎探偵シリーズ1作目。序盤から中盤まではグイグイきたが、少しずつ明らかになるにつれ違和感が出て、全体的にはまあ普通。個々のキャラクタのイメージがなあ。佐伯夫妻が何故結婚したのかピンとこないし、辰巳玲子を活かしきれてない感じがするし、海部雅美の描写が中途半端な気がするし。当時の世相はいいのだが、実際...続きを読むの事件等を想起させるようなストーリはあまり向いてないと思った。勿論文章は素晴らしいので楽しめますが、自分の著者へのハードル設定が高いので、この作品は並の評価で。

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Posted by ブクログ 2018年04月28日

文章のスタイルは好きだ。
展開も面白かった。
でも所々しっくりしない所があった。
それぞれ事象に動機や理由が弱いんだと思う。それ故どうしてその事に至ったのかがしっくりこない。
読み終わって少し物足らなさを感じた。
これがデビュー作なので次の直木賞受賞作を読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2018年03月09日

内容(「BOOK」データベースより)

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。西新宿に探偵事務所を構える沢崎が立ち向かう難事件の背後には巨大な陰謀が隠され、鮮やかなラストシーンに向って物語はスピーディに展開してゆく。レイモンド・チャンドラーに心酔する、ジャズ・ピアニストの著者が2年の歳...続きを読む月をかけ完成させた渾身の処女長篇。いきのいい会話と緊密なプロットで贈る、期待の本格ハードボイルド登場。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

チャンドラーっぽいな、と思ったら、後書き的な短編にまさにマーロウの話が出てきた。

沢崎という主人公はどうにも友達になれそうにない男だけど、錦織警部とのコンビ(と呼ばれたらお互い嫌な顔をするだろうけど)もなかなか良いし、結局は真相にたどり着くところが凄い。
全体のストーリーも重厚で、味方かと思ったの...続きを読むが敵だったり予想外の人物が予想外の行動を取ったりして、楽しめた。
文章が海外の探偵ものっぽいので、新宿や池袋にいることに違和感があったりして。

にしても、兄が作家で弟が俳優の都知事とか、なんかこう……にやにやするね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年08月25日

ハードボイルドな探偵の物語。

少しひつこいぐらいの回りくどい表現が、読み進めるスピードを遅めるのだが、
全体的には良いストーリーだし、キャラもいい味付けができていると思う。

最後まで読んで、やたら疑問が残った事が多く、
不完全燃焼だった作品

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