【感想・ネタバレ】職業としてのAV女優のレビュー

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チェック項目15箇所。女性たちの裸仕事に対する意識も変わり、かつては「たくさん稼いで、早く足を洗いたい」だったものが、いつの間にか「できるだけ長く続けたい」というものが一般的になっている、ただ生きるには希望がなく、女性たちが裸になってでも誰かに承認されたいと願う社会が、セックスを売るAV女優たちに敏感に反映されているのである。「AV女優はお金になるだろうけど、バレるリスクがあるからやりたくない――」というのが、かつての常識だった、だが、現在AV女優は決してお金になる職業ではない、AV女優の全体の80%以上は一本数万円という報酬、専業の場合、遊ぶどころか、質素な自分の生活を支えるのも困難である。同じセックス行為をしても女性のクオリティによって価値は異なり、その大きな要因がルックスや裸という経験や努力ではどうにもならない、生まれながらの資質、そのため残酷なほど大きな格差が生まれることになる。AV女優は現場から現場を駈けずりまわって、日当ギャラであらゆる性行為を披露して売り歩く職業である、病気や怪我、誰かにバレるなど、リスクが極めて高いわりに世間が思っているほど収入は高くなく、過酷な行為が要求される大変な肉体労働である。労働量が増えているのに収入源、なのに志願者増。女性の裸やセックスは、経験がないほど、汚れがないほど価値が高く、AV女優は身を切り売りしながら延命するという一面がある、AV女優はプロの職業でありながら経験するほど価値が下がるという生鮮食品のような商品であり、数ある職業の中でも特殊な性格を持っている。モデルプロダクションの面接で、まず見られるのは顔とスタイルである、自身の肉体のすべてが商品であって、面接では売れるか売れないかの判断をされる。矯正すれば売れると判断されれば豊胸手術などを勧められる、豊胸手術も確実に売れて費用を回収できるならばモデルプロダクションが出す場合もあるが、基本的には稼ぐための自己投資ということで自費である。現在のAVやエロ本を見れば一目瞭然だが、クオリティの高い女性歯科撮影という機会は与えられず、誰でも裸になる覚悟をすれば、いくらかのお金になるという時代は完全に終息している。一部のNPO法人に「売春を貧困女性のセーフティネットに」という動きがあり、アウトローの専売特許であった性風俗への斡旋やモデルプロダクション業務に、将来的にNPO法人が乗りだしてくる可能性がある。メーカーや製作者にとっては過激な撮影をするのはユーザーの意見や希望に沿おうという企業努力であり、メーカー間の競争が激しくなるほどギリギリの一線が求められる。”健全化”の波によって追いだされたAV女優だけでなく、プロデューサー、AV監督、男優、営業、カメラマン、デザイナーなど、AVの高クオリティ化についていけなくなり職を失った者はたくさん存在する。「最初は自分が特別な存在だから、専属女優になれたと思っていたんです。でも全然違いました。なんでも一生懸命やります、NGなしです、なんて女の子が私しかいなかったから利用されちゃっただけなんです」。AV女優を退職後に不安定な生活を送っている女性たちは、その原因が決してAV女優をしたことにあるわけではない、彼女が普通の生活を送れないのは、家族がいて規則正しい生活を生まれてから一度も経験したことがないのでわからない上に、彼女自身も平穏無事な普通の生活を望んでいるわけではないからである。カラダを売る刹那的な世界から抜けられないのが、女性がカラダを使って稼いでしまった成功体験の怖さである、やがて一般社会は別世界と思うようになって、「カラダを売る意外に自分には、なんの能力もない」と思い込み、明日を生きるためにしがみつき、惨めな想いをしながら「堕ちる」ことに慣れてくる。

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2014年11月06日

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かつて汚れた職業だったAV女優ももはや人気タレント商売。闇が狭くなっていく。いや、闇が広がってきているからか…。

 闇に、飲まれよ!!!!


 AV女優に普通の子が増えたのは、闇に光が当たるようになったからというポジティヴなものだけじゃない。そう思った。
 やはり不景気の影響で、また、日本の経済が合理化した結果、あらゆるものに経営の効率化が導入された。経営の合理化には迷信を排除する性質がある。それゆえに「性産業は汚い仕事」というイメージを払拭し、利益の最大化のために刷新された。
 人の性を売り物にするという倫理観と引き換えに市場が拡大し儲けが急拡大した。ただ、その拡大した利益は強者によって分捕られたともいえる。
 それまで汚い仕事は弱者の特権だった。それが奪われたんだから、格差の拡大だよな。

 格差の拡大が悪いとは思わない。きれいなAV女優のエッチな姿の方がみたいと思う。
 でも、闇を狭められた弱者はいよいよ行き場を失って、爆発する可能性がどんどん高まっていると思う。
 
 本当に日本は成長した結果、フロンティアが無くなってきてんなーと感じた。

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2015年09月20日

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AV女優を職業としての見地から分析した本。この本によれば、今の時代はAV女優になっても一般のOLほども稼げないという。また、AV女優になるにも、志願者が激増しているため、なれる率が17%程度で非常に狭き門となっており、仮になれたとしても、それで食えるほどのレベルになれるのはごくわずか、食えるようになったとしてもAV女優の賞味期限が短いので、あっというまに稼ぎは落ちるとのこと。何もかもさらけ出さなきゃいけない職業なのに、厳しすぎる・・・・。

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2014年09月20日

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真面目に業界の事について書いてある。
AV女優と一口に言っても今と昔とでは、世間の見方も内情も激しい変化があるみたいです。
性倫理が緩くなり普通の女性が多数入るようになった反面、それまでそこをセーフティーネットにしていたマイノリティの女性の行き場がなくなる。
コンプライアンス等が整備されキレイな職場になった反面、供給過剰による賃金の低下や過重労働の問題が出てくる。
消費スピードが激しい現在、薄利多売になって大変なのはAV業界も変わらないようです。

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2016年02月20日

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男性のみならず、最近は女性もお世話になっているAV女優。『AV女優』という特殊な仕事にスポットを当てた一冊。彼女たちの苦労を知る内容である。人気ぐ出たり、売れると判断をされれば良いがそれ以外は苦しいのだなという現実。売れた(売れる)にしてもとてつもなく、ハードな肉体労働をしなければならない。素人判断だが、給料が見合ってないんじゃないかと思ったりする。最近はAV女優になりたい女性が多いと聞いて、たまげた。

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2015年10月20日

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中村淳彦さんの『職業としてのAV女優』を読みました。 AV業界全般の変遷や仕組みについて書いたノンフィクションです。
中村淳彦さんは、社会の暗い部分にスポットを当てたノンフィクションの本を多く書いています。

幻冬舎のWebサイトで『中年童貞』にインタビューするコラムなども担当されていて、中年童貞になるにあたっての背景などを訊いています。そこには過去のいじめなど社会的な問題が見え隠れしていて、とても考えられます。

○AV女優が一般的な存在になってきている
この本を読んで驚いたのは、かつて裏社会的でタブーだったようなAV女優が一般的な職業になってきているということです。それにはいくつの理由があるそうです。

○環境整備が進んで業界が健全化してきたこと
AV業界は合法と違法の間に位置するパチンコ業界のようなもの。数々の摘発や裁判を経て危険な経営を行う企業は淘汰されていったため、業界全体が安全路線へ移行しているそう。また、安心して仕事ができるように性病や衛生面に関する環境整備が進んだことで、『危険な業界』というイメージから『安全な業界』へとイメージが変化しているそうです。

○価値観の変化からAV女優=恥ずかしい仕事と思わない人が増え始めた
かつてはスカウトが中心で、自ら足を踏み入れる人の少なかったこの業界も現在では、アイドルになるのと同じ感覚で自ら足を踏み入れる人も増えたそうです。また、親や家族に自分の仕事のことを躊躇せずにオープンにしている女優も多いんだとか。

○懸念
AV業界の環境整備が進んでいることはとても良いことだと思うのですが、リスクももちろんあります。 イメージが変わったとはいえ、自分の裸が映像として残り続けることは揺るぎない事実。しかもデジタル全盛の現代では、1つの作品がバンバンコピーされてどんどん拡散していきます。また、AV女優のイメージが変わることで新たな問題も・・

○AV女優がなくなったことで、女性のセーフティーネットが1つ減った。
かつてAV女優は、社会のセーフティーネットとして機能している側面があったそうです。 大衆に裸を晒すことになるAVの仕事は、多くの人がやりたがらないから、賃金が高くて、誰にでも望めがチャンスのある仕事でした。
ところが、AV女優を自ら志望する一般女性がとても増えたことで、結果的にAV女優は、容姿端麗、水商売経験無しなど高いレベルを求められるようになっていきました。貧困層や他の職業を継続することが困難な、精神的に不安定な女性が働けない状態になってきているのです。
セーフティーネットとして健全ではないかもしれないけど、ホームレスを脱却するため、AV女優を志すも、需要がなく売春を続けている女性の事例などもあるそうです。

○新たな展開
驚きなのが社会のセーフティネットとして、AV女優を斡旋するNPO団体などが現れる動きもあるんだとか。色んなことを考える人がいますね。 一見ぶっ飛んでいますが、良い側面もあるそうな。深くは知らないので僕はなんとも言えません。
近年インターネットの登場などにより業界全般がどんどん変貌しています。AVなど性風俗の世界にも例外なく様々な変化がおきています。 今後の日本は、人の暮らしはどのように変わっていくのでしょうか。

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2016年03月06日

Posted by ブクログ

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名前のない女たちは、「うううー」と心が痛くなりながら
読んだけど、こちらは第三者的に業界を語っている本であるため、読み物・自分の知らない世界のこととして楽しく読めた。。
AV女優のその後では、まさに個人の数だけ人生があるなーって感じ。。
行き当たりばったりに結婚して離婚して子供はネグレクト、ってのは悲しすぎる・・・。負の連鎖ってこうやって続くんだなー・・・と暗くなる。。

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2015年01月06日

Posted by ブクログ

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≪目次≫
序章   新人AV女優の誕生 毎年6000人
第1章  AV女優の労働条件 日当3万円~
第2章  AV女優の労働市場と志望理由 倍率25倍
第3章  AV女優労働環境の変遷 96年のカオス
第4章  労使トラブル 損害賠償1000万円
第5章  AV女優の退職 引退後の付加価値は2倍
わりに

≪内容≫
以前読んだ本では、精神的な問題や家庭の問題からAV界に入る女性が多い、と感じていたが、同書によると、今は女性側が積極的にこのジャンルに足を踏み込んでいると知り、ショックを受けた。
一方、仕事はハードで、心身ともに病んでしまうことも多く、また旬が短く、すぐにお払い箱になる。その後は風俗業界に流れることが多いと言うのhは、わかる気がする。
自分の与り知らぬ業界の話だが、恐ろしくもあり、興味もある話であった。

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2017年10月04日

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