あらすじ
妻を自殺で亡くしたシングルファーザー、恋人から突然別れを切り出されたOL、不況に苦しみ、鉛のような心と身体をもてあます会社員……思うようにいかない人生に、苛立ち絶望しながら、それでも新たな一歩を踏み出そうとする勇気。苦しんでも、傷ついても、人は夢見ることをやめられない──。平凡な日常に舞い降りたささやかな奇蹟の瞬間を鮮やかに切り取り、かじかんだ心に血を通わせる感動の短篇集。
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Posted by ブクログ
様々な苦境から立ち直ろうとする話が、300ページ足らずの中に12編描かれています。短編は感動が浅くなりがちですが、しっかり感動させてくれました。再生はちょっとオカルト的ですが、ハッピーエンドでした。読後感良好、前向きになれる本です。
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12編の短編集。
社会的弱者が、そこから抜け出す成功物語でも、強者たる悪い奴をやっつけるのでも無く、再生を期する話。英雄による勧善懲悪ではなく。ほとんどが考え方を変える事による再出発で、現実的でよい。
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ヒーロー、ヒロインは出ず、日々を懸命に生きる人物達をある意味ドラマチックに表現する。
初めて読んだ作家だったけど、ハマった。日経新聞土曜版で書いている人生相談コラムは読んでて、非常に真っ当な考えをする方だとは感じていたけど、ここまで視点が優しい人だとは。別な作品も読みたくなった。
読みやすい
短編なので読みやすかった。
石田衣良さんの作品は
一度はまって読んでいましたが
またハマりそうです。
作品のなかには上手すぎだろ!その内容!
ってのもあったけど、
皆、必死に生きてるんだな!
って思いました。
色々、私自身に思い当たる節があり
反省してこれからの私の生き方に
反映できたらいいなって思います。
Posted by ブクログ
切なさと温かさが共存する再生がテーマの短編集。短編集はあまり好きではない私には珍しくどの話も良かったが、『ミツバチの羽音』『海に立つ人』『火を熾す』『出発』が特に好き。『ツルバラの門』も良いが、主人公がボスママとの立場が逆転し、責める側に回りかけた点が気になった。アルツハイマーは恐ろしい病気だ。最後のリストラされた50代の父親の話で「どんな波もいつかは必ずすぎ去っていく。きっとこの波も越えられる」とあったが、小説としては綺麗なまとまり方だが現実を考えると少し虚しくなってしまった。
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切なくてなんだか最後にはほっこりするような話ばかりの短編集。
辛いことがあったとき読んだら少し元気になる気がする。
「銀のデート」が一番好き。
切なくなってしまった。
あきらめからの再生
あきらめからの再生というような基調を持つ12編の短編集。
やや重苦しいテーマを扱っているが、やや明るさの見える終わり方をしている作品が多いので読後感は悪くない。
中でもタクシー運転手の話が気に入った。
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再生。
今は辛い時期だけど、
必ず人はまた前に進める。
ウィルスに負けずに、
少しずつでも再生できる様に。
みんな頑張っているから、
私も頑張るよ。
Posted by ブクログ
再生をテーマに描いた12の短編集。半分は実話だという。妻を亡くしたり、リストラされたり、人生色々な事が突然起きる。それでも人は何とか生きていく、必ず再生できるはず。どれも頑張ろうと思える物語。
Posted by ブクログ
妻を自殺で亡くしたシングルファーザー、恋人から突然別れを切り出されたOL、不況に苦しみ、鉛のような心と身体をもてあます会社員…思うようにいかない人生に、苛立ち絶望しながら、それでも新たな一歩を踏み出そうとする勇気。苦しんでも、傷ついても、人は夢見ることをやめられない―。平凡な日常に舞い降りたささやかな奇蹟の瞬間を鮮やかに切り取り、かじかんだ心に血を通わせる感動の短篇集。
Posted by ブクログ
再生というより再出発と言った感じだが、
それを再生と表記するところが石田衣良っぽい。
いずれもどん底にいる人が新たな出発にでる短編集。
特に「海に立つ人」「銀のデート」が心に残った。
Posted by ブクログ
短篇集。
どれも石田衣良さんがインタビューして描いたという実話に基づいた物語らしい。
確かに現実味あるし、自分にも、周りでも起きそうなストーリーばかり。
だから等身大のストーリーは自分に置き替えてしまい、励まされる内容だった。涙ぐむストーリーもあって読みやすかった。
タイトル通り、「再生」をコンセプトにしたストーリー。
自分にとっての幸せの形を考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
妻に自殺で先立たれた夫、結婚を意識していた恋人に突然別れを告げられた女性、権威ある仕事に一生懸命取り組んでいたらリストラを言い渡された父…
こういった困る出来事って、突然訪れるものなんだと思う。
でも、そんなにすぐには這いあがれないから、苦しい。
だけど、悲しみはいつまでも続かない。気づかないくらいの光が差し込む時は、必ず来る。
そんな一瞬を取り出したのが、この本だと思う。
恋愛や家族のテーマもあるけど、ADHDなどの発達障害、金融危機をはじめとした経済的な問題など、時代に応じたテーマが選ばれている。
ほんの少し、心が前向きになれる一冊。
Posted by ブクログ
ありそうなことだと思ってたら、実話ベースのお話が中心とのこと。
大変な「日常」を淡々と書いてあって、だけどどのお話も最後はなんだか劇的!
すきだなあと思える本(^^)
Posted by ブクログ
石田衣良さんって、華やかなイメージだったので
こういう、メンタルに必要以上の負担を抱えている人間を描くことに
驚いてしまった。そんでもって上手い。
言い得て、妙。な表現が随所に。
久しぶりに良い小説だったな。
Posted by ブクログ
12編の短編集。
その一つひとつが、人生に立ち止まったり、行き詰ってしまったりしている主人公が、明日へと進んでいくための“一歩”を踏み出した瞬間を描いたものでした。
そうだなぁ~、私も、日々生きていく中で何かに絶望しても、小さな出来事、小さな事をきっかけに、支えにしながら生きてきたなぁって思いました。
ひとはきっと、人生を「再生」することができる。
立ち止まっても、きっとまた歩きだすことができる。
そう信じることができる一冊でした。
Posted by ブクログ
「再生」という題名がじーんと染みいる本。
後輩ちゃんが貸してくれた本。
石田衣良さんといえば、いろいろな種類の本を書かれるのだなぁと少しびっくり。
題名は忘れたけど、40代すぎの女性と年下男性との恋愛小説を昔読んだことがある気がするんだけど・・・
登校拒否、精神的疾患、アルツハイマー、失恋、などなど、日常生活の中に潜む心の闇に焦点を当て、
そこから懸命に歩き出そうとする姿を描いている。
私が好きなのは、「東京地理試験」「銀のデート」
どちらも熟年の夫婦愛が描かれていて、涙が出そうになるくらい温かな気持ちで溢れていた。
どんなに傷ついても、つまずいても、また歩き出せる。
私も決して順風満帆ではないけど、そう元気づけられた1冊でした。
Posted by ブクログ
12編の短編集
辛い経験をするが
新たな一歩を踏み出せる
「再生」できるストーリー
ジーンとするストーリーが
あり、通勤中の電車の中で
やばかったです(笑)
Posted by ブクログ
短編集。半数以上が実話を元にしているとのこと。
●印象的な描写
・人の心の強さは各自ばらばらでらある者には耐えられる衝撃がたやすく別の者の心を砕いてしまうのだ。
・今日子は自分が夜の川に吸いこまれていくように感じた。身体ではなく、心がである。もう別に死にたくはなかった。この流れのまえでは、自分の命も、失恋も、ほんの一滴の水のようなものだった。わたしたちは一滴にとらわれ、一滴を憎み、それでもその一滴からほんの一歩も外にはでられない。それでも、その他大勢の滴たちといっしょに、この川のように流れていかなければならないのだ。生きていることなど、ちいさくてつまらなかった。
・人には立場があって、台詞というのはその立場にくっついているものなのだろう。
・人に夢をきくのは、本来自分の志と刺し違えるほどの重大事だったはずだ。いつから誰もが気安く夢を質問しあうようになったのだろうか。生きがいや仕事や夢は、手軽なアンケートの一項目ではない。十年二十年と胸に秘めて、ひそかに努力を続ける。それがたとえ指先だけでもほんものの夢に手をかけるということではなかったのか。
●初めて知った言葉
・鎧袖一触: 相手をたやすく打ち負かしてしまうたとえ。弱い敵人にたやすく一撃を加えるたとえ。鎧の袖がわずかに触れただけで、敵が即座に倒れる意から。
・ミッドライフクライシス:中年期の心の葛藤。自分の人生は本当にこれでいいのか?といった考え方からこれまでの生き方や自分自身方 に自信がなくなったり、不安になったりすること。
・フラクタル構造:ある一部分を切り取ると、全体に相似した構造になっていること。
・不定愁訴:臨床用語で、患者からの「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、「なんとなく体調が悪い」という強く主観的な多岐にわたる自覚症状の訴えがあるものの、検査をしても客観的所見に乏しく、原因となる病気が見つからない状態を指す。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
妻を自殺で亡くしたシングルファーザー、恋人から突然別れを切り出されたOL、不況に苦しみ、鉛のような心と身体をもてあます会社員…思うようにいかない人生に、苛立ち絶望しながら、それでも新たな一歩を踏み出そうとする勇気。苦しんでも、傷ついても、人は夢見ることをやめられない―。平凡な日常に舞い降りたささやかな奇蹟の瞬間を鮮やかに切り取り、かじかんだ心に血を通わせる感動の短篇集。
令和2年5月14日~17日
Posted by ブクログ
平凡な人たちが主人公の短編集。どのお話もよかったが個人的には「仕事始め」がよかった。自律神経失調症になってしまう主人公のお話なのだが、私もその病気らしきものにかかったことがあり、周りにはつらさをわかってもらえないが、自分自身が自分でない気がしてつらかったのを思い出した。
Posted by ブクログ
短編集で、とても読みやすかったです。
実話がベースになっているからなのか、どの話も身近に感じました。
疲れている時や、あまり元気が出ない時にも無理なく読める話が多かったです。
私は、焚き火の話が1番好きでした。
読み終わった今、焚き火がしたくてたまりません!
同じような場所が近くにあったらいいのになぁと、つい探してしまいました。
Posted by ブクログ
短篇集で、ちょっと空いた時間に読みやすい。
事実を元にしたショートショートとのことであるが・・・そのためか、なんとなく感情移入しやすい気がする。
しかし、石田衣良の「色」が確実に出ている。
Posted by ブクログ
人生の途中で困難に直面した「普通の人たち」が、どうにか自分に折り合いをつけて立ち直るといったテーマの短編集。
確かに書かれた当時の時代背景をよく反映しており、決して強引ではない解決方法に石田氏の優しさを感じますが、短編なだけにあっさり読めすぎるところが”満足”とまでは思えませんでした。
Posted by ブクログ
いろんな人の物語が詰まった短編集。
なんと、12の短編のうち半数以上が、作者が直接当人から話を聞いて小説に仕立てたものだそうです。
個人的には「東京地理試験」と「銀のデート」が好きでした。