【感想・ネタバレ】韓非子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

中国のマキャベリとも言われる韓非子
戦国時代の思想だけに、厳格な法治と冷徹な権謀術数による君主権力の強化こそが民を混乱した世の中から救い出し、儒家のいう「仁」にも叶うのだという。現代の感覚からするとやや姑息なニュアンスが強い内容になっているが、こういう時代背景では仕方ないのかもしれない

君主は「術」すなわり、臣下を操るため密かに用いる技術(他人に悟られてはいけない)と「法」として公開した上で厳しく思考する制度の二つを運用すべし。戦争に勝った時、君主でなく臣下が尊敬され、勝ち取った領土が臣下個人の領地になってしまうのは、君主に臣下の悪事を知るための術がないからだ。いくら法を整備しても臣下たちはそれを自分の利益のために用いる。刑罰と恩賞を君主自身の判断で実施することで臣下を意のままに操ることができ、君主が権力を我が手に握るための方法でもある。

術の秘訣は利と威にある。人の欲望を操る餌である恩賞が利である。そして人の恐怖心を煽り君主の威厳を示す手段である刑罰を威とよんだ。
色々な君主の術を七術として分類しており
1.いろいろな人の言行を照らし合わせてみる
2.必罰をもって威厳を明らかにする
3.信賞をもって能力を尽くさせる
4.いちいち臣下の言を聴き、その結果が言に一致することを求める
5.故意に疑わしい命令を出したり、逆の命令を出して臣下を惑わせる
6.知っていることを知らないふりをして臣下に尋ねてみる
7.褒めるべきものを反対に謗ったり、憎む相手を可愛がったりする

0
2017年05月30日

「小説」ランキング