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有栖川有栖によるノンシリーズの短編集。
鮎川哲也へのアンソロジーやSFチックなもの、数ページのショートショートなど、有栖川有栖のいろんな側面が垣間見える興味深い作品集となっている。本格的なミステリだけでなく、ミステリとしては反則だろうという作品、ちょっとホロリとくるハートウォーミングなものまで各種取り揃えてあり、ある意味では散漫ではあるが個人的には大変楽しめた。
それにしても、表題の「壁抜け男」、本当にある作品なら見てみたいと思ったが、作者の創作だったとはちょっと残念。
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とても多彩な短編集です。
まだこんなにも引き出しがあるのかと思うと、ファンには嬉しい1冊。
短編集の魅力を存分に堪能出来ました。
ミステリ作品はもちろん楽しく、その中で恋愛物も多い作者ですが、官能的な作品はあまり見かけないので「恋人」は新鮮です。
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これが同じ人物が書いた作品なのかなと、思ってしまった。ページを捲るごとに違った世界が楽しめてしまった。
本を読むって本当に凄いや。
一冊でたくさんの世界を魅せていただけて、作者である先生に感謝。
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面白かったぁー
短編でいろんなストーリーと毛色のあまりにも違うストーリーのオンパレードで、パッケージミステリーという感じ。
恋愛系、殺人系、オカルト系、後味悪い系、近未来系、ファンタジー系のミステリーパック!
これは面白い。楽しめます。
いろんなお話すぎて、毎回最初の1ページで少し戸惑う。笑笑
次はどんな設定!?っていう。
これは本初心者でもどれか一つはハマりそうなネタです!!!!!!!!
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短編集。どの作品もミステリらしい趣向が散りばめられており短い小説ばかりながらどれも面白く読めた。「猛虎館の惨劇」は有栖川先生の猛虎魂が見れて笑えた。個人的に好みなのは「キンダイチ先生の推理」「Cの妄想」「迷宮書房」「怪物画趣味」かな。
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作者のあとがき通り「混沌」としています。
けれど、有栖川さん色でまとまっている。
こんなに雑多で「好き勝って書いてるな~」と
感じた短編集は初めてだったけど、そこが面白く、
どの話も終わりの向こう側を妄想できる楽しみが
備わっていました。
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盛りだくさん!
こういうのを盛りだくさんと言うのだろう。
統一性が無いのが逆に良い。
あとがきでもう一度たどったが、初出、依頼された経由などもさまざまで、面白話やパロディなどが多い理由もうなずけた。
最近は、真面目というか、平坦な感じのアンソロジーや短編集が多い気がする。
叩き気質のネット社会のせいか…そういう時代になってしまったのだから仕方がないが。
『屈辱のかたち』…言われてみれば。当人にしか分からない。
『ざっくらばん』は、すっかり「ざっくばらん」だと思いこんで読んでいたため、「え?これ、別の意味があるの?オチは何?」と混乱したが、そういうことでした。
『怪物画趣味』ちょっと乙一っぽい。
『ジージーとの日々』ご本人は苦手とする分野のようなことを書いていたが、私は好きな話。
『恋人』有栖川さんは、山の中や湖の風景の描写が美しい。「スウェーデン館の謎」の冒頭も美しかった。
ガラスの檻の殺人/壁抜け男の謎/下り「あさかぜ」/キンダイチ先生の推理/彼方にて/ミタテサツジン/天国と地獄/ざっくらばん/屈辱のかたち/猛虎館の惨劇/Cの妄想/迷宮書房/怪物画趣味/ジージーとの日々/震度四の秘密/恋人
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16篇の短編集。
有栖川有栖はアリスシリーズも好きだけど、短編も結構良いのです。
あっさりとしてて、でもそこはかとなくぞわっとする。
SFっぽいのやら、ファンタジーのようなものやら、
ミステリじゃないのもあるけれども、楽しめる一冊。
『屈辱のかたち』『ざっくらばん』が好き。
『恋人』は気持ち悪いけど好きだ。
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「ジュリエットの悲鳴」以来2冊目のノンシリーズ短編集。テーマは雑多で、名前がA、B、Cであるものや、ちょっとSFっぽいもの、官能小説まで。官能小説に関するあとがきの言葉にぐっときた。
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ミステリあり、オマージュあり、ホラーあり・・・と、どれも個性的な短編ばかりですが、私は『ジージーと日々』が一番好きです。こういう話に凄く弱いので、最後に思わず涙が。
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「壁抜け男の謎」
有栖川有栖氏による異なるテーマに基づいた短編全16編収録です。どうやらこのような異なるテーマを集める短編集はなかなか珍しいというか出版されないようです。
・ガラスの檻の殺人
・壁抜け男の謎
・下り「あさかぜ」
・キンダイチ先生の推理
・彼方にて
・ミタテサツジン
・天国と地獄
・ざっくらばん
・屈辱のかたち
・猛虎館の惨劇
・Cの妄想
・迷宮書房
・怪物画趣味
・ジージーとの日々
・震度四の秘密
・恋人
とにかくテーマが異なるので、短編を楽しめる短編集です。例えば、「ガラスの檻の殺人」と「壁抜け男の謎」は読者に謎解きを任せる形になっています。特に前者はかなりシンプルな出来になっています。また続く3編はオマージュ作品であったり、「ミタテサツジン」は横溝正史氏の「獄門島」を下敷きにしていたり、「屈辱のかたち」は評論家に向けたとてつもない憎悪が引き起こした復讐物であったりとまさに様々です。
しかし私としては「怪物画趣味」が印象的です。怪物と趣味が上手く結びついていて、さらにSF要素も感じました。また「震度四の秘密」はこれは短編なのか?と読むと驚くと思います。
私は有栖川氏の作品を初めて読みました。思えば東川氏の作品の解説を読んでから、この人は男性か女性かと思い、調べたことがきっかけです。そして分かった小説教室w、何か興味が出ます。
とても読みやすい作品が詰まっています。これは長編でも読みやすそうです。
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全部事件とか推理だとかを扱った短編集なのかと思ったら、刑事や探偵とはまるで無関係な話も含まれていて統一感のない短編集だった。
事件性のない物語の中では「ジージーとの日々」と「恋人」がすごく好みだった。
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『ガラスの檻の殺人』
知り合いの女性のストーカー退治を請け負った探偵。ストーカー男の反撃にあい気絶する。気絶している間にそのストーカーが刺殺される。現場の公園の中にいた探偵と依頼人を含む4人の容疑者。犯人が凶器を隠した場所の謎。自動販売機の秘密。ガラスの檻の中の犯人は?
『壁抜け男の謎』
盗まれた名画「壁抜け男」。しかし盗んだ犯人は迷路の中に名画を放置し逃走。迷路のなかで発見された名画。拭き取られた指紋。薬で昏倒させられた被害者の松原利雄。松原に絵を売った画商の杉田実、画家の武川ローラ、美術展に名画の出品を依頼しにきた三田村。迷路の中から消えた犯人の謎。
『下り「あさかぜ」』
鬼貫警部の贋作。岡山駅で殺害されたのは保津川警部。保津川警部の残したダイイングメッセージから逮捕されたのは部下の亀岡刑事。亀岡刑事のアリバイ。亀岡刑事から渡された時刻表の謎。亀岡刑事を見送った刑事のジェスチャーに隠された秘密。
『キンダイチ先生の推理』
殺害されたのは人気デュオの片割れ佐久良。最後に目撃された時は三回も電話ボックスに駆け込み急いで電話をかけていたところだった。帰宅直後に殺害された被害者。被害者が電話をかけていたのは自宅だった。電話に隠されたなぞ。容疑者はデュオの相棒・森脇とマネージャーの足柄。錦田一先生の推理。岡山にある「耕助石」が与えたヒント。
『彼方にて』
パラレルワールド?テロに対する報復を行う帝国の同盟国で想う男。彼が敬愛する小説家。
『ミタテサツジン』
『獄門島』に見立てられた殺人事件。孤島で起きた殺人。花香は着物を着て吊り下げられ、月菜は鐘の下、雪海は自宅で殺害される。島を訪れていた落ちぶれた役者・一条真之助とマネージャー大竹。一条が司会をしていた通販番組。最後に見立てられたのは?
『天国と地獄』
天国と地獄のはしの使い方。お互いを思いやる犯罪。交換殺人を行った男と刑事の会話。隣の席から聞こえてきた天国と地獄の箸の使い方についての話。
『ざっくばらん』
山形を産業スパイと告発する手紙。潔白ではあるが手紙の件を言い出せない山形。所長の浦川、同僚・敷島との会話で手紙を出したのは浦川ではないかと気がついた山形。殺害された浦川。「ざっくばらん」の使い方間違え。
『屈辱のかたち』
かつて酷評した作家・凪典彦に監禁された評論家・芥子野。最近作は珍しいくらいに誉めたのになぜ?最新作に隠された秘密。
『猛虎館の惨劇』
熱狂的な阪神タイガースファンの会社社長・綿鍋が殺害された。首のない死体の謎。何故首を持ち去ったのか?近所にすむ女子大生が目撃したトラッキーのお面をつけて後ろ向きに歩く男の姿。究極の阪神タイガースファンのグッズ。
『Cの妄想』
自分が見られてると思う男Cの妄想。精神科医に相談するC。自分の記憶が作られている、誰かに見られていると感じる妄想。
『迷宮書房』
山奥の謎めいた書店に入った男たち。『注文の多い料理店』のような書店。銃を持った男に追い回され追い詰められた男たち。
『怪物画趣味』
怪物画を愛する古河。Y市で起こる連続猟奇殺人事件。「Y市の怪物」と呼ばれる犯人。古河に目をつけた刑事の前に表れた刑事の赤壁。古河の友人で物画を書く犬伏犬人の殺人事件。ちょっとしたホラー。
『ジージーとの日々』
育児ロボットとの親子二代にわたる愛情。
『震度四の秘密』
異性関係の精算のために出掛けた男と女。震度四の謎。
『恋人』
友人の恋人の妹にした恋。
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久し振りに有栖川氏の本を読みました。
新書で出た時に気になっていたので、文庫になって迷わず即買い。
短編集なのだけど、なかなか読みごたえがあって面白かった。
中には意味(謎)が分からないまま???を抱えて終わってしまう話もあったのだけど、謎を自分の中で想像するラストって言うのも悪くないです。
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以前から有栖川さんの作品を読んでみたいなあと思っていたところに本屋で短編集を見つけたので手にとってみました。
いろんなジャンルが収録されているなか、個人的には「ガラスの檻の殺人」「天国と地獄」「Cの妄想」なんかが好みです。
他の有栖川さんの作品も読んでみたくなりました。
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いつもの有栖川有栖作品とはすこし違った味わいが感じられる短編集。
黄色と黒の外壁を持つド派手な豪邸を建て、外装や室内も虎モチーフで埋め尽くしていた名物タイガースファンの男が自邸で死体となって発見される『猛虎館の惨劇』が特に気に入った。
設定がバカミス風で愉快なだけでなくトリックも面白かった。
ラストの恋愛短編『恋人』は、成人男性が10歳の少女に性欲も含めた恋情を抱くストーリーのため、手を出すシーンはないとはいえ個人的には嫌悪感をいだいてしまった。
ただ、とある行為が性行為の代替として描かれているのは、いかにも文学的で興味深かった。
もう会うことのない彼女を想って主人公が見る夢の内容もふまえると、実は恋愛小説の皮をかぶったホラー作品なのかも。
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様々なジャンルの短編集。
もちろんミステリー多めだが、人情ものや恋愛ものもあり楽しめた。
ミステリーはとんでも話が多かった印象。
一番面白かったのは最後に載っていた「恋」。
大学生時代に小学生の女の子に恋をしたおじさんの回想録。人によってはドン引きするような設定やオチだが、とあるものを大事に扱うラストシーンはこの設定だからこそできたもの!
普段のミステリーとは違う文体で書かれた恋愛小説は、作者の新たな魅力を教えてくれた。
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多彩なジャンル16篇からなる短編小説集。どれも物語自体読みやすく面白いが、短編のためすぐ話が終わってしまうのがなんだかもどかしい。長編で読みたくなってしまう。中でも「ジージーとの日々」「ミタテサツジン」「キンダイチ先生の推理」が面白かった。
Posted by ブクログ
内容に全く統一性のない作品が集まった短編集(^ ^;
正直、途中まで読んだ感想は「何だこりゃ」(^ ^;
小説のジャンルも長さもテイストもバラバラで、
中には「犯人は分かりましたか」みたいな
「読者に挑戦」モノがあったり(^ ^;
作者の後書きを読んで、ちょっと納得。
初出が新聞連載で、正に「謎解きに挑戦」だったり、
テーマや分量を出版社側から与えられて
「縛り」の中で書かれた作品だったり、
はたまた誰かのアンソロジーのためのものだったり....
そういう種々雑多な(失礼!)作品を集めた一冊、との由。
私の正直な第一印象は、あながち的外れとは言えん(^ ^;
さらに失礼を承知で言えば、「技巧が悪目立ち」する作品が
多かったように思うが、これも状況を鑑みれば宜なるかな。
...などと、作者のマネをしたつもりで
無理に難しい言葉を使ったりしてみましたが(^ ^;
作中のそこここに、難しい言葉(ほとんどが漢語)が散見される。
が、正直、言葉のチョイスが内容や文体と合ってない(^ ^;
漢検1級の勉強をした若者が、「どーだ、スゴイだろ、
こんな難しい言葉も知ってんねんで〜」と
得意がって使っているような印象で(^ ^;
私にはヒットしなかった(^ ^;
前もこの作者の著書で、同じような印象を持ったような(^ ^;
しばらく手を出すことは無いかな...(^ ^;
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数年にわたって発表された短編を集めたもの。それぞれの話に関連性はない。
「ガラスの檻の殺人」と「壁抜け男の謎」が楽しかった。もちろんトリックも犯人も全く予想できなかったが。
しかしわたしにはこの作者の作品があまり肌に合わないみたい。
Posted by ブクログ
再読してみたら思ってたより面白かった。「天国と地獄」は『ジュリエットの悲鳴』っぽい。「迷宮書房」は本家と比べて読むとにやにや。有栖川さんはほんと何書いても上手いなあ。(でも短編ミステリよりノンミステリの方が面白かっただなんて言えない…。)
Posted by ブクログ
ショートショートや短編が詰め込まれた作品集。
普通の推理物は少なく、その他色々なジャンルが楽しめる。
サクサク読めるけど一つ一つの作品の印象はちょっと薄い。
Posted by ブクログ
様々な短篇が入っていて面白い。
「キンダイチ先生の推理」や「ミタテサツジン」、「猛虎館の惨劇」とかちょっとおふざけがある作品が好きだ。
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安定感は抜群。
印象的なのもあったけど、こういうのはアンソロジーの中にあった方が巧さが際立つのかも。
雑然とまとめちゃうと、1つ1つが薄まってる感じで、何となく物足りない。
Posted by ブクログ
有栖川有栖の新旧とりまぜた短篇集。
いつもとは一味違った、パロディ有り、
官能小説?有り、ファンタジー有り…
と、バラエティに富んだラインナップ。
表題作は既読だったけど、今回は
ちょっと前に学生アリスのコミックで
コミカライズされたものを読んだので
なんとなくそのイメージで読んでしまい、
逆に新鮮な感じがしたりして。
チャレンジングな作品も多いので
有栖川作品未読の方が入門編として
読むのには向かなさそうだな。
Posted by ブクログ
ジャンルごった煮な掌編〜短編集。他のミステリー作家にはなかなか見いだせない、引き出しの多さを改めて感じました。
メインテーマはしっかり表現しながら、同時に作者の根幹であるミステリー色も忘れずに随所に織り込ませるところに、どうしようもなくミステリー愛を感じられて嬉しい作品です^^
メモ↓↓
ガラスの檻の殺人(四つ辻の交点で起きた殺人、透明な密室、消えた凶器はどこに?)
壁抜け男の謎(迷路庭園に消えた犯人と残された絵画、ふき取られた指紋の意味)
下り「あさかぜ」(アリバイ工作)
キンダイチ先生の推理(何故、被害者は自分の家に何度も電話をかけたのか?)
彼方にて(9/11、反世界、青い薔薇)
ミタテサツジン(売れない俳優と付き人、雪月花姉妹、見立て)
天国と地獄(天国と地獄の長箸の使い方を聞いて得た犯罪の着想)
ざっくらばん(スパイ容疑を告発する怪文書、言いまつがいによる差出人確定)
屈辱のかたち(丸くなった批評家を襲う悲劇)
猛虎館の殺人(首無し死体、熱狂的なタイガースファンの家にあるべきものの最終目標)
Cの妄想(私という人間はいつから存在しているのか? 唐突な終わりの気配・幕)
迷宮書房(どんな物語もそろう場所、非現実の現実化)
怪物画趣味(怪物の犯罪)
ジージーとの日々(SF、ロ母、ほんのりミステリー)
震度四の秘密(結婚前の演技)
恋人(官能、抜けた歯)
フーダニットからオマージュ、SF小説、官能小説までを収めた十六の短編集。