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Posted by ブクログ
戦国の主人公たる主君を支えた有能な家臣。先ずは安藤帯刀。徳川家康の傍らで主君を支え、また紀伊の頼宣の傅役として幼い主君を補佐、教導した。激しい気性の頼宣は、安藤帯刀なくしては、紀伊藩主としては成り立たなかたかもしれない。
片倉小十郎景綱。伊達政宗の傅役を命ぜられ、伊達政宗の参謀として奥州の覇者に押し上げた。
特に安藤帯刀の話は興味深かった。
有名な望遠鏡の一節。
頼宣は望遠鏡をもって天守閣に登り、城下町を覗いては、見た事を言いふらしたので、城下の人間は、戦々恐々、町から笑い声が消えてしまった。このままでは殿様の評判がガタガタになると危ぶんだ安藤直次が、望遠鏡をへし折り、「この望遠鏡で殿に見られていると思って、城下町の人間たちは今思うような暮らしもできないのです」と諫めた。
昔から、異国の聖賢と言われた人は、冠の下に紗でこしらえた目すだれをかけ、物を見ぬようにいたし、耳には耳金というものをつけ、人声を聞かぬようにした、と言い、頼宣を諌めた。
非常に面白かった。