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Posted by ブクログ
【あらすじ】「淋しいだけじゃ、俺はひとを好きにならないよ」姉の結婚式の日、理也は数年ぶりに従兄弟の高成と再会した。高校にあがるまで、ふたりはとても仲のよい従兄弟同士であり、理也にとって高成といる空間はひどく居心地のいいものだった。けれど、ふたりの間にはなにか曖昧なものが忍びこみ、いつしか距離を置くようになっていたのだ…結婚式の夜をきったけに再び一緒の時間を過ごすようになったふたりだが、曖昧だったなにかが露になってゆき。
『思い出せばつらいのに、まだ心が痛むことに安堵する。当分、過ぎた記憶にはならない。そうしたくない。
思い出にならないまま、高成のことはこの胸にもうすこし痛みとしてかかえていたかった。』
きゅんときた。
山田ユギイラストの小説はお初でした。
表紙通りのラブストーリー
ユギさんの絵が好きで購入。初読み作家さんでしたが、心の情景描写?にひきこまれて、とても味わい深かったです。
二人で手を握り合っていたり、暗がりの中、星空や海の映像を観ていたり、そう言う場面も雰囲気あって星好きとしては◎。絵で購入しただけあって、頭の中ではこのキャラで動かしてるから魅了倍増?ストーリー的にも、何も期待せずあらすじも知らずに読んだからかも知れませんが、私的には現代リーマン×ノンケ同士の恋としては十分満足でした。こう言うの結構好きなんですよね。
では、星4つなのはなぜかというと、わーっという感動とかではないけど、合格!みたいな、4.5くらいの気持ち。
もう一捻り。
「音無き世界」が淡く切ない美しいお話だったので本作にも同種のモノを求めましたが、ちょっとタイプ違いでした。幼少期に仲が良く長らく付き合いのなかった高成と「男同士の関係」になりうんうん葛藤する理也が関係を続ける勇気がなく別れを決意、再びうんうん悩むハメになり離れてしまった高成こそがかけがえのない存在だと気づくまで、のお話。良いお話なんですが、切なさはなく理也が悩みまくってた割りに案外あっさりまとまっちゃって盛り上がりに欠けました、、ね。高成のン十年来の想いももっと爆発させても良かったのかも。