【感想・ネタバレ】浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎のレビュー

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 まず、タイトルのネーミングが悪い。そもそも、タイトルの問いについてがメインの本ではない。むしろ、日本の仏教、特に日本仏教の各宗派についてコンパクト且つ分かりやすく概説している本である。ちなみに、タイトルの問いの答えは「おわりに」に書いてある。
 仏教に関する概説本は多いが、日本仏教宗派に関する適当な概説本が無かったので、むしろ貴重な一冊。特に、奈良仏教~鎌倉新仏教の各宗派の教義を知るのに非常に立つ。

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2012年12月29日

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コンパクトかつ内容も適切にまとまった日本仏教概論とも言える超良書。

南都六宗、真言宗、天台宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗ができた背景、流れが非常にわかりやすい。

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2012年10月19日

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良著。
日本人でいながら、日常的過ぎて解っていなかった仏教の宗派毎の性格が成り立ちを通して良くわかる。
(前に「ビートたけしの“教科書に載らない”日本人の謎」でも仏教扱ってたけど、あれも良かったな。)

仏閣・仏像や歴史が好きだから、あの名刹が○○宗なんだとか、戦国期の本願寺や加賀一向宗のクダリが良くわかって余計に面白かった。

日本史等でも習ってるのにねぇ、神仏習合時の影響で仏教と神社(日本古来の神)の区別もあいまいなこと多いから。

題名は、ちょっと釣りに匂いがするけどね(笑)
全体通して、殆どその主張のためには向いてないから。
それでも、釣られてみても良い本。

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2012年10月01日

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宗派の違いがよく分かる。
タイトルと中身は違うんじゃない?

曹洞宗の寺院の数はセブンイレブンの店舗数を超えている。14,000強。

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2012年09月16日

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ネタバレ

日本の仏教宗派について詳しく解説している本。
教祖から複雑に枝分かれしているのでとても覚え切れない。
・全部の派を合計すると1,200万人の信徒 26%の寺院数 北陸、広島は殆ど
・真言宗は、高野山で空海が弘法大師として広める。
・単独では、曹洞宗が700万人で1位だが真宗大谷派(東本願寺)等の宗派を合わせると、門徒の数は1200万人に及ぶ。
・近東光と瀬戸内寂聴が天台宗
・日蓮は、伊豆と佐渡2回流罪となる。他の宗派を激しく攻撃。
・日蓮正宗が1700万人いたが、創価学会員を破門にした為小規模となった。創価学会員が出したお金が創価学会を通らず大石寺(静岡県富士宮市)に渡ったことに対する不満蓄積。
・創価学会は戦前に出来た。日蓮宗の僧侶と創価学会幹部が討論会を北海道で実施。池田大作が一方的に勝利を宣言。
・お経 般若心経、自我〇(浄土真宗)がメジャー

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2021年05月09日

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中学の歴史の授業で、浄土宗は法然、浄土真宗は親鸞、時宗は・・・と、ただただ暗記した。そこには、教祖の人物イメージが湧くようなエピソードまでおしえられることなく、その宗教のなにが新しくて発展したのかという記述まで深く教えられることはないかと思う。
この本を読んで、教祖のイメージが湧き、何がその宗教がすごかったのか、広まったのかという理由がわかり、興味深く読ませてもらいました。
教科書の暗記のために歴史の勉強ではなく、こういう本で歴史が学ぶのが面白い。

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2018年07月22日

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日本の仏教の歴史について知るには非常にいい本だと思います。
が、読み方を失敗しました。

こういう本を読むたびに、「高校のときの日本史の授業って、一体なんだったんだろう」って思います。

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2017年11月12日

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本書のタイトルは「日本における仏教の歴史」が正しい。
古代仏教から鎌倉新仏教まで、成り立ちから変遷・現状までと、仏教界全体から見た立ち位置を説明した解説書。文章は分かりやすく、原因と結果、経緯・文脈が明快なので理解しやすい。
表題のテーマに関してはおまけ程度でしかもピントが定まらないボヤっとしたモノで感心しないが、それ以外は素晴らしい。

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2013年07月16日

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我が家の宗派は真言宗だが、日常意識することもない。父母の葬式は無宗教で済ませた。とは言えおおまかに真言宗については気になる毎に少しは調べているのだが、近親の宗派が浄土真宗が多く、そちらの思想なりを調べるたび、真宗の考え方に興味と共感を覚えることが近年多くなってきている。正直、もう少し信心深かったなら、真宗に改宗しようかとも思うだろう。
先に読んだ『日本の10大新宗教』と比べるととりあげる範囲も広く、そのため用語も多岐にわたり個々の言葉を記憶するだけでもひと苦労してしまう。そのぶんひと通りの宗派はこれ一冊でほぼ概要を知ることができるのだと思うが。ここから興味を持ちより深く理解するためには各々が調べていくものとなる。この一冊はそのための入門書、と捉えるべきなのだろう。

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2013年04月06日

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浄土真宗に関わらず、日本の仏教の宗派の成り立ちを見渡す。
とても判り易いが、途中で面倒くさくなったわ。

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2012年12月30日

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浄土真宗につというよりも仏教全般について説明しており、そのなかでの浄土真宗に位置づけが説明されている。題名に惹かれて読んだが、題名については情報量少なめ。

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2012年10月24日

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ネタバレ

宗教にとても感心のある時期に読んだ本。実家・婚家とも浄土真宗なので、興味深く読んだが、日本の仏教についてよくわかった。

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2012年07月31日

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浄土真宗についての本というより、日本の仏教史とその中心人物について宗派ごとにまとめた本。日本史の復習や仏教の入門としては読みやすく面白い。しかし、肝心のタイトルの「浄土真宗はなぜ~」という問いに関しては「おわりに」でさらっと述べられているだけでかなりタイトル詐欺に感じる。この本を足掛かりに、親鸞や空海などの有名な人物や宗派に焦点を絞って何冊か読んでいくと、だいぶ仏教に詳しくなれそう。

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2023年02月12日

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ネタバレ

曹洞宗や臨済宗といった禅宗の場合には、不立文字と言うように、教えを文字にして表現することを戒める傾向が強く、他の宗派を批判したり、攻撃する事はなかった
戦前の昭和15年に、現在の宗教法人の前身となる宗教団体法が制定されるが、それ以前の段階では13宗56派が存在した
宗教法人は認証されるものであるにもかかわらず、多くの人たちは認可されるものと誤解している
比叡山が10世紀末以降、支配下に置いたのが祇園社、つまり今の八坂神社である
南都北嶺は兵僧を抱え、武力を所有することで、独立性を保っていた
織田信長の比叡山焼き討ちや豊臣秀吉の検地や刀狩りは、寺社勢力から領地や兵力を奪い、世俗の権力の支配下に置く試みだった
親鸞の場合には、妻帯しており、血筋によってその信仰が伝えられていった。これは、他の宗派にはない浄土真宗の特徴である
戒名に関しても、浄土真宗はそれを法名と呼び、必ず釈の字を含む

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2022年05月31日

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ネタバレ

p9
南都六宗>法相、倶舎、華厳、律、三論、成実。
天台宗>
法華系……日蓮宗→日蓮正宗
禅系…曹洞宗、臨済宗→黄檗宗(おうばくしゅう)
浄土系…融通念仏宗、浄土宗→浄土真宗、時宗

p20
奈良時代、僧侶が官僚の時代で宗派は学派に近かった。
国の試験で正式な僧侶に。持統天皇時は10名。
奈良の東大寺は南都六宗+天台真言の「八宗兼学」の寺。

p23
鎌倉時代。
法然が浄土宗を起こす。念仏以外の教えや実践を聖道門と呼び、念仏で極楽浄土を目指す浄土門を目指した。
法然を批判した日蓮が法華経への信仰以外を否定。
禅宗の曹洞宗や臨済宗は不立文字(ふりゆうもんじ)と言うように教えを文字にして表現することを戒めたが、他の宗派を批判することはなかった。
p24
江戸時代、寺請制度で檀家制。
昭和15年の宗教団体法で28宗に。宗教法人は認可ではなく認証。

p30
聖徳太子の法華信仰。
仏教とヒンドゥー教の習合した密教は護摩を焚いたり祈祷したりする儀礼等が用いられる。
浄土真教はインド仏教(輪廻苦)には無い極楽転生。
禅は瞑想の一種。現世利益や浄土往生などの実利効果ではなく、精神安定や生活規範として機能し、武家に好まれた。茶道や花道、武士道に影響。

p71
天台本覚論の中の草木成仏…植物が芽生え花や実をつけ枯れるまでの過程が仏道修行の過程と重ね合わされ、さらに草木はそのままで成仏していると解く。中国にも存在したが、日本ではあらゆるものがそのままで仏になっているとする徹底した現実肯定の思想に発展した。この思想の背景には古代的なアミニズムの考え方がある。そのままで成仏しているなら改めて修行する必要は無いことになる。本来仏教は釈迦が家庭を出家したように、現実の価値を否定する現世拒否の必要を特徴としている。が、日本では草木成仏の考え方が広く受け入れられた。能楽には草や花が主人公となっている作品があり、一神教の人間と動植物を激しく区別する考え方とは相容れないものである。宗教そのものの存在意義を否定しかねない。日本人の無宗教の根底はここにある。

p199
創価学会と日蓮宗の関係

p218
現在の仏教式の葬儀の基本は曹洞宗が作り上げたものである。修行の途中でなくなった雲水を弔うための亡僧葬儀法が一般の在家信者の葬儀にも応用された。死者に対して剃髪の真似をしその上で戒律を授け戒名を与える。それが葬儀の中で最も重要な部分になっている。
この葬儀の形式を取らない宗派は浄土真宗と日蓮宗である。死者を出家させると言うやり方を取らない在家中心。僧侶と在家との間に根本的な区別はないため。
戒名に関しても浄土真宗はそれを法名と呼び、必ず「釋しゃく(尼)」の字を含む。日蓮宗は「日(女性なら妙も)」の字を必ず含む。

p225
浄土真宗の寺院の総数は2万カ所を超える。寺院総数がおよそ77,000カ所なのでおよそ26%。なぜこれほど浄土真宗は日本の社会に浸透しているのだろうか?簡単に言えばそれは庶民の信仰だからである。
p227
浄土真宗では親鸞が非僧非俗の立場をとることを鮮明にし自ら妻帯し子供ももうけた。浄土真宗では血縁を通して信仰が継承される。日蓮宗の場合は僧侶と俗信徒との間は明確に区別されている。

近代、浄土真宗の歎異抄についての再発見。

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2021年10月23日

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副題にあるような「仏教宗派の謎」というものでもないように思うけど、日本における仏教宗派の成立、歴史と現在のポジションを概観する本。


浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
いわゆる南都六宗から天台・真言、浄土系、禅系、日蓮と現代に通じる宗派にももちろん一通り触れられていて、それぞれの開祖や中興の祖のエピソードも添えられている。仏教って何?くらいの単純な関心を抱いて読むオレなんかにはありがたい内容である。

新書ということで話をかいつまんであるだけに、その業界地図や変遷はかえってわかりやすくなっている。偉い開祖が亡くなると、宗派も千々に分かれて乱れ再習合していく様子も、いたって人間くさくて面白いのである。

浄土真宗がどちらかと言えば庶民の宗教であり、葬式仏教化の中でもシンプルかつわかりやすいこと等が日本で「いちばん多い」理由であることも大いに納得できる。

なお著者については、オウム関連で若干批判があることは、内容の是非はともかく知って読んだ方がいいかも知れない。

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2019年06月18日

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仏教は日本では国家主導で広まり、都が藤原京に移った696年、試験に合格した者だけが正式な僧侶とみなされる年分度者の制度が生まれた。最澄、空海が亡くなった後に、天台宗と真言宗にも年分度者の定員が認められ、それぞれ宗派としての独立を高めていく。

中国で天台宗を開いた天台智?は釈迦の教えを整理して、大乗仏典のひとつである法華経を最高位に位置付け、誰もが仏になれると説かれている点を強調した。日本の法華信仰は法華義疏に遡るが、これは聖徳太子の著作ではない可能性が高い。天台本覚論の核心にある草木成仏の思想は、あらゆるものに霊魂が宿っているとする日本古代のアニミズムを背景として、徹底した現実肯定の思想に発展した。江戸時代には、天海が家康を東照大権現として祀るために日光東照宮に改葬し、江戸城の鬼門となる位置に寛永寺を創建して天台宗の拠点となった。

密教は、インドにおける大乗仏教の発展の最後の段階で、ヒンドゥー教と習合して生まれた。日本では浄土真宗以外の仏教界全体に影響を与えた。

興福寺は大和のほとんどの土地を荘園として所有し、清水寺も末寺としていた。比叡山延暦寺は平安時代末期になると、寄進によって多くの荘園を所有するようになり、興福寺の支配下にあった祇園社(八坂神社)も10世紀終わりの争いの結果、支配下においた。興福寺と延暦寺は南都北嶺と呼ばれ、中世には朝廷や幕府と権力を三分した。

輪廻の繰り返しによって苦がもたらされることを強調するインドに浄土教信仰はなく、中国から伝えられた。法然は、念仏以外の教えや実践を聖道門と呼び、念仏によって西方極楽浄土への往生をめざす浄土門が正しい教えであるという立場をとった。家康は浄土宗に帰依して手厚い保護を与え、芝の増上寺は徳川家の菩提寺となった。

浄土真宗の本願寺は、代々の宗主の子女が公家や武家との婚姻関係を結び、世俗の権力と密接な関係を持った。そのため、戦国時代には戦乱に巻き込まれ、石山本願寺は織田信長と対立することになった。

禅は瞑想の一種で、インドの僧侶達磨に遡る。現生利益や浄土への往生といった効果はなく、精神的な安定や生活規範として機能する。曹洞宗や臨済宗は、貴族階級の出身であることを条件としなかったため、武家や下層貴族が集中することになり、宗派としての独立性を強めていくことになった。曹洞宗は、亡くなった修行僧のための葬儀を在家の一般信徒の葬儀に応用して全国に広がり、葬式仏教が他の宗派にも伝わっていった。

日蓮は、法華経への信仰以外を否定したため、明確な宗派意識が生まれた。日蓮正宗は、日蓮が書いた本尊曼荼羅を直接板に掘った板曼荼羅を本尊とする。戦前に創価教育学会として始まった創価学会は日蓮正宗と関わりを持ち、会員はそのまま檀家となっていたが、1990年に決別した。

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2018年10月31日

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仏教系私学の建学の精神についての基本的な理解をするために本書をとった。これまで知らなかったことが多く非常に勉強になった。

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2017年04月22日

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タイトルと中身にはだいぶギャップがあるが、日本仏教の成り立ち、宗派の違いのダイジェストだと思えばいいのかな。
分かり易く簡潔に解説してはいるものの、読み物としての面白さは無い。

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2013年12月11日

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日本仏教の、それぞれの宗派の成り立ちや歴史を知って、これからの仏教の在り方について考える本。仏教については興味があるので、それぞれの宗派がどのようにして広まっていったかについては考えながら読めたのですが、歴史苦手なので、宗派を興した人物の話になってくると名前に苦労しました。知っている人物はすぐに入ってくるのですが…

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2013年04月16日

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副題が「仏教宗派の謎」です。中身は日本のおもな仏教宗派について発生から派生までくまなく取り上げ、歴史的経緯をふまえ解説したもの。なので副題の方が中身に対しては正確で、より直截な題名にするなら「日本の仏教宗派の歴史」なんて言う方が合ってます。が、こんな題名では手に取る気も起きないでしょう。「浄土真宗はなぜ日本で一番多いのか」という書名は大当たりです。

で題名に対する回答ですが、他の宗派は修行して仏教の教えを自らの力で悟らなければならないのに対し、浄土真宗の教えは「南無阿弥陀仏」を唱えれば極楽浄土でき、阿弥陀仏の力で成仏するという「他力本願」であるというシンプルなものであるから、ということらしいです。親鸞が教えを説き、広まったのは地方の農漁村、職人層で、これら第一次・第二次産業人口は日本ではつい最近まで大多数を占めていたから、という理由です。

分かりやすく、空海、最澄から鎌倉仏教、さらに禅宗、創価学会まで解説してあり、手軽に仏教各派の知識を得ることができます。

座禅をし、禅問答をする、なんていうのが最高に仏教哲学的だと自分は感じてましたが、実は葬式仏教を始めたのは禅宗であったと解説してます。

現在、仏教に対し不信感があるのは、実は葬式と結びついてるからなのです。新年、2度の彼岸、盆とお寺に行きお金を納め、戒名は寺に対し功績のあった家にはたくさん字をくれて、しかも一文字いくら、というのが我が家の属している寺のやりかたです。しかし地方で暮らすと、宗教を伴う葬式は必要です。会葬者に囲まれての読経と儀式は、死を回りに周知でき、遺族に決別の踏ん切りをつけさせます。

願わくば、檀家制度ではなく、結婚式をするのに教会、神社、寺を選べるように、気分によって寺を選べるようになったらいいのにと思います。今や寺は単なる葬式のセレモニー屋にすぎないのだから、寺もその辺割りきったらいいのに、と思います。生臭坊主の説教は必要ありません。本を読めばいいのですから。

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2013年02月20日

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こういう本は初めて読んだ。宗派や新宗教の成り立ちやポジション。また、葬儀仏教についても初めて知った。追ってこの著者の他の書籍も読んでみたいと思った。

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2012年08月04日

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まず創価学会だけで1700万人もの会員がいるという事実にびっくり。曹洞宗の寺院がセブンイレブンをしのぐ1万4604カ所もあるなんて。
タイトルの浄土真宗の信者は1240万人。創価学会が日蓮正宗と袂を分かってからは浄土真宗が一番信者が多い、ということになる。(形式的には日蓮正宗が破門したらしいが、実態は仲違い)

本書はタイトルにある「なぜ」に答えるために書かれたのではなく、日本の仏教の歴史と今の宗派の分析だ。
浄土真宗を開いたのは親鸞(鎌倉時代)だ。しかし本書によれば親鸞が生前に大きな活動をして信者を増やしたのではなく、死後に弟子達や教団が大きくなるにつれてカリスマ性を協調した面が強いようだ。

もうひとつ本書ネタ。仏教と葬式はいまやあたりまえの結びつきだが、元々は違った。曹洞宗が編み出した葬儀の方法が広まって現代に至っている。

宗教にすごく興味がある、というわけではないので本書に没入することはなかったが、それぞれの宗派がどういった流れで出来上がったかについては整理されているので本棚に置いておく価値はある。自分の宗教(私は日蓮宗)以外についてはあんがいわからないものだし、確かに親類の違う宗教の法事に出ると本書にあるような特徴が感じられる。それを確認するだけでも勉強になった。

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2012年08月01日

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仏教の各宗派の特徴について、その歴史から掘り起こし他宗派との違いまでわかりやすく説明しています。それにしてもそれぞれの宗派が派生し枝分かれしていく経緯は複雑でわかりにくいですが、この本ではそれらの宗派の有り様を俯瞰することができます。日本には至るところに仏教文化の影響が色濃く見られ、それらの事柄に興味を持ち理解するための入門書としての役割を果たしてくれる一冊だと思います。

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2012年07月31日

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日本仏教の変遷について。五木寛之の親鸞を読んで興味を持った一冊だったが、浄土真宗について書いてあるわけではなく、あくまで日本の仏教について。個人的には、そちらの方が包括的に知ることができたので、結果として良かった。

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2012年07月29日

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なんと言ってもタイトルが秀逸だが、仏教宗派のことなど日本史で習った以上の知識はほぼなかったので勉強になった。鎌倉五山は結構インターナショナル。

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2012年07月13日

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浄土真宗がいちばん多いのは、歎異抄がウケたから、ではないみたい。答えは最後にチラッと書かれている。
日本の仏教の中で、宗派とはなんなのか、宗派がどのように生まれ分岐していったかの解説本。神仏習合、廃仏毀釈といった体制からの圧力や、創価学会の破門による勢力図の大きな変更など、近年までの歴史が描かれています。
ただ、とくに何かの主張があるわけではなくて、宗派の紹介本、かな。

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2012年07月07日

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ネタバレ

他の方も書かれているように、タイトルについてはキャッチですね。最後に慌てて「あぁ、タイトルの内容書いとかなきゃ」的に記述がありますが、基本は日本の仏教史ダイジェストです。

それはそれで、学校では教わらない内容、どこかに肩入れすることなく、一歩引いた立場からの解説で大変面白く読み進めることが出来ました。世代的にも親世代が遠からず亡くなっていく年齢にさしかかっているので、この先接するコトになるであろう仏事に備えた下ごしらえの第一歩としては悪くないと思います。

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2012年06月27日

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うちは、亡父の実家が鹿児島の浄土真宗の寺、母の実家が兵庫の曹洞宗の寺なので、宗派による流儀の違いというのは、子供の頃から何となく意識はしていましたが、具体的にどこがなぜ違うのかについては、今まできちんと知らずに過ごしてきました。
この本では、これらも含めて、日本の主要な仏教宗派の成り立ちや現状を、実にコンパクトにまとめてくれていて、すっきり理解することができました。
タイトルだけみると真宗中心みたいですが、創価学会など仏教系新興宗教も含めた日本の全般的な仏教宗派の状況がバランス良く書かれていて、興味のある向きには、結構役に立つと思います。

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2012年06月20日

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ネタバレ

最近身近な人が亡くなり、宗教について考える事があり読んでみた。特に浄土真宗を信仰しているわけではないが、各宗派の成り立ちがわかった。タイトルの「浄土真宗は、、、」の答えは最後の最後に書かれている。浄土真宗は信徒の数1200万人を超えている、寺院は2万を超え、全国の総寺院数の約20%だという。理由は庶民の信仰だから、具体的な救済の手段が備わっている事。それは、称名念仏「南無阿弥陀仏」。又親鸞が「非僧非俗」の立場をとり、妻帯した事が血縁によるネットワークを広げた等々。最後に今は葬式仏教で寺は安泰だが、団塊の世代が亡くなった後、葬儀が減ってきた時に仏教宗派はどのになっていくのかと終わっている。無縁社会と言われる昨今、宗教という物をほとんど考えずに生きてきた世代は何を選択するのだろう。

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2012年06月17日

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