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「モルグ街の殺人」は推理小説のさきがけとして知られるが、「黒猫」での「私」の使い方はまるで叙述トリックの萌芽のようだった。
それにもしても日本での化政文化(直後)期の作品とは思えないほど今読んでも前衛的。まだ推理小説というジャンルが確立する前の作品だからでしょうか、まるでアンチミステリの雰囲気がある。
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『黒猫』
妻が飼っていて黒猫の眼をえぐり殺害してしまった男。一度は後悔し似た黒猫を手に入れ再び飼い始めた夫婦。黒猫に恐怖を感じる男。猫を殺そうとし誤って妻を殺害してしまう。壁に塗りこまれた妻の死体。消えた黒猫。警察の捜査。
『ウィリアム・ウィルソン』
自分と同姓同名の「ウィリアム・ウィルソン」という男に悩まされる男。一度は追放することに成功するが・・・。「ウィリアム・ウィルソン」二暴かれたカードのいかさま。
『裏切る心臓』
老人の遺産を狙って老人を殺害した男。警察の捜査を受けるが・・・。聞こえてくる不思議な音。
『天邪鬼』
『モルグ街の殺人事件』
オーギュスト・デュパン・シリーズ
準密室で殺害されたレスパネェ夫人親子。道に投げ出された夫人の死体。暖炉に押し込まれた娘の死体。証言者によって変わる口論の会話の謎。
『マリー・ロジェーの失踪』
オーギュスト・デュパン・シリーズ
マーリー・ロジェーの失踪。一度は姿を現すが一週間後再びの失踪。川に浮かんだ遺体。新聞による事件の解説。新聞の情報によるデュパンの推理。
『盗まれた手紙』
オーギュスト・デュパン・シリーズ
警視総監Gの依頼。大臣Dによって奪われたある婦人のスキャンダルに関する手紙。警察の捜査の行き詰まり。変装し大臣の家で議論を持ちかけるディパン。
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ほとんどの作品は別の本で読んだことがあるのですが、『天邪鬼』は初めてでした。
やっちゃいけないけど、やりたくなるみたいなことって本当にありますよね。ただ、それが悪い方向に転がると…という作品でした。
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黒猫
ウィリアム・ウィルソン
裏切る心臓
天邪鬼
モルグ街の殺人事件
マリロジェエの迷宮事件
盗まれた手紙
みんな大好きポーの作品を初めて読んだがなんだか予想とは違う作風。もっとガッツリエンタメを予想していたのだがジワリと徐々に湿ってくるような面白さだった
そして翻訳の古めかしい文体がまたいい塩梅で美しさと不気味さが出ていて心地よい
個人的お気に入りはウィリアム・ウィルソン、裏切る心臓、モルグ街の殺人事件だ
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数学的阿片という評が素敵。モチーフが好みだったのは「ウィリアム・ウィルソン」です。良心というか、スーパーエゴというか、ああいう存在は実体を持つと怖い。「黒猫」をはじめとする彼の作品には良心やら顕示欲やら怯えやらが良く描かれています。
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表題2作の他に「ウィリアム・ウィルソン」・「裏切る心臓」・「天邪鬼」・「マリ・ロジェエの迷宮事件」・「盗まれた心臓」を収録。
各篇ともジャンル小説の体裁ではあるが、怪奇小説なら主人公の恐怖体験だけでなくその前後の堕落と破滅の描写に、探偵小説なら事件のトリックよりも人が物事をどのように捉え考えがちなのかについての考察に重きを置いている印象だ。冗長な箇所があったり作品全体の完成度が低かったりはするが、人間心理の追究は見事だと思う。
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世界で初めて推理小説の定義として書かれた作品。再読。今読むと少しずるいところとかあるけど、デュポンとその友人の設定と同居するところ、デュポンが相手を考察するところなど、緋色の研究のホームズを思わせるようなコンビオマージュはこれが、起源ではないかと思う。
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なにぶんにも訳が古い。。。。特に漢字で表現されているものが実際何なのかさっぱり分からないものが一つや二つだけでない。
ただその古さが幸いにして、「黒猫」、「ウイリアム・ウィルソン」、「裏切る心臓」、「天邪鬼」において、つまり殺人の独白作品では、却ってその狂気が増幅されるというプラス面もある。
「モルグ街の殺人事件」、「マリ・ロジェエの迷宮事件」、「盗まれた手紙」はまさにシャーロックホームズそのもの。まさかパクったか?と思って調べてみると、ポオの方がコナン・ドイルよりも50年も前に生まれているのですね。。。。さて、コナン先生、ポオの作品から着想を得たのでしょうか?
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これはなかなかに面白かったですねぇ…古い作品だのに色褪せていないというか、現代人にも通じる精神世界?を描いているように思いました…。
作者もなんだか波乱万丈な人生を送られたようで…それは解説に書いてあるのですけれどもまあ、孤独な人生だったっぽいですねぇ…晩年にはすっかりアル中になってしまったようで…昔もこんな人が居たんですねぇ…という感じですかな。
ヽ(・ω・)/ズコー
ウィリアムウィルソン?とかいう短編が面白かったですかねぇ…単なるミステリではなく、人間の暗部やら深部やらに迫っている感じが良かったです。
ヽ(・ω・)/ズコー
他にも作品があるのなら読んでみたくなりましたねぇ…後はまあ、乱歩さんも影響を受けた作家さんであって、なんとなく乱歩が書きそうなお話だな、とも思いましたかねぇ…さようなら。
ヽ(・ω・)/ズコー
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★★★2017年6月レビュー★★★
探偵小説の先駆けともいえる、エドガー・アラン・ポー。
「黒猫」「モルグ街の殺人」など。
名探偵デュパンの活躍する「モルグ街の殺人」のラストは衝撃的だった。
何故誰も気づかない?というのがまず第一。
そして、ペットのオランウータンが人を二人も殺したのに、飼い主には何のお咎めもなし、というのが驚きだ。むしろ同情されている感がある。時代と国が違えば価値観も違うものだ。
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“「ところで、以上、僕の言ったことが、どんな印象を、君に与えたか、それは知らない。が、ただ僕として、躊躇なく言えることはね、これだけの証書——つまり、ダミ声と金切声とに関する、これら証言だけからしてもね、もしそれから、正しい演繹さえなされるならばだねえ、今後この事件の捜査の進行に、結構一つの方向を与える手掛りになるだろうことは、請合いなのだ。『正しい演繹』と、僕は言ったろう。だが、僕の言いたい意味は、それだけじゃ十分でない。つまり、僕が言いたいのはね、その演繹とは、唯一の正しい演繹であり、したがって、嫌疑の手掛りというものはね、否が応でも、そこから出て来る唯一の結果としてでなければいけないのだ。ところで、その嫌疑の手掛りが、なんがかは、いましばらく言うまい。が、ただぜひとも憶えていてもらいたいことはね、僕に関する限り、それは、あの部屋での僕の調査にね、ある一定の形、——あるいは、ある一定の傾向を与えるに足る、十分な説得力をもっていた、ということなんだ。”
ちょっと斜め読み。
デュパン君の口調がなかなか好き。
“「ほう?じゃ、なにか、特に中へ入れて置いたの?」
「なに、白紙にしておくのも、なんだろうかと思ってね、——だって、それじゃ、あんまり馬鹿にしてるってもんじゃないか。それにはね、D——の奴、いつかウィーンで、僕に、ひどいことをやったことがあるんだ。で、その時も、僕は、ニコニコ笑いながらだが、これは、きっといつかお返しするからね、と言ってやった。そこでだ、多分奴も、いったい誰に一ぱい食わされたか、さぞ犯人を知りたく思うだろう、と考えたもんだからね、せめて手掛りくらいは、与えてやらなければ、可哀相だと思ってさ、幸い僕の筆蹟は、よく知っているはずだし、白紙の真中に、ただ二行、
かくもむごこ企みも、
ティエストには、まこと応報なれ、アトレには当たらずとも。
とだけ書いておいた。なに、クレビヨンの『アトレ』の中の一節さ。」”
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一言、言葉が難しい(笑)
散らばる考えや意志には、自分自身と共通点がかなりありとても共感ができた。
しかし、金魚すくいの桶の中一層目立ち大きな魚を掬った程度にしか読み取れていない様に感じる。ようは納得のゆく読み方が出来なかった。
もう少し歳を経てから読みたい作品。積読でもよかったかも。
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ラオスの田舎町で足止めをくったので宿にあり、たまたま手に取った本。実は、さる尊敬する人が置いていっていたという面白い出会いの本。
「モルグ街の殺人」は世界初の推理小説といわれており、主人公デュパンのキャラクターが実にクール。著者が、一気に読み切れることで恐怖や面白さが増すと主張するだけあって読みやすい。
「何があったかというよりは、今までにない何があったかと考えるべきだ」C・オーギュルト・デュパン
推理小説というものを避けてきた自分が初めて読んだのが、世界初の推理小説とは奇異な出会い。書かれたのが、ペリー来航前だというのだから興味深い。
「猫を殺したから災難にあったというような因果律でものを考える弱い人間ではない」黒猫より
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ポオの推理モノは、普通の推理小説とは一味も二味も違います。推理小説に飽きたら原点回帰ということでポオを読んでみましょう。また世界観が変わります。
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推理小説の元。エドガー・アラン・ポーのもう一つの顔。
江戸川乱歩の命名の元であると同時に萩尾望都の代表作『ポーの一族』の命名(エドガー、アラン)の元。