【感想・ネタバレ】板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Goghのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

お恥ずかしいながらこの作品を読むまで、あまり宗方先生のことは存じあげなかった。
いつかその作品を見てみたいと思う。
とりあえず奥さんが凄すぎて、宗方先生も好き勝手やってるように思えて、ちゃんと尊敬する人の助言には耳を貸したりしてるところいいね。そしてようやく幸せになったと思ったら、全てを奪う戦争は本...続きを読む当に嫌だ。

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Posted by ブクログ 2024年05月04日

今回も面白かった!

小2のマハさんがTVドラマで渥美清さんが演じる棟方とその妻の変な夫婦っぷりを観たのが最初の出会い。フィクションが90%、という作品もあるとのことだが、毎回どっぷりとそのマハマジックに浸かり、今回は棟方志功、世界のムナカタを知れた!

妻のチヤの視点で描かれる棟方、愛してやまない...続きを読む唯一無二の存在。「ワぁ、ゴッホになる!」とひまわりを壁に貼り、版画ではなく「板画」と名づけ、目が弱いから体全体で覆い被さるように製作をする。

友人イトの家で初めて出会った棟方、その後また偶然にも弘前のデパートで再会。そして新聞に公開ラブレターをもらい、結婚。とはいえ善知鳥神社うとうさま、の前で誓っただけ。子どもを身籠り職業婦人として弘前市へ勤めていたのもやめて、実家の青森に出戻り。

1年半が過ぎ、我慢ならんと、子どもを連れて東京へおしかけるチヤ。夜な夜な墨を磨るチヤに守られ、貧困の中、製作を続け…
長男巴里爾ぱりじの里帰り出産後、ミシンを片手にまた東京へ。間借りしていた友人の松木の家を出て初めて4人で暮らす長屋へ。掃除をし、整え、棟方の仕事を支えるチヤ。

ある日の偶然で、白樺の創刊者、柳宗悦と濱田庄司に出会い、自分の版画を認められる。そして開設される日本民藝館の収蔵品として作品を高額で購入される。河井寛次郎他、知識人を紹介され、中でも閣僚の、水田良一から世界が広がり次々に創作していく。

戦火を免れ、なんとか持ち出した板木の数枚、買い付けた濱田の作品など。戦後はブラジルに出展の機会を得て最優秀賞を受賞、ヴェネチア ビエンナーレでも大賞を得て世界のムナカタに…

版画が油絵より下に見られていたとか、柳の紹介するゴッホがなによりも最初だったことなど、知らなかった。
改めて大和し美し、壮大な絵巻物を見に日本民藝館へ再訪したい。


民藝の美は、無心の美、自然の美、健康の美。
ずば抜けて個性的であり、西洋画に微塵も追従しておらず、他人の評価などまったく気にしていない無鉄砲さ…それでいて卓越した手技と緻密な構成も兼ね供えていた。 油絵よりも格下、既成概念を覆す白八年もがき続けた。 p. 160


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Posted by ブクログ 2024年04月25日

『もし受がらながっだらどうすだ? そのときはお父さとお母さに合わせる顔が、ね。へば、どうすだ? おんちゃが持ってぎだ縁談を受けねばまいね。たしか、相手の人は津軽の金物屋の息子だったよ。ええ? ワだば金物屋の嫁コになるの? やだやだ、そったらごど、絶対やだよ。駄目、まいね。絶対、まいねだ!』―『一九二...続きを読む八年(昭和三年)十月 青森 ― 一九二九年(昭和四年)九月 弘前』

津軽弁の響きが懐かしく蘇る。文字に起こされればはっきりと輪郭を持つ言葉も、年配の人々の口から発せられるとまるで知らない国の言葉のように単語の切れ目も見失いがちになる。卒論の調査で入っていた山中で唐突に話しかけられた時に閉口したことなどを思い出す。

この本は昨年10月の日曜美術館での放送に刺激されて買い求めたもの。初めての原田マハ。特に熱心な志功のファンという訳ではないが、棟方志功の版画(志功は「板画」という呼び方を好んでいたそう)集は一冊だけ持っている。草野心平の富士山を歌った詩にモチーフを求めて編まれた一冊、「富士山」。心平による「ノート」よれば、これらの作品は一九六五年に志功が渡米した際に一気に彫り上げた二十四作品に、翌年新たに二作品を加えたもの、とある。様式としては、志功を世に知らしめた「大和し美し」と同様、心平の詩を意匠的に彫り込んだものと、白黒だけの世界から踏み出した「鐘溪頌」のように色彩を施したものが混在している。

もちろん、物心ついた頃には棟方志功は既に著名な人であったし、その独特の画風、そして顔を版木に擦り付けるようにして彫る姿は一度観たら忘れ得ないものだったけれど、自らの意思で求めたものはこれ一冊だけ。けれど志功との不思議な遭遇の機会は何度かあって、例えば、時々訪れていた上野の居酒屋。せいぜい二人くらいで呑みに行くのが常だったが、六人で予約して訪れた際に通された奥の座敷に何気なく置いてあった衝立が何と志功の作品だった。聞けば初代店主と親交があり貰ったものだという。あるいは学生時代の後輩を訪ねて倉敷に行った際に折角だからと観光した美観地区の大原美術館。もちろん美術館自体は知ってはいたものの、この美術館に棟方志功館があることは知らなかった。ここで「二菩薩釈迦十大弟子」を始めとする作品群と意図せず出会って圧倒された。

『柳たちは、自分たちで見出した棟方志功というとてつもない原石を磨いて世に送り出してやろうと意気込んだ。そのために、彼らはまず論陣を張って棟方を擁護し、筆の力でこの新人を推し出した。また、仲間内で後援会を組織して会費を集め、経済的にも棟方を支援した。さらには棟方にとって有益だろうと思われる知識人や宗教人を紹介した。そのすべてが版画家・棟方志功を伸びのびと育てる太陽となり、深い人間性を育てる慈雨となり、自由に表す心を鼓舞する風となった』―一九三七年(昭和十二年)四月 東京 中野 ― 一九三九年(昭和十四年)五月 東京 中野』

さて、そんな思い出話につい浸りそうになるこの本は、「オーディブルオリジナル」として書かれたものとの註から想像される通り、するすると脳の入力装置に受動される一冊である。原田マハの作品はこれが初めてなのだけれど、キュレーターでもある著者ならでは、と思わず陳腐なことを言ってしまいたくなる文章が並んでいる。極端に言えば、美術展で提供されることのあるオーディオ解説のサービスが、より詳細にドラマ仕立てになったような文章なのだ。そのせいか、小説を読んでいるというよりも、棟方志功展を訪れ、時代ごとに作品を配した各セクションの入り口に掲示されている解説を読み、実際には目にしていない作品を眺めながら、会場から会場へと「プロムナード」しているかのような気分に浸ってしまう。特に本書に登場する作品については、前述した日曜美術館で紹介されたものや大原美術館での印象が残っているので尚更、でもある。

棟方志功が志が高いだけの文無しの洋画家の卵であった時代から、版画家として認められ日本のゴッホならぬ世界のムナカタになるまでの時代を、辛苦を共にしてきた同郷の妻の視点から描いた物語は面白く一気に読める。史実に基づいた小説だけに先の展開は読めてしまうのだが、志功の公人的な一面(画家のその特徴的な風貌と、その独特な語りは強烈過ぎるが故に、超人との印象が強く残ってしまうのだ)の裏にあった私人志功の一面がありありと描かれていて興味深い。しかしよく考えてみればこの視点を選択するのは、ある意味必然というか、むしろ小説にするならばこれ以外の視点は選びようがないとも言えるのかも知れない。何故なら、破天荒とすら見える棟方志功自身の視点というのは、どれだけ史実に基づき残された著書や対談の言葉を再構成して描いてみても、どうしても嘘くさくなる。更に、その強烈な印象で観るものを圧倒する作品で、版画家は何を描こうとしたのか、あるいは作品を生む過程でどんな葛藤があったのかを本人の口で語らせるのは、作品を解読する以上に困難だろうし、物語に落とし込める程単純なものでもない筈。現に、原田マハ自身が志功の作品について、原始的な力(それはつまり理屈で拵えた概念以上のものということだろう)を感じると印象を述べている。そしてそれは志功自身が放つ人間力でもあった筈だ。それを解ったように描いてしまうのはキュレーターとして誠実な行為ではないだろう。

それ故に、同郷でありもっとも身近に居て、その心情を深く理解していた筈の妻の立場から、見えたこと、理解したこと、そして最も肝心なことは理解し得なかったことを小説に落とし込むというのは、棟方志功の才能を、そして作品を陳腐な理屈で矮小化する愚を避け得て、同時に根源的な人となりの持つ逞しさをも伝え得る正しく唯一の方策であったのだと思う。ただし何度も言うけれど、どうしても美術展の図録に載っている解説を読んでいるような気になってしまって、小説を読む時に感じる脳の活性化が起こらなかったのが少し残念ではあるけれど。絵を鑑賞するような小説、という新たな様式なのだろうね。

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Posted by ブクログ 2024年04月22日

原田マハさんのアート長編を初めて読みました。
棟方志功の妻、チヤ子が語る棟方志功の生涯。
自分の知らない世界でした。

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

棟方志功の妻チヤが語り手の史実を元にしたフィクション
原田マハの他の作品のようなミステリー要素などは全くナシで、棟方志功という人間に真正面から向き合って書いた作品です

自分の体験ですが、中学生の時の修学旅行先が「棟方志功記念館」で、牛乳瓶の底のようなメガネをした髪の毛ボウボウの男が、板に顔を擦り付...続きを読むけるようにして版画を彫っている姿を見てカルチャーショックを覚えました
またその作品のふくよかで神々しい顔や体のライン、版画独特の墨がかすれた感じが心安らぐ感じで、今でも大ファンです
そんな愛する棟方志功を原田マハさんに描いていただき、知らなかった史実を知れた喜びと同時に、さらに棟方のことが好きになりました
とても感謝です

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月13日

棟方志功の人生と作品を、妻のチヤの目線を通して語るアート小説。『リーチ先生』の語り手がフィクションで、その分民藝運動全体の動きを俯瞰していたが、これは妻目線であることで棟方志功1人に的を絞ってある。

チヤの深すぎる愛に涙が出る。
芸術家が芸術に殉じる為には、必ず深い理解者が必要だ。芸術に命を注ぐ代...続きを読むわりに生活能力が著しく低いから。世界のムナカタの第一の恩人はやはり妻で間違いないんだと思う。

印刷博物館の展示の動画で、板に目をくっ付けるようにして彫り込む棟方志功の姿を見たことがある。その時はあまりの近さに違和感しか無かったのだが、弱視だったことを初めて知る。目を患って絵を極めるなんて、困難さに絶句してしまう。

棟方志功の作品は、どちらかと言うと私は好きではなかったのだが、この小説を読んだあとに眺めると違って見える。眺め方を教えてもらったというか。アート小説は芸術鑑賞の最良の先生だなと改めて思った。

渡辺えりさんの朗読は山形県ご出身というだけあって東北の言葉としてあまり違和感を感じなかったが、青森の方はどうだったのだろうか。
どこかで聞いたイントネーションだなぁと思っていたが『千年万年りんごの子』だ!それと『たそがれ清兵衛』だ!
青森いっでみでなぁ。

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Posted by ブクログ 2024年04月12日

マハさんのアート小説はどれも本当に素晴らしいです
何回読んでも、フィクションなんだよね!?と思わせてくれる
棟方志功の世界にどんどん引き込まれていきました

こうやって知っていくと美術館に行きたくなるし、アートに触れたくなるんです
この作品は、どんな想いで作られたんだろう
そこにどれだけの価値がある...続きを読むのかなんてそこまで深いことはわからないけれど
わからなくても、わからないなりに感じてみたくなります

マハさんの作品大好きです

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

棟方志功、名前はどこかで聞いた事があるぐらいの認識。奥さん目線で書かれた本。棟方志功の板上に掛けるもの凄い情熱、命懸けの取り組みがズシンの心に刺さる。棟方志功がいかにして世界のムナカタになったのかがわかりました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月05日

事実として知っていらっしゃる方も多いと思うので全部ネタバレで書きます。





棟方志功の妻となったチヤ子が語る棟方志功の生涯。

二人が出逢ったのは棟方とチヤの故郷の青森市。
チヤは18歳で看護師を目指していました。

棟方は17歳でゴッホの<ひまわり>を見てひと目で心を奪われ東京で青森の絵の仲...続きを読む間の家に居候しながら「日本のゴッホ」になりたいと言っていました。

チヤと棟方は弘前のデパートで再会し、棟方がその後新聞で公開ラブレターを送ります。
そして二人は結婚するのですが、東京へ戻った棟方はなかなか食べられず、チヤと長女のけようを呼び寄せてくれません。

ところが棟方はとある偶然から、
柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎の三人に認められ、太平洋戦争を経て「世界のムナカタ」になります。

ヴェネチア・ビエンナーレのグランプリ国際版画大賞を受賞しました。

日本のゴッホになる、とあの人は最初言いました。
だけど結局、あの人はゴッホにならなかった。
ゴッホを超えて、とうとう世界の「ムナカタ」になったんです。
「私はひまわり、あの人は太陽」。

棟方は四人の子どもたちとチヤ子のことをとても大切にしていた愛妻家でした。
若い頃二人が離れ離れに暮らしたのも棟方が妻子を大切に思うからこそでした。

チヤ子はチヤ子で棟方の為に、版画で使う墨を磨って、子どもたちに「お母さんは墨の匂い」と言われるほど。
相思相愛の素敵なカップルでした。



閑話休題

この本は出る前から私はとても楽しみにしていました。
というのも、私の母の実家に(母が産まれる前ですが)棟方は遊びにきたことがあるのです。
母の実家は東京の阿佐ヶ谷に二軒家を持っていて、隣の一軒を青森出身の人に貸していたそうです。
この本を読むと、その人物とは棟方の居候していた家の主人で、青森出身の松木満史ではないかと思われます。
そして、棟方が日展(帝展)に初入選した日、二人が「隣の奥さん親切だから御馳走してもらうべ」と言って訪ねてきて母の母(私の祖母)が御馳走すると、「ワァは、世界のムナカタになる」と言い、「奥さん紙をください」と言って何枚も墨絵を描いて残していってくれました。
そのうち何枚かは、私も家にあったので(母は上の姉二人を乳児の時に亡くした一人っ子です)実物を見たことがあります。
でも、その絵もうちに置いておくより棟方の好きな方にお譲りした方がいいということで売ってしまいました。

最後の一枚だったふくろうの墨絵の写真を私のXにポストしておきますのでよろしかったら御覧いただければ嬉しいです。(私のXには私の本棚からすぐ入れます)

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

作品から豪快なイメージだったが、愛妻家だったんだ。「なんという輝き、なんという力だ。こんなにも粗削りで根本的な美をもろに突きつけてくるとは」by柳宗悦「君のものを見ていると、人がかつて山野を駈けまわっていた時の荒魂が頭をもたげる。君は確かに人々の中に隠れている荒魂を呼び返す人だ」まさに棟方志功作品。

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Posted by ブクログ 2024年04月02日

宗方志功の妻ムハを通しての夫宗方志功の話だったと同時に2人の生きた時代そのものまで語りつくした作風だった。読み終えてすぐに2度読みに!素晴らしい作品だった。まるで漫才の世界の様な記述がありクスクス笑いながら読み終えた。宗方志功なる人物は純粋で子供ぽくでそれでいて思い込んだら 一本道を突き進む人だった...続きを読むんだな。小生の記憶の中にも彼の作品はいくつかある。感動感動の連続だった。

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Posted by ブクログ 2024年05月03日

原田マハマジックで
この作品も棟方志功に詳しくない私には
こんな生涯を生き抜いた方なんだと
魅力のある人物として刷り込んでくれました

棟方志功を世界の棟方に向かう道筋に
民藝が関係(かなり重要ポイント)だった
それは不勉強すぎて知らなかったです。。。

ドラマチックすぎる感じですが
だからそんなに...続きを読む棟方志功を知らなくても
読み終えることができると思います

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

棟方志功の板画家としての生涯を妻チヤから語っている。
板画家として認められる迄は貧乏のどん底で、認められてからは、いかに板画に純朴に取り組んだか、棟方志功の熱い想いがひしひしと伝わってくる。
チヤが妻として夫と一緒に歩んできた幸せを感じられる様な読後感。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

彫る人の心が宿る。表紙を眺め、棟方志功という人間を感じた。弱視を物ともせず、一途にゴッホ目指して突き進む志功。彼を信じて献身的に支える同郷の妻、チヤ。夫婦の息が合った津軽弁が、日常の辛苦や緊張を希釈する。芸術家は強いと感じ入った。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月29日

何かを成し遂げる人は、他のもの全てを捨てるくらいでないといけない、というくらい、棟方志功は真っ直ぐに板画と向き合った人だったんだな。そして奥さんのチヤも本当にすごい。
大抵何かを成し遂げる人の側にはそれを支える誰かがいるけれど、棟方を信じて、極貧生活を乗り越えてここまで支えられる人がいるだろうか。
...続きを読むこの作品を通して棟方志功という人物を初めて知ったけど、この方は生きているうちに評価されて、最後に神と崇めるほどのゴッホの墓前にも行くことができて本当に良かったと思う。

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

史実を基に、棟方志功の半生を妻チヨの視点で描いた原田氏の創作物語。
版画作製中の、棟方氏の版木に覆い被さるような態勢にも迫力を感じた方は多いと思うが、そのワイルドで唯一無二の作品の出来上がる迄、そして世に輝く作品として押し出される迄の苦労が時としてユーモアを交えて描かれるのが良い。津軽弁がそれを助け...続きを読むている様。

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Posted by ブクログ 2024年04月23日

板上と聞いて原田マハもとうとう棋士の話を書いたのかと思ったら棟方志功の話でした、それも妻チヤの語る棟方志功でありました、作者には珍しく成功物語であり、あまりヒヤヒヤさせられる展開でもありませんでした、しかしこれまで原田マハの書く実在人物ものは想像の世界が入り込んでそんなアホなと言う物語が多く、ちょっ...続きを読むとそれはやり過ぎじゃないのと言う感想を持ちましたが、さて本作はどこまでも真実が述べられているのでしょうか。

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

原田さんの新作は棟方志功。
主人公は棟方志功の妻チヤ。
最初と最後が現代のチヤの語りで、本編はチヤ目線の物語。

原田さんは相変わらず巧い。同じ時を共有している気分になる。
チヤさんの事をほとんど知らなかったので、興味深くてあっという間に読んでしまった。

妻を主人公にすることで棟方志功の人柄が出て...続きを読むいると思うし、妻との会話が青森弁なのも、人物が生き生きしてくる。

すごい夫婦で感動した。

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

版画家棟方志功の物語。
いつもながら、マハさんの筆にかかればノンフィクションを読んでいるかのような『へえ~、なるほど、そうだたのか、凄いなあ』感で、最後まで流れるように、いつの間にか読み終わってる感じ。
でも、Wikipediaで見てみると、結構違いが(笑)。
その辺りを理解した上で読むのがマハさん...続きを読むです。物語として、最高です。
欲をいえば、あと100ページくらいあったら良かったかなぁ。

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

とにかく原田マハさんが書くアート小説が好きで、アート小説なら誰が題材でも読むようにしています。そのため、棟方志功は名前しか聞いたことがなく、画家なのか、どんな作品を創る人なのかも知らずに読み始めました。(タイトルとふれ込みで板画家と知ったくらい)
こんな風に、取り上げられてる人や作品は知らずに読み始...続きを読むめても、読み終わると本人のファンになったり作品を知りたくなったりするから、マハ作品が好きなんです!と今回も思いました!

序盤はわりと普通に読んでいたんですが、最後から2番目の章で涙がポロポロと溢れました。ここに行き着くまでの道のりや出来事や感情を、読み進めるうちにいつの間にか一緒に背負っている感覚でした。
読み終わった直後なので、いまはとにかくムナカタ作品に興味津々、といったところです!

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

福光繋がりと先月大原美術館へ作品を観に行き、勝手に身近に感じている棟方志功。棟方志功だけ、ではなくチヤさんの視点で書かれた夫婦の物語。

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

棟方志功、来たっ!!

…とはいえ、作品以外あまり知らなかったんだけど。

弱視で、板に齧り付くようにして彫ってるイメージのみで、気難しくて、とっつきにくい人のように思っていたけど、家族を愛し、人にも愛される、素敵な人なのだった。

とにかく、奥さんのチヤさんが凄い。
なぜこんなに深く、信じて、支え...続きを読む、愛せたのかな?

チヤさんはひまわり。
棟方という太陽をどこまでも追っていくひまわり。
日本のゴッホに成ろうとし、世界のムナカタになったのも凄いんだけど、家族の太陽でもあったんだろうな。

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

真っ直ぐな夫婦の真っ直ぐなお話
心の根元で繋がってるってこう言うことだな
マハさんのまとめ方がグッときすぎる

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』―棟方志功とチヤの絆を描くアート小説

原田マハ氏の『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』は、1924年に裸一貫で青森から上京し、画家を目指した棟方志功の苦闘と成長、そして彼を支え続けた妻・チヤの深い愛を描...続きを読むいた長編アート小説です。棟方が絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もない中で、弱視に苦しみながらも木版画という道を見出し、その「板画」が後に革命の引き金となる様子が丹念に描かれています。

この物語は、ただのアート小説を超え、棟方志功とチヤの夫婦愛、二人の人生の歩みを通して、信念を持ち続ける大切さと、それを支える無償の愛の価値を伝えています。棟方が世界を変えるアーティストへと成長していく過程は、多くの苦難と挑戦に満ちていましたが、それを乗り越えた先にある成功の価値は計り知れません。

現代において、このような夫婦の形は珍しいかもしれませんが、本作は夫婦とはどうあるべきか、互いをどう支え合うべきかについて考えさせられる作品です。特に、Audibleでの渡辺えりさんによる朗読は、方言の訛りを含めた表現が印象的で、物語の雰囲気をより一層深く感じさせてくれます。

『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』は、棟方志功の人生とアートへの情熱、そして彼を取り巻く人々の生き様を通じて、アートが持つ力と人間の深い絆を感じさせる、心揺さぶる一冊です。読み終えた後も長く心に残る、感動的な物語をぜひ体験してください。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

原田マハさんの本、好きで読んでいますが、今までは何か静かな感じの作品でしたが、今回のものはかなり動な泥臭さが出ている感じがします。
やっぱり、好き。

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Posted by ブクログ 2024年04月03日

Audibleで聴了
ゴッホに魅せられて、憧れて、画家を志した棟方志功の物語。
油絵から版画という全く違う芸術へどうして変わったのか、どのように世に出たのかを妻の視点から描かれます。
構成が素晴らしいのと、語るのが山形出身の渡辺えりさんで、他の方ではなかなか真似できない臨場感でした。
本当に貧しく、...続きを読む野草が食卓を飾るような毎日の中で、暗中摸索しながら版画をする毎日。
その貧しい長屋の部屋を聖画のように照らすのは、ゴッホのひまわりの切り抜きであった。

自分を信じぬき、日本のゴッホになると制作に没頭する姿は、鬼気迫るものがあり、元々弱視だった目が見えなくなってしまうかもしれない場面では、神に祈るような気持ちになりました。
棟方志功にとってヒマワリとはどのような存在になったのか 読んでいただきたいです。

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

事実2割に創作8割の原田マハ作品という事を頭に入れて読んでいる。
今作も、本当かよ〜という場面もあったが、まぁ原田マハ作品だからと納得。
今作はとにかく軽く読めてしまったのは、
棟方志功の妻の視点から描いているせいか、あまり棟方志功に感情移入しないからトラブルや苦悩が読めなかった。
実際に「ニ菩薩釈...続きを読む迦十大弟子」に接して魅せられた感情の昂りを知る読者には、もう少し作品について語ってもらいたかった。

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

audibleのために書き下ろされた作品の書籍版。「板画家」の棟方志功と、その妻チヤを
描いている。
この人の名前も作品も知っていたが特に興味もなくてスルーしていた。途中までは他の芸術家同様、夢ばかり追いかけて家族を顧みもしないしょうもない人という印象だった。「日本のゴッホになる」という言葉は、ある...続きを読む意味で達成されたのではないかとすら思った。が、ある作品を巡る出来事から運命は大きく動き出す。まあ、偶然というより、この人の持っていたものが引き寄せたと解釈したい。
因みに、会話は東北弁が多く、聴読は難しいかもしれないと思った。でもそれ故の楽しさもありそうだ。機会があれば聴いてみたい。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

棟方志功といえば渥美清(古い!)
存命なうちに評価されてよかった。
芸術家には周囲で支える人が不可欠。

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

バッハのひまわりに魅了された版画家のお話
私、芸術に疎く、全然入ってこなかったのですが
「もしもの分かれ道」は良かった
私に置きかえてみると、いくつものもしもの分かれ道が思い浮かびますが、それを上手く選んでこれたからこそ今があって、満足ができる日々を過せているので選択は間違ってなかったと振り返ること...続きを読むができた
もしもの分かれ道が重なり今がある
良い選択をし人生を楽しんでいきましょう!

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