【感想・ネタバレ】女性と人間開発 潜在能力アプローチのレビュー

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

 第三世界の女性「開発」のために現在最も主流とされている(たぶん)、潜在能力アプローチ、について書かれた本。潜在能力(ケイパビリティ)アプローチについて学ぶためには、まず最初に読むべき本である。第三世界の貧しい女性達を開発していくために、彼女らの所得や効用(主観的な幸福度)ではなく、彼女は「何ができ...続きを読むるか」「どんな状態になれるか」という、潜在性を、アプローチの評価変数として取り入れる方法である。著者は哲学が専門らしく、政治哲学的な内容となっている。もちろん、根源的に何が基準とされるかというと、評価者(西欧先進国)の「直観の定点」ではある。が、本書のあげるケイパビリティのリストは、より広範囲に人々を繋げる規範としては、普遍的に妥当とするに値するように思われる。「伝統」や「西欧の押しつけ」などの批判に対する反駁や、「宗教」「家族」との衝突についても書かれていて、非常によくできた書物である。原著2000年、翻訳2005年。新しい本である。2008.5.22-26(5d).

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