【感想・ネタバレ】嫉妬論~民主社会に渦巻く情念を解剖する~のレビュー

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Posted by ブクログ

嫉妬をギリシャの賢人や哲人時代から現代の思想家に至るまでの文言を元に分析した一冊。現代社会のポピュリズムやヘイトにも繋がる考察が面白かった。

特にルネ・ジラールの「羨望の三角形」をベースにした「誇示は羨ましがる他者がいないとなりたたない」という話や、三木清の「嫉妬は質的なものではなくて、量的なもので起こる(個性的なことではなく誰もが欲しがるお金や名誉、ステータスといった量的な物差しではかれるもので起こる)」といった話が勉強になった。

面白すぎたので、近日読書会で取り上げようと読み込んでいる最中です。著書の次回作にも期待大

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

「嫉妬」という感情を紐解いた書籍はたくさんあるけれど、この本のように政治的な面から分析しているものはめずらしいと思う。だいたいは心理学や哲学系の分野で、嫉妬が思考や行動にどのように影響するかが書かれている
けれどもこの本は嫉妬とは何かを検討したあとで思想史において思想家が嫉妬をどのようなものと考えているのか、そして嫉妬はコミュニティでどのように変化するか、また現代の民主主義において嫉妬はどう作用するのかを様々な人の定義や言葉を引き付けながら書いている本。当たり前だけれど人間は理屈によってのみ動いたり考えたりしているわけではなく、嫉妬をはじめとする種々の感情があり、それを無視して理屈のみによって政治的な訴えを起こすことの困難さが理解できた

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2024年03月28日

Posted by ブクログ

嫉妬についての本は初めて読むので、嫉妬について詳しく考えを聞くことが新鮮で面白かったです。
古代より悪しきものとして思われ続け、人々が苦しんできたものとわかって、恐ろしく掴めない嫉妬という感情が不毛でも人は持ってしまうもの、とわかり妙な親近感というかリアリティが伴って怖さが減りました。

感想を書こうにも中々建設的なことが出てこないのでまだまだ理解できていないのだと思われる。
嫉妬は私感で、民主主義など政治に関係ないと思い込んでいたけれど、そうではなく社会の体制に一個人の嫉妬の感情が作用してまた社会が作られ、というように影響があるのだと知れた。

印象に残ったところ
p116
嫉妬を「あるゆる種類の個々の傑出した人物に対して、凡庸者どもが申し合わせなど抜きに暗黙裡にとり結び、いたるところで栄えている同盟の塊」

p241
社会が価値あると見なす次元が多様であれば、安易な序列化が難しくなり、彼我の比較も容易ではなくなる。それが社会における嫉妬の爆発をいくぶんか抑制することになるのだ。


『ルルドの泉で』の話題に触れたのは初めてだったので何だか嬉しかった。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

私の嫉妬は私だけのもの。

嫉妬を飼い慣らすためには、比較をやめるのではなく、むしろ徹底して比較してみてはどうか?

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なかなかおもしろかった!

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2024年03月11日

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