【感想・ネタバレ】旧約聖書の謎 隠されたメッセージのレビュー

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Posted by ブクログ

自分はどちらかというと原理主義的キリスト教信仰教育を受けてきた者だが、ある程度の年齢となりそれなりの人生経験を積んでくると、過去に信じていた内容を否定するものであっても、自分なりに冷静に、そして今まで蓄えてきた知識を持って論理的な判断を下す事ができる様になる。

この本では、旧約聖書に記されている内容が、必ずしも全て聖書に書かれてある通りの歴史的事実であるとは言えないという事を、資料を検証しながら展開してゆく。歴史的事実と信仰とを変に同一視せず、かと言って聖書に記されている内容の歴史的意味をきちんと理解している所にも好感が持てる。

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2020年08月12日

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楔形文字は、非セム語のシュメール語のためのものだったが、古代セム系民族はこれらの文字を採用した。代表的な言語はアッカド語
シュメル語の洪水伝説、ギルガメシュ、アトラハシースの3つが洪水伝説として有名
メギドでギルガメシュ叙事詩の粘土板断片が発見

上エジプトのベニハサンには、紀元前19世紀のへきががあり、そこにはセム系遊牧民がアビシャルという名前の指導者に率いられて連れてこられるシーンが描かれている

古代エジプト王朝は自分が負けた記録は残さないことで有名

もしこうしたらこうなる、という条件法はハンムラビ法典など幾つかあるが、十戒にあるような、父母を敬え、殺すなという人類全体に対する絶対法は他に類がない

1920年代に起こったとされるエリコ近辺でのヨルダン川せき止めは、たぶん虚偽

何れにしても、エリコには城壁はなかった
今ヨシュア記の制服記録とアッシリアの征服記録の類似性に学者たちが注目している

ダビデ以外にもゴリアテを倒した人物がいる エルハナン しかし歴代では修正

列王第一20:24の長官という言葉はペルシャ時代

ヨナの時代はまだニネベは栄えていなかった
ヨナ3:4の滅びるというヘブライ語には、転覆すると変化するという二つの意味があり、変化なら良い変化もあるので何れにしても成就する

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2015年12月31日

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著者の前作『聖書考古学』に引き続き、旧約聖書に書かれているエピソード史実性を調査するという内容。

私はそもそも旧約聖書を読んだことがないけど、そういう読者にもわかるようにそのエピソード自体も解説してくれるのでとても読みやすい。

旧約聖書自体を勉強しながら読むこともできて面白かった。

Memo:
エリコの征服とは:出エジプトを果たしたモーセの後継者ヨシュアが、パレスチナという約束の地へ入る際の快進撃の最初の戦い

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2014年09月23日

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前年に発行された同じ著者の「聖書考古学入門」の姉妹編ともいうべき本で、考古学の基本を解説した後、旧約聖書の7つのエピソードについて、考古学的に解説している。

考古学の基本も簡単ではあるが一番大切なことを解説しており、そのうえで数字をどのように読むのか等考古学的手法の解説が述べられており、結論というよりもこのようにも考えられるという学説の紹介で終えていることが多い。考古学も進歩しているので、数年たったら、どのような発見があって進歩したのか読んでみたいと思った。

また中公新書の分類によると、聖書考古学は世界史、本書は宗教に分類されていた。個人的には同じ分類がよいような気がするのですが。目次から、ノアの方舟と洪水、出エジプト、エリコの征服、ダビデとゴリアトの一騎打ち、シシャクの遠征、アフェクの戦い、ヨナ書、

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2014年05月01日

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旧約聖書の「ノアの方舟」「出エジプト」「エリコの壁」「ダビデとコリアテ」「シシャクの遠征」「アフェタの戦い」「ヨナ」、7つのエピソードについて考古学・歴史学的考察を加えた本。大変興味深いとともに、最後に記される聖書の文化的価値についても考えさせられる好著。

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2014年04月18日

Posted by ブクログ

歴史研究はパズルのピースを合わせていくようなものだ。多少の違和感がありながらも、ピースが収まれば、それが通説(教科書に載る歴史)になっていく。聖書にある出来事が事実か否かを探る内容だが、誰もが『歴史』として学んだモーセの出エジプトもいずれ真実としては変わっていくのだろうか。
調査技術が進歩して、年代の特定精度が高まっていく中、今後も新たな歴史として作られていくのだろうか。否、歴史は歴史、過去は変わらないはずだ。
わからない未来への恐怖は拭えないが、判りすぎる過去も自分はあまり望まない。当時に生きた人々に取って真実は一つ。無かった、という事実も一つの答え。真実を知りたい!という、燃え盛る探究心が、科学技術の進歩で消えないことを望む。

後半のヨナ書の項、『読む際に、ジャンルを決め打って読んでいる』という指摘には、自身を振り返り何でも知識・経験で考えてしまう頭のクセを改めなければと感じた。
頭を平らにし、文字、表現、構成が伝えようとするメッセージを感じ取りたい。

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2023年03月11日

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ネタバレ

『聖書考古学』の姉妹編ということで、前編で取り上げられたものを含め、旧約聖書の物語の史実性を検討している。やはり、面白い。そもそも聖書は正確に史実を記すための書物ではないということもなるほどと思わせられた。

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2017年05月19日

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旧約聖書を考古学と歴史学から、史実なのか神話なのかを問う。
勝手に「全部神話だろ」と思っていた。でも「出エジプト」って世界史で習ったような。てことは、それは史実?
旧約聖書って日本の古事記みたいな存在なのかも。歴史的事実を伝えることが第一義なのではない。けど、なぜそのエピソードが伝えられてきたのかを考えることがとっても大切なんだ。

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2015年10月11日

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ネタバレ

20150906-0918  前著『聖書考古学』の続編?
旧約聖書に書かれている出来事を考古学的アプローチを使って実際に起きた出来事なのか、年代の同定、人物の特定等を行っている。そもそも旧約聖書の年代なんて、私は正確なはずがないと思っているのだけど、大真面目に信じている人たちもいるのね・・・

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2015年09月24日

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