【感想・ネタバレ】震災と情報 あのとき何が伝わったかのレビュー

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Posted by ブクログ

東日本大震災の発生から、来月で1年となる。本書は震災の発生直前
から、「最初の1時間」「最初の24時間」「最初の1週間」「最初の1ヵ月」
「最初の6ヶ月」との区切りを設けて、メディアがどんな情報を流したのか
を追っている。

一切の批判・批評なし。その時、その時で、どんな情報が伝えられて来た
のかを時系列で並べている。

東京電力の情報隠蔽は今更言うまでもないが、東京電力と政府の発表
のみを垂れ流す国内メディアと、早くから放射能の拡散情報を公開して
いた海外メディア・研究機関の対比は興味深い。

そして、被災地で健康被害についての講演・講習会を行った専門家の
言うことがいかにいい加減であったのかもデータと就き合わせることで
あばいている。御用学者って本当にどうしようもないな。

震災発生時、職場で仕事中だった。家族に連絡を取ろうにも携帯電話は
繋がらず、公衆電話には長蛇の列。不安を抱えて帰宅し、翌日からは
電車の運休もあり公休と併せて思わぬ4連休になった。

テレビはどこも同じような内容を繰り返すばかり。情報源として役に立った
のはtwitterだった。

南相馬市の市長が、物資の窮乏を動画投稿サイトで訴えたのは有名な
話だが、今回の震災ではインターネットでの情報発信が大きな力を
発揮したのは確かだ。

加えて、大手メディア・通信社の記者が原発事故を機に福島から離れた
のと裏腹に、多くのフリーライターが現地の状況を伝えた。

情報の発信と入手方法は明らかに変化している。今後、大規模な事前災害
が起こった時、東日本大震災の時の教訓が活かされればいい。

そうして、この国の政府とメディアは情報と言うものを見直しさなくては
いけないのではないか。

「この種類の放射性物質は重いので原子力発電所から遠くへは飛びません。
日本に今あるのは昔の海外核実験で飛んできたものです。」

本書のある章の扉に書かれてたテレビ解説者のパラドックスである。
もうねぇ…突っ込む気も起きないんだが…。

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2017年08月16日

Posted by ブクログ

震災後のメディア上の情報の交錯を六ヶ月にわたって、時間を追って記述。

日本では原子力発電は終わらせようというのが、筆者の結語。

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2011年12月29日

Posted by ブクログ

災害が発生した直後(執筆期間を考えて)に出版されたので、現象を追うので精いっぱいだったのではないか、と感ぜられる内容であった。災害情報から分析できたことを知りたいと思うのであれば物足りないかもしれないが、「3.11あの時どのような情報が流れていったのか」ということに関して知るには内容・分量共にちょうどいいのではないかと思う。

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2012年12月29日

Posted by ブクログ

SNS、スマートフォンはほんとに便利なのだなと思った。
Ustreamの力もすごいのだなと思った。
災害時に情報はほんとに重要である。
しかし、まだまだ日本では完全ではなく、誤った情報や情報の隠蔽も行われている。
海外の方がよっぽど正確な場合も少なくない。
きちんと自分で取捨選択して情報を得ていきたいものだ。

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2012年04月11日

Posted by ブクログ

徳田雄洋『震災と情報』を読んで、原発をやめると、断言しない方がよかったと思う。


震災と情報――あのとき何が伝わったか (岩波新書)
(2011/12/21)
徳田 雄洋

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今年二冊目。

タイトルで職場の本屋の平積みから購入。

丁寧に震災の情報の提供の状況を整理している。

個人的には、本の最期に、突然、日本では原子力発電を終わらせよう、と自分の意見を理由なく述べているのは如何と思う。

原子力発電所を新規に建設するのは無理なのはとうぜんだろう。大事なのはエネルギー状況を考え、日本の製造業が海外に逃げないようにするために、原発の依存度を下げていけるかにある。

触れられていない大事な、触れにくい情報。

(1)基準の1ミリシーベルトを守って除染すると、500兆円をこえ、国家財政が破綻すること。

(2)原発事故の賠償額がそのまま電力料金にはね返り、国民の負担になること。

(3)年間100ミリシーベルト以下では身体への影響について専門家の意見がわれていること。

今年は福島の復興にも全力で取り組むため、原発と放射能の勉強も進めたい。

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2012年01月02日

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