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Posted by ブクログ
博士課程の方に村上先生の本を紹介頂いたが、
非常に勉強になったと感じていますし、他の方にも
お勧めしたいです。
村上先生の他の書籍も読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
今現在、「科学者」「科学」の置かれている立場を、もう一度、考えるのに、非常に重要な本。
10年6月刊行。
巷では、寺田寅彦が持ち上げられているようであるが、『沈黙の春』を挙げるまでもなく、科学を告発する者の多くは、れっきとした科学者である。
科学技術に裏付けられた物質文明の享受は、再考の余地が十分あると僕自身、考えるが、科学を全否定するような輩は、例えどこかの偉い学者先生であっても、全く与しない。
読書案内、参考図書がないのが非常に残念。
Posted by ブクログ
語りかけるような形式で、科学とはなにか、社会とどう関わってきたか、そしてこれからの社会との関わり方はどのようにあるべきかといったことをわかりやすく説いている。いまの科学あり方を考えるときにはやっぱり成立から現在に至るまでの歴史を追うのは大事なんだなぁと再認識した。技術との違いとかね。たいへん読みやすいので科学論、科学技術社会論的な領域への入り口としてはよいと思う。もうちょいヘビーなのを読んでいい段階かなと思えた。
Posted by ブクログ
冒頭で1999年「世界科学会議」で宣言された「科学と科学的知識の使用」について、以下の主旨が紹介されている。
1知識の進歩のための科学
2平和実現のための科学
3持続的発展のための科学
4社会のための、そして社会の中の科学
本書の後半では、特に4つ目の科学が中心の話題となっている。梅棹・湯川の『人間にとって科学とはなにか』では、1つ目の科学を中心に対する考察といえる。4この二人が対談してから約30年間を経て、これら4つの類型が整理されたことになる。
社会の中の科学を取り巻く課題は、多くそれとても深い。万人のコンセンサスを得ることは極めて難しいと予想される。それでもES細胞、脳死臓器移植問題、生殖医療といった分野の周辺の生命倫理上の課題と向き合わなければならない。わたしたちが。
個人的には、社会と科学の一つの接点として、「市民参加型技術評価」の可能性を注視していきたい。現状の政策等へのパブリックコメントの手法が成熟することを期待している。そのためには、筆者のいう「科学技術リテラシー」を身につけた人材育成が必要で、16年間の学校教育で「教養教育」を実施することが肝要となる。衆禺にならないような科学教育だ。
オマケ
先日見た映画『はやぶさ 遥かなる帰還』を見ても感じたが、日本特有の科学技術の発達のかたちとしては、まず「技術」とそれを支える「工学」が大切にされていたことが特徴とされているそうだ。他の近代国家の理学先行型とはだいぶ趣がことなることがよくわかった。
Posted by ブクログ
リテラシーの大切さと、文化上意識しなければならない科学の在り方についての初心者本。
リスクについての、解説が分かりやすい。
良書ではあるが、好みは分かれると思う。
Posted by ブクログ
つい先日、小飼弾氏が「科学的とはどういう意味か」という本の書評をしていた。
小飼弾氏による科学の定義とはたったの一行。
「科学とは、知をもって信をおきかえること」
つまりは、純粋な真理の探究としての科学研究について語っている。
しかし本書は、"人間にとって"科学とは何かというタイトルであり
社会の中における科学のあり方をテーマとしている。
今日の体系だった科学というものの歴史は、意外にもそれほど古いものではなく
始まってからまだ200年程度しか経っていない。
だが、科学から生まれた力は
良くも悪くも社会を大幅に変革するようになってしまった。
地球温暖化、クローン羊、ES細胞、核爆弾 etc
もはや科学は、純粋な真理の探究だけでは済まされない。
人間社会の基本的な価値観についての、多角的な議論が必要であろうと。
テーマは壮大で、いろいろ面白い話はあるのだが
いかんせん哲学的な問いなので、特に明確な結論があるわけではない。
一つ明確な主張があるとすれば
「多角的な議論のために、人類の皆がもっと科学リテラシーを身につけることが必要」ということだろうか。
余談だが、読んでいて全体的にまとまりのない文章だなと感じていたのだが
あとがきで理由が判明した。
著者は原稿を自分の手で1文字も書いておらず、語り下ろしを編集者が纏めてくれたとのこと。
どんなに頑張っても、他人の口述や考えを文章にまとめるのは限界がある。
自分の考えは自分の手で書かないと、文章をまとめるのは難しい。