【感想・ネタバレ】医療と介護の法律入門のレビュー

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Posted by ブクログ

お医者さん側から介護や医療のシステムをみると、こういう視点がある、という点でかなり新鮮な印象を与える本です。
医療というのは、どうしても患者や患者のおかれた環境にどこまで縛られるかということと、その限られた条件の中で最大限に求められる医療の理想とのせめぎあいだろうから、法律で定められたシステムがどれだけ機能しているといっても、現実は必ずしも法律のシステムにのっていれば済むというものではなく、相当ていど、常にはずれていて、グレーゾーンも多いはずです。介護もそれは同じことでしょう。
この点に関しては、法律はその法律の趣旨や目的は何か、という形で破綻を回避するのだけれども、必ずしもそれは実際の医療や、介護の場で上手く機能しない。
そもそも、法律が最終的に効力を発揮するのは、裁判で判決が確定したときなので、様々に態様の異なった日常には対応できない。
この本が書かれた根底には、このような問題意識があり、そのうえで行政や各種システムの機能、司法の働きをみている。
介護に関しては高齢者や障害によって社会活動が充分にできない場合にそれを助けるという意味合いから多くはその家族も巻き込まんでいくのでより一層複雑です。
その中でも、何を求めるべきなのか、どこまでが今実現されつつあるのか、受け身の姿勢では必ずしも今あるシステムもうまくは機能していかないことがよく分かる本です。

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2024年04月16日

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