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医療と介護は身近でありながら,関連する法制度は複雑である.病院での医療事故,医療安全,医療のキーパーソンと後見人制度,医療と介護の連携,診療データの利活用,医学研究の倫理,人生最終段階の医療など――.それらをめぐる法制度を,国内外の例とともに語る.激変する医療と介護をより深く理解するための1冊.
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Posted by ブクログ
お医者さん側から介護や医療のシステムをみると、こういう視点がある、という点でかなり新鮮な印象を与える本です。 医療というのは、どうしても患者や患者のおかれた環境にどこまで縛られるかということと、その限られた条件の中で最大限に求められる医療の理想とのせめぎあいだろうから、法律で定められたシステムがどれ...続きを読むだけ機能しているといっても、現実は必ずしも法律のシステムにのっていれば済むというものではなく、相当ていど、常にはずれていて、グレーゾーンも多いはずです。介護もそれは同じことでしょう。 この点に関しては、法律はその法律の趣旨や目的は何か、という形で破綻を回避するのだけれども、必ずしもそれは実際の医療や、介護の場で上手く機能しない。 そもそも、法律が最終的に効力を発揮するのは、裁判で判決が確定したときなので、様々に態様の異なった日常には対応できない。 この本が書かれた根底には、このような問題意識があり、そのうえで行政や各種システムの機能、司法の働きをみている。 介護に関しては高齢者や障害によって社会活動が充分にできない場合にそれを助けるという意味合いから多くはその家族も巻き込まんでいくのでより一層複雑です。 その中でも、何を求めるべきなのか、どこまでが今実現されつつあるのか、受け身の姿勢では必ずしも今あるシステムもうまくは機能していかないことがよく分かる本です。
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児玉安司
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