【感想・ネタバレ】統合失調症 その新たなる真実のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

すごく勉強になった。
病気や治療の特徴を、薬だけでなく患者を理解するという側から説明するのがよかった。いろんなパターンが説明されており分かりやすい。

特に最後の方で周りの人の接し方や、資本主義的な考えへの提議など、とても参考になった。10年前と思えない。重版されるわけだなあと思う。いい本でした。

0
2020年08月17日

Posted by ブクログ

統合失調症とは何か?人からそう聞かれたら、私はこの一冊を薦めます。統合失調症の疫学、病態、治療の歴史、回復のために家族や医療者、社会に必要とされること、患者との向き合い方、etc・・・。そこらへんの医学書を読むよりも、より深く、より愛着を持って患者さんに向き合うことができるようになると思います。

0
2014年02月18日

Posted by ブクログ

統合失調症について、その歴史から病気そのもの、発病の仕組み、そしてこの病気を持つ人に対してどうしたらいいのか、までとてもわかりやすく書かれています。
とてもまじめに書かれているけれど読みやすいです。

0
2014年03月27日

Posted by ブクログ

医療の真ん中には「共感」があったのだ。そんな当たり前の著者の主張に心が震えた。私は本書で人間の心を少し取り戻すことができた。

・慣れ親しみ、安心を与えてくれた日常世界は崩壊し、得体の知れないものに変質している。
・不安障害や気分障害、強迫性障害、社会不安障害などの診断を受けている場合もある。
・統合失調症の症状は、時期によって見え方が違ってくる。プロセス全体を見渡して考えていく必要がある。
・認知機能障害は75%~85%のケースで生じる。
・ワーキングメモリーの低下が先行する。
・完全雇用型の社会では統合失調症の回復率が優れていた。
・土着的な治療法で、一見、非科学的にみえる対応にも、深い知恵が駆使されている。患者の問題という視点を家族や共同体の問題という視点に変えさせる。
・単調な繰り返しを大切にし、そこに喜びが見出せるようになることが大切。進歩や向上を求める人は、人を追い詰める。
・アドヒアランス
・高EE(Expressed Emotion)家族(1.批判的言動、2.敵意、3.情緒的に巻き込まれている)
・クレペリンで12%がブロイラーは60%。
・決まった日課や役割を持つこと。
・知的な認知機能は社会的な機能の改善にはあまり寄与しない。
・症状があるかどうかよりも、それに左右されないことが大事。

0
2012年07月09日

Posted by ブクログ

環境が治療には重要であること、
患者のいる世界を理解することが大切であること、
統合失調症では、感情と思考が調和しない状況であるということ、
など、多くの学びを得られました。

統合失調症の方に対するあたたかい視線が感じられて、
とてもいい印象の本でした。
繰り返し、大切に読む一冊になりそうです。

0
2011年05月06日

Posted by ブクログ

症状や薬物治療についてとても読みやすくまとめられている。 特に後半の「統合失調症と社会」は必読。遺伝的な側面もあるのだろうが、やはり、社会の有り様がこの病気に大きく関わっている事を示唆しており、興味深い。

0
2017年02月23日

Posted by ブクログ

私の母が統合失調症であることから手に取った。本著では、概要はもちろんのこと、歴史、医学や社会などの幅広い観点から統合失調症について書かれており、非常に参考になった。
 また、何と言っても著者が小説家ということもあり文が冗長でなく、内容がスッと頭に入ってきた。だが、新書ゆえなのか、疫学研究などの出典が明記されていなかった。そこが唯一不満を覚えた点である。
----------------------------
内容:★★★☆☆
平易性:★★★★★
簡潔性:★★★★★

0
2016年06月19日

Posted by ブクログ

近代合理主義が統合失調症増やし悪化させるのにひと役買ってきたとすればいったんそこから脱却することが病を癒すのには必要なのだ。

0
2014年10月23日

Posted by ブクログ

人口の100人にひとりが罹患するという統合失調症。

世界的に地域差がないため、遺伝性が疑われていたが、最近の研究では、発展途上国のうちでも、裕福な家庭に罹患率が高いことがわかっている。

それだけではなく、発展途上国のほうが先進国よりも入院率が低く、社会復帰も早い。

抗精神病薬が開発は統合失調症の治療において革命を起こしたが、退院を促進しているとまでは言えない。

統合失調症からの回復には社会的資源が必要不可欠なのだ。

発展途上国では、人のつながりが強く、患者を包括的に支えてくれる。

また、発展途上国で行われている祈祷も、科学的根拠はなくても、病気を本人のせいにしないという面では大きな役割を果たしている。

今後、統合失調症の治療は病院から地域へと移って行くが、社会資源の充実なくしてはありえない。

----------

沖縄は戦後、統合失調症の発症率が全国平均の2倍と言われたこともあったけど。

「医者半分、ユタ半分」は正しい態度なのかもね。

0
2013年10月26日

Posted by ブクログ

統合失調症について分かりやすく解説している。筆者が、患者に対して好意的であり、そのことが全体を通して感じられ、安心して読める。一方、本人や周囲の人間の苦しみについてはあまり語られていない。筆者は精神科医なので自分に分からないことは書いていないのだろう。
入門書としてはお勧めだが、対処の役にはあまり立たないかも。

0
2011年12月21日

Posted by ブクログ

統合失調症の症状、原因、治療法、社会的要因などについてバランス良く書かれている本。症例も豊富でイメージしやすい。
周囲のかかわり方、とくに初期の介入の重要性をあらためて認識。
もうちょっと社会的に認識が広まれば初期介入もしやすくなると思うところ。

0
2011年09月24日

Posted by ブクログ

時々無性に読みたくなるメンタル系の本。

医師がこれ系の本を書くと、読む人のニーズを考えればそうならざるを得ないのだが、「症状」「対処」「療法」の話になってしまって、どの本も似たり寄ったりになってしまうのだが、この本は統合失調症の歴史や国ごとの発症率、患者のエピソードなど、ノンフィクショナルな要素も入っていて、そのあたりがとても楽しめた。

むしろ治療という観点をまったく除いた、心脳論的な本があれば是非読みたいのにと思うのだが、そのように扱うにはあまりにもナイーブな話題なのだろうなとも思った。

しかし、「統合失調症患者は綺麗な心の持ち主が多く、接していて安らぎを感じる事が多い」という著者の意見は、職業人としての立場を超えた率直さが感じられて、うーむと唸ってしまった。

そして、例えば「犬は猫です」と「前田敦子は可愛い」という2つの発言を僕がしたとして、この命題の客観的妥当性に本当に差があるのだろうか、などとも考えてしまった。

いずれにしてもなかなか楽しめる良い本だと思いました。

0
2011年09月08日

Posted by ブクログ

統合失調症(精神分裂病)の歴史、症状などがすべてわかる本。

文章も読みやすく1%程度の確率で発症する病気について、その特徴やメカニズムを理解することができた。

岡田氏の著作は、どれもわかりやすく、まとめ方がうまいと思う。

0
2011年08月12日

Posted by ブクログ

最初は簡単でスラスラ読める本だと思ったが、
なかなかどうして手ごわかった。
しかし、統合失調症について自分の知らない情報もあったので
勉強になった。
(例えば、世界のどこでも統合失調症に罹患する割合は
一緒であるという旧来の知見は間違っていることなど。)
読後感もよかったので、読んでよかったなと思う

0
2011年03月14日

Posted by ブクログ

統合失調症について、基本的なことがすべて書かれている。この病気についての本を読むのは初めてだが、この一冊で網羅されている感あり。良書。

この本で一番伝えたかったことは、この病気に立ち向かっていく上で重要なことは、「環境的要因」であること。つまり、患者の周囲の人が理解し、協力すること、人間としての尊厳を大切にして患者に接することといった、周囲環境が予後を大きく左右する。

本の最後にもあった、ゲーム理論でノーベル経済学賞をとった、ジョン・ナッシュの話は壮絶だけど、希望が持てるものだった。

近年では、うつ病に少しずつスポットライトが当てられてきており、精神病への理解が少しずつ進んでいるけど、この本も、統合失調症を理解していく上で、大きな一冊になると思う。

0
2012年01月03日

「学術・語学」ランキング