【感想・ネタバレ】射精責任のレビュー

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Posted by ブクログ

女性であれば誰でもが納得し、男性であれば理解する場合も反発する場合も結局同じこと。何も変わらないような気がする。要するに責任回避に向かうのだ。だけどそれではダメだ。と、本書はインパクトのあるレイアウトで非常に分かりやすく、問題定義「望まない妊娠のすべてが男性の射精にある」についてこれでもかと主張。本当にその通りです。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

中絶問題の論点を転換させる挑戦的な書籍。
中絶の是非を問う前に望まない妊娠を防ぐことに力点を求めるべきである。首肯であるし、男性である自分はこれからどのように振る舞うかを試されている。  

と同時にこのテーマに対して議論できる人が周囲にどの程度いるのか、もっと具体的には本書を手に取った男性ははどの程度いるのだろうか。この本を勧めることができる人がイメージできないなというのが少しもの悲しい。

男性が射精して卵子が受精することで懐妊すると事実は変わらないのに、視点を変えることで今までの女性責任偏重の空気を打開するきっかけを与えてくれる。ものごとをや言説を鵜呑みにするのでなく多角的に見直すという態度の大切さを教えられる。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

SNSで話題になってるのを見てたけど、これはかなりショッキング。ほんとにごもっともすぎて、納得でしかなかった。どんなに頑張ってもどんなに遊んでても女性は妊娠できないし、なんでこんなに備えねばならぬのだ。タイトルのインパクトと各トピックの見せ方がすごいけど、ちゃんと内容も目が覚めるものだった。

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2024年04月15日

Posted by ブクログ

インパクトのある表紙、タイトル。
でも決して気を衒ったものではなく、
今までの望まない妊娠に伴う真逆の視点を、
28の短く読みやすい章構成で、
繰り返し分かりやすく説いてくれている。

望まない妊娠に伴う報道を見る度に
「ところで〈原因〉のはずの男はどこに?」と
モヤモヤしていた気持ちを、
筆者が言語化してくれた。

中学生高校生で、必修科目にしてほしい。
そうすれば、男女がお互いを思い合えるし、
身体も心も傷ついて人生を狂わされる人を減らすことができるはず。

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2024年01月28日

Posted by ブクログ

著者のブレアさんは、アメリカのモルモン教徒。6児の母でもある。
確かモルモン教は、中絶はしないと言う教えだったはずだが、恐らく望まない妊娠もあったのだろう。
そしてアメリカでは人工中絶を法律で許すのか(プロチョイス)、許さないのか(プロライフ)で、世論を二分している。プロライフの方は、胎児の代弁者として、中絶は命を不当に奪っていると主張し、キリスト教福音派に多い。(かのセクハラ、歩く生殖器みたいなドナXX・XXンプ氏がこれを主張しているのは、悪い冗談のような気がする)

ここでブレアさんが言うのは、中絶賛成・反対の議論が出てくる前に、望まない妊娠をどうするかと言う本質的な話しがあるべきだと。そして、その妊娠を避けるには、女性の避妊方法ばかりが挙げられ、妊娠の張本人である男性のことが、あまりにも話題にされないと言うことだ。
安くて、簡単に使えて、しかも避妊成功率も高いコンドームをなぜ使わないのか?と。

確かに、中絶話の俎上に上がるのは女性だ。毎日でも的中率の高い精子をぶっ放す能力のある男性が、きちんと女性のこと、将来のことを、しっかり考えていれば、人工中絶は、少なくなるはずだ。

日本の21年度での人工中絶は、把握されているだけでも12万6174件。毎日平均345人が中絶しているとのことだ。

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2024年01月23日

Posted by ブクログ

哲学的、倫理的、政治的に女性のみに焦点が置かれ続けてきた。そもそも男性の射精がなければこの議論は発端しないのに。当たり前だが、全く当たり前で無い状況がずっと続いている。
そして、妊娠は痛いし、辛いし、危ないし、一生ものだし、人生をかける必要があるし、金もかかる。それが男性は逃げやすく、女性はどのような選択をするにせよ一生ついて回る。不平等の極み。

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

この痛烈なタイトル。
本の内容はこの一言で語りつくされると言ってもよかろう。
しかしこの本は、繰り返し繰り返し、
このテーマを深堀している。
我々男性にとっては耳の痛い話、気づいていない話ばかりだ。

と書きつつ、私は比較的気づいていたほうだと思う。
それは、妻が気が強い、はっきりものを言える女性だったからかと。
女性がどういうものか、否応なしに気づかされた。
この本に書かれている何割かは、身をもって理解できていた。

しかし、初めて気づかされたこともある。
それは、「セックスが男性のオーガズムで終わる」
という不公平さだ。
そういうものだ、と思い込んでいた。
たしかに、女性が先にオーガズムに達してはいおしまい、
でも文句は言えないはず。逆の立場だったら。
しかしそうはならない。
こりゃ不公平だ。

妊娠、出産は明らか女性に負担がかかることは理解していたが、
セックスも不公平とは。
そのくせいまは2回目のデートでセックス、、とか、、、
若い女性はどう考えているのだろう。
もっと自分を守らなければ、、と思うのだが。

女性にリスクを負わせる責任は男性にある。
その通りだ。

妊娠能力は男性は女性の500倍!
これもすごい数字だ。
女性は月1日、30年。
男は毎日何人でも、そして一生。

一生。。。。わたしはどうかなあ。。。

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2023年11月21日

Posted by ブクログ

発売前から「射精責任」のタイトルと訳者が村井理子さんと知り、読むのを楽しみにしていた

インパクトのある赤い表紙、目に飛び込んでくる「射精責任」の文字で装丁もカッコいい!

読むやすい文字の大きさ、28の提言に分かれている
(文字が見にくいお年頃にはありがたい)

・セックスをするから望まない妊娠をするのでは
 ありません。
・望まない妊娠は男性が無責任に射精をした場合に
 のみ起きるのです。

気持ち良いくらいバサバサと切り込んでいるが、決して男性を非難していない

他の方の感想にあったように性教育のバイブルにしてほしいくらいの本

性教育は人権教育だから
幼児期から(自分の心と体を大切にすること)学べる時間をもっともっと家庭や幼稚園、学校で取り入れてほしい

あとがきより(村井理子さん)
「少子化、出産、子育てにまつわる議論の中心に
 置かれるのは、今でも、私たち女性だ。
 私たちはその議論の中心に、
 男性も参加してほしいと願っている」

また読みたいと思う
そして男性にも女性にも読んでほしい本!

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2023年10月20日

Posted by ブクログ

すごく当たり前の事なのだけれどこれまで誰も言ってこなかったことをちゃんと言うのが凄い本。
射精責任ではあるけど、主題は中絶かな。
ラディカル・フェミニズム入門的な感じだなぁと。
そういう意味ではアンドレア・ドウォーキンのポルノグラフィなどの方が、理論としては深い感じはする。
ライトに読めるのでみんな読むべし。


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2023年10月02日

Posted by ブクログ

堕胎合併症陣痛出産における男性の死亡率は0%です!!!男性は妊娠から逃げることができる女性はできない!!!
本当に。望まないとか予期しないとか予定外の妊娠がどれだけ精神的身体的経済的その他諸々に受けるというよりマジで急襲される諸問題、被害、困惑困窮痛みなどなどは半端なものではないし、100パーセント妊娠の原因となっているもう一人の人がなんとかしてくれることはない。妊娠と出産はハイリスク命懸け。
しかも日本では、緊急避妊薬も体に負担が少ない避妊方法もほぼ普通の人には届いてない。という現実。きちんとしたカウンセリングや若い人の場合親や学校に知られず中絶することもできないだろうし、とにかく女一人では妊娠しないのだってこと、あたりまえのことがこれでもかこれでもかと出てくるのだが。この本を読む人は女の人が多いのか。男達が真っ先に読むべきだし、高校生くらいなら夏休みの課題図書にしてもよいのではないかな。

私たちの社会は、男性の行動が引き起こす結果から男性をまもるようにできています。
女性は場合によっては妊娠により退職を余儀なくされるが男性は職場から解雇されない。
妊娠させても賃金も下がらないし時短もしないだろうし養育費を払わなくてもなんの罪にもならない、、、
精子は危険な体液と考えるべき。犯罪性がない場合でも、男性はおもちゃではなく実際に危険なぶきをもちあるいているようなもの、という事実をもっと当たり前に受け止めるべきだ。
本当に、これ、男子学生に必読書なのでは?

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

女性の妊娠から出産に至るまでのリスクについて。性行為について「危機回避する」には男性の方が低リスクで高リターンなのに、社会的にも女性側にそのリスクがより高く背負わされていたり、ケアが蔑ろにされている現状を鋭く批判する。
堕胎の話では、女性に責任があるような論調が繰り広げられがちで男性は不在になりがちである。
前述の通り、より避妊が低コストで容易な男性側の責任について「射精責任」という言葉で迫る。

一個一個はうっすらと理解しているつもりでも、このように対比され整理されると、性行為のリスクについての負荷、リスクヘッジのアンバランスさについて考えさせられる。

書籍にのつくりについては、キャッチーさ、インパクトさが強く出てしまっていて、もう少し「射精責任」という言葉の示すところが発散していってしまう気がするのが少し勿体無いか。

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

『射精責任』

赤の表紙にデカデカと書かれたゴシック体に、男性はビビリ、女性は我が意を得たり、と、大きく頷くのではないだろうか。
私は、このまるで古来からあるような説得力ある四文字熟語をはじめて見たとき、いろいろ腑に落ちた。
もちろん、この言葉は古来からあるわけではない。

今までは、望まない妊娠の責任は妊娠させられた女性のほうが負ってきた。今までは。

アメリカでは妊娠中絶に反対するプロライフ派と、女性の妊娠中絶に賛成するプロチョイス派が激しい舌戦を繰り広げている。
そこに、そもそも論を持ってきたのがこの本の著者ガブリエル・ブレアである。

‘’そもそも、妊娠の始まりって男性の膣内射精ではないか‘’

だったら、コンドームを正しく着ければ、望まぬ妊娠の先の中絶も大幅に減らせるのではないか。
エビデンスを元に、コンドームをなかなか着けたがらない(家父長制も関係あるそう)男性に『射精責任』を自覚させていく。

彼女いわく「望まない妊娠の責任は100%男性にある」

ガブリエル・ブレアは6人の子を持つ敬虔なモルモン教徒でプロチョイス派なのだそうだ。
説得力のある言葉を男性に向けて口を酸っぱくして繰り返している。

読んでる内に、本書は‘“女性による男性のしつけ本”に思えてきた。

私がもし、本書を読んだ、最近彼女ができたばかりのジェームス・フランクリン君(仮名・14歳)だったらこう言うだろう。←どっから出てきたジェームス

“オッケー、ガビー、ぼくは絶対セックスするときはコンドームつけるよ”

内容もだけれど、本のレイアウトもインパクト大。

翻訳は村井理子さん。
解説は社会学者の齋藤圭介さん。




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2023年12月22日

Posted by ブクログ

日本で果たしてこの本が受け入れられるかどうか?
と一瞬思うほどのインパクト!赤い表紙に大きいポイントのゴシック体で書かれた見出し。
しかし、書かれている内容は極めて当たり前、コロンブスの卵のような発想の内容だった。

そうだ、そうなのだ。
プロライフ派とプロチョイス派の中絶を巡る議論の衝突は、女性の選択の問題として語られがちだが、望まない妊娠のための中絶に女性を追い込んでいるのは、確かに男性である。あったり前田のクラッカーだった笑

なぜそれが議論されなかったのか?
読み終わって改めて不思議な気分だ。

作者ガブリエル・ブレアは6児の母でありモルモン教徒だという。そういう自身の保守的とみなされやすい属性を逆手に取って発言したのは確かに意義があると思う。
このような女性が存在するところがアメリカの強さだ。

映画「バービー」は韓国と日本ではヒットしていないそうだ。東アジアの儒教的イデオロギーの強い国で、この本がどのくらい受け入れられるか、疑問に思う部分もあるが、ジェンダー意識だけはゆっくりと確実に変化している。この本が提示した問題もゆっくりと確実に浸透していくと信じたい。

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2023年09月25日

Posted by ブクログ

中絶の是非を議論する前に、なぜ胎児と女性"だけ"のしか出てこないか、男性の責任はどこ行った?そもそも射精しなきゃ妊娠しないよね、なら男性が避妊しよう。と言う内容をズバッと言い切ってくれているのでなかなか気持ちいい。
男性は射精をコントロールできるけれど女性の排卵はコントロールできない。それならば男性が避妊した方がベストだ、と言うのもたしかに納得できる。
運転する時には男女問わずシートベルトを当たり前に付ける様に、避妊も女性ばかりでなく男性も当たり前にできる様な世界になればいい。ボリュームも程よいので性教育本としても良いと思った。

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2023年09月22日

Posted by ブクログ

警告色の表紙に惹かれて手に取った本。そしてセンセーショナルなタイトル。

…アメリカはこんな男性が身勝手なんか…?そんな印象を抱いてしまった。しかし、数はともあれ、日本にだって身勝手な人はいるだろう。

そもそも射精がないと妊娠はできない。
排卵はコントロールできない。
射精はコントロールできる。

もちろん、理性がぶっ壊れてるだろうから必ずしもコントロールできるとは思ってない。

ただ、女性の排卵に比べたら間違いなくコントロールはできる方。
そのことは覚えておこう。

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2023年09月19日

Posted by ブクログ

妊娠出産という現象においては、男女間で理不尽なほどの負担の違いがある。
そして望まない妊娠の原因は大抵男性側にあり、その責任を背負い行動しなければならない。

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2023年09月08日

Posted by ブクログ

赤ちゃんを産んで遺棄した母親が逮捕された、こんなニュースを耳にするたびに、なぜ父親は罪に問われないのだろうと、ずっと疑問に思っていた。
「中絶議論の出発点を動かす」これは、言われてみれば当たり前のようで、でも今まで誰も口にできなかったことだ。
著者の勇気と、この本を手に取ってくれる男性に敬意を表します。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

望まない妊娠は全て男性のせい。
これをなぜか女性にも責任を負わせる社会が存在している。
そこに斬り込んでいく本。

読みやすいというか、読者が強い意識を持っていなくても読めるような作りになっていて、イヤイヤ読む男性も読者像として想定しているのかな。

コンドームは女性用避妊具、避妊薬に比べて手に入れるのも使うのも簡単だし、全く知らなかったけど、精管結紮術、いわゆるパイプカットは高い確率で元にも戻せるそうだし、男性側で出来ることの方が簡単。

なのにそこらへんも含めて女性に責任を持たせるのはいけないよね。と頭ではわかっていても、いざ、という時に我慢できないのが男。だから、そのいざ、より前に色々準備しておかないといけないのだ。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

 フェミニズムの書かと思ったけれど、その範疇にとどまらない内容だった。人工中絶に伴う母体の負担、リスクを繰り返し説き、その発生原因は無責任な射精だと。

 確かにその通りだと理解できる。SNS由来の短い章立てで、納得の内容なのでわかりやすく記憶に残る。あとは機会にあたって実行するのみだけど、そんな機会ももうないと思うとちょっと寂しいアラ還の春。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

誰もが頭では理解していたけど、言葉にしなかったこと。全米騒然かどうかは知らんが。極めてファンダメンタルな事実を、ド直球ど真ん中に言ったことが評価されるべき。こんな言葉は流行ればいいと思う。

・・・。
本としては、ちょっと、くどい。

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

タイトルやその中身として語られる内容に興味があって読んでみた。
ただ、原著の副題が、中絶についての新しい考え方だったようで、正直それが書いてあったら読まなかったかもしれないのでその副題は落とさないでほしかった。
とはいえ、この問題がなぜ大きな問題なのかの背景を解説でしっかり書いてくれていたので、総合すると読めてよかった。

内容的には副題通り、中絶を減らすためには、中絶に対する考え方の立場の違いによる、生命尊重派(プロライフ)と選択権尊重派(プロチョイス)と言った議論ではなくて、そもそも望まない妊娠を起こさないようにする、そしてそのためには責任ある射精が必要、という話だった。

あとは責任ある、というのが、快楽追求目的ならパイプカットするとか、あるいは潤滑剤とコンドームを選りすぐっていくとかをして、男性側で打てるべき手を打つ、そうした手を打たないのは双方で妊娠したいと思って中に出す時だけ、というような話だと理解した。

それほど分厚くないし、今当たり前になっている女性側の負担について思いを巡らせるのに良い書籍だったと思う。

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2023年07月22日

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