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Posted by ブクログ
「イラク人質3人」の著作を読んだ中の最後。3人の中で一番現地に詳しく、イラク人とコミュニケーションを取れた人物だったが、当時のマスコミからは執拗なバッシングを受けた。
3人とも人質となっている間の描写はほぼ似通っており、3人ともが誇張をせずにそれぞれの視点で目の前の出来事に驚き、絶望し、希望を捨てないように祈った日々のことを正確に理解することができるだろう。
「人質救出」のために現地に向かった政治家と官僚、警察の人々などの発する言葉は、当時の国内の「世論」によって裏付けられた常識的な言葉だった。しかし、人質側で流れた時間とその間の感情を追体験した後ではもはや「常識」とはなりえない感じを受ける。
マスコミの作り出す虚像と、真に自分の主張を世の中に問いながら行動する人々との乖離を実感せずにはいられないだろう。
2008.1.21-22