【感想・ネタバレ】上野先生、勝手に死なれちゃ困ります~僕らの介護不安に答えてください~のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

面白くて一気読み。対談形式でシリアスな内容を展開しているのだけれど、テンポのよいコントのよう。信頼しあっている様子が微笑ましい。介護、年金、社会保障、少子化。これを読んだら、他人事ではいられなくなる。歴史に学び、他国に学び、よりよい方に向かえるようにできることをしなくては。社会学って面白い。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

六十代の上野千鶴子先生と二十代の古市院生の対談。若者らしく正直な答えに、上野先生のすぱっとした質問。介護問題や世代間問題がよく分かる。

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Posted by ブクログ 2014年05月10日

刺さりまくりで怖い。
独り立ちしたくない20代。しかし親の介護という現実はだんだんと近づいてきていて、それに対して漠然とした不安を感じている。それは即ち、現代という社会に対する不安である。
老人みたいに欲望が小さく、目の前の幸せを追い求め、先のことには漠然と不安を感じる。そんな20代像はまんま自分に...続きを読む当てはまる。
親の介護という問題が極めてリアルに、ざっくばらんに書かれていてすごく参考になった。
社会全体の問題にまで言及している名著。

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Posted by ブクログ 2013年10月03日

遠くない将来の当事者として、かなり真剣に集中して読んだ。
手元に置いて、いつでも読み返したい本。
うちの親が、まさに団塊の世代の典型的な親であり、私は子育ての失敗作。
まったりとした生活がイイなんて、のほほんとしてる場合じゃない。
動かなきゃ。

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Posted by ブクログ 2013年08月23日

古市さんのよくも悪くも正直すぎる文章に惹かれ、彼の著書をすべて読破しようとして購入した本だったが、まさに自分も親の老いを感じ始め直面している問題で、一気に読んでしまった。介護不安に関してのみならず、現代社会が抱える問題について、まったく異なる世代の社会学者二人が対談しており、世代によってここまで考え...続きを読む方が違うかと面白かった。はからずも、最後の上野先生から古市さんへの手紙は、愛が感じられ、涙がでそうに。ためになる本だった。

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Posted by ブクログ 2013年06月16日

世代によって考え方の違いが良く分かる本でした。

印象的だったのは、上野さんが古市さんに「親より先に死にたいと思ってない?」という話をしていたところでしょうか。
あと、自分たち団塊の世代は子育てを間違えたというような事を話していたことも印象的でした。

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Posted by ブクログ 2013年01月02日

20年前から僕がずっと私淑している上野千鶴子先生。昔はフェミニズムや近代社会での共同体をテーマとした社会学者として名を馳せていたけど、今は高齢化社会や介護問題の第一人者。「おひとりさまの老後」がベストセラーになったことは記憶に新しい。
その上野先生が若い学生と対談した本を出したと聞いて調べてみると、...続きを読む相手はなんと今をときめく若手社会学者の古市憲寿君だった。これは面白いに決まってると即入手。(と言ってもこの本の存在を知ったのは発売して1年も後ですが・・・。)

本書は、タイトル通り介護問題について現在の状況と今後の展望について対談形式で語ったもの。対談形式と言っても古市君はほぼ聞き手で、上野先生に直球の質問を投げる役。この役、簡単そうに見えてかなり難しい。ある程度の社会学のバックグラウンドが無ければ的を射た質問はできないし、逆に読者を置いてけぼりにして「なるほど、分かりました」と納得されても困る。そのポジション取りが絶妙で、話の流れの中で読者が訊きたいと思ってることをしっかり訊いてくれる。前書きの通り、社会学者として、そして現代の情けない(?)若者代表として、両方の立場で介護という大きな問題に挑んでいる。素晴らしい人選だった。
上野先生は相変わらずの上野節で、かつて女性がフェミニズム運動で自らの地位を自らで勝ち取ったという自負を持っているだけに、今の若者がじれったくて仕方ないのがとても伝わってきた。その上で若者にエールを送る。未来はそんなに暗くない。君らも頑張んなさいよ、と。

そして内容は、まさに目から鱗、知らないことだらけで驚いた。僕もいいかげん介護問題が他人事でなくなる年代なのだが、あまりの無知さを恥じるとともに、この本に出会えて本当に良かったと思った。とくに介護保険についてと、介護の現状。上野先生らしく極めて冷静に、介護にまつわる数多くの実例とデータを紹介しながら世間の誤解や偏見を解きほぐしていく。古市君は古市君で、「2人に1人」という負担を背負う宿命にある彼らの世代の代表として、将来に向けてどのように戦略を立てて遂行すべきか上野先生に教えを請いつつ、自分の社会学者としての役割を考える上で一つのヒントを見つけていたようだった。彼の今後の活躍に期待したい。

ということで、とにかく介護問題について知りたければまずこの本を絶対に読むべし。そして親子兄弟に読ませるべし。
発売は2011年だが、僕が読んだのは2012年初頭。そして2012年度断トツのマイベスト。

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Posted by ブクログ 2012年11月18日

年齢差30歳余りある二人の対談集。上野さんは言うまでもない名の知れた社会学者ですが、昨年既に大学院教授の仕事をリタイアしています。社会の第1戦からは退いた形で、団塊の世代の旗手である自分の老後はすでに研究者生活でレールを敷いたようなもの。一方対談のお相手の古内君は弱冠26歳、大学院に籍を置いている一...続きを読む応社会学者(この表現は彼自身の表現です)という立場の団塊の世代ジュニアの年若い方に位置するまさに見た目も今どきの若者。彼は著書もあるしメディアの露出度も高いのでよくお見かけします。故に、この二人がこのテーマでする話ですから、興味が湧かないわけはなく、会話文で読みやすかったのでするすると読めました。上野さんはおひとりさまの老後でも持論を展開するのに分かりやすい砕けた表現を使うので、シビアな内容でも笑えるのですが、この本でもそんな表現が満載、聞き手の古内君に講釈する様子はとても面白いものでした。古内君は「絶望の国の幸福な若者たち」で主張したように今の時代に生まれたことに不満はない、しかし将来の不安がある、そんな彼の不安は何なのかということを上野さんは順を追って聞き出して、将来の処方箋を考える手助けをします。この対談で古内君が親が死ぬのが怖い・・・いかに自分が大人になりたくないかわかったといっていますが、私たちの年代の若い時もモラトリアム人間なんて言う言葉が流行ったなあと思い出しながら、今は家族ぐるみで一体化してモラトリアムを生んでいるのだと感じました。つまり上野さんがいうように「大人になりたくない子どもと、大人にしたくない親との利害が一致。親の方も一人前になりきれなかったので、子どもを一人前にしないでお互いにしがみついている。」・・・果たして、問題を先送りしても何も解決しませんね。

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Posted by ブクログ 2012年10月14日

同い年の古市さんだからか、親への視点や感じる不安感が驚くほどに似ていて、上野先生にぶったぎられて討ち死にするというマゾヒスティックな快感を共有しながら読み進めた。親の介護という直視しがたき現実をざくっとなめてコメントしてくれている。

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Posted by ブクログ 2012年10月07日

世の中なんでこんななのか、こんなふうにすっきり読み解いてもらえると嬉しい。自力でこういう思考ができるようになりたいものです。

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Posted by ブクログ 2012年07月26日

ほんとうは☆5をつける内容じゃないとは思うのだけど、本全体にあるエネルギーにおされた。あとがきの手紙でなぜか泣いてしまったくらい。新書で泣かされるとはびっくり。

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Posted by ブクログ 2020年11月28日

メモ
第1章 不安を分節しましょう
第2章 介護の不安…目指すは老化のソフトランディング
第3章 介護保険?…足りないようにできている
第4章 自分の将来…百姓ライフをめざす
第5章 政治の不安…現在日本は家族主義>少子化
第6章 若者の不安…不満ハードルさげて要求する能力
第7章 弱さを認め...続きを読むることから始まる…機会集合の研究者

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Posted by ブクログ 2019年01月25日

『海外旅行とか車が欲しいとか、欲はないのか?』
『会社でのし上がっていこうとか思わないの?』
今の生活に満足して、まったりとした日々を送る息子をみていて、いつも不思議に思っていました。
若者よ、それで良いのか?!と。
この本を読んだところによると、これからの世の中は、どうやらそれで良いらしい。。。
...続きを読む何かにつけうっかりバブル世代の癖が出てしまう私や、バカの一つ覚えのように『原発再始動』『景気上昇』しか考えてない財界の偉い人達の方が
これからの世の中の形をちゃんと理解できていないんだろうな。
『幸せだから政治運動なんてしない』という古市君に、
『もしそうだとしたら、そのまま文句言わずに滅びていただくしかないですよ』と答える上野先生(笑)
お世辞も建前もない二人の本音の会話が
本当に面白くこれからの生き方を考えるのに大いに役に立ってくれそうです。

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Posted by ブクログ 2018年10月15日

『おひとりさまの老後』(文春文庫)や『ケアの社会学』(太田出版)で、老いや看護の問題について論じた上野千鶴子に、当時まだ大学院生だった古市憲寿がみずからの抱えている不安をぶつけるかたちではじまる、対談形式の本です。

近年はすっかり炎上芸でおなじみになった古市ですが、本書ではピエロの役回りを演じて、...続きを読む上野の鋭い洞察を次々に引き出しており、さすがだとうならされました。

漠然と感じていた将来への不安を、一つひとつていねいに腑分けし、具体的な問題へと帰着させられていくので、どこか心が軽くなるような読後感をおぼえます。また、若い世代が日本の社会に希望をもつことができるための道筋まで提示されており、明るく締めくくられていることにも、好印象をいだきました。

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Posted by ブクログ 2014年09月16日

親の介護、という問題は親が元気なうちは実感がわかない。
私もまだ親は介護の必要もないから、実感がない。でも、近い将来にそれは起こってくる。その時に娘である私はどうすればよいのか。
それを考えることは、自身の仕事、結婚、育児、つまり自分自身の将来としっかりと向き合うこととイコールだった。
これまでの安...続きを読む定した雇用も大きく変化している現代。
どのように自身の生きかたを作っていくか。
何も大きな稼ぎがなくても、食いつないでいくことのできるだけの力を身につける。
それが本当に生きていくということ。
社会の仕組みを改めて知ることができました。

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Posted by ブクログ 2013年12月27日

親の介護問題 差し迫った問題だけど 少し 気が楽になったかな。
息子世代の若者の考えてる事が なんとなく解った気がする。
息子と親友になる。。。 そうなれれば いや なりつつあるかな? 

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Posted by ブクログ 2013年08月25日

最近や介護や市民社会についても発言することの多い上野千鶴子さんと、新進気鋭……もとい若手の社会学者とされる古市憲寿さんの対談。話題は自分の親の将来の面倒を見る覚悟のない古市さんに対して、上野さんが介護保険など社会の仕組みを説明しつつ、古市さんの漠然とした不安に迫り、緩和させる相談に乗っているといった...続きを読むところ。
とにかく、古市さんがカッコつけたり知ったかぶることなく、情けない青年っぷり丸出しで上野さんに教えを乞うているのがいい。このくらい地に下りないと、読者は実感をもって上野さんの教えが染み込んでこないだろうから。
介護保険制度はなかなかによくできた制度で、ある程度、下りていく覚悟を持って将来を見据えて生きていけば、いたずらに不安になる必要はないんではないかな。
ややヨコな話だが、古市さんの育った家は、友達のような親子関係で、食事中にケータイいじるのなんか普通の家なのだとか。自分との世代差も感じたし、こういう家だから親に対する責任の持ち方、距離感に迷うのかなとも思った。

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Posted by ブクログ 2013年08月12日

上野千鶴子と古市憲寿の対談集。
基本的には「介護」がテーマなのだが、お互いの専門であるジェンダーや若者論だけでなく、経済、歴史と幅広く議論している。

大学院に入ることを本学のごく一部の先生は「入院」という。この言葉結構広まっているみたい。本書では次のように説明されている。(p.29)

入院……大...続きを読む学院に進学すること。特に文系大学院に進学すると、将来が非常に限定されてしまうため、「入院した」と皮肉られる。一般の病院とは違い、入院したからといって「病気」が治るとは限らず、むしろより病状が悪化する可能性が高い。

団塊世代は親からの援助が得られない人がほとんど。何が何でも歯を食いしばって就職せねばならんという覚悟はあった。スキルがなくても魚をゲットできた時代かもしれないけど、(団塊世代は)親は釣った魚を与えてくれないという予期はあったはず。(p.33)

親が突然死ぬのは珍しい。病気になってジワジワ弱っていく。それに気づかずに(心の準備ができずに)突然親が弱ると驚く。介護するのも大変。その準備のためにも、親と関係を気づくことが大切。「あそこが痛い」と話を聞いているうちに親の介護(どのように死にたいか、老後はどうしたいか、お金はどれくらいあるか)について話をしておくことが大事だと上野はいう。(pp.62-63)
家での食事で各人が違うものを食べたり、一人だけコンビニ弁当を食べたりといった「食卓の崩壊」をセンセーショナルにレポートした岩村暢子『変わる家族 変わる食卓』(勁草書房)が気になる。

最後に考えたいこと。(pp.241-242)

古市:ブラック企業に勤めている人や、非正規雇用ですごい低賃金で働かされている人がいたとします。客観的には不幸なんだけど、本人はその状況に不満を感じていない。その時に「本当はあなたはこんなに不幸なんです」っていうべきなのかどうか。それとも主観的に幸せなら、何の問題もないと放っておけばいいのか。

上野:(略)その余計なおせっかいをフェミニズムはしてきたわね。「あなたは幸せそうな顔をしてるけど、ほんとは不幸だ」っていうことを、たくさんんお女に言ってきたから。そう、やってきましたね。

古市:(略)上野さんの本を読んで不幸になった人も多いと思うんです。たとえば専業主婦とかの人が読んで「こんなことだったの!?」と気づいてしまって、平穏な日常が崩れる、なんてことがあったかもしれない。それはすべきなんですか、しないべきなんですか。

上野:たとえばどんなにつらい現実であっても、まず事実を知ることが必要。それに対処する選択肢が生まれるから。選択肢を示すってことは大事だと思う。(略)選択というのは、知っていて選ぶのと、知らずにそれだけしかなくて選ぶのでは、大きな違いがある。たとえ結果が同じになってもね。


(まっちー)

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Posted by ブクログ 2013年03月28日

正社員が期待できないこれからの社会、これからはいろいろ複数のことで細々と稼ぎ、小金をかき集めて生きること、という上野千鶴子のコメントがいいなと思う。

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Posted by ブクログ 2013年01月10日

団塊世代と若者世代が抱える不安が対談形式で書かれ、介護に関する話題を中心にこれからどうやってこれらの世代が生きていくかの示唆を与えてくれる。

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Posted by ブクログ 2013年01月06日

親世代と子世代のギャップがはっきり。ただ個人的にはソフトランディングする必要性をあまり感じなかった。

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Posted by ブクログ 2012年10月14日

そろそろ親の介護のことちょっと考えとかなきゃいけないけど、介護保険って何?という人や、なんとなく今の若年層って割食ってるよね?って思ってる人などにお勧め。これだけ世代の離れた対話だがお互いの差を認めて理解したうえで真摯に対話し、最後には親友になっています。

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Posted by ブクログ 2012年08月25日

古市さんの知識の殺し方に好感を持ちました。
ちゃんとバカなふりをして聞けるのがインタビュアーの能力ですもんね。
ほんとうは頭いいのに。

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Posted by ブクログ 2012年07月25日

本文は、1985年生まれの古市氏が、親の介護に対する漠然とした不安について、1948年生まれの上野氏に問いかけるという対談形式になっているので、読みやすいです。「はじめに」の代わりに、対談の端緒となった古市氏から上野氏への手紙、「あとがき」の代わりに、対談を終えた上野氏から古市氏への返信を載せていま...続きを読むす。
 対談は、親子関係が変わっていくことへの不安から始まり、介護だけにとどまらず、若者問題にまで及びます。上野氏と、古市氏の価値観の相違も見事です。
 介護保険制度とその利用方法について理解していない古市氏のために、制度利用についてもわかりやすく説明していますので、親の介護についてどう考えたらいいのかわからないでいる子ども世代だけでなく、漠然とした老後の不安を抱えている中高年にも読んでいただきたい良書です。

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Posted by ブクログ 2016年10月31日

非常にためになりました。
この社会を作り上げた人たちの思惑とかがよくわかりました。
問題点がはっきりしているのに解決できない政治絡みの権力争いとか一筋縄ではいかない社会の動きとか…社会学って面白いなぁと思いました。

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Posted by ブクログ 2015年01月31日

上野千鶴子・古市憲寿「上野先生、勝手に死なれちゃ困ります」光文社新書

上野千鶴子と古市憲寿の対談を書籍化した著書。

テーマは副題のとおり「僕らの介護不安に答えてください」。

団塊ジュニア世代にあたる古市氏が抱く、団塊世代の親の介護に対する不安を上野氏にぶつける。

話は介護の話をきっかけに、家...続きを読む族のあり方、親子の関係性、弱者としての若者と女性の共通項、世代間格差…と展開する。

最後に上野氏は、研究者として若者としての古市氏(あるいは当事者意識の低い若者)に対してこう述べている。

「あなたをつかんで離さないものが、あなたの問題。ウザい、とかムカつく、とかいう感情を大事にしたらいい。まさにそれに気づくことからはじまるんですよ。」

身近で些細なことに幸せを感じ、現状に満足するよりも、身近で些細な苛立ちや憤りに気付き、それを分析し、改善に向けて行動を起こすことが大事らしい。

世界を変えるか
自身を変えるか

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Posted by ブクログ 2013年01月18日

介護に関して上野さんと古市さんの2世代による対談本。親の介護そして自分が介護される側になった時の社会はどうなっていくのか、自分はどうしていくべきなのかを考えるきっかけとなる本。それぞれの分野である若者論や女性学からの視点が色濃く出ている。"外部に対しては手を差し伸べよっていう動きになるけど...続きを読む、肝心の自分たちの集団にはむかない"になっている私はやっぱり"不安はあるが不満はない若者"の1人なんだろうなぁと思った。

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Posted by ブクログ 2015年05月11日

自分が社会的弱者だと認めるのは、決して弱さではない
「それどころか、自分に助けを求める権利があるという強さなのよ。その強さが、男にはない」と上野千鶴子先生は言います。本書では20代の社会学者、古市憲寿が両親に死なれるのが怖いと身も蓋もなく吐露していますが、実際、団塊ジュニアは女性化、あるいは老人化し...続きを読むている?しかし親を介護する自分を想像できない、さらに当事者意識はゼロ、ゆえに孤立を恐れて群れはするが、連帯するというところまでいかない。上野先生の世代には運動癖があって、やたらとつるみ団結し政治的な声を上げていた。男女雇用機会均等法、介護保険の成立、被災者生活再建支援法等々、エゴイズムやルサンチマンがきっかけかもしれないが、それだけでは運動は成就しないし、昨今のネットを介した島宇宙の散在は、運動以前の承認の共同体として自己目的化し、その根をとだえさせている。多くの若者がまったりとあきらめつつ、いやしを求めて社会から遊離しがちとなり、「じゃあ、50代や60代になって、高齢の親に死なれてから、愕然とハードランディングをして当事者になるわけね。そう、大人になるのが50代なのか」と上野先生が言うような事態を招来しかねないのだ。
少子化と超高齢化社会における気分は皆若者現象の蔓延。ゆっくりと衰退していく日本。これをある種の成熟社会の姿と見てもいいのか。それは既得権益にどっぷりつかっている人たちと、それには縁のない人たちとに分かれる階層社会なんだろうけど、後者の下流、あるいは周辺の人たちが緩やかに社会関係資本を形成していければ、別段経済大国でなくとも幸福な日本になるのでは。そのためにはもちろん、古市クンの言うようにウザいとかキモいとかムカつくっていう気持ちから始めて、当事者性を見失わずにその輪を広げていくことが大事。結局、「幸せっていうのは、自分一人では成立しえなくて、少なくとも自分の周りにいる人間が幸せであることが、自分の幸せに関わってくる」のだから。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年08月16日

上野先生の痛快な物言いにすっきりする。それに比べて、古市氏の何でもネガティブに捉えたり、甘ったれた言葉にいらっとする。本気でそう思っているのか、それともわざと読者向けに?
残念ながら鼻持ちならない奴と思ってしまった。

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Posted by ブクログ 2012年09月09日

団塊世代とジュニア世代の対談、若者は当事者意識をもって自らの制度を勝ち取るべし

何でも知っている神サマ老師、若者を励ますの図。

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