【感想・ネタバレ】ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たちのレビュー

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Posted by ブクログ

息子が今風に言うとギフテッド(もういい大人)なので第一章はひたすら共感しながら読んだ。我が子の話かと思った。
思春期の頃は対人関係で上手くいかないことも多く、わがままに見える性格的なものかと思っていて、親としてもしんどかった。

ここ最近「息子はギフテッドである」と確信したら(検査の数値含む)、今までの生きづらさに全て納得し、なぜそういう発想になるのか、そういう行動をとるのかが納得出来るようになり、息子に対する向き合い方がやっとわかってきた感じ(未だに親も振り回されて大変)。

でも息子は常に脳がぐるぐる働いているから日々クタクタで、相変わらず生きづらそうで大変だろうな、一生そうなのかな、自己理解を深めて上手にコントロールして生きてくれればなと、強く思う。能力が上手に社会とマッチすれば良いのだが、幸福度が非常に低くて自殺率も高いゾーンである事は間違いない。
(でも息子の周りの人は彼にそんな特性があるなんて誰も思っていないはず、ちょっと変わっているただの友達の一人。話しの理解力が飛び抜けて高いので、話しの理解展開が早くて楽だが脳内見透かされていると感じる事もある)

日本人の「出る杭は打たれる」という同調圧力の強い国民性はギフテッドにとって生きづらさを倍増させる非常に厄介な環境(現在海外在住であるが、まだそこが適正であるかは模索中)
「放っておいて欲しい」と言う第一章の大人の女性の言葉にただただ共感。
(子供はまた別であろうか、教育の難しい部分)

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

第一章がとくに印象的だった。
5人の当事者たちそれぞれの、生き生きとした悲痛な叫びが感じられた。


学校での支援の話題では、支援のために診断基準を設けることが生徒の線引きにつながり、逆に差別意識を生むということが興味深かった。
あらゆる隠れた才を輝かせることができる教育の形に到達することは可能なのだろうか?

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2023年10月18日

Posted by ブクログ

すごい人らの紹介、日本のギフテッド教育の歴史と現状/課題、海外事例の紹介など新鮮な話ばかりで面白かったです。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

ギフテッド(高IQ含む)の解像度が上がり、また自分の理解不足を痛感した。

ギフテッドというワードにはポジティブで恵まれた存在という印象が強かったけど、殊に日本ではその同調圧力の強い教育体制から疎外感や不適応を生じさせてる現状があると知った。同学年との話の噛み合わなさや物足りなさっていうのは、自分の中と周りからの孤立感を際立たせるのだな。

国のギフテッド支援政策が、その異能ゆえの困難を支援するという方向性であること。これには賛否色々あるだろうけど、才能を選抜して伸ばす方策では学力競争を加速させる懸念はその通りと思う。その先のある種の成功した人生が約束されている盲信に捉われそう。そういった意味では、まずは個人、社会の理解度を底上げすることが大切なんだなと感じる。

障害者支援に比べての遅れが指摘させているが、そこの線引きがどうなっているのか、2E(Twice-exceptional)はどう正しく把握され才能の部分にはどのような支援が行われているのか。障害者支援の現状も勉強してみたいと興味が拡大していくのだ。

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2023年07月15日

Posted by ブクログ

朝日新聞の連載記事をまとめた本。高IQの人はある領域で特異な才能を発揮する一方で生きづらさを抱える事が多いといいます。特に興味深く読めて共感できたのはインタビューの部分。授業の辛さ、生きづらさは何となく重なる気がしました。ギフテッドに興味がある方におすすめ。

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2023年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

教育に関する本ですが、制度にも絡むかなともう一段上のジャンル、社会に分類。
ギフテッドの子供の判別を、学校現場で先生たちができるように研修や知識を得てもらうような方法を指導するというような対処を今後していきたいという話が後半で出てくるのですが、現実的には今は無理なのではと思いました。また、地域差や先生のスキルなどによって偏りがかなり出るのでは、とも思いました。
現状の学校は人手不足で、昔に比べて「オカミの顔色」を伺うような無駄な(と言い切ってしまうが)仕事量がものすごく増え、さらには特別に指導が必要な子供が増え(発達障害が広く認知されたことによるところもあるそう。現役の先生が言ってましたが)、授業そのものにも子供たちにも十分に手をかけてあげられる余裕がないそうです。
そんな中でさらに特別な才能がある子供を見出して、才能を引き出すような指導へ受け渡せと言われてもできない先生のほうが多いのではないかと思います。
著者がギフテッドについて「ようやく光が当たった」と書いていますが、ここに紹介されている一部の子供はその光の中でうまく育ててもらえるかもしれませんが、全国的な話で言えばギフテッドの子供に対して何ができるのかというのはまだまだ及んでいないでしょう。そもそも見出してもらえてない子供がきっとたくさんいるように思います。

まず、学校の先生方がもっと余裕を持って子供たちに向き合えるような状況を作り出すことができなければ無理な話と思います。
それは、ことギフテッドの子供たちだけの話ではなく発達障害や愛着障害の子供たちに対してもそうでしょう。
先生方にギフテッドの判別をしてもらうと言うならば国はまず、先生という仕事のブラック化を改善するところから始めてほしいと思いました。

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2023年08月05日

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ギフテッドだからといって、必ずしも幸せではないことが分かった。ギフテッドと分かるまでの苦悩。周りの子と興味が合わない。深い思考力。

また、本に出てきた聾者でIQ130の方。聾者なのに頭がいいと妬まれる。

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2023年07月25日

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書籍としての白眉はギフテッド当事者の生の声を拾い、日常生活で触れることのない(触れた実感がないだけかもしれないが)彼らの置かれた状況をつぶさに知ることが出来たこと。

公教育の問題というばかりでなく家庭内での扱いも考慮すれば、精神的な生きづらさが多くの病名で明示されるようになった昨今においても、一様には捉え難く、また受け入れがたくもあり、神話的な偶像の側面ばかりでなく広く知られるようになればと思う。

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2023年07月09日

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ギフテッドという属性名称は単なるIQスコアと、それを診断した場合に生じるものなので、IQ以外の能力の状態はその優劣も多様だし、IQスコアが高いことが表面化せぬ事も多い。ギフテッドの名称を得ている、という事は何かしらの原因でIQ診断を受けた人である。更に、受診の動機は「生きづらさ」である場合が多いので、ギフテッドは生きづらいというイメージが仕上がり易い。受診せず、故にギフテッド認定されず社会的成功を得ている人が多いのも事実。そう考えると35人に1から3人ギフテッドがいる、と言う本著の記載も納得できる。また、アスペやサヴァン、発達障害と混同され易い理由も分かる気がする。生きづらさ起点での診断ゆえ、だ。

そのため本書には「生きづらい」ギフテッドが数人登場し、リアルなギフテッドの生活を語るのだが、一応前述のバイアスを理解した上で読み、それなりに生きづらさへの理解が進む。厄介なのは社会通念や同調圧力、多数派の中間層と共に生きることの疲労感、退屈さだ。常識が違う。護送船団方式のような学校教育では、同じ話が繰り返されたり、分かりやすさのために寓話化された説明の論理矛盾がノイズになって耳障りだし、ほとんど話の通じない同級生がモンスターのように立ちはだかる。

ギフテッドじゃなくても、生きづらさはある。知能が高すぎる事の生きづらさや逆に知能が低い事の生きづらさは、「多数派からのズレ」である。社会はボリュームゾーン目掛けて設計される。だとすれば、多数派に属する中間層の人たちは生き易いはずではないのだろうか。しかし、今度は逆に、多数派はその集団内での序列化や奪い合いの原理で生きづらい。競争の射程から外れる事が奪い合いからの脱出方法になるが、脱出するという事は「ズレる」という事だ。

つまり、ズレても疲れ、ズレなくても疲れる。社会性生物ゆえの因果が、誰しもを疲れさす。そして、平等に万人に疲れをギフトした挙句、根拠のないギフテッドごっこに耽る。

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2024年04月14日

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高IQの人は発達障害と勘違いされたり周囲から浮いて苦労しがち。だが高IQの子を探し育てるエリート教育を行えば社会全体を歪ませかねない。何故ならIQは訓練で上がるものだから…というのは上手く言えないけど希望を感じる話でもあるなぁ。
大戦末期に日本でもエリート教育が行われていたのも知らなかったし、その選ばれた子供の中に藤井裕久がいたのも知らなかった。本筋関係ないけど、米国では既に完成させている新兵器を作れるよう中学生に勉強をさせている、という事実に腹が立ち情けなかった、と藤井氏が語っていたのが印象的だった。

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2024年02月25日

Posted by ブクログ

こういう人たちがいるんだって知ることはとても重要だと思う。
でも一方で、ギフテッドとそれ以外という線を引いてしまうのも苦しむ人が出てきてしまう気がする。ギフテッドという分類があることで救われる人もいると思うけれど、もっと人はグラデーションであることをみんなが受け入れられるようになったら、と思う。

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

ここでも同調圧力が個をつぶす。ギフテッドの子どもたちだけでなく、それぞれが持つ才能をそのまま発揮できる社会を…才能あるゆえのトラブル、悩みに抱えている子に支援を…掛け声は勇ましいが、処方箋は難しい。

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2023年09月23日

Posted by ブクログ

学校に馴染めないけど、何か才能があるような子をよりよい環境で才能を伸ばしていくようなプロジェクトがあるのを、テレビ番組でみたことがあったのですが、この本を読んで頓挫したことを知った。確かにその番組を見ていたとき、逆に「自分たちは特別なんだ」っていうような他を落とすような方向になるんじゃないかっていう思いはもった気がする。ただ違う形で、学校に馴染まない子たちの支援は継続されているそう。

戦時中のエリート教育の話は、初めて知った。

人には色んな特性があるんだと、私も大人になって色んな情報をみることによってわかったくらいなので、多くの人がまずは「知る」ということからはじめなきゃいけないのではないかなと思う。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

感想
埋もれないようにするために。僕ら凡人ができるのは足を引っ張ることではない。手を引いて光の下に連れ出すこと。嫉妬ではなく尊敬を。

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2023年05月22日

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